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30代の悩めるファッション・ライフスタイル日記

30代のパパが、インポートファッション、インテリア、雑貨などのこだわりのライフスタイルについて綴るブログです。

il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショーに参加っ!:採寸編

こんにちは!
本日は、とうとう!?自身初の靴のス・ミズーラ(ビスポーク)をすべく、2月24日~26日にかけてSharonさんにて開催されておりました、久内淳史氏によるil Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショーに参加させて頂きましたので、ご紹介させて頂ければと思います。
il Quadrifoglio_トランクショー2017SS


それでは、参りましょう。

■溢れ出る色気
まず初めに、正直に申し上げますと私個人としての好みの靴のスタイルは、英国靴にあります。メンズファッションにおけるトラディショナルの聖地であり、スーツ発祥の地ともされる英国の紳士靴は、まさにシンプルでベーシック。

”中庸の美”とでも言いましょうか、英国靴の持つスタイルは、質素過ぎるわけではなく、かと言って華美なデザインでも無い。

そして石畳にも負けない堅牢性を備え、長く使い続けることを前提としてリペアが容易なグッドイヤーウェルト製法を採用している英国靴は、よく質実剛健と評される事がありますよね。

たまに遊びたくなる事もございますが、ドレススタイルにおきましては「最高の普通」をベーススタイルに添えたいと考えている私にとりましては、まさにドンピシャでハマってくるのが英国靴の持つスタイルと造りなわけです。

そのような中で、ドレススタイルに合わせるレディメイド(既製品)の革靴であれば、英国靴の持つ特徴をベースに持ちながら、佇まいによりエレガンスな雰囲気をまとったジョン・ロブ(パリ)がお気に入り。
JOHN LOBB(ジョンロブ)のDARBY III(ダービー3)_⑧

メインとなります7000番のラストは、ヒールこそ若干の緩さを感じなくは無いですが、それでも紐で調整出来る事を考慮しますと心地良く過ごすことの出来るラストの1つです。

その一方、今回トランクショーに参加させて頂いた、il Quadrifoglio(イルクアドリフォーリオ)の職人である久内淳史(きゅうないあつし)氏の持つベーススタイルは、色気溢れるイタリア靴。

その略歴は以前「il Quadrifoglio(イル・クアドリフォーリオ)がトランクショーを開催!」と言う記事にて記載させて頂きましたが、イタリアが世界に誇るス・ミズーラ(ビスポーク)のシューメイカーを代表する1人である、フィレンツェの天才ロベルト・ウゴリーニ氏に師事していた事からも明らかですし、久内氏ご本人もやっぱりイタリア靴のデザインが好きと仰っておりました。

日本は今や世界に誇れる程の水準の高い靴職人が存在する国の一つだと思うのですが、その多くの方が、どちらかと言いますと英国靴のスタイルをベースに持っているように感じます。

だから、と言うわけでは無いのですが、イタリアらしいグラマラスで色気溢れるスタイルを持つイルクアドリフォーリオの靴は、その存在が特に際立っているように感じていたのでした。

そして前回シャロンさんで開催されたイルクアドリフォーリオのトランクショーにて実物の靴を見て、色気と存在感が凄かったエキゾチックレザーを使ったローファーやシンプルなのにただならぬ雰囲気を放つホールカットなんかは、英国靴好きの私ではございますが、是非造って頂きたいなぁと思うほどゾクゾクする感覚があったことは事実です。

それでも今回はこのタイミングでまさか私自身がトランクショーに参加させて頂くとは全く思っていなかったのですが、”たまたま”Sharonさんに訪問させて頂いた日が、イルクアドリフォーリオのトランクショーの初日だったのです。。これ、本当です。(笑)

そこで、改めてイルクアドリフォーリオのサンプルシューズや、オーナーK氏が久内氏に仕立ててもらったと言う靴を見るにつけ、その”溢れ出る色気”に吸い寄せられるかのように、気付いたら靴を脱いで久内氏に採寸をして頂いている私rm55がいたのでした・・・。(汗)

と言うことで、今回は完全に予定外のアクシデント!?ではありましたが、自身初の靴のス・ミズーラ(ビスポーク)にチャレンジするべく、久内氏に採寸を頂きましたので、その時の様子を簡単にご紹介したいと思います。

■イルクアドリフォーリオ 久内氏による採寸風景
さて、何歳になっても初めての経験と言うのはドキドキ、ワクワクするものですが、靴をス・ミズーラするための採寸も私にとりましては初めての経験ですので、心躍らせながら参加させて頂きました。

まずは専用の採寸シート!?の上に立った状態で足をのせて、特殊な器具を使って足形を取っていきます。つまり、私の足の平面データを取っていくと言うわけですね。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編①

そして平面のデータが一通り採れますと、今度は立体データを取っていくわけです。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編②

採寸する箇所も微妙のその位置をずらしながら、細かく足のデータを採取していきます。だいたいの1回の採寸で片足20か所以上はデータを取得するそうですょ。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編③

時には足を触りながら、何か気になることがあったりしますとオーダーシートの脇にメモ書きがなされます。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編④

日本人は欧米人に比べると甲高だと言われますが、私も例にもれず、日本人の典型的な甲高な足だったようです。これまで何人もの足を見てきた、まさに足のプロフェッショナルである久内氏。その久内氏を通して、自分の足を改めて知っていくような感覚は、自分の足ながらとても不思議な体験でした。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編⑤

もちろん右足だけではなく、左足のデータも取得します。ほとんど全ての人が右と左で差異があるのが普通だそうですが、私も若干サイズに違いがありました。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編⑥

そして、立った際のデータだけではなく、座った際のデータも取得し、立った時とのデータの差異を書き込んでいたのには驚きました。確かに足への体重の乗り方が変わりますと、足のサイズも若干変わってきますよね。このあたりの細かなデータ採取が、極上の履き心地であると言うイルクアドリフォーリオの靴作りにいかされているのでしょうか!?
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編⑦

そして完成したデータがこちら。なんだか自分の足に関する情報が包み隠さずオープンにされてしまったようで恥ずかしいのですが!?(笑)、ここからどう言った工程を経て世界に1つだけの私の靴が出来上がっていくのか、とても楽しみです。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編⑧

もちろん!?最後には記念写真を取らせて頂きましたよ。久内氏は背が高くてスタイルが良い上、ご覧の通りイケメンです。よって、一緒にフレームにおさまるのは恐れ多かったので、私にはモザイク処理を。(笑)
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー2017SS_採寸編⑨

今回は上述しましたように、ちょっと飛び込み的な感じでの参加となってしまいました。よって、次のご予約の方の時間もありましたので、あまり久内氏とゆっくりとお話をする時間は無かったのですが、それでも興味深いお話が多々ございました。

英国やドイツの靴と、イタリア、フランスの靴との間にある靴づくりにおけるアプローチの違いについてや、今後裾野が拡大!?する可能性もある、3Dプリンタによるラストメイキングに対するお考えや、久内氏が採用する伝統的な手法である木を削ってラストメイキングを行うことへのこだわり。

私は服以上に靴につきましてはど素人のため、短い時間ながら非常に興味深くお話を聞かせて頂きました。

なお、前回Sharonさんで開催したトランクショーでは20足以上ものオーダーが入ったと言い、これは海外でもトランクショーを開催しているイルクアドリフォーリオとしては世界一のオーダー数だったようです。

と言いますか、そもそも有名な百貨店やセレクトShopにおいて著名なシューメーカーがトランクショーを開催したとしても、だいたい5、6足のオーダー数が一般的で、2ケタはもちろんですが、20足以上と言う数は考えられない数値だそうです。そんなこともあり、前回のイルクアドリフォーリオのトランクショーでのオーダー数には、ビスポークシューズ業界でもちょっとした話題になったのだと言うことを、久内氏も顧客さん!?から聞いたそうです。

そんな多数のオーダーを頂いたと言うこともあって、久内氏は寝る時間をかなり削って今回作業をこなされてきたようで、採寸を頂いた際に、その脇には前回のトランクショーでオーダーされたお客様の仮縫いの靴の箱が山積みにされておりました。

また数か月後には、同じくSharonさんにてトランクショーが開催されると思いますので、ご興味のある方は是非チェックされてみてください。私は、次回のトランクショーでは仮縫いとなりますので、その時を首を長くしながら待ちたいと思います。

ちなみに、どんな靴をオーダーしたのかは、次回の仮縫い編をお待ちくださいませ。(笑)






海外のサルトを日本でス・ミズーラ(ビスポーク)する方が良い理由!?

こんにちは!
本日は、先日「SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに参加!:仮縫い編」と言う記事でお送りさせて頂きました、サルトリアソリートのトランクショーに参加させて頂く中で感じたことをテーマにお送りしたいと思います。

そのタイトルは、「海外のサルトを日本でス・ミズーラ(ビスポーク)する方が”良い”理由!?」です。

それでは早速まいりましょう。

■海外のサルトを日本でス・ミズーラすることのデメリット!?
さて、私は先日イタリアはナポリのサルトリアであるサルトリアソリートのトランクショーに参加させて頂いたわけですが、開催された場所は日本の東京、南青山に店舗を構えるセレクトShopであるSharonさんの店舗です。
シャロン店舗

一般的に、海外のサルトリアのス・ミズーラ(ビスポーク)を本国以外の国で注文することのデメリットとして挙げられるのは、「価格の高さ」ですよね。

その価格の高さの要因の1つが、「経費」の違いです。

当然ながらイタリアのサルトが自らの工房で注文をとるのと、日本に赴いて注文を取るのとではかかる経費が大きく異なります(※)。例えば、日本に来る場合は自らの工房で注文を取る際にはかからない交通費や宿泊代(必要な宿泊数)が必要になるわけですし、移動される職人さんたちの時間的経費!?なんかも考慮する必要がありますね。
※イタリアから距離的にも近い英国ロンドンなどでは、ナポリに近い金額で注文が出来るようです。

よって、一般的には本国で仕立てるよりも高額になってしまうことから、日本のトランクショーで仕立てるよりも本国に行って仕立てた方が良い(安く注文出来る)!と言うご意見を持たれる方が多いと思います。

しかし、経済的観点だけに論点を絞ったとしても本当にそうでしょうか!?

通常のス・ミズーラ(ビスポーク)であれば、①採寸、②仮縫い、③中縫い、④納品と言う、大きく分けても4回程工房に行く必要がありますね。特にイタリアのサルトにつきましては、②仮縫いから③中縫いにかけて精度をグッと上げてくると言われておりますから、これらは非常に重要な工程なわけです。

それでも、④納品は(修正が無いと言う前提で)わざわざ行かないでも郵送対応が可能だ!と言うご意見もあるかと思いますし、少し長めに滞在して、①採寸と②仮縫いを1回の滞在で行い、後は③中縫い時のみ訪伊すれば2回分の交通費で納まる!と言うご意見もあるかと思います。

ただ、2回もイタリアに行きますと飛行機代だけでも20万円は超えてくると思いますし、ホテル代、現地での交通費なんかも考えますと結構な金額になってきて、本当に日本で仕立てるより驚くほど安くあがるのか!?と言うと若干疑問が残るわけです。

つまり、確かに本国でサルトリアに注文する金額だけを考えば日本より安い!と言うのは事実だと思うのですが、その他経費を考慮しますと、驚くような差はない、もしくは通常の工程を踏んだとしたら、日本で注文するよりも、もっと高くなってしまうのではないか!?と感じる事さえあるわけです。

その上、経済的観点以外にも、ス・ミズーラ(ビスポーク)ですからイタリア語(または英語)でしっかりと意思疎通をはかる事が出来るのか!?と言う点や、仕立て上がった時に思い描くものではなかった際に対応してもらえるのか(修正指示を理解してもらうコミュニケーション力含め)と言った不安な事も多々あるわけです。

そんな事を考えておりますと、海外のサルトを日本でス・ミズーラすることのデメリットは本当にあるのだろうか!?(いや、無いのではないか)と個人的には思うのです。

しかし、本記事のタイトルは、「海外のサルトを日本でス・ミズーラすることのデメリットは無い!」ではなく、むしろ「海外のサルトを日本でス・ミズーラ(ビスポーク)する方が良い」と、積極的に日本で注文することを肯定しております。

よって、Sharonさんで開催されたサルトリアソリートのトランクショーに参加させて頂く中で、私が決定的に日本で注文した方が良い!と感じたことを下記に記述してみたいと思います。

■モデリストと言う機能を買う
さて、皆さまは「モデリスト」と言う言葉をご存知でしょうか!?本Blogをお読み頂ける程服が好きな方々ですから、恐らく聞いたことはあるよ!と言う方も多いのだろうと想像致します。

モデリストとは、『第一義的には、モデル、つまり型紙を作る人という意味』だそうで、もっと言うのであれば、

『デザイナーと相対しながら、原型パターン作成から応用-試作サンプル-最終サンプル-工業パターン作成の全てに関与し、生産現場への指示・説明を行い、最終製品に対して品質・技術面で責任を負う立場にある人』

とは、日本モデリスト協会の公式HPより抜粋した内容です。

まさにスーツやジャケットを仕立てる上で、非常に重要な機能がモデリストであり、ジェンナーロ・ソリート氏もルイージ・ソリート氏も、自らこの「モデリスト」の機能を能力として保有しているわけですが、今回Sharonさんで仮縫いをしている最中に、個人的に感じたことがあったのです。

実は、今回私の仮縫い時にSharonのオーナーであるK氏が横で見ていて、「あと(パンツの)丈を5mm出した方が良いのは!?」とか、「アームホールを若干削った方が良いですね。」と言ったアドバイスを下さっていたのです。これらのアドバイスを踏まえて私はそのままジェンナーロ氏に(型紙・パターン)の修正をお願い致しました。
サルトリアソリートのトランクショー201702_④
※後方に写っているのが、私の仮縫いの様子を見守ってくださっていたK氏

つまり一言で言いますと、(ちょと大袈裟かもしれませんが)K氏が私のスーツのモデリストとしての機能を担ってくれていたわけです。これには非常に大きな安心感を覚えるとともに、日本で、いやSharonさんのトランクショーでサルトリアソリートをス・ミズーラ出来たことの”大きな価値”を感じた次第です。

ジェンナーロ氏もルイージ氏も、Sharonのスタッフさんが一緒に仮縫いを見てくれると言うことに(良い意味で)大変驚いていたと伺いました。なぜなら、一般的にはショップ開催のトランクショーであったとしても、場所貸し的な意味が強く、仮縫いの工程には一切関与しないのが通常だからだそうです。

しかし、私は普段から自分のスタイルをジェンナーロ氏やルイージ氏以上に見て、知っていて下さり、好みも把握している。更に、同じ日本人としての感性を持つK氏が修正のアドバイスを下さったことに、上述しましたように大きな価値を見出しました。

やはり60年以上もこの業界の第1線でご活躍されていらっしゃるサルト・フィニートであるジェンナーロ氏であったとしても、私と過ごした時間はごく僅かであるわけですし、更に極端な例を挙げれば、ミラノの大聖堂と三重県伊勢市にある伊勢神宮を比べれば、イタリア人と日本人との間に大きな美意識の差があることは否めない事実です。

まぁ、それは言いすぎにしても(笑)、背丈こそあまり変わらないイタリア人と日本人ですが、イタリア人は頭が小さくスタイルも良いので、日本人には日本人に合うシルエットが絶対にあり、それはイタリア人のものとは異なると言うように考えております。

正直まだ仮縫いを終えただけで、中縫いはもちろん納品さえもされていないのですが、今回の経験を通して強く思ったこと。

それは、ス・ミズーラ(ビスポーク)の経験が浅く、イタリア語(英語)が堪能ではない私のような方が、もし海外のサルトでス・ミズーラ(ビスポーク)をしようと考えるのであれば、こう言ったモデリストの機能を果たして下さる方がいるショップでのトランクショーに参加し、そこで注文をすることが最も満足度の高い1着が仕上がるであろうと言うことです。

そもそも全身鏡に映したところで、自分でもはっきりと確認が出来るのはフロント部分。横から、または後ろから見た際には全体的なシルエットは自分では見えません(見にくいです)し、角度もありますのでパンツのベストな丈と言うのも若干見にくい。よって自分では良いと思っても、もう少しこうした方がベストだ!と言うことは気付かない場合もあるわけです。

もちろんそれらの修正はサルトリアの職人がデザイナー的機能、またモデリストとしての機能を発揮して本来対応するものですが、日本人の体型に合わせたベストなバランスと言うのは、イタリア人よりも日本人のプロの方の方が分かっているわけですよね。更に、それが日頃見慣れた一顧客であれば、着こなしや好みも把握しているわけですから尚更です。

日本のセレクトShopのスタッフさんの中でも、海外のサルトがトランクショーを開催したい際に常に寄り添ってくれ、適宜アドバイスまでくれる方と言うのはなかなか”稀”な存在であるのかもしれませんが、これぞ私が例え本国よりも高額な代金であったとしても、「海外のサルトを日本でス・ミズーラ(ビスポーク)する方が良い」と感じる最大の理由です。

ス・ミズーラ(ビスポーク)も百戦錬磨、イタリア語(英語)も堪能で、自分で全てを完結できる方は、それこそ本国で仕立てて貰ったほうが経済的にも、満足度的にも高くなるのだと思いますが、そうでは無い方は、是非上述したようなことを頭の片隅に入れて頂くと、日本において高い値段を払って海外サルトのス・ミズーラを行う意味、意義、価値を感じて頂けるのではないでしょうか!?








SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに参加!:仮縫い編

こんにちは!
本日は、南青山にあるセレクトShopであるSharonさんにて先日開催されました、サルトリア・ソリートのトランクショーに参加してまいりましたので、その時のことをテーマにお送りしたいと思います。もちろん、今回は昨年2016年の10月に開催された初のトランクショーにてオーダーしたスーツの仮縫いのための参加です。
sorito-n[1]
Sharonさんの公式HPから拝借致しました。
※昨年開催されたサルトリア・ソリートのトランクショーの記事:
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに参加!(前編)
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに参加!(後編)

それでは、まいりましょう。

■感動の対面
さて、服が好きな方であればサルトリアソリートにかかわらず、スーツや靴等のトランクショーに参加する際には自然とテンションが上がってしまうものだと思うのですが、今回はいつもとはちょっと異なる気分の高揚がありました。

それは、ナポリ、いや世界のサルトリア業界の中で知らない人はいないであろう伝説のマエストロである、ジェンナーロ・ソリート氏が来日され、ご本人に仮縫いを行って頂ける!と言う状況であったからです。

以前執筆致しました、「ナポリ仕立ての最高峰!Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)がSharonさんに降臨!」と言う記事でもご紹介しておりましたが、ジェンナーロ・ソリート氏は6歳の頃から”ヴィンツェンツォ・アットリーニ”のサルトに務めていた仕立て職人の父に師事してこの業界に入り、既に60年以上もこの道にいらっしゃる、サルトの中でも最高位に位置するサルト・フィニートです。

しかも、70歳を過ぎた今もなお現役でナポリのサルト業界でご活躍されていらっしゃることから、いつかはナポリの工房を訪ねて、サルトリアソリートでス・ミズーラ(ビスポーク)をしてみたい!と言う熱い想いをずっと持っていたわけです。

そのような中で、上記記事にも記載しましたように、偶然にも懇意にさせて頂いていたセレクトShopであるSharonさんにてソリートの取扱が昨年2016年のSSよりスタートし、更に昨年末にはSharonさんの3周年に合わせてトランクショーが開催されると言う運びになったわけですね。

正直ス・ミズーラの経験が不足している私にとりましては、サルトリアソリートのトランクショーに参加すること自体若干の不安もあったわけですが、どんなにその道のプロの方であったとしても、初めの1歩はあるわけです。

そうであれば、目の前にある最初の1歩を踏み出せる機会を逃さずにチャレンジすべき!との精神で参加したのが昨年10月。生地選びと採寸時にはジェンナーロ氏は残念ながら来日出来ず、ご子息であるルイージ・ソリート氏に対応を頂いたのですが、今回は上述しましたようにジェンナーロ氏ご自身に仮縫いを行って頂けるとのことで、非常に楽しみにしていたのです。

私は初日の最終時間に予約を入れて訪問したのですが、初めてSharonさんに訪問し、店内に入る時のような緊張感を感じながら店内に足を踏み入れました。そして、既に前のご予約のお客様はいらっしゃらないとスタッフM氏に伺いましたので、不安と期待感を胸に、トランクショーの会場である2階へゆっくりと上がったのです。

するとそこには、包み込むような優しい笑顔のジェンナーロ・ソリート氏がおり、暖かく私を迎えてくれたのでした。なかなかこの年齢になりますと、”感動する”と言う感情が込み上げる機会も少なくなってまいりますので、本当に幸せな瞬間だったように思います。

ただ、夢にまで見たジェンナーロ・ソリート氏とのご対面には私もさすがに緊張してしまい、最初の数分はどこに身を置いて良いのか分からないほど、ソワソワ、アタフタしてしまいました。(笑)

それでも嬉しいことにジェンナーロ氏からその日の私の装いをお褒め頂けたことで笑顔になり、それと同時に肩の力がスッと抜けてスムーズに仮縫いに入ることが出来たのでした。
サルトリアソリートのトランクショー201702_①

それでも後から考えますと、私の緊張感を和ませるために、あえてお声掛け頂いたのかなぁなどと振り返っております。それでは簡単に仮縫いの様子をご紹介したいと思います。

■サルトリア・ソリートの仮縫い
昨年の10月に選んだ生地は、ロロピアーナのグレンチェック。グレンチェックながらイタリアらしい柔らかい風合いを感じる事が出来、更にグレーベースと言うことで極めてベーシックな生地だと思います。
ロロピアーナ_グレンチェック②

まずはパンツから。仮縫いなので厳密な着心地等についてはコメントしませんが、それでも腰回り、ヒップ周りはピッタリでほとんど修正いらず。それでもジェンナーロ氏は前から、後ろからシルエットなどを確認しながら、チョークで所々に手なれた感じで印をつけていたのが印象的でした。
サルトリアソリートのトランクショー201702_②

今回はダブルブレストで仕立てて頂いておりますが、こちらも仮縫いながら絶妙な軽さと美しいシルエットは健在です。日本人の職人さんは仮縫いの時点で、かなり精度の高い仕上げを行ってくることが多いようですが、サルトリアソリートの場合は精度と言うよりも全体のバランスを入念に確認するような感じだったように思います。
サルトリアソリートのトランクショー201702_③

ジェンナーロ氏は体とのフィッティングを触りながら確認し、絞る所、削るところを確認しながらピン打ちとチョークを走らせます。その確認のスピードはかなりのもので、さすが60年以上のご経験をお持ちであることが強く感じられました。
サルトリアソリートのトランクショー201702_④

鏡を見ながらシルエットや生地のあまり具合を確認。時々、もっと絞った方が良いのか!?丈を削るのはこの程度で良いのか!?と言った意見を求められます。ただ、それはお客さんの好みを確認する、と言う感じの聞き方でした。
サルトリアソリートのトランクショー201702_⑤

仮縫い自体は本当にあっという間で、私が現在1着仕立てて頂いている日本人の職人である直井茂明氏の仮縫い時と比べますと、かける時間や確認箇所や方法など、だいぶ違う感じだったことが印象的でした。

個人的にはこれらのアプローチの違いが、どのような形で最終的な仕上がりに影響してくるのか、こないのか、とても興味がございますのでそのあたりも楽しみにしたいと思っています。

なお、今回のサルトリアソリートのトランクショーは平日含めて3日間開催されたのですが、昨年オーダーした既存のお客様の仮縫いの他にも、新規のお客さまが多く、かなり慌ただしい3日間だったと後日スタッフの方からお伺い致しました。

これからは3日間じゃ足りなさそうとのことで、それだけ多くのお客様が集まり、オーダー数が入ること自体凄いことですよね。また数ヵ月後には中縫いがございますので、それまで楽しみに待ちたいと思います。

■おわりに
さて、本当にあっという間で夢のような時間でしたが、とても良い思い出になるであろう素敵な時間を過ごさせて頂きました。

オーナーであるK氏やY氏からもお話は伺っておりましたが、ジェンナーロ・ソリート氏は紳士的かつ、丁寧で誠実に仕事をこなされるお姿がとても印象的で、サルト・フィニートと言う職人としてはもちろんですが、人として、人生の先輩としても心から尊敬出来るお人柄であると強く感じました。

自らの工房を持った当初こそ、顧客がつくまではとても苦労したそうですが、その後は現在に至るまで安定的にサルトの経営を行ってこられたと伺いました。それはもちろん仕立て職人としてのセンスや技術が多分にあることは間違いないのですが、それに加えて良い仕事をお客様に届けたいと言う真摯な姿勢と高貴な人間性こそ、長きに渡って多くのお客様から支持される所以ではないか、と個人的には思ったのでした。

どんな仕事であっても一番重要なことは、「信頼関係」。

お話を伺いながら改めてそんなことを強く感じましたし、人ととして、また一ビジネスマンとして、ジェンナーロ・ソリート氏、ルイージ・ソリート氏の姿勢に見習うべきことが多いように思いました。

最後になりましたが、素晴らしい時間を頂きましたジェンナーロ・ソリート氏とルイージ・ソリート氏、コーディネートをしてくださいましたMさん、そして今回の機会を提供して下さったSharonのスタッフの皆さまには心良い御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。そして、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
サルトリアソリートのトランクショー201702_⑦








アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)!:直井茂明氏 From Sharon

こんにちは!
本日は、ちょっとした隠しネタ!?をご紹介したいと思います。

現在、エスコリアル・ウールの生地を使って直井茂明氏(インスタグラム:sartorianaoi)にスーツを仕立てて頂いていることは、「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり」と言うシリーズ記事で!?本Blogでもご紹介させて頂いております。
・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:採寸編
・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:生地編 ESCORIAL(エスコリアル) 王家の羊
・「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:仮縫い編
・「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編

スーツの方は中縫いを終え、現在納品待ちの状態です。一応今月中に納品の予定ですが、ご多忙な直井氏によると若干ずれ込んでしまうかもしれない、と言うお話も伺っております。

まぁ、自分自身へのクリスマスプレゼントになるか、お年玉になるかの違い!?だと思っておりますので、焦らずに楽しみに待ちたいと思っているのですが、実は私、スーツのみならず、コートもス・ミズーラ(ビスポークの意)をさせて頂いておりました!

先日スーツの中縫いと同時に、コートの仮縫いも行っておりましたので、ご紹介差し上げたいと思います。
それでは、まいりましょう。

■生地はLoro piana (ロロピアーナ)のヴィンテージカシミアをセレクト!
さて、コートも基本的にはスーツと同じ工程を経て、ス・ミズーラは進んで行きます。ただ私の場合は、お願いをしたのがスーツとほぼ同時であったために、「採寸」におきましては着丈のみ、確認の意味で採寸し、他はスーツの時に採った数値を使ってコートの仮縫いに入って頂いております。

そして、今回生地としてセレクトしましたのは、サブタイトルにもございますようにLoro piana (ロロピアーナ)のカシミア100%。ヴィンテージ生地と言うことで、同じものを現在手に入れるのは困難です。

実はこちらの生地、劇的な再会!?を果たしての発注だったのです。

まず最初の出会いは2015年暮れ。直井氏のBlogに入荷の情報が上がっており、とても魅力的に感じていたのですが、瞬殺のごとく売却済みに・・・。こう言う出会いは”ご縁”ですから諦めていたのですが、なんと年明けの今年の1月に、再度1着分のみ入荷したとの記事が再度アップされているではありませんかっ。

しかも、ちょうどその際タイミングよく!?、Sharonさんに訪れておりまして現物を確認。こげ茶のヘリンボーンのヴィンテージカシミア100%は、美しく輝く、独特のぬめり感に加えてとても柔らかい表情。極上の心地良さに加えて、目付約500gながら重さを全く感じさせない表情に吸いこまれてしまいました。
Loro piana (ロロピアーナ)のヴィンテージカシミア100%生地①

ヴィンテージの生地は一期一会。一度は結ばれなかったものの、奇跡的に!?出会えたこの”ご縁”を大切に、と言うことで(笑)、しっかりとコートを発注させて頂いていたのでした・・・。
Loro piana (ロロピアーナ)のヴィンテージカシミア100%生地②
※生地の画像は、直井氏のBlogより拝借しております。

■モデルは、アルスターコート!
そんな、極上の生地を使って仕立てて頂くのは、アルスターコート!

ちょうど直井氏のBlogに先日上がっておりましたので、画像を拝借してご紹介したいと思います。ちょっと暗いのですが、こちらはオーナーであるK氏が仕立てたダブルのアルスターコートです。かなりしっかりと打ち込まれたゴールデンベールのカシミヤ生地で、手荷持ちますとそれなりの重量感を感じます。
直井茂明氏_アルスターコート①

それでも羽織ると重量感を感じさせない仕立てに感動し、昨年K氏に試着させて頂いた際に、いつかは同型でオーダーさせて頂こうと密かに決めていたのです。
直井茂明氏_アルスターコート②

ちなみに、アルスターコートとは1860年代に登場したオーバーコートで、アイルランド島にあるアルスター州で着られていた厚手の紡毛織物にその由来を持っていることから、そのように呼ばれるようになったと言われております。その大きな特徴としましては、上衿と下衿の幅がほぼ同じ、または上衿がややワイドなデザインになっていることでしょうか。

カチっとした正統派のチェスターコートに比べますと、少しばかりリラックスした表情を持っており、ドレススタイルはもちろんですが、オフの際にも使える懐の深さが魅力的です。

私はチェスターコートやポロコート、トレンチコートなどの形は既に所有しているのですが、アルスターコートは持っておりません。そんなこともありまして、次にワードローブに向かい入れるとしたら是非アルスターコートを!と思っていた矢先に滅多に出会うことの出来ない!?魅力的な生地と出会ってしまいましたので、仕立てて頂くことにした次第です。

■アルスターコートの仮縫い
そのような背景を持ってス・ミズーラをさせて頂いた、自身初のアルスターコート。

ブラウン系ではスティレ・ラティーノのポロコートも所有しておりますが、スポーティな起源を持ち、色もやや明るめのブラウンですのでスタイルとしてはカジュアルより。その一方、今回セレクトしたロロピアーナの生地はこげ茶かつ、カシミアの上質感が漂いますのでドレッシーにも着こなすことができそうです。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_①

目付は500gとそれなりにしっかりと打ち込まれておりますが、それを仕立てるのは直井茂明氏。もちろん柔らかい表情を持ったコートを仕立てて頂いております。ご覧のように、袖の表情もフワッとした空気感を感じます。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_②

今回K氏のアルスターコートから少しいじって頂いたのが、バックのデザインです。シャマットの時と同じ、バックプリーツを入れて頂き、クラシカルな表情にして頂きました。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_③

着丈は膝あたりに調整頂きました。長めの丈がトレンドですが、私の場合は背が高くありませんので、バランス的には膝上あたりでとめて頂くのがちょうど良いかなと思っております。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_④

全体的に少しシルエットを絞るような方向でご調整頂きましたが、スーツも同時並行で仕立てて頂いていたからか大きな修正はなく、微修正で中縫いのステップに移行出来ました。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_⑤

年初の記事におきまして、今年の買い物計画のポイントとして「ス・ミズーラ(ビスポーク)」を挙げておりました。ただ、まさか自身でもスーツとコートをス・ミズーラ頂くことになろうとは全く予想もしておりませんでした。それでも、今回はスーツ、コート共になかなか出会うことの出来ない生地で仕立てて頂いておりますので、これも”ご縁”かなと思っております。
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_⑥

もちろんヴィンテージ生地で仕立てるのが良い!と言うわけではございませんょ。バンチブックから「これはっ!」と言う生地と出会えることも、同じようなワクワク感、ドキドキ感があると思いますので、そんな自分にとって唯一無二の生地との出会いを楽しみに、皆さまもサルトリア(テーラー)の門を叩いてみてはいかがでしょうか!?
アルスターコートをsumizura(ス・ミズーラ)_⑦

さて、コートの納品は来年になってしまいそうですが、大人になって貰えるお年玉の感覚で!?こちらもスーツともに楽しみに待ちたいと思います♪








su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編

こんにちは!
今年の頭に直井茂明氏(インスタグラム:sartorianaoi)にお願いをしておりましたsu mizura(ス・ミズーラ)のスーツ。本日は「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編」と言うことで、仮縫いから3週間程度が経過し、先日中縫いを行って頂きましたので、その時の様子をご紹介したいと思います。
・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:採寸編
・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:生地編 ESCORIAL(エスコリアル) 王家の羊
・「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:仮縫い編

それでは、まいりましょう。

■ビ・スポークの意味
さて、今回は中縫いと言うことですが、仮縫いの時に比べますとグッと完成系のイメージが出来る仕上がりとなっておりました。まずは仮縫いの時同様、パンツから試着します。仮縫いの時と比べると少しワタリを削って頂き、心無しかスッキリしたシルエットになった感じが致します。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編①

パンツはもともと完成度が高かったので、今回はワタリを削った修正の確認程度で終わりましたが、相変わらず、まるでパンツを穿いていないかのような穿き心地の良さには、今回も感動致しました。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編②

続きましては、ジャケットです。仮縫い時から、今回の中縫いにて一気に完成系に近づいた感じがするのがジャケットでした。ラペルの幅や表情、バルカポケットの位置、フロントカットの開き方など、ヴィジュアル面でのイメージが仮縫い時から具体化されて目の前に現れます。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編③

ジャケットは仮縫い時からの修正を結構行って頂いたのですが、今回は肩に乗る感じが半端ではありません。綺麗に自分の体にフィットして荷重が分散しているからだと思うのですが、重さを全く感じないのです。ジャケットでここまでの感覚を覚えたのは正直初めてで、改めてス・ミズーラ、そして直井氏の仕立ての凄さを身を持って体験致しました。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編④

実は以前、国内を中心に様々なテーラーで仕立てられた先輩(シャロンさんの顧客様)から、「(直井さんのスーツを)着たら驚くと思うよ。」と言われていたのですが、この中縫いの時点で、そのお言葉の意味をはっきりと理解することが出来ました。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑤

ラペル幅は10cm。数値だけ聞くと迫力があるのですが、実際は主張し過ぎず、絶妙なエレガントさを醸し出します。腕もフワッとした柔らかさでボディについており、ス・ミズーラならではと言うことで、腕の太さに合わせて腕もやや細めに設定してもらいました。もちろん、運動性能を犠牲にすることはありませんので、肩、腕を動かしても違和感を覚えることはございません。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑥

パターンはもちろんですが、背中、腕へのイセ込みが、抜群の気心地を生み出す秘密の1つです。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑦

そして、イセ込みの”量”も大切ですが、イセ込む”場所”も大切だと言うことで、そのあたりは職人さんがどのようなご経歴の方に師事され、またご自分のご経験の中でどのような改良をされて来たのか、と言う点が如実に現れる箇所かもしれません。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑧

中縫い時は必ずしも袖をとってアームホールの確認をするとは限らないようですが、今回は少し広げて頂いていたので、確認の意味も込めてチェック頂きました。仮縫い時はかなり攻めたフィッティングになっておりましたが、ニットなどを挟むことも想定してご調整頂いた結果、ちょうど良い感じにご調整頂きました。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑨

中縫いはビジュアル面の確認はもちろんですが、納品に向けての最終フィッティングを確認する重要なプロセスです。肩、腕を動かしてみたり、腕を動かした際にアームホールがつっかからないかを確認したりと、職人さんだけではなく、着る側にも自分の感じたことを職人さんにしっかりと伝える技術が求められる気が致します。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑩

そのプロセスはまさにビ・スポーク。職人さんだけ優れていても最良のスーツは仕上がりません。やっぱり着る側も色々と経験を積み、的確に自らの(好みも含めた)感覚をフィードバック出来て初めて、本当に(自分にとって)最高のスーツが仕上がるのだと、今回の経験を通じて、そんなことを強く感じた次第です。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑪

■仮縫い、中縫いと言うステップを踏む意味
本Blogをご覧頂いている方であれば、今回直井氏にお願いしたス・ミズーラ(ビスポーク)が私にとって初のス・ミズーラである、と言うことはご存知の方が多いかと思います。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑫
※Sharonさんに許可を得て、撮影をしております。

よって、「仮縫い」「中縫い」と言う、言葉ではそのプロセスを理解はしていても、実際に経験するのは今回が初めてでした。そして今回経験する中で感じたことは、「仮縫い」と「中縫い」と言うプロセスが2回あることの意味、そして重要性です。

まず、2Dだった生地が「仮縫い」の時点で自分の体に合わせて3D化し、スーツのカタチになって目の前に現れるわけですが、この時は採寸時にとった数値と、職人さんが把握したクライアント(今回は私rm55)の体型のクセを踏まえて、名前の通り「仮縫い」として上がってくるわけです。

直井氏はお若いですが、既に15年程にもなるご経験をお持ちのため、私が当初想定していた以上に、「仮縫い」時のフィッティングと言いますか、完成度が高かったのは事実です。

ただ、それでも削ったり、出したりと、ジャケットを中心に、より体型にフィットさせ、可動性を高めるべく、細かい修正が入りますし、私個人の好みのヴィジュアルやフィッティングに関する要望だって発生するわけですね。
su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:中縫い編⑬
※Sharonさんに許可を得て、撮影をしております。

そう言った修正点、クライアントの要望を踏まえて、「中縫い」にて精度を高めた、より完成系に近いものが出来上がってくるわけです。今回経験した限りにおきましては、特にジャケットは「仮縫い」と「中縫い」とでは、全くの別物のような感覚がありました。イメージとしては、「仮縫い」時点では少しぼやけていたピントが、「中縫い」時点では、シャキッとピントが合ったような感じです。

もちろん「中縫い」でも若干の微修正は発生しておりますが、それでも複雑な人体の曲面にあわせて生地を構築的に構成していくわけですから、「仮縫い」と「中縫い」と言うステップを踏むことの意味、意義が今回の経験を通して少し、勉強出来た気がします。

次回はいよいよ納品!と言うことですので、納品され次第、この「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり」の完結編もお送りしたいと思います。なお、納品は、来月12月だそうですよ。それまで、首を長くして、楽しみに待ちたいと思います。