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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ)の創業10周年記念トランクショーに参加してみた!

こんにちは!
本日は「il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ)の創業10周年記念トランクショーに参加してみた!」と言うテーマでお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■祝:il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ) 創業10周年
まずは、イルクアドリフォリオを主催する久内淳史(きゅうないあつし)氏のご経歴を簡単に振り返ってみたいと思います。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_1
※参加させて頂いたSharon店舗内でのトランクショーでの1枚。許可を頂き、撮影しています。

もともと靴や時計の販売をされていた久内氏は、オーダー会においてイタリア靴の制作現場を見たことによって靴の制作に惹かれ、靴づくり職人の道へ。

神戸市経営の靴の学校で基礎を学び、小さな工房での婦人靴の職人を経て、2007年に革小物の街として世界的にも有名なイタリア・フィレンツェに留学。色々修業先を見て回ったそうですが、本人がせっせと靴づくりをしている姿に惹かれて、イタリアのビスポークシューメイカーを象徴する一人である、フィレンツェの天才ロベルト・ウゴリーニ氏に師事。

ウゴリーニ氏の工房では底付けの他、パタンナーも兼任するなど要職を経験し、3年半以上の修行の後、2010年末に帰国。準備期間を経て、「四葉のクローバー」を意味する、フィレンツェの伝統技法をもとにした靴と革小物のオーダーブランドの「クアドリフォリオ」を創業されました。

独立2年目には台湾をはじめとした海外からお声掛けがかかり、国内外を問わず活躍。2016年の末からはSharonさんでのトランクショーを開始し、この2022年4月1日で創業から10周年を迎えられたそうです!(祝)
※上記内容は、Sharon公式HP内の「インタビュー記事」及び、「ブログ記事」を参考にしています。

私がSharonさんでイルクアドリフォリオのビスポークシューズを初めてオーダーしたのは2017年の2月(※)なのですが、実は、その時既に別の日本人の職人さんの工房にお邪魔し、オーダーするモデルまで自分の中では決めている状態。あとはいつオーダーをするのか、と言うタイミングだけの問題でした。
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショーに参加っ!:採寸編

しかし、たまたまSharonさんに訪問した日がイルクアドリフォリオのトランクショーであったことと、SharonオーナーK氏の熱いラブコールもあり、そのまま勢いでオーダーをすることになったという経緯があります。(笑)

そして、その後はビスポークシューズの快適さ、美しさに魅了をされ、ビスポークシューズの沼に見事ハマってしまったことは本ブログをお読み頂いている方であれば、ご存じの通り。これまでに7足もの靴を仕立てて頂いております。

靴に関してはジョンロブやエドワードグリーン、クロケット&ジョーンズと言う英国靴から入っていったこともありますが、当初はカチッりとした、やや重厚な表情を持つ、英国らしいフォルムの靴に惹かれていた私も、久内氏の日本人らしい端正な表情と、色気ある、グラマラスな雰囲気を兼ね備えた靴に魅了され、今では久内氏以外の職人さんによるビスポークシューズは考えられないと言うほど、全幅の信頼を置かせて頂くまでに至っています。

実際、2016年、2017年あたりの私自身の感性を振り返ってみると、頭からつま先までのトータルでのスタイルコントロールがまだ出来ていなかったように思います。つまり、スーツ単体、シャツ単体、ネクタイ単体、靴や鞄、それぞれのアイテムで気に入っている、惹かれているブランドを選んではいましたが、トータルコントロールは出来ていなかった。しかしそれから経験を重ね、センスを磨くことで、今現在はトータルでのスタイルコントロールを常に意識できるようになってきました。

そういう私からすると、久内氏の仕立てる靴は日本人の職人さんの中でも”唯一無二”だと感じる点があります。それが、靴から溢れ出る大人っぽい”艶感”。

私もインスタグラム等において日本人の職人さんの中でも有名な方から勢いのある方まで、様々な方の靴を拝見しておりますが、久内氏ほどの色気を伴うライン、空気感を持つと感じる靴にはまだ出会えていません。

もちろんビスポークシューズのクオリティと言う観点で見れば、今現在、日本人の職人さんによる靴づくりの技術は恐らく世界でもトップクラス。よほど海外の特定のブランド、職人さんに惹かれているのでなければ、日本国内において世界レベルのビスポークシューズを仕立てることが出来ると思っています。

実際、私以上に様々なメーカー、職人さんの靴のビスポークにご経験がある方々に直接お話を聞いてみても、この考え方に異論はなく、日本人の足を熟知しているということもあり、履き心地、そして丁寧な仕事ぶりは世界のトップレベルをも凌ぐことさえあると感じていると言います。

よって「スタイルの美しさ」、「履き心地の良さ」「仕事の丁寧さ」などにおいて素晴らしい技術を有する日本人の職人さんは他にもいらっしゃると思うのですが、久内氏の手掛ける靴のみが持つ、”大人の艶感ある雰囲気”をまとっていると私自身が感じる靴は、今この時点では他にはないのかなと。

ご存じの通り、私はイタリアはナポリのサルトである、サルトリア・ソリートを中心に、ナチュラルでいて、手仕事による不均衡の美を有するスタイルのある服を好んで着ています。よってそういう服に英国靴を合わせると硬すぎ、米国靴だとカジュアルすぎ、そして色気や個性が強すぎるフランス、イタリアの靴だと、スタイル全体の個性が強くなりすぎてしまうと感じています。

つまり日本人らしい真面目さもありながら、絶妙な塩梅で大人の艶感を感じることの出来る久内氏の手掛けるイルクアドリフォリオの靴が今の自分のスタイル、感性にはベストであると考えているわけです。

今回、そんなイルクアドリフォリオの創業10周年記念のトランクショーに参加をさせて頂き、自身8足目となる靴をオーダーさせて頂きましたので、最後にご紹介したいと思います。

■イルクアドリフォリオによる8足目のビスポークシューズは、タッセルローファー!
ビジネスシーンで使うことの多いシューレースタイプの靴を一通り仕立てて頂いてからは、個人的に好きなローファーモデルに移行。前回(※)、7足目ではビスポークシューズとしては自身初のローファーをセレクト。フルサドルのローファーを仕上げて頂きました。
7足目_フルサドルローファー_2
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(前編):フルサドル ローファー
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(後編):フルサドル ローファー

履き口が”笑う”ことなく、また歩いていてヒールが抜けるようなこともないので、とても快適な履き心地と色気あるエレガントが大変お気に入りの一足。
フルサドルローファー_スタイリング4


このような中で、8足目のビスポークシューズとして選んだモデルは同じくローファーモデル。前回は表革を使ったフルサドルローファーでしたが、今回はスエードを使ったタッセルローファーをセレクトしました。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_2
※Sharonさんの店舗内にて承諾を頂き、撮影しています。

革の色、モデルはこのサンプルと全く同じで、ダークブラウンカラーのカーフスエードに、レザーの編み紐が履き口を囲むように回るデザイン。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_4

履くと足を小さく見せてくれる気がするイルクアドリフォリオの靴。グラマラスなラインと艶感を持ちながらも主張が強すぎないので、トータルコーディネートの中においても悪目立ちしない点も気に入っています。やはり服に対して靴の主張が強すぎると前に出ている感じがしてしまい、私が目指す大人のスタイリングとしては好みではありません。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_3

今回のトランクショーで持ち込まれた革の中にはカーフに比べるとキメが細かく、よりソフトな表情のシープレザーもありましたが、私はカーフでオーダーをさせて頂くことにしました。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_5

なお、今回は10周年記念のトランクショーと言うことで、ビスポークシューズをオーダーした人には靴と同じ革で仕立てたオーダーベルト(※)が無料でプレゼントされていました。ダークブラウンカラーのスエードベルトは、実はレベルソ仕立のストレートチップを仕立てて頂いた際に別途オーダーをしていました。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による5足目のビスポークシューズ:レベルソ仕立て ブラウンスエード ストレートチップ_⑭
※オーダーベルトはウエストに合わせて穴が基本1つだけ

その際はシルバーバックルを選んでいましたので、今回はカジュアルよりの靴であるローファーに合わせて、沢山あるサンプルの中からゴールドのバックルを選びました。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_6

猫足のようなバックルデザインも洒落ていて良いかなと。
イルクアドリフォリオ_トランクショー202204_7

この後仮縫い、中縫いを経て、スムーズにいけば年内には納品頂けるのではないか、と楽しみにしています。今回のトランクショーでは久内さんとビスポークシューズ以外のことについてもお話する時間があり、いろいろと刺激を頂くことが出来ました。お話を通して感じたことなど、機会があれば別の機会に記事化出来ればと思います。





LA TERRA(ラ テッラ) By イル・クアドリフォーリオ のスエードブーツが快適すぎた!

皆さま、こんにちは!

本日は「LA TERRA(ラ テッラ) By イル・クアドリフォーリオ のスエードブーツが快適すぎた!」と言うテーマで、少し前に購入をしていた、2021AWの新作アイテムの購入レポートをお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■新しい生活様式に寄り添う、Sharon渾身の一足!?
この度購入をしましたのは、普段私がお世話になっている南青山に店舗を構えるセレクトショップである、SharonさんのオリジナルブランドのLA TERRA(ラ テッラ)のスエードブーツになります。

セレクトショップのオリジナルブランドと聞くと、なんだ自社が利幅を取りたいだけの商品じゃないか、と思ってしまう方もいらっしゃると思います。確かに世の中のセレクトショップオリジナルブランドの中には、そう言った商品が存在することも否定出来ませんが、理想=Sharonを店名掲げていらっしゃるシャロンさんのオリジナルブランドは、ちょっと違います。

世の中に存在していない商品だけど、あったら良いよね、嬉しいよね!と言うアイテムであったり、世の中に存在するものと同じようなクオリティでありながら、より適切なプライシングのアイテムを送り出しており、私もこれまでペッカリーグローブや、クラッチバックをビスポーク(制作は、イルクアドリフォリオを率いる久内氏の奥様が全て手縫いで仕上げる)して頂いたりしています。
※「LA TERRA(ラ テッラ)のペッカリー・グローブを購入!
LA TERRA(ラ テッラ)でクラッチバックをビスポークしてみた!

このような中で今回購入したのがラテッラのスエードブーツになるわけですが、正直今期の購入予定アイテムには全く入っていないものでした。実際、販売開始のだいぶ前にSharonオーナーであるK氏からプロトタイプを見せて頂いたのですが、率直に申し上げるとそこまでピンときてはいなかったと告白しておきます。

今回のスエードブーツですが、商品の企画、監修はシャロンさんにて行っておりますが、木型の制作や実際の生産は全て、イルクアドリフォリオの久内氏とアトリエが担っています。よって久内氏ならではの色気とモダンさが同居したフォルムは健在だったのですが、商品を目の前にし、実際に履いてみると一瞬で虜になってしまうほどの快適さがありました。

まず注目したいのは、そのデザイン/フォルム。カジュアルよりのブーツと言うと、どうしてもトゥ周りが丸っこい感じとなり、ボテっとした印象が強くなるイメージがあります。そうなると、私が最も好んでいるスタイルである、エレガントさやモダンさがスポイルされてしまう。もちろんそう言ったデザインが合うスタイルも世の中にはありますが、単純に自分の好みではありません。

しかしながら、ラテッラのブーツは久内氏が木型を制作し、イルクアドリフォリオのアトリエ内で制作されているだけあって、カジュアルスタイルならではのソフトな感覚はありますが、それでも色気とモダンさがしっかりと表れている点に惹かれました。サイドビューは、まるでスポーツカーを彷彿とさせる流線形のフォルム。
ラテッラ_スエードブーツ_1
※本商品に木箱は付属していません。

そして特徴的なトゥ周りを見れば、久内氏が木型を手掛けていらっしゃることが想像出来ますね。曲線の美しさが、色気とエレガントさを醸し出します。
ラテッラ_スエードブーツ_2

それでもドレスシューズほどカチッとはさせず、柔らかい表情のスエード素材と相まって、カジュアルブーツならではのソフトさも感じます。
ラテッラ_スエードブーツ_3

ラテッラ_スエードブーツ_4

ヒール周りも優しい曲線を描きつつ、かかとの小さい日本人に合わせて設計されていることが分かります。
ラテッラ_スエードブーツ_5

ソールにはビブラムを採用。登山靴がベースにあるビブラムらしく、滑りにくいので地面をしっかりとグリップし、脚への衝撃も吸収してくれるので超快適。もちろんソールの返りも抜群です。
ラテッラ_スエードブーツ_6

デザインやフォルムの良さだけではなく、驚くほどの快適な履き心地の秘密!?はソールだけが理由ではありません。実際靴の中を覗いてみると、ビスポークシューズを手掛ける久内氏が木型を制作しているだけあって、土踏まずがしっかりと盛り上がっていることが確認できます。ここが土踏まずをしっかりとサポートするので、足が疲れにくい。
ラテッラ_スエードブーツ_9

また、タンの部分はゴムで伸縮するように出来ています。これが甲の部分にしっかりとフィットして固定してくれますので、土踏まずのサポートと合わせて足がずれにくく、非常に歩きやすく疲れにくいのです。
ラテッラ_スエードブーツ_8

私はデザインやフォルムにも惹かれましたが、今回購入ボタンを押したのは、間違いなく、この極上の快適さ。自分の想像の斜め上を行くような、そんな驚きを体感したことが購入の決定打となりました。

商品を企画したK氏にお話を伺うと、アフターコロナ/ウィズコロナを見据えた新しい生活様式を意識されたことが大きなきっかけだったとか。コロナ前からビジネスウェアのカジュアル化と言う世界的な波は進行しておりましたが、このコロナが在宅勤務などを含めて、よりカジュアルな装いで仕事をすることを後押しした感は否めません。

ビスポーク/サルトリア文化を次の世代へ継承させていくにあたり、時代に抗うだけではなく、寄り添っていく姿勢も大切。

そんな時に、よい大人が気軽に履くことの出来る靴として、脱ぎ履きが楽で、快適且つ歩きやすい。でもスニーカーのようにカジュアルすぎず、エレガントさのある靴があったら良いよねと言うことで企画、開発、販売までこぎつけたそうです。

実際、ゴムのタンは慣れればハンズフリーで脱ぎ履き出来ると言う手軽さがあり、在宅勤務等で1日のうちに靴を脱いだり、履いたりするシーンが増えた新しい生活様式にはぴったり。それでいて大人っぽい色気とエレガントさがあり、極上の履き心地があるわけですから人気が出ないわけがない。
ラテッラ_スエードブーツ_7

私はたまたま入荷したその日に店舗におり、紹介をされて思わず購入してしまいましたが、初回ロット分は瞬く間に完売。第2弾分も予約が埋まってしまい、現在第3弾の予約を受け付けている(※)と言います(11/13時点)。
※サイズによっては完売の可能性あり。
好評につき第三弾追加オーダー受付開始!Sharon オリジナルスエードブーツ LA TERRA

まさしく時代性を捉えながらSharonのスタイルを提案した渾身の1足がヒットした瞬間だったのだと思います。

ちなみに私はダークブラウンを選びましたが、もう少しカジュアルなブラウンの2色展開でした。上記写真は全て、既に何回か履いたあとに撮影したのですが、それくらい使いやすくて気に入っています。ビスポークシューズを手掛ける職人が木型を制作し、生産もアトリエ内で行っているにもかかわらず、お値段66,000円(税込)は正直破格。異常に値上がりした革靴の中ではかなり良心的な価格設定ではないでしょうか。正直あまりの使い勝手の良さに、ブラウンカラーも欲しいくらいです。



■大人のカジュアルスタイルにピッタリのラテッラ スエードブーツ
購入した直後から使っているので、上記写真も使用感が出てしまっておりますが、撮影前に履いてしまいたいと思うくらい、気に入っています。(笑)

例えば先日はこんなスタイリングに用いました。お得意の!?ブラウン×オフホワイト×ベージュのグラデーションコーデ。カシミアのニットやコーディロイ、ウールのダウンベストなど、ソフトな表情の素材に合わせます。
ラテッラ_スエードブーツ_10

やや丈の短いパンツに合わせるとバランスがとり易く、丈が長い場合はロールアップがおススメ。これなら子供と長い時間外出しても疲れませんし、抱っこだって余裕です。
ラテッラ_スエードブーツ_12

ちなみに首元はこんな感じでした。
ラテッラ_スエードブーツ_11


デザインとフォルムの秀逸さ、脱ぎ履きのしやすさ、そして極上の履き心地と疲れにくさ。更には買いやすい価格設定と、お値段以上のものが少なくなる世の中において、これは個人的に超おススメしたいアイテムになります。店頭にて試着出来るサイズがあるのかは分かりませんが、気になる方は是非、お問い合わせされてみてはいかがでしょうかっ!?

実物を見て、ご試着頂ければ、私が若干興奮気味に記事を執筆している気持ちを分かって頂けると思います。笑。





il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(後編):フルサドル ローファー

こんにちは!
本日は前回に引き続き、これで7足目となりました il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)によるビスポークシューズであるフルサドル ローファーを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■フルサドル ローファー
この度私がオーダーしたのは、ビスポークシューズでは自身初となるローファーです。そのローファーの中でも、サドル(甲部)がサイド、そしてソールまで伸びているデザインのものを、フルサドルローファー(英:Full Strapped Loafer)と言います。ハーフサドルであるコインローファーに比べるとクラシックかつ、ドレッシーな表情となる点が特徴的。私のスタイルにはぴったりの1足です。
7足目_フルサドルローファー_3

下記はハーフサドルのコインローファー。
ローファー_短靴

今回選んだ革は、オールデンのシェルコードヴァンで有名なホーウィン社のホースレザー。牛と馬の体型を思い浮かべて頂ければ分かると思いますが、馬は運動量が多く、筋肉質なので革の厚みや強度では牛革に劣るようですが、薄くて軽い、そして脂質が少ないために伸びにくいと言った特徴があるようです。
7足目_フルサドルローファー_4
※シームレスなヒールまわりがまた美しい

インスタグラムで仲良くさせて頂ている方からは、ロシアンカーフの復刻ですか!?と言うご質問を頂くほど、特徴的な菱目模様のシボが風格を醸し出します。
7足目_フルサドルローファー_7

私は歩く際のクセなのか、トゥが減りやすいので予めスチールを装着頂いているのと、滑り止め(※)も兼ねてゴムソールを貼って頂いています。実用性の高い仕様なので、個人的にはおススメです。
7足目_フルサドルローファー_5
※都内の整地されたアスファルト道路などにおいて、革底は結構滑りやすいです。

紐で調節が可能なレースタイプの靴に比べると、甲とヒールまわりでフィットさせる必要のあるローファーは一般的にフィッティングの難易度が高いと言われています。よって、オーダーはレースタイプの靴で始め、徐々にラストを固めてからローファーをオーダーするのがおススメだと言うことでしたので、平日用のドレスシューズを一通りそろえた上でのオーダーとなりました。

実際に納品を頂くと、想像以上にカッコ良く仕上げて頂いたので大満足!クラシックでいてエレガント。ホースレザーの我の強さ!?を上手くドレッシーさで包み落とし込んでまとめあげているあたりがたまりません♪
7足目_フルサドルローファー_2

と言うことで、先日満を持して晴れの日にデビューをさせてみました。

■デビュー時のスタイリングと、履いてみた率直な感想
今回合わせたのは、こんなカジュアルよりのスタイリングです。サルトリアソリートのウール×シルク×リネンの3パッチ チェック柄ジャケットに、アヴィーノラボラトリオのホワイトシャツと先日購入したE.G.カペッリのウール×シルクネップタイ。
フルサドルローファー_スタイリング3
※ポケットスクエアはG.イングレーゼのリネンチーフ

これにルイジボレッリのベージュカラーのチノパンとローファーをコンビネーション。
フルサドルローファー_スタイリング2

スポーティなスタイルなんだけれど、エレガントさの香るスタイリングを意識してみました。
フルサドルローファー_スタイリング1

実際に履いてみた感想ですが、足入れをするとビスポークシューズらしく「シュポッ」と言う、中の空気が押し出されるような感覚があり、ピッタリフィット。既成のローファーだとはき口の周りに隙間が出来てしまい、”笑っている”と言う現象がおきがちですが、そこは流石ビスポークシューズ。ピタッとフィットします。
フルサドルローファー_スタイリング4

これまで6足をオーダーし、ラストが固まってきたこともあるのでしょう。この日は初日ながら、快適に歩きだすことが出来ました。

ただ好みもあるのかもしれませんし、当日履いていたシューズインソックスの厚さの関係もあるのかもしれませんが、ヒールをもう1mm程度詰めても良いかも!?と感じていたりします。この辺りは次回のトランクショー時に、職人である久内氏と相談してみたいと思っています。

なお、唯一想定外だったことが、はき口がフィットしすぎて、踝の下あたりがすれてしまったこと。コンビニに飛び込んでバンドエイドで手当てをしましたが、はき口がちょっとだけ汚れてしまいました。。
7足目_フルサドルローファー_8

これまでは素足(シューズインソックス)でビスポークシューズを履くと言うことがなく、どれもホーズを履いていたので気付かなかったのですが、既成靴に比べてフィットするビスポークシューズは足にピタリと寄り添います。よって、ホーズを履いていれば気にならないどころか快適なフィッティングも、シューズインソックスだと素足部分に革があたることで擦れて、血が出てしまいます。

これを回避するには足が直接革に当たらないように”ホーズを履く”か、予め”危なそうな箇所にバンドエイドを貼って”おく。もしくは、”革が馴染むまで履き込んでからトライ”すると言う方法がありそうです。

他にもはき口にパイピングをするアプローチもありそうですが、デザインとも関わってきてしまうので、好みのデザインに仕上がるのであれば、それも良い解決方法かもしれません。

いずれにせよローファーはレースタイプの靴のように紐で調整することが出来ませんので、甲とヒールに加えて、はき口回りもフィットさせる必要があります。従って、これからローファーをビスポークし、素足(シューズインソックス)でデビューされる方は、その対策をしっかりと施すことをおススメします。

個人的には相当に気に入りましたので、はき口との接点をバンドエイドで対策したうえで、次回のトランクショーまでにしっかりと履き込み、2足目のローファーのビスポークに向けてフィードバック出来る内容を見つけておきたいと思います♪





il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(前編):フルサドル ローファー

こんにちは!
本日は、南青山にあるセレクトショップであるSharonさんにおいて年初に開催されておりました久内淳史氏が率いるイルクアドリフォーリオのトランクショーに参加し、微修正を経て納品を頂きました靴をご紹介したいと思います。
7足目_フルサドルローファー_1

それでは、まいりましょう。

■これまで納品頂いたビスポークシューズを一挙見せ!
今回で7足目と言うことで、気づいたら結構たくさん作って頂いたなぁと改めて感じています。まずはこれまで仕立てて頂いた靴を振り返るところから始めたいと思います。

最初は、記念すべき第1足目であるダークブラウンのホールカットシューズ。既成シューズの履き心地とのあまりの違いに驚き、これは平日用として早めに5足をそろえねば!と考えるきっかけになった靴でもあります。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ)のホールカット①

そして2足目にオーダーしたのが、ブラウンカラーのパンチドキャップトゥ。やや明るめのブラウンと言うこともあり、ブローギングを入れて頂き、デザインをややカジュアルに振っています。カジュアルなブラウンカラーとフォーマルよりのパンチドキャップトゥと言うモデルの組み合わせが、私のスタイルには使いやすい。履き心地の良さだけではなく、自分のスタイルに合わせて色、デザイン(モデル)を選ぶことが出来る点も、ビスポークの魅力です。
イルクアドリフォーリオによる内羽根のストレートチップ_②

3足目はブラックカラーのセミブローグ。爪先にメダリオンが付くことで、華やかな印象になりますね。ストレートチップほどフォーマルではなく、フルブローグほどカジュアルではない、このちょうど良い塩梅が、日々のビジネスシーンでは最も扱いやすいと個人的は考えています。
納品3足目となった、il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)によるビスポークシューズの進化とは!?_①

よって4足目も色を変えて、ダークブラウンカラーのセミブローグをオーダー。ブラックカラーのセミブローグとはデザインは少し変えて頂いています。スーツ、ジャケパンともに合わせやすく、ブラックとともに大変重宝しているモデルです。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による4足目のビスポークシューズ:内羽根式セミブローグ_①

5足目は秋冬や雨天時を想定したスエードを選びました。ベースモデルはストレートチップですが、縫い目を隠すレベルソ仕立てを採用することで、分かる人には分かる、ビスポークシューズらしい1足に仕上がっています。一般的にストレートチップは固い雰囲気になりますが、優しい表情を持つスエード素材とブラウンカラー、そして縫い目を隠したレベルソ仕立てが絶妙にマッチして、秋冬には特に活躍してくれるモデルです。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による5足目のビスポークシューズ:レベルソ仕立て ブラウンスエード ストレートチップ_④

そして6足目は3足目と同じ、ブラックカラーのセミブローグ。この頃は装いに黒靴を用いたいという気分が強く、週に2回ほど黒靴を履けるよう、3足目とは異なるデザインでオーダーをしていました。
6足目_セミブローグシューズ

なお、少ないながらもジョンロブやエドワードグリーンなどの既成の紐靴も所有しているのですが、ビスポークシューズに慣れてしまうと足入れをした際の靴へのアタリが気になってしまう状態です。既成靴のみを履いていた際には気にならなかったことが、ビスポークを経験すると気になるという、人間の感覚の変化、進化?には自分事ながら驚いています。よって現在所有する既成の紐靴は、基本的には雨天等の悪天候時に活用するようにしています。

と言うことで、セミブローグをスタイルの中心に添えながら、色気ある装い用にホールカット。ブラウンを用いながらもカジュアル過ぎない、ドレッシーなスタイリングをするためにパンチドキャップトゥやレベルソ仕立てを仕立てて頂くなど、自分のスタイルに合わせて平日のスーツスタイル、ジャケパン用の靴を仕立てて頂きました。

よって7足目はオフの日や、オンであっても、よりカジュアルなスタイルにも対応する、私の大好きなローファーにチャレンジすることに致しました。

■7足目は、フルサドル ローファー
7足目としてオーダーをしたのは、フルサドルローファーになります。コインローファーでも良いのですが、クラシックな表情を持つフルサドルの方がビスポークシューズらしい雰囲気!?が出ることや久内氏オススメのモデルであったこと。また、現在所有している既成のローファーではないデザインであったことなどが決め手となりました。

本日は、まずはそのデザイン、雰囲気を感じて頂ければと思います。


7足目_フルサドルローファー_2


7足目_フルサドルローファー_3


7足目_フルサドルローファー_4


7足目_フルサドルローファー_5




ドレス感のあるスニーカー:SAINT LAURENT PARIS(サンローランパリ) ANDY/アンディ

こんにちは!
少しご無沙汰しておりましたが、気付いたらもう3月。早いですね・・・。

今日は「ドレス感のあるスニーカー」と言うテーマで、久しぶりに購入をしたラグジュアリーブランドのアイテムを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■やっぱり装いは全体のバランス
この度私が購入をしたのは、SAINT LAURENT PARIS(サンローランパリ)のクラシックなデザインのスニーカーである、ANDY/アンディと言うモデルになります。
サンローランパリ_アンディ1

ラグジュアリーブランドにはあまり興味がないので、購入したのは本当に久しぶり。
サンローランパリ_アンディ2

今回購入したモデルであるアンディの特徴は、クラシックなデザインのローカットスニーカーであると言う点。アディダスのスタンスミスのような、シンプルでミニマルなデザインが特徴的です。
サンローランパリ_アンディ3

サイドにゴールドで箔推しされたサンローランのロゴは正直不要だと思いますが、ホワイトベースであることから目立たないので良いのかなと。あと、バックステイにもエンボス加工されたロゴが入りますが、こちらも控えめ。大人がラグジュアリーブランドを用いる際には、ブランドの主張を出来るだけ抑えてサラリと使うのが、いやらしくならないためのコツかなと思っています。
サンローランパリ_アンディ4

底面もシンプル。
サンローランパリ_アンディ5

ヒール部分はやや肉厚で、しっかりとホールドしてくれそう。
サンローランパリ_アンディ6

ワイズはやや狭め。幅広なワイズを持つ(と言っても、ビスポークシューズを制作頂いているイルクアドリフォリオの久内氏曰く、私の足は一般的か、やや狭いくらいと言う評価。甲高はある方だそうです。)と思っている私からすると幅は少しタイトなのですが、使っているうちに馴染む程度の狭さかなと思っています。
サンローランパリ_アンディ7

今回購入に至った最大のポイントは、ドレッシーさを感じる佇まい。革の表情や余計なものをそぎ落としたシンプルでミニマルな雰囲気は、同じようなデザインのスタンスミスであっても表現することの出来ないドレス感を感じました。
サンローランパリ_アンディ8

私はオフの際にもドレッシーさを感じる装いをすることが結構あるのですが、それでもオフ故にどこかで緊張感を抜いておきたい。そこで活躍するのが、スニーカーと言うわけです。
サンローランパリ_アンディ9

革靴の中ではカジュアルに分類されるローファーであっても、どうしてもキチンと感が強くなります。またシャツを着ないようなスタイルであればスニーカーの方が全体のバランスをまとめやすい。と言うことで、ドレス感があって、シンプルなホワイトスニーカーを探している中で見つけたのが、サンローランパリのアンディでした。よって、サンローランと言うブランドにこだわりは全くありません。

■ドレス感のあるスニーカーを履いてみた!
そんなドレス感のあるスニーカーを用いたオフの日のカジュアルスタイリングがこちらになります。

まずは、春のような温かい日にしたスタイリング。以前ご紹介したルイジ・ソリートのアンコンジャケットにネッカチーフとコットンのロングスリーブニットを合わせ、
サンローランパリ_アンディ_コーデ2

パンツにはライトグレーのジャージーパンツで軽快に。これにスニーカーを合わせました。
サンローランパリ_アンディ_コーデ3

この日は風もなく、本当に暖かかったので、久しぶりに踝だしで靴を履いています。
サンローランパリ_アンディ_コーデ4

お次は、冬季らしいスタイリング。ニットブルゾンにタートルネック、そしてニットのマフラーと言うニットづくしのトップスですが、オフホワイト、ホワイト、グレージュと言う優しい色合いを用いてちょっとリッチな雰囲気にしています。
サンローランパリ_アンディ_コーデ6

パンツにはカシミアタッチのジャージーパンツで柔らかく、そしてスニーカーを合わせました。
サンローランパリ_アンディ_コーデ7

用いているカジュアルアイテムはイタリアンブランドが多いのですが、どこかエレガントで、ドレス感のある雰囲気を感じます。だからこそ、足元にもカジュアルなんだけれど、ドレス感のあるスニーカーを合わせることで、装い全体のバランスを取りたいと思うわけです。

今回購入したサンローランパリのスニーカーであるアンディ。雰囲気的にはイメージ通りで大変気に入っていますし、履く回数を重ねることでワイズの狭さもさほど気にならなくなりました。ただヒールが肉厚すぎて!?靴擦れが・・・。上記の踝出しの画像をよく見ると、かかとにキズパワーパッド(※)を貼っているのが分かるのは内緒です。(笑)
※「最高の靴ずれ対策!?:バンドエイド キズパワーパッド 靴ずれ用

オンの際に用いてるビスポークシューズの快適さゆえに、靴擦れの痛さをすっかりと忘れてしまっておりましたが、まさかスニーカーで靴擦れを起こすことになるとは思いませんでした・・・。オシャレは我慢!?とはまさにこのこと!?

それでも私の手持ちのホワイトスニーカーの中ではこれよりドレス感のあるものはないので、キズパワーパッドを上手く活用しながら、大切に履いていきたいと思います。(笑)







モード感溢れるパンチングレザー×ゴールドカラー