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30代の悩めるファッション・ライフスタイル日記

30代のパパが、インポートファッション、インテリア、雑貨などのこだわりのライフスタイルについて綴るブログです。

Sartoria Naoi(サルトリア ナオイ) di Sharon By 直井茂明:スタイル編

こんにちは!
前回ジャケットの画像を中心にご紹介させて頂いた、直井茂明氏によるスミズーラ(ビスポーク)のスーツ。本日は直井氏に仕立てて頂いたスーツのスタイルに着目しながら、その主な特徴につきまして素人なりのコメントを交えながら見ていきたいと思います。
Sartoria Naoi(サルトリア ナオイ) di Sharon

それでは、まいりましょう。

■Sartoria Naoi(サルトリア ナオイ) di Sharon By 直井茂明
今回は既にご紹介差し上げました通り、FOX & BROTHERS(フォックスブラザーズ)のエスコリアル・ウールのフランネル生地にて仕立てて頂きました。目付は360gmsと結構しっかりとした生地ですが、ミディアムグレーであることや起毛した素材であること、そして何より軽い仕立てであることから重量感を感じさせない軽やかな佇まいであると言うのが、最初に持った印象です。
直井茂明氏_スミズーラ⑯

ゴージラインは高く、ラペルはややワイドで、フロントカットに流れるように弧を描いて流れ落ちていく様は、ナポリのサルトリアに見られる特徴の1つですね。そして肩幅は腕の稼働を楽にする為か、やや内側に入っております。
直井茂明氏_スミズーラ③

ショルダーのラインはとてもナチュラルで、フワッとした袖付けも直井氏のスタイルの特徴です。また、袖は内側に振れてついている前肩仕様のために、腕の稼働が至極スムーズ。ショルダーラインはラペルと並んでスーツの印象に大きな影響を与える重要なパーツだと思うのですが、ウエイトのある、しっかりとした生地であってもこの表情ですから、よりライトウエイトの生地ともなれば、尚のこと軽やかな雰囲気となりそうです。
直井茂明氏_スミズーラ④

首筋に沿うように曲げられたゴージライン。私が所有をしているジャケットの中でもかなり高めの位置からスタートしているように思います。合わせているのはチリエッロ製のリングヂャケット・ナポリのカッタウェイカラーのシャツですが、カラーの中央付近からゴージが伸びていることからも、そのゴージの高さがお分かり頂けるかなと。
直井茂明氏_スミズーラ⑬

フラワーホールはディアドロップ型で、縫製の美しさは私がこれまで見てきた中では間違いなくトップレベル。日本人の職人さんのホールの美しさは、手仕事の本場であるイタリアはナポリにいる熟練の職人さんであっても驚くレベルではないでしょうか!?ラペルのダブルステッチもかなり良い感じで、生地とマッチしています。
直井茂明氏_スミズーラ⑤

チェストのヴァルカポケットはやや上付きな印象です。また、緩やかに弧を描きながら右肩上がりに傾斜しており、チェストに沿うように切れあがっている形状であることも特徴の1つでしょうか。
直井茂明氏_スミズーラ⑥

フロントのダーツはフィレンツェのサルトリアに見られる、脇から斜めに入ってくるスタイルです。今回は無地のためにその恩恵をあまり受けておりませんが、チェック柄を使った生地で仕立てますと、フロンントから見た時に柄がずれないので、非常に美しい表情を魅せてくれるのではないでしょうか。
直井茂明氏_スミズーラ⑩

ヴァルカポケット同様、フロントのポケットも人の体が中に入った際に美しく見えるように、背中側に向かって緩やかに傾斜をしておりますね。直井氏のジャケットは動きやすさを追求するために人の体に極力沿うような仕立てとなっているのですが、その際、表に見えてくるラインが綺麗に見えるようにコントロールされているように思います。
直井茂明氏_スミズーラ⑫

肩から腕にかけてのシルエット。上腕筋付近にゆとりがあるように見えますが、私が着用しますとぴったりと腕に沿う程の細さ。もちろん腕の稼働に支障をきたさない範囲での細さですので、何かを犠牲にしているわけではございません。
直井茂明氏_スミズーラ_23

釦はナット釦。もちろん水牛など色々選べるのですが、まずは直井氏のスタイルで1着仕立てた頂きたかったので、直井氏に色や素材はお任せ致しました。すると、「自分の仕立てにはナット釦が最もしっくりと来ると思う」と言うことで、チャコールのナット釦に決まりました。ちなみに、かなり渋くてお気に入りです。
直井茂明氏_スミズーラ_21

袖の釦数には特段スタイルがあるわけではないようでしたので、今回はスーツと言うことで4つに指定しました。本切羽で仕上げてありますが、釦の大きさとホールの大きさのバランスもとても良いですし、何しろ釦ホールが美し過ぎます。
直井茂明氏_スミズーラ⑨

こちらはサイドから見た画像ですが、前身頃がやや長めで、後ろ身頃に向かって若干切れあがっていくスタイルです。このようにすることで軽快感や若々しさが出てきますし、脚長効果が期待できる点も、ザ・日本人体型の私には嬉しいですね。もちろんヒップはしっかり隠れる着丈を確保してありますので、クラシックの範疇を大きく逸脱することはありません。
直井茂明氏_スミズーラ_22

もう1度ショルダー付近まで視点を上げてみたいのですが、ご覧のようにマシンでは入れることの出来ない量のイセが背中、肩にかけてたっぷり入っていることが分かります。私の体が中に入ると綺麗にこのシワが伸びるのですが、ハンガーなどボリュームが無いものが中に入りますと、このように生地の余りが顔を出します。
直井茂明氏_スミズーラ⑱

また脇下の背中側にも腕や肩の運動量を確保するための生地の余りが見られますね。このあたりはサルトリアソリートなどと全く同じ表情です。
直井茂明氏_スミズーラ⑰

それでは次は、パンツを見てみます。

今回はややゆとりを持ったシルエットにして頂きました。とは言え裾幅は17.5cm。私は背が高くはありませんので、あまり裾幅が太いと短い脚が更に短く見えてしまいます。(泣)よって、私の体型を考慮の上で、最適なバランスでご調整を頂きました。パンツも直井氏が仕立てておりますが、アイロンワークで見事にS字に曲げられていることが分かります。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ①

私はス・ミズーラ(ビスポーク)であれ、パターンオーダーであれ、仕立てて頂く際にはいつもワンプリーツにしておりますので、今回も例外なくワンプリーツの仕様です。ダブル幅はいつものように4.5cm。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ②

もちろんパンツも手縫いですので、随所にみられるステッチやブリッジには手縫い感が出てきますが、モーラの吊るし(既成品)であるレ・スパーデのような、”いかにも手縫い”と言うビジュアル的な要素が強いわけではありません。手縫いならではの甘さはありつつも、どちらかと言うとスッキリとしたクリアな表情のように感じます。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ③

フィット感を高めるパンチェリーナ仕様。外からは見えない中の造りも非常に丁寧に作りこまれており、レスパーデのようなざっくり感は全く感じられませんでした。(笑)日本人のルーツ!?である縄文人。その縄文人が作っていたと言う縄文土器も、外からは見えない内側にまで綺麗に縄の模様が付けられていたと言いますから、見えない所にも手を抜かない丁寧さは日本人のDNAによるものなのかもしれません。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ④

フラワーホールやジャケットの釦ホールのように外から見えることのない、パンツのホールもこの美しさ。ステッチも細かく、とても丁寧な手仕事が見てとれます。こういうプロの仕事を見るにつけ、私ももっと丁寧に自分の仕事をこなしていかないとなと思うのであります。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ⑤

股部の縫い合わせ。外からみても、きっちり感が伝わりますね。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ⑥

直井氏の手仕事には、丁寧とか、美しいと言った表層的なことよりも、プロとしての魂、職人としてのプライドのようなものを強く感じます。ただ、ガチガチの真面目さではなく、程良く力の抜けた風合いも同時に持ち合せているように感じるのが個人的にはツボだったり致します。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ⑧

パンツの仕立てで興味深く感じたのは、ヒップ側に入るダーツでした。レ・スパーデやナポリのサルトリアの多くが2本ほどダーツを入れているのですが、直井氏の仕立てでは斜めに1本ダーツが走るだけでした。
直井茂明氏_スミズーラ_パンツ⑦

以前クラシコイタリアとは全く関係のない日本人のパタンナーの方でしたが、「ダーツを入れれば立体的に出来るのは当たり前。ダーツを入れずに、いかに立体的な造りを実現できるのかが、パタンナーの腕の見せ所なのです。」と言うことを仰っておりました。今回あえて1本、斜めにダーツを入れているあたりにも、直井氏の職人魂や美意識が感じられるポイントのように思いました。

と言うことで、私が感じた主な特徴をピックアップしながら、駆け足ではありましたが、主観をたっぷりと入れた簡単なコメントを添えさせて頂きました。

■Sartoria Naoi(サルトリア ナオイ) di Sharon のスタイル
さて、ざっとSartoria Naoi di Sharon のスタイルを見てきましたが、これまでのス・ミズーラの工程に関する記事でも触れておりましたように、今回は私の要望を伝えると言うよりは、直井氏のスタイルをそのまま受け入れる形で仕立てて頂いております。よって、袖釦の数やパンツのプリーツと言った細かな仕様を除けば、ほぼ全てが直井氏のスタイルと言っても良いのかなと。

すると、直井氏の持つスタイルは、ナポリやフィレンツェのスタイル、ディティールを取り入れながらも、体に限りなくフィットさせた際にも美しく見えるような数々の工夫が施されている、と言うのが大きな特徴のように感じましたが、皆さまはいかがでしたでしょうか。

ベースとなるのは、恐らくナポリのサルトリアに見られるスタイルかなと思います。そこに、平面を分断するダーツを入れない、もしくは見えにくくして連続性を保つことに美意識を感じるフィレンツェのスタイルをミックスさせていると。

また、着心地を良くするためには極力人体に生地を沿わせることが求められるわけですが、その結果として肩のラインがやや内側に入って来たり、袖付けが前に振ってあったり、アームホールも含めた腕のラインが私の体に限りなく近しいシルエットになってくるのかなと思います。

更に、ヴァルカポケットやジャケットのフロントポケットなどが傾斜しているのは、人体が中に入り、体にぴったりとフィットした際にも美しく見えるようにとのアプローチからのものであり、デザインありきではないと言う感じでしょうか。

フロントダーツについては、以前直井氏からフィレンツェのスタイルが美しいと感じているので取り入れている旨のお話を直接伺いましたが、それ以外は私個人の勝手な推測です。ただ、そんなスタイルやディティールを拝見しながら、職人さんの持っていらっしゃる意図や美意識を紐解いて行くのも、またス・ミズーラの楽しみの1つかもしれませんね。

なお、近いうちに「着心地編」もお送りしたいと思っています。

ちなみに、本記事に書いたことは私rm55による完全に個人的な主観ですので、あまり細かいことは考えずに、ぱっと見て「カッコいい!」とか、「美しい!」と感じたご自分の感性を大切にされて、ス・ミズーラ(ビスポーク)にチャレンジされるのが良いように感じています。






Comment

Yasuyuki says... ""
なんとも着心地の良さそうなスーツですね。
rmさんも仰られていましたが、返り襟からスゥーっと弧を描いて流れ落ちていく様は非常に美しいです。さすがです!
2017.04.03 13:06 | URL | #- [edit]
rm55 says... "Re: タイトルなし"
> Yasuyuki さん
こんにちは!コメントを頂き、ありがとうございます。お陰様で、個人的には非常に満足度の高い最初の1歩となりました!次の生地も決めましたので、また追々ご紹介出来ればと思っておりますよ。

やっぱりラペルの返りが美しいと着ている本人も心地が良いですし、見た目にも目にとまるのでビジュアル面ではとても大切なポイントかなと思っています。そして、Yasuyuki さんから見ても美しいと感じて頂けたことが何より嬉しいです!ありがとうございます^ - ^
2017.04.04 01:27 | URL | #- [edit]

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