ドレスとカジュアルの間で。
こんにちは!
本日は「ドレスとカジュアルの間で。」と言うテーマを掲げながら、先日ご紹介をさせて頂きました、手縫いのパターン・オーダーことサルトリアシャロンにて仕立てて頂いたパンツの着用イメージをご紹介差し上げたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■キャバルリーツイル?いや、カバートクロス
まず、最初に皆さまに謝らないといけないことがあります。それは、前回の記事「旬の生地でパンツを仕立てる!キャバルリーツイル パンツ from Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)」におきまして、仕立てた生地はカノニコのキャバルリーツイルだと記述していたのですが、正確にはCOVERT CLOTH (カバートクロス)になります。
私はてっきりキャバルリーツイルだと思いこんでしまっており、しっかり調べないままに執筆してしまったのですが、読者の方よりご指摘を頂いて改めて確認を行いました。その結果、正確にはキャバルリーツイルではなく、カバートクロスだと言うことで確認が取れましたので、本記事を持って訂正してお詫び申し上げたいと思います。大変失礼致しました。
なお、ご指摘を頂いた読者様も仰っていた通り、キャバルリーツイルはカバートクロスから派生した生地となりますので、生地の組織自体に大きな違いはないそうです。キャバルリーツイルは2本の綾線である一方、カバートクロスは1本であると言うビジュアル上の特徴も事実のようですが、最近では見分けがしにくい生地も存在するようで、総称してキャバルリーツイルと呼んでしまうこともあると言うことでした。
ただ、正確には上述の通り、私が今回仕立てて頂いたパンツの生地はカバートクロスとなります。よって同じ生地で仕立ててみたい!と言う方は、ご贔屓にされていらっしゃる職人さんやサルト、テーラーさんには「カバートクロス」で仕立てたいとお伝えしないと、微妙に異なる生地が出てきてしまうと思いますのでご注意くださいませ!
ちなみに、カバートクロスは狩猟や乗馬等の際に使われるコート地として使われており、一方のキャバルリーツイルは前回記事に記載の通り戦闘時のパンツ用として使われていたと言う背景があります。従って、いずれも耐久性、ハリ、コシがあると言う点は変わらないので、実際にご覧になってみて用途やお好みに合わせて選ばれるのが良いのかもしれませんね。
ご指摘を頂きました読者様、本当にありがとうございました!今後は誤った情報を掲載しないように気を付けたいと思います。
■ドレスとカジュアルの間で。
さて、それではカバートクロスで仕立てて頂きましたサルトリアシャロンのパンツの着用イメージをご紹介したいと思います。
まずはこちら。スティレラティーノのブークレ調のウィンドウペン・カジュアルジャケットにフィナモレのホリゾンタルカラーシャツを合わせ、ジャミーソンズのフェアアイル柄ベストと言うカジュアルな装いに合わせてみました。
靴もパラブーツのカントリーブーツであるSERIGNAN(セリニャン)を合わせていますので、全体的にスポーティな印象。カバートクロスのハリ感や光沢感がそんなスポーティさを程よく抑え、ドレッシーに見せてくれているように感じます。
思った以上にスポーティなスタイルにもはまりそうでしたので、よりカジュアルさのあるスタイリングにもチャレンジ。そんな日のスタイルがこちらです。
バラクータのG9ブルゾン(ウール×カシミア)にルイジボレッリのボタンダウンチェック柄シャツ。そして同じくボレッリのヘリンボーン柄ウールタイ、スリードッツのヘリンボーン柄ウールジレと言うカジュアルフライデーな着こなしに合わせてみたのですが、全体をグレートーンにまとめたこともあって!?意外にもすんなりとハマった気がします。
ちなみに足元にはエドワードグリーンのタッセルローファーと言う、脱力系の靴!?でバランスをとっています。
ゼネコンに務めていらっしゃる現場の方なんかはタイドアップしてブルゾンを羽織り、ウールパンツに革靴と言うスタイルの方をよく見かけるのですが、やっぱり作業用ブルゾンとウールパンツとのバランスに若干のギャップを感じなくもないかなと。そんな時は、カバートクロスやキャバルリーツイルのパンツを持って来てあげると、そんなギャップも解消して!?バランスが整う気もします。
耐久性もありますし、シワにもなりにくいので機能的観点からも作業現場にぴったりですし、客先の定例があってもブルゾンをジャケットに変えれば綺麗なジャケパンスタイルにもなるので個人的には大変おススメです。(笑)
最後は、ドレスよりに振ったこちらのスタイル。アルフォンソシリカのカシミアジャケット(キャメル)にヴィンツェンツォディルジェッロのドレスシャツ、ジュストビスポークのチェック柄ネクタイにジョンスメドレーのカーディガンを合わせ、これにカバートクロスのパンツをセレクト。
足元はイルクアドリフォリオにて1足目にビスポークさせて頂いたホールカットを合わせています。やはり生地の起源がスポーティだけに色や生地にもカジュアルダウンしたものを持って来ておりますが、ネイビーのホップサックジャケットなんかも全く違和感なく合わせられると思っています。
上記のようにいくつかのパターンで着分けてみた感想としましては、カバートクロス(キャバルリーツイル)は完全なドレスではなく、またカジュアル(スポーツ)でもないものの、その”ドレスとカジュアルとの間”を絶妙に行き来することの出来る懐の深さを持っているように感じました。
そんな汎用性の高さに加えて、耐久性やシワになりにくいと言った実用性の高さも兼ね備えており、生地の価格も高すぎないと言う3拍子が揃った!?生地がカバートクロス(キャバルリーツイル)ではないかと思います。
今回は使いやすいミディアムグレーを選びましたが、他の色合いをワードローブに加えても良いかなと感じていますので、気になる方は是非チェックされてみてください!