Gabo ( ジ アーボ ) !?
こんにちはっ!
今日から9月ですね~。もう今年も残り4か月。時間は有限。1日1日を大切に過ごして行かないとなりませんね。
さて、本日は日本”初”上陸ブランドを取り上げたいと思います。
その名も、 Gabo ( ジ アーボ ) っ!
■ナポリ・スタイル
さて、本Blogを長らくお読み頂いている皆さまであれば、私が今季は特にサルトリア物、中でも手縫いの聖地と言われるイタリアはナポリ発のブランドのアイテムを、数多く購入してきたことは既にご存知の通りかと思います。
ガイオラ(現:デ・ペトリロ)をはじめ、アルフォンソ・シリカやレ・スパーデ、ヴィンツェンツォ・ディ・ルジェッロ、フランチェスコ・マリーノ、マリネッラ、そしてダルクォーレなど、数えればきりがございません。
ファッションアイテムと言うと軽々しいのですが、ファッションの文化、そしてスタイルとしてのナポリの魅力は、これまでも何回か記事として取り上げさせて頂きました。
・「ナポリを着て死ね!?:前編」
・「ナポリを着て死ね!?:後編」
・「ナポリ仕立てに魅せられて:ナポリ仕立て ~奇跡のスーツ~」
英国をはじめ、欧州の貴族が一夏のバカンスを過ごすためにイタリアはナポリを訪れ、その一夏を過ごすため”だけ”に、ナポリのサルトリアに作らせたことが始まりだという、通称”アンコン・ジャケット”。パッドなどの副資材を省き、バカンスを楽しむために、極力体にストレスを与えないように考案されたナポリのハンドメイド・ジャケット(スーツ)は、今や世界を席巻しております。
そんな実用性の観点から生み出されたナポリのジャケットは、ナポリ・スタイルなる、一つのスタイルをも生み出し、世界のウェルドレッサー達を魅了しているわけです。
私も、そんな空気のように軽く、職人によるハンド仕上げによる独特の柔らかい雰囲気とスタイルに魅了された、服好きの一人ではありますが、この度、少し気になるブランドが日本に上陸致しました。
■Gabo ( ジ アーボ ) っ!
冒頭にご紹介したのは、実はブランド名。Gaboと書きますと、「ガボ」「ガーボ」などと呼びたくなりますが、「ジ・アーボ」と読むようです。名前の由来は、現在ブランドの党首を務める、GIANFRANCO氏とGIUSEPPE氏、二人の頭文字である「G」と、イタリア語でスーツを意味する「ABITO」に由来し名付けられたそうです。
実は、知る人ぞ知るファクトリーブランドなのですが、「Loro Piana」や「Stefano ricci」をはじめ、トップクラスのメゾンの下請けとして、その仕事をクオリティを高く評価されているブランドなんです。
前身は、1950年に両氏の祖父がナポリで創業したサルトリア。祖父はナポリのサルト協会のメンバーでもあり、オールハンド(丸縫い)をを専門とするサルトだったようですが、祖父のサルトを引き継ぎ、両氏がより近代的な設備を導入し、工場を設立したのが1994年。上述したようなブランドの下請けとして十分な実績を積み、満を持して2013年に彼らがデビューさせたのが、「ジアーボ」と言うわけです。
デ・ペトリロ(旧ガイオラ)も、ナポリの職人の手仕事を、マシンをミックスさせながら良心的な価格で実現したブランドとして知られておりますが、ブランドとしてのアプローチは近いようにも思います。
ただ、少し違うとしたら、ジアーボは、職人の手仕事の作業をより多く残している、という点でしょうか。デ・ペトリロは着心地に影響を与える箇所がハンド仕上げ、という特徴をもっておりますが、ジアーボはこれに加えて、外から見える場所をハンドで仕上げていると言います。
例えば、ラペルのフラワーホールや釦ホール、ステッチやゴージのはしご掛けなど、私も現物をまだ確認したわけではないのですが、かなりの個所がハンド仕上げ。単純にハンドの工程数だけみれば、ISAIAやスティレ・ラティーノを大きく上回ることは間違いなさそうです。
もちろん、当Blogでは何回かお伝えしてきておりますが、「ハンドの工程数が多い=良いアイテム」とはなりませんので、単純に工程数だけ比較するのはナンセンスですね。しかしながら、それでも手がかかっている事実は間違いございませんので、ナポリに魅せられている私とすると、非常に気になるブランドなわけでございます。
■ナポリを手軽に!?
もちろん「ハンドの工程数」という点だけ捉えてみれば、私が今季購入し、既にご紹介したアルフォンソ・シリカのジャケットや、ダルクォーレのスーツには及ばないのかもしれません。ただ、それでも今回「ジアーボ」が気になる理由があるのです。
それは、その驚くべき”価格”っ!
例えばナポリ仕立ての中興の祖と言えば、チェザレ・アットリーニですよね。ほぼハンドで全ての工程が仕上げられるというアットリーニのジャケットはだいたい50万円オーバー。スーツともなれば、60万円をも越えるお値段がつけられます。
もちろんアットリーニはナポリ仕立ての中でも歴史あるトップクラスのブランドですし、単純にを比較することはできませんが、今回のジアーボ、私が確認した限りにおいてはジャケット価格が14万円代~20万円位のレンジで販売されております。
※価格の差は、ファブリックの差と推測しております。
例えばネイビーにボルドーのウィンドペンが入った下記のジャケット。何点か掲載されている画像からは判断するに、フラワーホールは少なくともハンドで仕上げれているようにも見えます。私は今まで15万円を切る価格のジャケットで、フラワーホールがハンドで仕上げれているブランドを見たことはありません。
※商品説明上は釦ホールもハンド仕上げとのこと
そして汎用性が高く、活躍しそうなネイビーとブラックのパッチポケットのシングルジャケットもハンドならではの柔らかい表情を醸し出しておりますよ。しかも、上記のジャケットとともに138000円(税別)という、手間暇がかかっているナポリのジャケットとしては、驚愕のお値段です。
![]() A/W 新作 Gabo ( ジ アーボ ) / NEW NAPOLI / ピュアウール 3B2パッチ シングル ジャケット【ネイビー】【送料無料】 |
そして、こちらはカシミヤとシルクを使いながらもアンダー20万円という、驚異のお値段。ほど良い幅のあるラペルに、ダブルステッチがナポリらしく、使いやすそうなジャケットですね。
![]() G abo/ジ・アーボ ジャケット シルク カシミヤ ナポリスタイル ベージュ abo301601 |
そしてロロピアーナ社のカシミアシルクを使った、ブラウン×ネイビーのダブルブレストも20万円ちょっと。安くはないですが、ファブリックと仕様を考えれば、非常に納得感の高いプライスだと思われます。こちらにメゾンブランドのタグがつくと、倍以上のお値段になりそうな雰囲気です。
![]() G abo ジ・アーボ ジャケット ダブル シルク カシミヤ ロロピアーナ ブラウン×ネイビー abo301602 |
と言うことで、個人的には今季AWの最注目ブランドの一つである、ジアーボについてお届けいたしました。ナポリのジャケットやスーツにご興味を持たれている方は、要注目だと思われます!
しかし、マシンメイドのブランドとほとんど変わらない138000円(税別)というお値段には、正直度肝を抜かれましたね。今後、実際のものを見てみた後に、改めて注目すべきことなどがありましたら、是非とも取り上げてみたいと思います。