il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ)の創業10周年記念トランクショーに参加してみた!
こんにちは!
本日は「il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ)の創業10周年記念トランクショーに参加してみた!」と言うテーマでお送りしたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■祝:il Quadrifoglio(イル クアドリフォリオ) 創業10周年
まずは、イルクアドリフォリオを主催する久内淳史(きゅうないあつし)氏のご経歴を簡単に振り返ってみたいと思います。
※参加させて頂いたSharon店舗内でのトランクショーでの1枚。許可を頂き、撮影しています。
もともと靴や時計の販売をされていた久内氏は、オーダー会においてイタリア靴の制作現場を見たことによって靴の制作に惹かれ、靴づくり職人の道へ。
神戸市経営の靴の学校で基礎を学び、小さな工房での婦人靴の職人を経て、2007年に革小物の街として世界的にも有名なイタリア・フィレンツェに留学。色々修業先を見て回ったそうですが、本人がせっせと靴づくりをしている姿に惹かれて、イタリアのビスポークシューメイカーを象徴する一人である、フィレンツェの天才ロベルト・ウゴリーニ氏に師事。
ウゴリーニ氏の工房では底付けの他、パタンナーも兼任するなど要職を経験し、3年半以上の修行の後、2010年末に帰国。準備期間を経て、「四葉のクローバー」を意味する、フィレンツェの伝統技法をもとにした靴と革小物のオーダーブランドの「クアドリフォリオ」を創業されました。
独立2年目には台湾をはじめとした海外からお声掛けがかかり、国内外を問わず活躍。2016年の末からはSharonさんでのトランクショーを開始し、この2022年4月1日で創業から10周年を迎えられたそうです!(祝)
※上記内容は、Sharon公式HP内の「インタビュー記事」及び、「ブログ記事」を参考にしています。
私がSharonさんでイルクアドリフォリオのビスポークシューズを初めてオーダーしたのは2017年の2月(※)なのですが、実は、その時既に別の日本人の職人さんの工房にお邪魔し、オーダーするモデルまで自分の中では決めている状態。あとはいつオーダーをするのか、と言うタイミングだけの問題でした。
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショーに参加っ!:採寸編」
しかし、たまたまSharonさんに訪問した日がイルクアドリフォリオのトランクショーであったことと、SharonオーナーK氏の熱いラブコールもあり、そのまま勢いでオーダーをすることになったという経緯があります。(笑)
そして、その後はビスポークシューズの快適さ、美しさに魅了をされ、ビスポークシューズの沼に見事ハマってしまったことは本ブログをお読み頂いている方であれば、ご存じの通り。これまでに7足もの靴を仕立てて頂いております。
靴に関してはジョンロブやエドワードグリーン、クロケット&ジョーンズと言う英国靴から入っていったこともありますが、当初はカチッりとした、やや重厚な表情を持つ、英国らしいフォルムの靴に惹かれていた私も、久内氏の日本人らしい端正な表情と、色気ある、グラマラスな雰囲気を兼ね備えた靴に魅了され、今では久内氏以外の職人さんによるビスポークシューズは考えられないと言うほど、全幅の信頼を置かせて頂くまでに至っています。
実際、2016年、2017年あたりの私自身の感性を振り返ってみると、頭からつま先までのトータルでのスタイルコントロールがまだ出来ていなかったように思います。つまり、スーツ単体、シャツ単体、ネクタイ単体、靴や鞄、それぞれのアイテムで気に入っている、惹かれているブランドを選んではいましたが、トータルコントロールは出来ていなかった。しかしそれから経験を重ね、センスを磨くことで、今現在はトータルでのスタイルコントロールを常に意識できるようになってきました。
そういう私からすると、久内氏の仕立てる靴は日本人の職人さんの中でも”唯一無二”だと感じる点があります。それが、靴から溢れ出る大人っぽい”艶感”。
私もインスタグラム等において日本人の職人さんの中でも有名な方から勢いのある方まで、様々な方の靴を拝見しておりますが、久内氏ほどの色気を伴うライン、空気感を持つと感じる靴にはまだ出会えていません。
もちろんビスポークシューズのクオリティと言う観点で見れば、今現在、日本人の職人さんによる靴づくりの技術は恐らく世界でもトップクラス。よほど海外の特定のブランド、職人さんに惹かれているのでなければ、日本国内において世界レベルのビスポークシューズを仕立てることが出来ると思っています。
実際、私以上に様々なメーカー、職人さんの靴のビスポークにご経験がある方々に直接お話を聞いてみても、この考え方に異論はなく、日本人の足を熟知しているということもあり、履き心地、そして丁寧な仕事ぶりは世界のトップレベルをも凌ぐことさえあると感じていると言います。
よって「スタイルの美しさ」、「履き心地の良さ」「仕事の丁寧さ」などにおいて素晴らしい技術を有する日本人の職人さんは他にもいらっしゃると思うのですが、久内氏の手掛ける靴のみが持つ、”大人の艶感ある雰囲気”をまとっていると私自身が感じる靴は、今この時点では他にはないのかなと。
ご存じの通り、私はイタリアはナポリのサルトである、サルトリア・ソリートを中心に、ナチュラルでいて、手仕事による不均衡の美を有するスタイルのある服を好んで着ています。よってそういう服に英国靴を合わせると硬すぎ、米国靴だとカジュアルすぎ、そして色気や個性が強すぎるフランス、イタリアの靴だと、スタイル全体の個性が強くなりすぎてしまうと感じています。
つまり日本人らしい真面目さもありながら、絶妙な塩梅で大人の艶感を感じることの出来る久内氏の手掛けるイルクアドリフォリオの靴が今の自分のスタイル、感性にはベストであると考えているわけです。
今回、そんなイルクアドリフォリオの創業10周年記念のトランクショーに参加をさせて頂き、自身8足目となる靴をオーダーさせて頂きましたので、最後にご紹介したいと思います。
■イルクアドリフォリオによる8足目のビスポークシューズは、タッセルローファー!
ビジネスシーンで使うことの多いシューレースタイプの靴を一通り仕立てて頂いてからは、個人的に好きなローファーモデルに移行。前回(※)、7足目ではビスポークシューズとしては自身初のローファーをセレクト。フルサドルのローファーを仕上げて頂きました。
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(前編):フルサドル ローファー」
※「il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(後編):フルサドル ローファー」
履き口が”笑う”ことなく、また歩いていてヒールが抜けるようなこともないので、とても快適な履き心地と色気あるエレガントが大変お気に入りの一足。
このような中で、8足目のビスポークシューズとして選んだモデルは同じくローファーモデル。前回は表革を使ったフルサドルローファーでしたが、今回はスエードを使ったタッセルローファーをセレクトしました。
※Sharonさんの店舗内にて承諾を頂き、撮影しています。
革の色、モデルはこのサンプルと全く同じで、ダークブラウンカラーのカーフスエードに、レザーの編み紐が履き口を囲むように回るデザイン。
履くと足を小さく見せてくれる気がするイルクアドリフォリオの靴。グラマラスなラインと艶感を持ちながらも主張が強すぎないので、トータルコーディネートの中においても悪目立ちしない点も気に入っています。やはり服に対して靴の主張が強すぎると前に出ている感じがしてしまい、私が目指す大人のスタイリングとしては好みではありません。
今回のトランクショーで持ち込まれた革の中にはカーフに比べるとキメが細かく、よりソフトな表情のシープレザーもありましたが、私はカーフでオーダーをさせて頂くことにしました。
なお、今回は10周年記念のトランクショーと言うことで、ビスポークシューズをオーダーした人には靴と同じ革で仕立てたオーダーベルト(※)が無料でプレゼントされていました。ダークブラウンカラーのスエードベルトは、実はレベルソ仕立のストレートチップを仕立てて頂いた際に別途オーダーをしていました。
※オーダーベルトはウエストに合わせて穴が基本1つだけ
その際はシルバーバックルを選んでいましたので、今回はカジュアルよりの靴であるローファーに合わせて、沢山あるサンプルの中からゴールドのバックルを選びました。
猫足のようなバックルデザインも洒落ていて良いかなと。
この後仮縫い、中縫いを経て、スムーズにいけば年内には納品頂けるのではないか、と楽しみにしています。今回のトランクショーでは久内さんとビスポークシューズ以外のことについてもお話する時間があり、いろいろと刺激を頂くことが出来ました。お話を通して感じたことなど、機会があれば別の機会に記事化出来ればと思います。