30
2016
こんにちは! 本日は、靴好きの方にはちょっと気になるニュース!?をお届けしたいと思います。 それは、多くの日本人の靴職人さんが活躍するビスポークシューズ業界の中でも、現在注目度が俄然高くなっている!?久内 淳史(きゅうない あつし) 氏が手掛けるil Quadrifoglio(イル・クアドリフォーリオ) が、この度Sharonさんでトランクショーを開催することになったのです! ※Sharonさんの公式ページ より拝借致しました。 実は先日Sharonさんの3周年記念パーティに御招き頂いたことは記事(※)にてお伝えしたのですが、その際、Sartoria Cavutoを主宰されていらっしゃる甲祐輔氏とともに、同じテーブルで色々とお話をさせて頂いたのが、本日ご紹介する久内淳史氏だったのです。 それでは、まずは久内淳史氏のプロフィールを少しご紹介したいと思います。 ■il Quadrifoglio(イル・クアドリフォーリオ)とは!? il Quadrifoglio(イル・クアドリフォーリオ)とは、久内淳史氏が2010年より日本は神戸を拠点として立ち上げられた、ビスポークシューメーカー(革小物も取扱い有り)です。 ブランド名は、日本語で四葉のクローバーを意味し、それぞれの葉には、希望・誠実・愛情・幸運という意味があるそうです。 久内氏は、神戸市経営の靴の学校で基礎を学んだ後、ステファノ・ブランキーニやシルヴァノ・ラッタンジと言ったイタリアの靴が持つハイレベルなデザインに魅了されて2007年、イタリア・フィレンツェに留学。 その際、本人が現役で靴作りに取り組む姿勢に感動し、あのロベルト・ウゴリーニ氏に師事。ウゴリーニ氏の工房では、底付けの他、パタンナーも兼任するなど、要職を経験された愛弟子であったとか。 そして、3年半以上の修行を終えたあとの2010年末に日本に帰国し、地元の神戸にてイル・クアドリフォーリオを立ち上げられたと言うご経歴をお持ちです。 興味深いのは、靴のデザインのインスピレーションを得るために、「車を見る」と言うのです。イタリアを代表する、ボローニャ発の高級スポーツカーである「マセラティ」などからイメージを膨らませて、自身の靴のデザイン、フォルムに落とし込んでいくのだとか。 また、ご自身の靴のデザインに少しでも影響を受けると言う理由から、木型やデザインにおいては、あまり他の靴を見ないと言う記述もございました。かなりストイックな方のようですね。 なお、イル・クアドリフォーリオの靴の特徴としましては、美しいフォルムを意識して、縫い目の少ない、シンプルなパターンを好んでいらっしゃるそうで、その辺りはまさに高級車であるマセラティを彷彿!?とさせます。 更に、特にエキゾチックレザーを得意としていらっしゃるようで、この後少し画像でご紹介致しますが、靴の色気が半端ではありません!もちろん革には相当にこだわっており、パーティの際にもお伺いしたのですが、イタリアまで自ら革の買い付けに行くそうですよ。 ちなみに、奥さまも同じくイタリアで修行をされており、コインケースやシューホーンなどの革小物を手掛けていらっしゃいます。実際パーティの際に久内氏からコインケースを見せて頂きましたが、掌に気持ち良く納まる心地良さと、革なの!?と一瞬思わず思ってしまうような独特の光沢感が魅力的でした。 ■色気溢れるil Quadrifoglio(イル・クアドリフォーリオ)の靴 さて、それではイル・クアドリフォーリオの手掛ける靴のいくつかを、イル・クアドリフォーリオさんのBlog(※)から画像をいくつか拝借して、ご紹介したいと思います。 ※コインケースの画像もBlogより拝借致しました。 まずはこちら。久内氏ご自身の靴だそうで、パーティの当日も実際に履いてらっしゃいました。(私の記憶が正しければ・・・。)クロコで作ったストラップシューズ。バックルもオリジナルだそうで、ブランド名に由来するクローバーが彫り込まれております。凄い色気と存在感ですが、実際に見てみると、意外に合わせやすそうな雰囲気だと感じましたょ。 そして同じくクロコのタッセル・ヴァンプ。自ら購入する候補の靴としてエキゾチック・レザーに惹かれたことは正直なかったのですが、これはカッコいい!と思わず思ってしまった一品。 底面には小物であるコインケースなどで使っていると言うマーブルで仕上がっていて、普段は見えない所もぬかりなし。底面からも色気が溢れちゃう靴って凄くないですか!?ちょっと驚いてしまいました。 もう1つクロコ。こちらはバイカラーですね。作り手である久内氏も凄いですが、オーダーされたクライアントの方も凄いですね。合わせているのはリネンのワイドパンツでしょうか!?とても良い雰囲気で、思わず見とれてしまいます。 最後は、2アイレットのパティーヌの靴。柔らかくカーブを描くフォルムと革の表情が絶妙なのですが、上手くその魅力を表現できる言葉がみつかりませんよ。 私、服につきましてはイタリアはナポリを中心とした手縫いの服に魅了されておりますが、靴につきましてはどちらかと言いますと、英国のシンプルでいて、あまり主張することのない靴の方が好みです。 それは、これまでも数は少ないながら、ジョン・ロブやエドワード・グリーン、クロケット&ジョーンズと言った英国靴が多かったことからも伺えると思いますし、イタリア靴であったとしてもエンツォ・ボナフェのように色気満載と言うよりは、英国風の香りのする靴(モデル)を購入してきていることからも明らかです。 更に言えば、エキゾチック・レザーはカッコいいとは思いつつ、自らが身につける、特に靴などに用いるなどとは夢にも思ったことがないほど、自らとは遠い存在として認識しておりました。 が、今回久内氏の手掛けるイル・クアドリフォーリオの靴を見て、まだまだ自分の壁を作るのには経験、センスなどが大きく欠けているな、と強く考え直した次第です。まさに、新しい扉が開いた(開いちゃった・・・汗)感じがしており、非常に興味を持つことが出来ました。 トランクショーの概要は、SharonさんのNEWS から転載する形で下記に記載しておきますが、都合が許せば注文は出来なくとも、是非もう一度生で色々と見てみたい!と思っております。 ビスポークシューズでかつ、シューツリー込みの価格としては比較的良心的な印象がありますので、靴好きの方はもちろんですが、ビスポークシューズにトライしてみたい!と言う方で、イル・クアドリフォーリオのスタイルが気になる方は参加されてみてはいかがでしょうか!? <il Quadrifoglio>TRUNK SHOWの概要【SharonさんのNEWSより一部転載の上、追記】 ・開催日程:11月11日(金)~11月13日(日) ・開催場所:Sharon 2F ・開催時間:11月11日~11月13日 12:00~20:00(最終受付18:30まで) ・価格:¥300,000(税抜)~ シューツリー付 ・納期:約1年 ・仮縫い:有り ・久内淳史氏本人による直接採寸 ・事前予約制(Tell:03-6418-5131(受付時間:12:00〜20:00))
▲PageTop
29
2016
こんにちは! 本日も着々と進んでいる冬への備え的なアイテムをご紹介したいと思います。 購入しましたのは、ARIANNA(アリアンナ)のカシミア マフラーです。アリアンナはこれまでもシルクやコットン、カシミア×シルクのストールなどを購入してきた、お気に入りのネックウェアのメーカーです。 ※「ARIANNA(アリアンナ)のカシミア×シルク ストールを購入! 」にてご紹介したストール 今回は本格的な冬に備えて!?カシミアのマフラーを購入しましたので、早速実物をご覧頂こうと思います! ■ARIANNA(アリアンナ)のカシミア マフラーをご紹介 さて、この度購入しましたのは、こんなオフホワイトのカシミアマフラーです。当初はちょっとフェミニンな感じ過ぎるかな!?と言う想いもあったのですが、サラッとgoogle先生で画像検索をしたところ、スーツ姿にカッコよくホワイト/オフホワイトのマフラーをしている外国人のSNAPを見つけ、モノは試しと購入してみることに致しました。 リネンやコットン、カシミア×シルクなどの素材をこれまで購入してきましたが、カシミア100%は初めてです。ただ、どれも旧式の折り機でゆっくりと織りあげているだけあって、優しい空気を含んだような風合いはどの素材であっても共通する魅力の一つだと思います。 フワっフワで、トロトロな触り心地。もともとカシミア×シルクのポケットスクエア(※)をSharonさんで初めて購入し、とても気に入ったメーカーだったのですが、これを首に巻いたりしたらさぞかし心地良いだろうなぁ~と言う妄想がこの度現実になりました。思わず頬ずりしたくなるような心地良さです。 ※購入記事:「念願の!?ARIANNA(アリアンナ) カシミア×シルク チーフをゲット! 」 全長は約190cmと十分な長さがありますが、フリンジは約3.5cmと短めです。 実際「悩めるトルソー君」にかけてみますと、こんな感じです。今回はアルフォンソ・シリカのキャメルカラーのカシミア・ジャケットにかけてみましたが、エレガントな雰囲気が漂ってきて良い感じ。思ったほどフェミニン色が強くないので安心しました。 画像のようにキャメルに合わせても上品にまとまりますし、ダークカラーが多くなるこれからの季節には、全体の印象を明るくする効果も期待出来ますので、これからの活躍に好ご期待と言ったとことでしょうか!? ちなみに適度な長さに加えて生地に厚みもありますので、首元にボリュームも持たせたり、巻き方のアレンジでもストールとは違う表情を作ることが出来、別の楽しみ方も出来そうですね。 ■ニット・アイテムは素材を楽しむ!? この2016年AWのニットアイテムは、あえて素材を楽しむ!?と言うことを念頭にセレクトしております。 ニットアイテムと言いますのはご存知の通り、編み物ですね。よって、伸縮性がありますので基本的には着心地が悪い!と言うのは余程サイズがあっていないか、パターン等がおかしくない限りは起こりえないことだと思います。 よって、着心地と言うよりは肌触りや風合い、発色なんかに重きを置いて選ぶのが良いのかなと。 そのような中で、今年は後半戦の買い物計画の記事である「2016年AWの買い物計画を、考える:後編 」でもサラッと触れております通り、ニットのアイテムは”素材にこだわって”購入して行きたいと思っております。 良質なニットと言いますのは、扱い(保管・メンテナンス)も若干厄介ですが、その反面、肌に触れた瞬間に得られる幸せな気分と言うのもまた極上な気が致します。 カシミアをはじめ、良質だと言われている素材であっても、そのクオリティはピンキリだと言いますね。個人的には特にカシミアと言う素材にこだわっているわけではないのですが、色々なメーカーのカシミアを経験することで、少しずつ自分の好みのカシミアの触り心地や風合いを見つけたり、クオリティを見抜けるような審美眼を身につけていけたらと考えていたりします。 ちなみにカシミアと言うのは、素材の出荷量の4倍ほどの製品が世の中に流通していると、何かで読んだことがあります。つまり、それだけ偽物が出回っている、と言うことだと思いますので、信頼できるメーカーを見つけることも、またカシミアを楽しむ上では大切なことなのかもしれませんね。 皆さまも是非今年の冬は、カシミアをはじめ、思わず頬ずりしたくなるような、触るだけで幸せな気分を感じられるような素材のニットアイテムを楽しんでみてはいかがでしょうか!?きっと、いつも以上に暖かく冬が越せるのではないかと思いますっ。 アリアンナのカシミアソリッドのストールも気になります・・・。
▲PageTop
28
2016
こんにちは。 本日は、ちょっとしたお知らせを1つだけ。 ■「Think elegant!」を更新しましたっ! 昨年より取り組みを始めさせて頂きました、シャロン さんとのコラボBlogである「Think elegant! 」を更新致しましたっ。 なお、今回のテーマは前回に引き続き、「美の起源」。 前回は「インプット編」と言うことで、インプットされるものに美の起源のヒントがあるのではないか!?と言う主張だったのですが、今回は真逆の主張!?である「アウトプット編」です。 本Blogもそうですが、私が書く文章と言いますのは、何か絶対的なものを提示したり、主張するものではまったくございません。そもそも書いている本人が素人なので、そんなことも出来るはずがありません。 ただ、文章を読んだ方の頭の中に 「!」 と言う、新しいモノの見方やアイデアが思い浮かぶ「きっかけ」になったり、テーマとして設定したことなどに想いを巡らせる「きっかけ」になれば嬉しいと言うものです。 今回も私、rm55が書いておりますので、そんな難しいことは書けません。お時間がある方は是非お読み頂き、何かしらの考えをめぐらせるなどの「きっかけ」になれたらと思います。 それでは、宜しくお願い致しますっ!
▲PageTop
27
2016
こんにちは! 本日は、「続・「オーダースーツは買わないほうが良い、というお話。」を考える」の後編と言うことでお送りしたいと思います。 前編では「「オーダースーツは買わないほうが良い、というお話。」を考える 」と言う記事に対して頂きましたコメントや、先日私が経験した、ちょっとした出来事によってオーダースーツは不格好になり得る!と言うことを理解したとお伝え致しました。 そしてオーダースーツが不格好になり得る要因の1つとしましては、ス・ミズーラ(ビスポーク)経験豊富な方からご教示頂きました、”服を作るプロ”ではない発注者による「口の出し過ぎ(要望のしすぎ)」である旨を記載しておりました。 そういう意味では、「自分の意見、希望は”全て伝える”にしても、それらをまとめあげる最後の作業は”作るプロに任せる”と言うのが、オーダースーツで不格好なものをつくらない為の1つの学び」ではないか、とお伝えさせて頂いたわけですね。 今日は、オーダースーツが不格好になってしまう2つ目の要因につきまして、自身の経験した出来事を踏まえて記載させて頂こうと思います。それでは、まいりましょう。 ■ス・ミズーラ(ビスポーク)は最高難易度の技!? さて、日本に住んでおりますと、世界でもトップレベルのサルトリアのス・ミズーラ(ビスポーク)を仕立てる機会に接することが出来たり、また高い技術的を有し、中には世界でもご活躍されていらっしゃる日本人の職人さんのスーツを仕立てる機会があったりと、服が好きな方にとりましては服を仕立てる、つまりス・ミズーラを行う機会を見つけるのは、比較的容易(費用を除けば)な状況にあると考えております。 そういう状況におりますと、どうしてもス・ミズーラ(ビスポーク)のありがたみ、と言いますか、いかに高度なことを職人さんが行っているのか、と言うことを考えなくなってしまうわけですが、SharonのオーナーであるK氏曰く、しっかりとしたスーツを仕立てると言うことは非常に難しいことであり、最高難易度を有する技術であると言います。 ところで、SharonのバイヤーでもあるK氏は、SharonさんのHPでBlog(ジャーナル) を書いていらっしゃることはご存知の方も多いかと思います。最近ですと、「Su Mizura Snap」と題しまして、K氏がこれまで仕立ててきたスーツをご紹介されていらっしゃいますね。 それこそサルトリアの手掛けた手縫いのアイテムを数多く扱うSharonさんでは、必ず取扱の前にはオーナー自らがス・ミズーラを行い、自分が本当に良いと思えるものかどうかのチェックを行うと。そして、これは良い!と思ったサルトリアのアイテムのみに対して、更なる改良を施し、店頭に展開していらっしゃることはK氏のブログにも書いてある通りです。 よって、K氏は有名・無名を問わず、ナポリを中心としたサルトリアのスーツをかなりの数仕立てていらっしゃるわけですが、先日私が直井茂明氏(インスタグラム:sartorianaoi )に依頼しているス・ミズーラのスーツの仮縫いでお伺いした際に、これまでK氏がナポリでス・ミズーラをされたサルトリアのスーツ(ジャケット)の一部を試着させて頂く機会がございました。 世界でも数多くのサルトリアがひしめくイタリアはナポリのサルトリアが仕立てたジャケットを試着する機会、と言うのも中々ございませんし、またK氏は幸いなことに私と体型が近いこともありまして、かなりリアリティを持って、ス・ミズーラされたジャケットを試すことが出来ました。 そして、その時の経験が、また1つの学びとなったわけです。 ■何事にも経験は重要です!? 今回K氏に試着させて頂いたジャケットは3着。1着はご存知、サルトリア・ソリートのダブルブレステッドのジャケットです。ちょうど、下記の画像のものですね。 その他2着は、Sharonさんでの取扱はないのですが、一方はナポリ界隈では有名で、日本でもご存知の方も多いであろう老舗のサルトリア。他方は若きサルトリアで、知名度こそないものの、皆さまの中にもSNAP写真であれば見たことがあると言う方がいらっしゃるのではないかと思われます。 今回試着したジャケットはどれも皆ダブルだったのですが、1度に試着をしますとやっぱり全体のバランス感や着心地、スタイルの差異と言うのが非常に分かりやすく、個人的には目から鱗な経験でした。 正直今回の経験をするまでは、K氏がよくおっしゃる”全体のバランス感”と言う言葉の意味が、言葉上は理解できても、しっくり腹落ちするレベルではイメージ出来ておりませんでした。が、今回自ら着てみることで、バランス感が良いとはどう言うことなのか、が初めてしっかりとイメージを持って理解出来たのです。 最初に申し上げますと、私がサルトリア・ソリートのスタイルのファンであると言うことは差し置いて考えたとしても、やっぱりソリートのバランス感、着心地の良さ、作りの丁寧さは他の2つのサルトリアと比較しますと、かなり高レベルでまとまっていることが、素人である私であっても一瞬で理解できました。 例えば、老舗のサルトリアについて言えば、丁寧に作ってありますし、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、太めのラペルを持った男らしいダブルのスタイルなどは純粋にカッコ良いと感じるのですが、若干腕の運動性がソリートに比べると落ちるのですよね。それは、外から見ていてもアームホールの位置で分かる位でした。 もちろん着ている上で大きな支障は無いのですが、ソリートと比べてしまうと、やっぱり着心地の良さと言う面ではマイナスポイントがあることは否めません。 更に、若きサルトリアのジャケットについて言えば、正直全体のバランス感が悪かったです。本人達が着ている姿を見るとカッコ良いのですが、少なくともそれと比べると、「えっ!?」と言う感覚を持たざるを得ませんでした。前身頃の大きさやポケットの位置、大きさなど、全体としてのまとまりに欠けるのが一目瞭然・・・。 K氏曰く、自分たちのモノを作るのと、人のモノを仕立てるとのでは必要な技術が全く異なる、と言いますが、まさにそんなことを感じた1着でした。 スーツをス・ミズーラ(ビスポーク)すると言うことは、身長の長短、体重の軽重のみならず、その人の身体のクセを踏まえて仕立てあげていく必要があるわけです。 それはまさに縦横のサイズが違い、更には面に凹凸があるようなキャンバスに同じスーツと言う絵を書いて行くようなもので、どんな種類のキャンバスに描いたとしても、カッコ良いスーツを毎回同じように描くと言うことは、非常に難しいことであると言うことが今回の経験を通して良く理解できました。 また、その人の体型にあわせてラペルやゴージ位置、ボタン位置、ポケットの形状、また肩の付け方や角度などを調整した上で、着心地を犠牲にすることなく、カッコよくまとめあげる技術と言うのは、数多くの体型の人たちのためのスーツを仕立てた”経験”と言うのが非常に効いてくるのであろうことは、容易に想像がつくわけです。 そういう意味では、スーツが不格好になる要因の1つは、”作るプロ”ではない発注者の「口の出し過ぎ」によるものでしたが、もう1つの要因としては、”作るプロ”であるサルトリアの「経験(技術)不足」に起因するものである、と言うことが出来るのかもしれません。 ■不格好なスーツをつくらないために!? と言うことで、前編、後編に渡って考えてきました「続・「オーダースーツは買わないほうが良い、というお話。」を考える」と言うテーマですが、現時点での個人的な考えを書くのであれば、以下のようになります。 例え体型が不格好であったとしても、経験豊かな、センスのあるサルトリアが仕立てれば不格好な点を隠しながら全体として美しくまとめあげることが出来るのだと思いますし、逆に発注者がいくらモデル体型であったとしても、変に発注者が「口を出し過ぎたり」、サルトリア自身の経験(技術)が未熟であったりすると、不格好なスーツが出来てしまう可能性はあるのだと。 今後ス・ミズーラ(ビスポーク)にチャレンジされる方、また更なる経験を積みたいと考えている私自身のために、備忘録としてメモを残しておきたいと思います。 不格好なスーツを作らないためには、 ①気になるサルトリアが仕立てたスーツを着用している人を出来るだけ多く見て、どれもカッコ良いと思えるかを確認する! 今は便利な時代ですので、インスタグラムやブログ等を使って、出来るだけ多くの体型の方の着用画像を見ることが出来れば、そのサルトリアの技量をある程度推し量ることは出来ますね。よって、事前に頑張って色々と探してみましょう!?(笑) 何着か見ても、カッコ良い!と思えるのであれば、それはそのサルトリアが経験と技術を有している可能性が高い!と言えそうです。 ②最後は、職人を信じる(信頼する)! また、仕立てようと思うからには上記①をクリアしているからだと思うのですが、この人だ!と決めたら、自分の意見や要望は伝えても、最後は”作るプロ”であるその職人さんのチカラを信じることが大切かなと。 やっぱり世界に1着の自分の為のスーツと言うことで、気合が入り過ぎることはあるかもしれませんが、自分がカッコ良いと思って選んだ職人さんですから、きっと良いモノを仕立ててくれるはずです。もし多少違う点があったとしても、それを踏まえて次回に活かせば良いのではないでしょうか。 これからス・ミズーラ(ビスポーク)にチャレンジしよう!と思われる方が、素敵なサルトリア(職人)と出会い、そしてカッコ良い、世界に1着だけの素晴らしいスーツを仕立てられることを、一服好きとして切に願っております。
▲PageTop
25
2016
こんにちは! 本日は、「続・「オーダースーツは買わないほうが良い、というお話。」を考える」と言うことで、先日お送り致しました「「オーダースーツは買わないほうが良い、というお話。」を考える 」の続編です。 ※Sharonさんに許可を頂き、撮影しております。 それでは、早速まいりましょう。 ■反響の大きさに驚く!? さて、先日お送りしました上記記事ですが、思った以上に!?反響を頂きまして、記事をお読み頂いた方からメールやインスタグラム等によってメッセージを頂きました。コメントを頂きました皆さま、ありがとうございます! そもそも元の記事は、 「日本人の体型は不格好だから、オーダースーツ(ビスポーク)よりも吊るし(既成)を着る方がカッコいい」 と言う1つの問題提起!?に対しまして、 「カッコ良いかどうかを最後に判断するのは自分であるのだから、吊るし(既成品)とビスポーク、どちらがカッコ良いのかどうかと言うよりは、自分がどうありたいのか、どう言うスタイルに美を感じるのか、と言ったことなのではないでしょうか!?」 と言う、個人的な見解を掲載した記事でした。 これに対しまして、賛成!反対!と言うよりは、「考えるきっかけになった」と言ったような趣旨のご感想を多くの皆さまから頂いたのですが、私が上記見解に至った1つの要因としましては、記事にも記載致しました通り、自身の経験の少なさを挙げることができます。 吊るし(既製品)につきましては人並み程度の経験はさせて頂いたものの、ス・ミズーラ(ビスポーク)の経験は圧倒的に少ない上に、まだ最初の1着の仮縫いが終わった程度で、実物が手元にございません。 つまり、問題提起にありました、オーダースーツ(≒ビスポーク)が不格好になる、と言うイメージを、私自身として正確に理解、イメージ出来なかったと言うのも、上記見解に繋がっているわけです。 ところが、ス・ミズーラ(ビスポーク)経験豊富な方から頂いたコメントや、先日経験したちょっとした出来事によって、オーダースーツは不格好になり得る!と言うことを、ある程度確信を持って理解することが出来たわけです。 本日は、そんなことを踏まえて続編を進めてみたいと思います。 ■発注者であっても、最後は作るプロに任せるべき!? さて、まずはス・ミズーラ経験豊富な方から頂いたコメントですが、オーダースーツが不格好になる要因の1つ目、これは日本人の体型が不格好だからと言うよりは、素人である発注者の行動に起因するものでした。 具体的に申し上げますと、「口の出し過ぎ」だと。 オーダーでスーツを誂える方には、そこに至る大きく2つのアプローチがあるかと思います。1つは、固有の体型によるもの。2つ目は、服好きが高じることによるもの。 1つ目はいわゆる、特徴的な体型であることから吊るしが体に合わない為に、オーダーでしっかり体型に合わせたスーツを仕立てると言うものです。分かりやすい例としては、野球やサッカー選手のようなプロスポーツを生業とされていらっしゃるような方は、筋肉が発達しておりますし、特定の部位が発達するこも多いでしょうから、吊るしでは対応しきれないことが多そうですよね。 つまり、吊るしで対応できなければオーダーで仕立てる、と言うのが自然な流れかなと。 2つ目は、私のような服が好きな方が仕立てると言うものです。私は吊るしであまり困ることがない、標準的な体型であると言う認識ですが、やっぱり世界で1つの自分の服を仕立ててみたい!と言う夢があって、現在それに挑戦しているわけですね。他にも、吊るしで欲しいモノが無いから服を仕立てると言うアプローチもありますが、これも服が好きでないと普通はしないかなと。 つまり、服好きが高じてオーダーで仕立てる、と言うアプローチです。 ただ、どちらのアプローチで服を仕立て、また例え何着仕立てた経験があったとしても、それは服を作るプロ、ではなく、服を着るプロであるように思います。 いくら世界に1つだけの自分仕様のスーツ(※)であったとしても、そこに反映できる自分の好みには限界がありますよね。 ※通常の一般的な利用を想定 本Blogでも過去に触れておりますが、スーツと言うのは大英帝国に端を発し、何世紀にもわたって変化を遂げながらも一定のルールの下で今現在のカタチに落ち着いております。そんな時の洗礼を受けたスーツと言うのは、意外に自由度が効くようで効かない、決められたデザインやバランスの幅があるように思います。 そのような中で、”作るプロ”ではない、”着るプロ”の方がデザインに対して必要以上に「口出し」を行いますと、やっぱり仕立て上がるスーツはトータルとして見ると不格好(アンバランス)、と言うのが現実として存在するそうです。 これは言われてみれば、なるほどな!と言う納得感がございますょね。 ”作るプロ”ではなく、”着るプロ”である発注者が必要以上に「口出し」をすれば、ラペル幅や角度、フラワーホールの大きさやバルカポケットや釦の位置等、本来あるべきバランスの枠を超えて、不格好(アンバランス)になってしまうことがあり得ることは十分想像が出来るというわけです。 そういう意味では、自分の意見、希望は”全て伝える”にしても、それらをまとめあげる最後の作業は”作るプロに任せる”と言うのが、オーダースーツで不格好なものをつくらない為の1つの学びなのかもしれません。 なお、2つ目の学びである、私が最近経験した出来事も記載したいのですが、ちょっと長くなりましたので、ご容赦頂きまして次回に回したいと思います。
▲PageTop
23
2016
こんにちは! 本日は、「su mizura(ス・ミズーラ)への道のり:仮縫い編」と言うことで、今年の頭に直井茂明氏にお願いをしたsu mizura(ス・ミズーラ)のスーツの仮縫いを先日行って頂きましたので、その時の様子をご紹介したいと思います。 ・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:採寸編 」 ・「sumizura(ス・ミズーラ)への道のり:生地編 ESCORIAL(エスコリアル) 王家の羊 」 それでは、まいりましょう。 ■まるでパンツを履いていないかのような感覚!? 仮縫いですが、まずはパンツから行います。試着室でパンツに足入れをした瞬間、そのクリーミーなタッチのエスコリアル・ウールの心地良さに驚いたわけですが、本当の驚きはこの後に待っておりました。 今回はワンプリーツ(アウトプリーツ)で仕立てて頂いておりますが、このシルエットがまず自分でもびっくりするほど美しいのです。。私はご存知の通り、足が長いわけではないのですが、これが自分の足かと疑ってしまうくらい、美しいラインを描き出します。 しかも、歩いてみますと、まるでパンツを履いていないかのような感覚に襲われました。ウエストとヒップがピタっとフィットしているからか、余計な負担が体にかからず、負荷を感じないのには正直かなり驚きました。仮縫いの状態でここまでの精度で上がってくること自体が驚きですが、この感覚は今までにない心地良さでした。 なお、仮縫いの状態にしてはかなりフィット感がが高かったのですが、直井氏とご相談の上、少しワタリを削ることにしましたよ。この修正によって、更に穿いた際のシルエットが美しくなるのではないかと期待しております。 ちなみに、私のモデルではパンツのパターンをこれまでとは少し変えていらっしゃるとのことでした。もしかしたら、このあたりが美しいシルエットや、まるでパンツを履いていないかのような感覚を生み出す要因に繋がっているのかもしれませんね。 「裸の王様」ならぬ、「裸のおじさん」状態かと一瞬思ってしまうほどの心地良さでしたが、「安心してください。ちゃんと穿いてましたよ!(笑)」と言うことで、正直パンツを試着しただけでも感動してしまったわけですが、まだまだ驚きは続きます。 ■体にフィットするということ さて、続いてはジャケットです。この日は珍しく週末にもかかわらず自由時間がとれまして、日曜日に訪問致しました。よって、袖丈を直していないカジュアルなシャツで行ったのですが、仮縫いであっても袖丈をお直ししているドレスシャツの方が、よりイメージが出来るので良いですね。この点は個人的な反省点でした。 が、ジャケットの感じは十分着用イメージが出来る状態まで出来上がっておりました。もちろんボタンなどは付いておりませんので、マチ針でフロントをとめて、細かいフィッティングを見て行きます。 私は採寸をした年初と今では、夏に向けて頑張って筋トレをした分(笑)、上半身を中心に体型が若干変化しておりました。よって、このあたりが微妙にフィッティングに影響しております。その結果、背幅を少し出しつつ、ウエストは絞るなど、かなり細かい修正を行って頂きました。仮縫いだから全然良いですよ!と直井氏は仰ってくださいましたが、体型変化には気をつけたい所ですね。 また、ジャケットを着たまま袖の仮縫いを解き、アームホールのフィッティングなども確認します。現状はかなりぴったりしたジャスト・フィッティングだったのですが、今回は秋冬モノの生地であり、ニットなどを着ることも考慮して、少しだけ大きくしてもらうことに致しましたよ。 他にも実際に私が着てみた感じのバランスを見て、ラペル幅を5mm程削って頂いたり、フロントカットの開きをもう少し小さくするなど、体型にあわせて個々のバランスが最適化するような細かい修正を施して頂きました。 しかし、2次元であった生地が、自分の体にフィットする3次元の世界になって目の前に現れると、それはそれでかなり驚きますね。もちろん初めての経験、と言うこともあるだとは思いますが、人間の複雑な曲面に対して生地を沿わせて行くと言うのは、数あるモノづくりの中でもかなり高度な技が求められる分野ではないか、と思ったり致します。 しかも人によって、身長や体重はもちろんのこと、体の作りも全く異なってきますので、なおのこと1人1人の体型に合わせた服を仕立てて行くと言うことの凄さに衝撃を受けざるを得ませんでした。 正直まだ仮縫いの状態ですが、肩や背中、胸やウエスト、ヒップなど、自分の体型に本当に服がフィットする、と言うことは、こう言うことなんだ、と言う感覚を30数年生きてきて、初めて知った気がします。 これまでも、手縫いのパターン・オーダーであるサルトリア・シャロン ことセ・ミズーラをはじめ、世界でも有数のサルトが手掛けた手縫いの吊るし(既成品)アイテムを身につけてまいりましたが、当たり前と言われればその通りなのかもしれませんが、自分の体型に合わせたス・ミズーラ(ビスポーク)のスーツは、他のどれよりもフィット感が圧倒的に優れています。 吊るしであれば、肩幅が合えばそれなりに良いフィット感は得られると思うのですが、アームホールをギリギリまで攻めることができたり、背中やウエストなどをアイロンワークで曲げて体に沿わせると言ったレベルまでになりますと、吊るしはもちろろんのこと、パターン・オーダーとは言え限界がありますよね。 その人の体型にフィットする仕立てをしながら、運動量を確保する遊びを持たせつつ、体型をカッコ良く魅せるための空間をどのように作っていくのか、このあたりが職人として技の見せどころであり、また美意識(アート)の世界なのかもしれません。 ちなみに最近、直井茂明氏はインスタグラムにて「sartorianaoi 」の名前でアカウントを開設されたのですが、少し前に仕立てている最中のエスコリア・ウールのスーツの画像がポストされておりました。もしかしたら私のかな!?と思って仮縫い当日に伺ってみたのですが、やっぱり私のものだったようで、とても嬉しく思った次第です。 次回は、中縫い。今回の仮縫いでの修正点を踏まえてどのような感じで仕立て上がってくるのかが、とても楽しみです。また、その際には中縫い編としてお届けできればと思います!
▲PageTop
22
2016
こんにちは! 本日は、着々と進んでいる冬にむけて補充したアイテムをご紹介したいと思います。 購入しましたのは、Cruciani(クルチアーニ)のハイゲージ・タートルネックです。ここ1、2年はザノーネのミドルゲージやドルモアのケーブル編みニット、ジェームス シャーロットのローゲージなど、タートルネックを多々買い足してまいりました。 その中でも、インポート・ブランドでハイゲージのタートルネックを購入したのは実質”初”かもしれません。それまで唯一ハイゲージのタートルネックを購入していたのが、無印良品であったからです。しかし、その無印良品のハイゲージタートルが、今回のクルチアーニのハイゲージタートルネックの購入に絡んでいたりするのです。 それでは、そんな購入の背景も踏まえて記事を進めたいと思います。 ■実績があったアイテムをアップグレードする! さて、購入したのはクルチアーニのハイゲージ・タートルネックなのですが、色はブラック!実はハイゲージのブラックタートルは、2014年に無印良品にて購入しておりました。 ※購入記事「今年も買い足しました!無印良品の洗えるタートルネック 」 実はこのブラックのタートルネックがかなり使えるアイテムでして、寒いのが嫌いな私は、結構な頻度でオフの日に着用していたわけなのです。そして、この無印良品のタートルネックの魅力の1つが、商品名にもなっている「洗える」と言う実用性の高さ。 インポートのタートルネックですと、大抵下にはシャツをインして着用することが多いのです。こう言う着こなしですと、直接肌と触れ合う箇所がほぼ無い状態ですので、自然とシーズン中にクリーニングに出す回数もグッと少なくなります。しかし、無印良品は定価3980円の中、キャンペーン中と言うことで2900円で購入しておりました。 そんな購入価格も影響してか、1枚で着用することもありますし、子供と遊ぶ時も躊躇なく着ていたのです。そして、自宅で「洗える」わけですから、着用したらすぐに洗濯すると言うサイクルで使っておりました。が、そこはいくら耐久性に優れていると感じる無印良品でも、限界があったようです。 昨シーズン終わりごろに、気付くと首の付け根が裂けているではありませんか・・・。一応ネットに入れて洗濯はしていたのですが・・・。ま、ネックは折り返して使いますし、ブラックなので目立たないのですが、さすがに2シーズンもフルで活用しますと毛羽立ちも見えてきますし、首が裂けた状態でインポートに合わせるのにはさすがに気が引けます。。 と言う事で、ブラックなタートルネックはかなり使える!と言うことが2シーズンを通して実証されましたので、それであればアップグレードしてもう少し良いモノを買おう!と言うのが、この2016年AWシーズンの密かな目標でもあったわけです。 そのような中で、ニットアイテムとしては昨年大きな活躍を見せましたクルチアーニを第1候補として考えて商品をリサーチ。気になるハイゲージのタートルネックをお気に入りに登録し、値段がこなれたところで購入!とあいなりましたょ。 購入先は並行輸入商品を数多く取扱い、プロパー価格よりもお財布に優しいことで有名な!?モダンブルー さん。現在も、クルチアーニのニットとしてはかなりお買い得!?な価格かと思いますので、気になる方はチェックされてみてくださいね。ちなみに、私も機会があれば、もう1色くらい買い足したいと考えていたりします・・・。(笑) ■Cruciani(クルチアーニ)のハイゲージ タートルネックの実物をご紹介 実物ですが、ご覧の通り、ベーシックな無地のハイゲージ・タートルネックです。ただ、やっぱりウールの質が良いのが、触り心地や艶感が明らかに無印良品とは異なります。ま、値段も9倍近く違うわけですから当然ですがっ。 今回もセレクトしたのは、サイズ「44」です。172cm 59kgと言う体型ですと、クルチアーニは「44」がジャストフィットと言う印象です。ただ、少し余裕を持たせたい場合は同じ体型でも「46」をセレクトされる方もいらっしゃるかもしれませんね。ちなみにシャツを下にインすると若干タイトですが、私はサイズ「44」で問題ないと言う感覚でした。 また、ネックのリブの感じもとてもエレガント。このリブが大きかったりしますと見た目のカジュアル度がグッと増しますので、そのあたりは着こなしの好みと合わせてメーカーをご検討されるのが良いのかなと思います。ちなみに、締め付けもきつ過ぎず、ちょうど良い感じでした。 袖口やウエストのリブ周りも、ネックと同じテイストで仕上げられておりました。アームはボディとの編み込みの差が大きいと変に目立ってしまうのですが、そのあたりはさすがクルチアーニ。分かってます。(笑) 最後に、生地の表情を掲載しておきます。カシミアやシルク混ではなく、100%ウールですが十分な質感です。もちろんカシミアやシルク混のようなフワトロな心地良さはありませんが、チクチク感などの違和感を感じることは一切ありません。 と言うことで、無事にシーズン前から検討してたブラックカラーのハイゲージタートルネックを当初考えていたよりも早くアップグレード出来ました。今年も、色々なシーンで活躍してもらいたいと思っております! ヘリテージの1万円ぽっきりなハイゲージ・タートルネックも魅力的!?
クルチアーニは気になる色が多くて絞り込むのが大変です・・・。
▲PageTop
21
2016
こんにちは! 本日は、「カラーシャツの着こなしを、考える。」と言うテーマでお送りしたいと思います。 それでは、まいりましょう。 ■着こなしの幅を意識して広げる さて、服が好きな方であればご経験のある方も多いと思うのですが、なんとなく普段の着こなしやパターンが似通ってしまっているな、と感じることってありませんか!? もちろん、それがその人の着こなしのスタイルであり、ぱっと見でこの人のスタイルである!と分かることはとても素敵なことですし、大切だと思っているのですが、私自身はまだ30代の若輩者。今のうちに色々と着こなしの幅を意識して広げるチャレンジをしておきたいなと考えております。 もちろんチャレンジをすれば失敗もあるわけですが、失敗しても笑われる程度で済みますから、何もしないよりはチャレンジした方が楽しく、充実したファッション・ライフを送ることが出来るのではないか、と考えていたり致します。 着こなしだけではないと思いますが、やっぱり見ているだけ、考えているだけでは、なかなか(着こなしの)技術の向上と言うのを望むのは難しく、実際に買ってみて、着てみて、試してみて初めて分かる感覚や養われるセンスと言う物があるように思っております。 もちろん、見るだけ、考えるだけで技術が向上すればそれに越したことはないのですが、私の場合、残念ながらそう言ったセンスは持ち合わせてはいないようですので、失敗を重ねながらも着こなしの幅が広がっていけば良いな、位に思っております。 そんなこともあり、着こなしの幅を広げるべく、自身初のカラーシャツを購入したことは「LUIGI BORRELLI(ルイジボレッリ)のセミワイドカラー・ドレスシャツ(LUCIANO) を購入! 」と言う記事でもお伝えしておりました。これまではホワイトやサックスがベースだったドレスシャツに、初めてネイビーの白抜きストライプシャツを購入したと言う記事でした。 実際購入したは良いものの、どのように着こなすべきか、着こなせるのかについて若干悩んでいたのですが、とりあずまずはやってみようと言うことで、チャレンジしてみた次第です。 ■カラーシャツは、ネクタイのカラートーンを合わせると着こなしやすい!? 既に数回ほどインスタグラム(ID:NFLD_rm55 )にもポストしておりますが、カラーシャツ初心者の私が実際に着てみた中で感じたことは、「カラーシャツを着る際には、ネクタイをシャツのカラートーンと合わせると着こなしやすいのではないか」と言うことです。 実際インスタグラムにポストした画像を織り交ぜながら、個人的な現在の見解をご紹介したいと思います。 まずは、こちら。ネイビーのシャツに合わせて、ダークトーンネイビーカラーの小紋柄シルクタイをセレクトしました。変にVゾーンやネクタイが悪目立ちすることがなく、落ち着いた印象で違和感なくネイビーのカラーシャツを着こなすことが出来たかなと思います。インスタに頂きましたコメントも好評で!?、「普通のロンドンストライプに比べるとセクシーな感じがする」との嬉しいお言葉も頂きました♪ お次は、先日ポストしたこちらです。カラーコーディネートと言う意味ではコントラストの効くボルドーをセレクトしておりますが、落ちついたカラートーンのボルドーのシルク小紋柄タイですので、同じく全体としてのまとまりは悪くないかなと。結構海外の方からご好評頂きまして、チャレンジした甲斐があったなと思ったコーディネートの一つです。 こちらは実際には着ておらず、サンプルのコーディネートですがダークトーンなブラウンのソリッドタイなんかをあわせても、違和感なくまとまるのではないかと感じておりますが、いかがでしょうか!? では、ここからはあえてネイビーのシャツの落ち着いたカラートーンと反する、明るめのカラーリングのネクタイを合わせてみた着用イメージをご覧頂こうと思います。 まずは、こちらです。初めてカラーシャツを着た日にトライししてみたのですが、シャツとネクタイとのコントラストが強過ぎる気がしております。なんだかVゾーンが目立ち過ぎ、と言いますか、ネクタイが浮いて見えるような気がします。 お次はこちら。若干陰になっているのでダークトーンみえますが、実際はライトグレーのネクタイです。同じく、遠目からみてもネクタイが前に出過ぎな感じが致します・・・。 もちろん見る方によっては全然問題ないよ!?と言う方もいらっしゃるのかもしれませんが、私が現在持ち合わせている感性ですと若干違和感をを覚えてしまう着こなしです。あまり馴染みが良くないと言いますか、なんと言いますか。 もう少し着こなしのレベルやセンスが上がれば、TPOを踏まえたうえで、あえてこう言ったシャツとネクタイとのコントラストを強めた、メリハリのある着こなしが出来るようにもなるのかもしれませんが、カラーシャツ初心者の私にはまだまだ難しいようですね。 と言うことで、個人的には今のところ、カラーシャツを着る際にはネクタイのカラートーンをシャツと合わせてあげるとVゾーンがトダバタせずに、落ちついた印象になりやすいので、着やすいのではないか!?と言う法則を自分の中では持つに至っております。 と言うことで、今後も「失敗は成功のもと」と信じて、色々な着こなしにチャレンジしてまいりたいと思います! もしカラーシャツはこう着るべしっ!と言った着こなしをご教授頂ける方がいらっしゃいましたら、是非ともお声掛けくださいませっ。ちなみに出来ればインスタグラムなどでお手本を見せて頂けるとイメージが理解しやすいので、大変嬉しいですっ。どうぞ宜しくお願い致します^^
▲PageTop
19
2016
こんにちは! 本日は、夏頃に購入していたアイテムですが、今更ながらご紹介したいと思います。 それでは、まいりましょう。 ■FEDELI (フェデーリ)の本命であるニットをようやく購入! 本日ご紹介致しますのは、FEDELI (フェデーリ)のウール×シルク ハイゲージのクルーネックニットです。フェデーリは1934年に北イタリアのMonza(モンツァ)に誕生したラグジュアリーなニットブランドとして有名ですが、今年の春にスポーツ・ボストンバックを購入し、ご紹介しておりました。 ※購入記事「FEDELI(フェデーリ)のナイロン製 スポーツ(スイム)ボストンバックを購入! 」 その後、夏頃にはスプリング・ジップアップブルゾンを購入していたわけですが、本命の!?ニットは後回しになっておりました。。 が、スプリングブルゾンを購入した直後に、ようやく本命であるニットを購入することができました。薄手なので秋口、春先がメインとなりそうですが、色の出かたや風合いがとても良いので、オン・オフ限らずに活躍してくれそうです。 フェデーリは創業から80年以上が経過している、ヨーロッパでも名高い老舗の名門ニット・メーカーです。特徴としましては、厳選された素材使い。以前も「最高級素材、ビキューナを知っていますかっ!? 」と言う記事でテーマとして取上げ、「神の繊維」の異名を持つ「ビキューナ」や 「ミリオネア(億万長者)」と名付けられた極上のカシミア、そしてエジプト綿の女王と呼ばれる「GIZA45」と言った希少価値が高く、極上の素材を贅沢に使用したアイテムを送りだしております。 ※SharonさんのHPより拝借しました。 シンプルでベーシックなスタイルのアイテムがとても多いのですが、素材使い、色使いが非常にエレガントで、上質さが半端ないブランドです。日本ではSharonさんが最もその取扱量が多いようで、先日も新商品が入荷し、オンラインShopに並んでおりましたが、高額にも関わらず、早々に動いている模様・・・。 ※SharonさんのオンラインShopは、コチラ 。 ちなみにSharonさんではイタリアのフェデーリと直接取引をされている上、コストを圧縮する企業努力をされていらっしゃいますので、同じアイテムであったとしても他店で扱うよりも現地イタリアにより近い価格で購入することが出来ます。 そんなニットの名門メーカーの扱うニットにチャレンジすべく、ようやく本命のアイテムに辿りつきました。それでは、実物をご紹介したいと思います。 ■フェデーリのウール×シルク クルーネックニットの実物をご紹介 さて、フェデーリのニットアイテムは自身初と言うことで、購入しましたのは使いやすいネイビーカラーのクルーネックニットです。ご覧の通り、ベーシックなスタイルですし、イタリアのニットブランドながら、日本人の私にもしっかりフィットするサイジング。ちなみに今回購入しましたのは、サイズ「44」です。 ※172cm 59kg ニットの場合、このリブの表情が全体の雰囲気に大きく影響するような気がしているのですが、大きく主張しすぎることのない、上品なつくりであることがお分かり頂けるかと思います。 私が昨年購入し、おかわり購入を繰り返しておりましたクルチアーニも同じようなリブの表情を持っておりますが、フェデーリの方が若干柔らかい表情の気が致します。 シルク混と言うことで、ほど良い艶感を放っておりますね。ニットはまだまだ勉強が足りませんが、素材感はもちろん、ぱっと見の色の出かたがそれぞれのブランドによって特徴的があるように思います。そういう意味では、カラーリングと言うものに注目してニットブランドを見てみるのも面白いかもしれません。 ちなみにSharonさんに入荷していたmillionaire(ミリオネア)と名付けられたsuper cashmereの肌触りは凄かったですよ。極上のカシミア繊維でも平均の太さは15ミクロンだそうですが、ミリオネアはそれを上回る14ミクロン。フワッ、そしてトロッとした極上の触り心地は、1度体験すると病みつきになりそうです・・・。是非機会があればチャレンジしたいと思いますっ! と言うことで、フェデーリのウール×シルク素材のハイゲージ・クルーネックニットのご紹介でした。最後になりましたが、こちらは状態がとても良かったセカンドハンド。プロパーですと極上のニットアイテムとは言えパンチが効いておりますので、ちょっとした覚悟が必要そうです。(笑)
▲PageTop
17
2016
こんにちは! 先日開催されましたサルトリア・ソリートのトランクショーの最終日に行われました、Sharonさんの3周年記念パーティに御招き頂いておりましたので、本日はその時の様子などを少しご紹介したいと思います。 それでは、まいりましょう。 ■石の上にも3年・・・ さて、私が普段お世話になっております南青山にあるセレクトShopのSharon さんが、今年の8月で開業から3周年を迎えられました。私は開業から1年後くらいに初訪問をさせて頂いておりますので、私がSharonさんと出会ってからはほぼ2年と言う感じでしょうか。 実はサルトリア ソリートのトランクショーの記事 にも書いておりましたが、私が参加させて頂いたトランクショー最終日の夜の予定と言うのは、このSharonさんの3周年記念パーティのことだったのです。よって、パーティを少し意識して、ドレッシー度が高いジュストビスポークのドラッパーズの生地を使ったウールタイに変えてから、トランクショーにお伺いさせて頂いたわけですね。 ※当日のスタイル スーツ:Solito house exclusive per Sharon シャツ:モンテサーロ(パターン・オーダー) パーティは代表のY氏が行きつけだと言うイタリアンレストランにて開催されたのですが、顧客の方はもちろんのこと、某代理店さんや生地屋さん、職人さんなど、Sharonさんと関わりのある多くの方が参加していらっしゃいました。当然ですが、トランクショーを終えたルイージ・ソリート氏やコーディネーター兼通訳のMさんも一緒に参加されておりましたよ。 パーティはSharonさんの代表であるY氏、K氏のご挨拶から始まったわけですが、開店した当初は、やっぱり苦しい期間と言うのがあったようです。南青山に位置するとは言え駅からは少し歩きますし、決してShop前をバンバン人が往来するような人通りが激しい場所ではございません。 しかも、店舗の知名度があったわけでもないですし、取り扱っているブランドなども、他のセレクトshopが扱っているようなものでも無いとなれば、”生みの苦しみ”ではないですが、軌道に乗るまでは不安な日々もあったのだとか。 しかし、そんな苦しい日々も、石の上にも3年と言いますように、前向きに、そして自分たちのやっていることを信じて努力をされてきた結果、徐々に顧客が付き、3年たった今では、東京を代表するセレクトShopの1つになった、と言っても過言ではないように思います。 実際パーティでは、普段取引のあるイタリアのブランドの関係者からお祝いの声がビデオレターと言う形で寄せられていたのですが、「研ぎ澄まされたセンスに感銘を受けた」「東京で最も素晴らしいお店の1つ」「アジアのスタイルの見本となるよう、願っている」など、数多くの賞賛の声が寄せられておりました。 そんなメッセージを聞きながら、人間本気で努力をすれば、3年と言う短い!?期間であったとしても、結果を出すことが出来るのだなと。そして、世界を変えるきかっけを作ることが出来るのだ、と言うことを個人的にはしみじみと感じておりました。 誰もやっていないことをやる!と言うのは大変勇気のいることですし、リスクもあって難しいことだと思うのですが、それに挑戦するだけではなく、しっかりと支持を獲得されるまで努力し続けると言うのは、本当に大変なご苦労があったかと思います。 ただ、そんなSharonさんのおかげで、私も感動するほどの服と出会うことが出来、充実した楽しいファッション・ライフを送ることが出来ておりますので、それはもう深く深く感謝しておりますょ。 ■会話を愉しむ Sharonさんはご存知の通り!?少数精鋭で運営しておりますので、当日も会場では設営や進行、パーティ運営のサポートなどでスタッフの皆さまはご多忙であったために、ゆっくりとお話をする機会と言うのはあまりありませんでした。その一方で、個人的には普段あまりお話をする機会がない多くの方と、コミュニケーションを愉しむ機会を持つことが出来ました。 例えば、本Blogの読者様との会話です。個人的には本Blogの管理人であることは公にしておりませんが、以前Sharonさんで出会い、ご挨拶をさせて頂いた方や、当日「Blogをやっていらっしゃる方ですよね!?」とお声掛けを頂いた方までいらっしゃいましたので、少しですがお話をさせて頂きました。 前にも書きましたが、普段はなかなか読者様と直接お会いしてお話を伺う機会と言うのはございませんので、非常に貴重な経験ですし、「応援している」と言う嬉しいお言葉を頂きますと、やっぱり頑張って書いていて良かったなと言う想いにもなったり致します。わざわざお声掛け頂きました読者様、本当にありがとうございました。この場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。 また、他には某代理店の社長様との会話も楽しませて頂きましたよ。その会話の中で感じたことは、やっぱり同業界のプロの方から見ても、Sharonさんのやられていることは唯一無二であり、「顧客ファースト」の意識が相当に高いことを改めて感じました。モノづくりへの情熱しかり、価格設定しかり。ある意味では、業界の常識を超えたところでビジネスを作られているのが、Sharonさんなのかもしれません。 更に興味深いところですと、フィレンツェのリヴェラーノで7年間勤務をし、最近は「THE RAKE JAPAN 」などにも取り上げられていらっしゃる甲祐輔氏や、今後シャロンさんでもトランクショーを開催される予定のビスポークシューズの職人さんともお話をさせて頂きました。特に、甲氏とは席が隣であったと言うこともあって、長い時間お話をさせて頂きましたょ。 それこそ今ではリヴェラーノの顔としてご活躍されていらっしゃるショップマネージャの大崎氏よりも前に入店され、現在トランクショーの際には同行することも多いセリーミ・チェマル氏に直接技術指導をなさるなど、かなりご活躍された甲氏。 現在はSartoria Cavutoを主宰し、石川県にアトリエを持ってご活躍をされていらっしゃいます。直近では、Trunkshow 2016 Autunnoとして11月12日(午後から)から16日(午前)まで東京、16日(午後)から19日まで関西方面で受注会を開催されるようですよ。インスタグラムのアカウント にはその詳細が出ておりましたので、気になる方はチェックされてみてはいかがでしょうか。 なお、甲氏は当日もご自分で仕立てられたジャケットを着ていらっしゃいましたが、フロントダーツが前から見えず、ラペルから大きめのフロントカットまでが流れるように弧を描いて行くフィレンツェ・スタイルをベースに、独自の美意識が反映された素敵なスタイルを持っていらっしゃいました。 私もタイミングと予算状況が合えば、是非仕立てて頂きたいと思いましたので、その際にはまた皆さまにもご紹介出来ればと思います。 ちなみに、甲氏とはお話する時間も長かったことから、興味深い裏話的なことも色々とお伺いすることができました。書けること、書けないことなど多々ございますが(笑)、また機会を見てテーマとして取上げても面白いかもしれません。 と言うことで、Sharonさんの3周年記念パーティはあっという間でしたが、とても楽しく、本当に充実した時間を過ごすことが出来ました。Sharonスタッフの皆さま、この度は御招きいただき、本当にありがとうございました。 今後とも、末永く、どうぞ宜しくお願い致します。 ※当日は写真撮影も致しましたが、他のお客様などが多数いらっしゃったことから、掲載は差し控えさせて頂きます。
▲PageTop