Mauro Ottaviani(マウロ・オッタヴィアーニ) のウルトラハイゲージ カシミアタートルネックを購入!
大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。
と言うことで、インスタグラムでは一足先に年始の投稿を始めておりましたが、2023年最初のブログは、先日セールにて購入したアイテムをご紹介出来ればと思います。
※2023年の元旦スタイリング
それでは、まいりましょう。
■厳選する
さて、今年と言いますか、これからのファッション人生における個人的なテーマの1つとして、「厳選」と言うキーワードを挙げることが出来るかなと思っています。
これまでの人生では様々なスタイルやブランドを楽しんできましたが、残りの人生では今までの経験にて培い、定まった自分のスタイルを軸に据えて、これをいかに進化、深化させていけるのか。そして、自分の”気分”や、感じている”美”をどのように表現していけるのか、と言うことを追求する時間にしていきたいと考えています。
と言いますのも、自分のスタイルの中心となっているクラシックファッションにおきましては、正直もうやれることはやり切ったと考えており、これ以上のことはもうないかなと感じ始めています。
コートやスーツ、ジャケットにシャツ、パンツ、バック、靴など、東西を問わず、自分が魅力を感じた職人さんの美意識を感じる”ビスポーク”も多数依頼してきましたし、その魅力や課題を含めて、一通り経験をしてきたました。
もちろん、私はブランドではなく、スタイルにこだわっていますので、自分のスタイルにおいて気になる職人さんやブランドが見つかれば、これまで同様に積極的にチャレンジしていきたい気持ちは持っています。それでも、無理をしてまでスタイルの幅を広げると言うことはせずに、自身の感性に響いたもの、共感したものに絞ってチャレンジしたいと考えています。
以前も本ブログには記載しましたが、自身のワードローブからは服が溢れ出す状態になっておりますし、今後購入するアイテムは出来るだけ厳選し、なぜそれが必要なのか。持っているアイテムはもちろん、販売されている他のアイテムと何が異なるのか?、何が魅力的なのか?と言う問いを自身に投げかけることで、服の総量を大きく増やすことがないよう、購入するアイテム自体を減らしていきたいと思っています。
ファッション好きらしからぬ発言のようにも思えますが、私も良い年齢の大人になってきましたし、やたらめったら服を増やしても、着れなければ意味がありません。買うことに満足するのではなく、また1シーズンに1回、2回しか着ないアイテムを増やすのでもなく、心がトキメキ、ドキドキするような、”本当に気に入っている服を何度も着ることが出来る人生”にしたいと考えています。
■マウロ・オッタヴィアーニのウルトラハイゲージ カシミアタートルネック
このような中で、この度トキメキとともに自身のワードローブに新たに迎い入れたアイテムが、マウロ・オッタヴィアーニのウルトラハイゲージ カシミアタートルネック。色は、ベージュになります。

マウロ・オッタヴィアーニと言えば、私がお世話になっている北参道にショップを構えるSharonさんが日本に導入したニットウェアメーカーです。
最近は他のいくつかのセレクトショップも追従して取り扱いを始めているようですが、オッタヴィアーニ最大の魅力の1つが、14ミクロンという超極細糸のカシミアを使用し製作された、ULTRA HIGH GAUGE CASHMEREのシリーズ。フェデリ(Fedeli)で言うところの、ミリオネアに相当するファブリックになります。

オッタビアーニの前によく購入をしていたのがFedeliだったのですが、少し前に日本での代理店がついてしまいました。
代理店がついてしまうと何が起きるのか!?と言いますと、顧客視点で見た場合には、だいたいそのブランドの良さが消えてしまい、他のブランドと変わらないブランドになってしまうと言うことが、これまで何度も繰り返されてきたように思います。
なぜならば、代理店がブランドを扱う場合には、国内での独占販売を行うための交渉をメーカー側と行います。メーカーとしては1社にしか販売できなくなるので、代わりに一定数量以上の購入を代理店に求めることになります。そうなると、代理店も小売り店に”量”を買ってもらわなければいけなくなるので、売りやすい、安価なアイテムが大量に企画、販売されることになります。
これまでも代理店がついたことで手縫いの工程数が減ると言った”低仕様”、そして用いる生地のグレードを落とした”低グレード”の安価なアイテムが多数販売されることになった状況を目の当たりにしてきました。
実際、カシミアニットがアイコンだったフェデリも、今ではメインアイテムがカラーTシャツやロンTのようなカットソー屋さんのようになってしまいました。また、秋冬アイテムであっても以前は存在しなかった化繊混のアイテムを販売したり、後染めのニット製品など、昔のクルチアーニと全く同じようなアイテムを販売するようになってしまっています。
背景には代理店が付いたからと言うことだけではなく、フェデリ自身がより安価かつ、大量生産、大量販売するメーカーに変わりたいと言う経営側の意向もあると聞いていますが、この辺りが本当にどうなのかは私は分かりません。しかし、以前とは”明らかに”、販売されるアイテムが変わったことは確かです。
なお、カシミア製品も一部扱っているようですが、14ミクロンの極上素材のミリオネアを扱っているショップは見たことがありませんので、取り扱い自体が無くなってしまったのかもしれませんね。
ちなみに、Fedeliは”普通のウールでも良い商品だ”と言う宣伝の仕方がなされていましたが、そうであれば、これまでマーケットに存在したクルチアーニやドルモア、グランサッソ、セッテフィーリカシミア、ジョンスメドレーなどのニットブランドと何が違い、どこが魅力的なのかをしっかりと説明すべきだと思っています。
そうでないと、”新鮮さ/新しさ”で持って消費者を目くらまししているのと変わらないのかなと。
14ミクロンという超極細糸のカシミアを扱えるメーカー(工場)は限られています。他では滅多にお目にかかれないからこそ、それがブランドにとっての1つの魅力であり、他ブランドとの差別化の要素になっているのだと理解していたので、現状のFedeliのラインナップには、とても残念な気持ちがあります。
もちろんミリオネア製品は”量”が見込める商品ではないことは確かですし、代理店が入ることで国内の小売店が新たなブランドを取り扱いやすくなる現状がありますので、代理店が全て悪だと言うわけではありません。
ただ、そう言ったブランドの顔となるような魅力的な商品が消え、他のメーカーと同じようなラインナップになってしまうと、個人的にはブランドの存在意義自体が問われるのではないかとも感じています。
なぜクルチアーニやドルモア、グランサッソ、セッテフィーリカシミア、ジョンスメドレー等ではなく、フェデリを選ぶのか。その理由を明確に説明できないと、メディアで取り上げられた、もしくは通っている店が取り扱いを開始したブランドだから選んでいると言うだけで、フェデリである必然性はないのかなとも思ってしまいます。
その点において、マウロ・オッタヴィアーニのウルトラハイゲージ カシミアタートルネックは現状の選択肢では他にはない魅力が明確にあると言えます。もちろん、メゾン系・ラグジュアリー系ブランドに行けば同じクオリティの製品はあるのかもしれませんが、ブランド料が乗っている分、2倍の価格で済めば良い方で、それ以上の価格がついても不思議ではありません。

そのブランド自体が好きであったり、そのブランドの世界観に強く共感している場合にはブランド料を支払うこともアリだと思いますが、私は服に使うことが出来る原資が限られているうえ、ブランドではなく、スタイル重視のファッションを楽しんでいますので、そうなると、こういったカシミア・アイテムを楽しむためにはオッタビアーニ以外に選択肢はないのかなと。
見た目の繊細さ、上質さはもちろんですが、触れただけ幸せを感じることが出来る、オッタビアーニのULTRA HIGH GAUGE CASHMEREは、個人的には冬の素材としては本当におススメです。これまではカーディガンをメインに購入してきましたが、この度初めてタートルネックを購入してみました。

なお、これまでオッタビアーニのアイテムについてブログを通してご説明してきましたように、エレガンスを感じるデザインディティールや、日本人に向けたサイズ感は相変わらず秀逸な点も見逃せません。

■着用イメージ
今回私(172cm 60kg)が選んだのが、サイズ44になります。その着用感が、こちら。現在所有しているタートルネックはクルチアーニのものが多いのですが、クルチアーニに比べると、だいぶゆとりのある、大人っぽい雰囲気です。

クルチアーニの44は、もう少しピタッと体にフィットするので、体のラインが出る分、よりセクシーに感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ニット製品は編み物ですから伸縮幅が大きく、パターンによる問題と言うのは表面化しにくい傾向にあります。それでもラインの出方やサイズ感はニットメーカーによって異なるので、実際に着てみて、しっくりとくるメーカーを選ぶのが良いと思います。

私はあえてカシミア混のニットアウターと合わせて、ソフトなエレガンスを意識したスタイリングでデビューさせてみました。

素人の私でも分かるほどの繊細で極上のタッチは、肌に接しているだけで幸せな気持ちにさせてくれる力があります。

ちなみに足元にはスニーカーを合わせて、この日はリラックスした心地良さを堪能した1日でした。

服を心から愛するが故に辛口になってしまう部分もありますが、本ブログをわざわざお読み頂いている服好きの皆様には、メディアやメディア関係者、店舗だけの情報に惑わされることなく、自分自身の感性と感覚で、ファッション人生を豊かにして頂きたいとの想いがあります。
私が記述したことが”常に正しいわけでもない”ですし、”唯一絶対的な指針でもありません”。それでも、あまり他の方が発信しないような内容を含めて、今後も「服好きの、服好きによる、服好きのため」のブログを、低頻度ながら更新していければと思いますので、服を愛する皆さま、これからもどうぞよろしくお願い致します。