<?php include_once("analyticstracking.php") ?>

30代の悩めるファッション・ライフスタイル日記

30代のパパが、インポートファッション、インテリア、雑貨などのこだわりのライフスタイルについて綴るブログです。

アイロンワークとフロントダーツ

こんにちは!
本日は、「アイロンワークとフロントダーツ」と言うテーマでコラム的にお送り致します。

と申しましても、正確に言うと以前執筆した記事の「訂正記事」と言う位置づけです。

■生地の歪みはアイロンワークではなく、ダーツによるもの!?
さて、先日シャマットのスーツの購入記事と言うことで「Sciamat(シャマット)のウール×シルク ヘリンボーン柄のスーツを購入!(後編)」をお送りさせて頂きました。その中で「人体に沿う」と言うサブタイトルにて、シャマットの着心地の良さを、素人なりの視点で紐解く内容を記載していたのです。

特にフロントダーツについて触れた個所を引用してみますと・・・、


まずはこちら。前身頃にあるフロントダーツになりますが、「グニャッ」と曲げられているのがお分かりでしょうか。2Dの生地を人体にあわせて3Dにしていくわけですから、生地は当然ながら「直線」ではなく、「曲線」を描くことになりますね。これまでも色々なサルトブランドのフロントダーツは見てきましたが、このように曲げられているブランドはあまり記憶にありません。
Sciamat(シャマット)のウール×シルク ヘリンボーン柄のスーツ⑱

当然ながら!?ダーツ脇にある生地も曲げられているわけです。いわゆるアイロンを使った”クセ取り”、すなわちアイロンワークによって、生地を2Dから3Dへと立体的にすること、が行われているのがはっきりとわかるのです。これまで無地のスーツやジャケットを購入することが多かったので、あまりまじまじと”生地の流れ”を見たことはなかったのですが、今回はヘリンボーン柄と言うことで、その超絶的なアイロンワークを目の当たりにすることができました。
Sciamat(シャマット)のウール×シルク ヘリンボーン柄のスーツ⑲



この中に、一部誤解をもって記述していた箇所がございました。それは、『ダーツ脇にある生地も曲げられているわけです。いわゆるアイロンを使った”クセ取り”、すなわちアイロンワークによって、生地を2Dから3Dへと立体的にすること、が行われているのがはっきりとわかるのです。』と言う箇所です。

実は、この点についてSharonさんの専属職人である直井茂明氏に伺ったところ、ダーツ脇の生地の歪みは、アイロンワークによるものと言うよりも、ダーツを入れることによって出来たと考える方が正確である旨のお話を頂きました。

「?」

と言う記号が頭に浮かんでいる読者様も多いかと思いますので、簡単な実験をご覧頂こうと思います。なお、これは私rm55の理解ですので、正確性よりも、大枠での理解を目的としております。当たらずも遠からず、的なご理解でご覧頂ければと思います。


■フロントダーツを入れることによる生地の歪み
さて、下記に準備しましたのはA4サイズの紙です。これにマジックでラインを引くことで、紙の動きを分かりやすくしました。実際には、ストライプ柄の生地だと見立てて頂ければと思います。
フロントダーツを入れることによる生地の歪み①

フロントダーツを入れる際には、一般的にはご覧のようにひし形のような穴をあけると言います。もちろん職人さんによっては異なるアプローチでダーツを入れる場合もあるのだと思いますが、あくまで”一般論”としてのお話です。
フロントダーツを入れることによる生地の歪み②

そして、その穴をつまむとご覧の通り。紙が”平面”から”立体”を帯びると当時に、ダーツ脇のストライプ柄がダーツを入れた個所に引っ張られるかたちで”歪んでいる”ことがお分かりになるかと思います。
フロントダーツを入れることによる生地の歪み③

いかがでしょうか。生地が立体になることによって、ストライプ柄が歪む。これがダーツ脇の生地が歪む、基本的な”原理”なのだと。
フロントダーツを入れることによる生地の歪み④

ただ、ダーツと入れることで生地が立体的になる分、それ以外の個所に歪みが発生したりするのだそうです。それをアイロンワーク、つまり”クセとり”をすることで生地をなじませて行くそうですよ。

ダーツ脇の生地の歪みは、アイロンワークによるものではなく、むしろダーツを入れることによって生地が歪み、それをアイロンワークによってなじませていると捉えておく方が、より正確な理解なのかなと思った次第です。

■ナポリのスーツは人類の誇る芸術品!?
実は、本日ご紹介したような内容は平面である生地を曲線で出来た人体に沿うように仕立てるための、ほんの一つの手法にすぎません。

更に、人間はトルソーとは違い、動くものですよね。人の動きに合わせて生地を人体に沿うように仕立て上げると言うのは、考えてみると本当に凄まじいことなんだと、改めて実感致しました。

まさに、スーツは芸術品であると。

今現在、世界的にイタリアはナポリのスーツが注目されているのは、その仕立て技術の高さが要因の一つであると言います。もともとイタリアは英国やフランスをはじめとしたヨーロッパの手縫い作業を下請けしていたと言う歴史的事実がありますが、それだけが仕立て力の高さに繋がっているようではないようです。

それこそイタリア共和国という国は、”つい最近”出来た国で、それまでは様々な国に占領され、長らく都市国家として独立した国家を多数有している国でした。

この、様々な国に占領される度にその国の文化、つまりは仕立て技術が流入してきたと言い、それを既存の技術に組み合わせ、改良してきたと言う歴史があるからこそ、イタリア(ナポリ)の仕立て技術が世界一と言われる理由のようです。つまり、言ってしまえば、人類の仕立て技術における英知が結集した地が、イタリアはナポリであったと言うことでしょうか。

そんなことを考えておりますと、現在自分が、心から感動するような心地良さを体感できているイタリアはナポリのスーツと言うのは、ある見方をすれば、悲しい歴史とともに出来上がってきたものであり、これを平和な日本において購入でき、楽しめると言うのは本当にありがたいことなんだなと思った次第です。

別に歴史を知らずとも、また仕立ての原理を知らなくともファッションは楽しめるものなのですが、そういう背景を知るにつけ、仕立ててくれた職人さんへの敬意を強く感じるのです。

そして、そういう素晴らしいものだからこそ、大切に、出来るだけ長く着たいと思うのでした。









Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://rmlifestyle.blog.fc2.com/tb.php/911-52afa514