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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)

こんにちは!
先日、イタリアはフィレンツェ発のネクタイを中心としたクラシックメンズウェアのブランドである、Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加してまいりました。よって本日は、シブミのトランクショーをテーマでお送りしたいと思います。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のハンドメイドネクタイ_⑮

それでは、まいりましょう。

■イタリアンスタイルっ!?
さて、この度シブミのトランクショーが開催されましたのは新宿にある東京ハイアットリージェンシーホテル。前回参加させて頂いたのは8月と言う、日本においては真夏の季節だったわけですが、今回は既に秋模様と言うことで眼下には綺麗に紅葉した木々と高層ビル群。そして、遠くには富士山を眺めることが出来ると言う天気の良い日でした。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_①

本Blogをお読み頂いている皆さまであればご存知の通り!?、私はシブミ・オーナーのベネディクト氏からおススメ頂いた生地であるSMITH WOOLLENS(スミス・ウーレンズ)から4PLY(ウエイト:350gms)と言う、かなり打ち込みのしっかりとしたホップサックジャケットとドレスシャツのスミズーラ(ビスポーク)をお願いしております。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑤

どちらも前回8月にファーストフィッティングを行い、本日はセカンドフィッティングと言う理解で訪問致しました。ところが、なんとシャツは既に完成しており!?自分の認識と異なっておりましたので「あれれ!?」と言う感じで戸惑いながらスタート致しました。(笑)

シブミのトランクショーではシャツのオーダーは2パターンあります。1つは、既存のパターンから修正を行っていく、いわゆるメイドトゥメジャー(MTM)のものと、ゼロから体型に合わせて型紙を起こしていく、スミズーラ(ビスポーク)のもの。

確かMTMはファーストフィッティング後に納品と伺っており、スミズーラの場合は2回の仮縫い後に納品を頂けるものだと私自身は理解しておりました。が、なぜか双方に認識違いがあったようで、シャツについては今回のタイミングが納品だったようです・・・。

メールでやりとりをしていたので調べればどこで差異が発生してしまったのかは分かるのですが、あまり細かいことを言ってもアレですし、まぁこんなこともあるのが”イタリアンスタイル”だよなぁと言うことで(笑)、とりあえずは試着をしてみることに。で、実際に着用してみた画像がこちらです。

自撮をしておりますのでちょっと分かりにくいのですが、襟の雰囲気も良いですし、肩幅や胸幅、肩周り、袖丈などは、ファーストフィッティングからだいぶピントが合っている感じです。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_②

カフも私がオーダーした通りの台形カフ(その後、シブミのシャツのスタンダードなカフとして設定)に仕上がっておりましたし、袖付けはシブミのハウススタイルだと言う雨降りが強くないナチュラルな仕上げ。それでもイセ込の量はしっかりとってありますので、腕の稼働に大きな違和感はありません。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_③

アームホールは攻めようと思えばもう少し攻めることは出来るのですが、初めてシブミでスミズーラをしたモデルであることを考えれば、こんなものでしょうか。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_④

ただ、私が今年の夏前よりも体を絞り込んだことは長らくBlogをお読み頂いている方であれば、ご存知の通りかと思います。実際、ベネディクト氏に(私が着用した)シャツのフィッティングの感想を求めますと、

「少し胴、ウエスト周りのサイズが大きいかな。」

とのこと。確かに上記写真を見ても、プレタ(既製品)であればこんな感じだとは思いますが、スミズーラであることを考えますと、もう少し絞り込んだ方がシルエットが綺麗に出ます。もちろんこれも好みですので、あまり体の線が細く見えるのは嫌だと言う方はゆとりを持たせた形で仕上げるのが良いと思いますが、私としては今回お直しをお願いすることに致しました。

結局セカンドフィッティング、的な位置づけになってしまいましたが、ベネディクト氏も快く修正を引き受けてくださいましたので、納品自体はお預けになってしまいましたが、また次回のトランクショーにて納品頂けることを楽しみに待ちたいと思います。

なお、もしShibumiでシャツのスミズーラをご検討の方がいらっしゃいましたら、フィッティングの回数はしっかりと、そして何度も!確認した方が良さそうです。アイテムの持つ雰囲気だけではなく、仕事の進め方もイタリアンスタイルですと驚いてしまうこともありますからね。(笑)ちなみに個人的には、スミズーラ(ビスポーク)の場合は仮縫いは2回行って頂いた方が安心だと思っています。

■ジャケットはセカンドフィッティングに相応しい出来栄え
シャツのスミズーラで若干面食らってしまった私ですが(笑)、続いてはジャケットのセカンドフィッティングです。

こちらも前回のファーストフィッティングに比べますと肩幅やアームホールの位置など、修正がしっかりと施された形で仕上がって来ました。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑥

特に背中のフィッティンはかなり綺麗にまとまっており、つきジワ等も出ることなく良い感じです。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑨

それでもカマの位置がまだ若干下気味かなと感じました。従いまして更にカマの位置を上げて貰い、アームホールをよりコンパクトにすることで肩、腕周りのスムーズな稼働を実現させるように修正を行います。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑩

ちなみに今回はこんな感じです。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑧

こちらは前回のファーストフィッティングの際の肩回りの雰囲気ですが、上記写真をみますと前回から修正が施されているのが分かりますよね。ここから更に最終的な修正を行い、納品を頂ける状態にまで仕上げて頂きます。
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:ファーストフィッティング編⑦

そして下記は今回正面から撮影頂いた写真です。大分雰囲気が分かる位に出来上がってきているのがお分かり頂けるかなと思います。ここからどのような形でフィニッシュを迎えるのか、今から愉しみです♪次回は来年の2月を予定しているそうですので、無事に納品頂けるように祈るばかりですね。(笑)
Shibumi Firenze(シブミ フィレンツェ)のトランクショーに参加!:セカンドフィッティング編(前編)_⑦

と言うことで、前編ではスミズーラを頂いているシャツやジャケットのセカンドフィッティングの様子をお伝え致しました。次回の後編では、今回のトランクショーで拝見したアイテムなどを少しご紹介したいと思います。






不完全であることを受け入れる!?

こんにちは!
本日は「不完全であることを受け入れる!?」と言うテーマでコラム的にお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■スミズーラとは不完全さを楽しむものである!?
さて、先日イタリアはナポリのサルトリアである、サルトリア・ソリートにてスミズーラ(ビスポーク)頂いたダブルブレステッドのスーツを無事に納品頂いたことは、既に記事としてお送りしていたかと思います。
サルトリアソリートのダブルブレステッドスーツ①

この中で、着心地には大満足をするもビジュアル的にはもう少しこうしてみたい!と言う欲求が生まれた、つまるところ自分の中では100点満点では無かった旨の感想(※)を記述しておりました。
サルトリアソリートのダブルブレステッドスーツ②
※当該記事:「SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のダブルブレステッドスーツを着てみたっ!

今回のスミズーラにおいて自分自身として100点満点を取ることが出来なかった要因はいくつかあるのだと思いますが、その主な要素を挙げるのであれば、

① スミズーラは自らの体型が如実に現れる
② コミュニケーションの問題
  ※自らの好みを自分自身がしっかりと把握し、それを正確にフィッターに伝え、理解を得る
③ 人の手による手作業は、常に不完全さを有する
 
と言う3点に集約されるようにも思います。

ただ、それでもスミズーラの経験が豊富な方々の話を色々伺ってみるに、例えハード面である上記①やソフト面である②がクリア出来たとしても、最後は人が手作業で行うことですから、常にスキの無い、完全、完璧、パーフェクトな状態を維持し続けると言うことは難しい。そもそもスミズーラとはそう言ったもの(完全・完璧なモノ)ではないのかもしれないと感じております。

つまり、スミズーラとはある種の”不完全さを内包することを前提”として、それを含めて楽しむ余裕も必要だと言うことでしょうか。

■日光東照宮の陽明門にある逆柱
突然ですが、皆さまは「逆柱(さかばしら)」をご存じでしょうか!?

逆柱とは、『木材を建物の柱にする際、木が本来生えていた方向と上下逆にして柱を立てること』を言うそうです。実はこの逆柱が”採用”されているのが、皆さんご存じの日光東照宮の陽明門です。

google先生に聞いて頂ければすぐに画像を含めて検索可能ですので、ご興味がある方は調べて頂きたいのですが、陽明門には使われている柱の中に1本だけ、他の柱と彫刻の模様が逆向きになってものがあります。つまり1本だけ逆柱になっていると。

もちろん建てる際に職人さんが間違えてしまったわけではなく、”あえて”この仕様にしていると言います。

実は、当時は『建物は完成と同時に崩壊が始まる』と言う伝承があり、それであれば『建物を未完の状態』にしておけば崩壊する(災いが起きる)ことはない、つまりは1本だけ逆柱にすることで建物をあえて未完の状態に見立てて、”永遠に存続する”と言うことを願掛けしたそうですょ。
※上記『』内は、wikipediaより引用

日本人はどうやら昔から不完全であることを受け入れて、不完全さとともに生活をしていく懐の深さを元来有したいたのかもしれませんね。

■不完全であることを受け入れる!?
それでは改めて、スーツやジャケットのスミズーラのお話に戻したいと思います。(笑)

私が今回納品を頂いたソリートのスーツについて、「この点を○○したいと考えている」と言うことをSharonマネージャのD氏にお話ししたところ、こんなご回答がありました。

「個人的には今のスタイルはとてもカッコ良いと感じていますが、rm55さんがそうお感じになるのであれば修正等を施すことは可能だと思います。ただ、もしかしたら5年、10年たった後に見たら、今のこのままのスタイルがカッコ良いとrm55さんご自身が感じられることもあるかもしれませんね。」

と、確かそんな趣旨のお話でした。

これを聞いた時に感じたことは、不完全さを内包しているのはサルトリアの職人でも、仕立てあがったスーツやジャケットでもなく、実は発注主である自分自身なのかもしれないなと。

「諸行無常」と言う言葉がありますよね。この世の中の物事は常に変化をし続けており、決して永遠に同じものなどは存在しない、と言う趣旨の仏教用語で、転じて「形あるものはいずれ壊れる」なんて言う言葉にもなっていたりします。

確かに自分自身、この数年間で色々な人、物と出会い、自分の感性も大きく変化してきたように感じます。私個人としましては、これまでは特段意識をすることのなかった”好み”または”独自の”スタイルを確立しつつあると言う想いはあるものの、それも数年先から振り返ってみれば通過点の1つにすぎず、私が今時点で有している感性、感覚もこの先きっと変化していくのだろうと思います。

そんなことを考えますと、私自身が常にゆらぎ、変化しているのでありますから、唯一絶対的に定まった理想と言うのは存在するべくもなく、「こうしたい!」「こうありたい!」と言う理想も、きっと少しずつ変化していくのだろうと。

大きなお金を投資しますと、どうしても完璧なもの、完全なるものを求めてしまいがちですし、それは現時点における私の人間性の小ささゆえ、やむを得ないものと理解しています。それでも、自分自身が不完全であることを受け入れて、常に変化していくことを考えれば、あまり小さなことに目くじらを立てず、どんと構えて、

この70億人が存在する地球上で出会うことの出来た職人さんとの貴重な時間や感性の共有を楽しむ!と言う”大人の余裕”がスミズーラを楽しむ上ではとても大切になってくるのかもしれないなと、そんなことを感じたのでした。

いやぁ、しかしスーツやジャケットをスミズーラすると言うことは、目の前の職人さんや生地などを通して、自分自身と向き合っている行為そのものなのかもしれませんね。






ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾンを購入!

こんにちは!
ここ最近は「ど・カジュアル」なアイテムネタが続いておりましたが、本日は久しぶりに「ドレッシーな香り」のするカジュアルアイテムが主役です。

今季は既に”ドレス用のアウター”としてロロピアーナのヴィンテージカシミア生地を使った、直井茂明氏によるスミズーラ(ビスポーク)のアルスターコートが納品予定であることは、ご紹介させて頂いておりました。従いまして本日ご紹介致しますのは、今季の”(ドレス)カジュアル用のアウター”となります。

なお、実は本記事は昨日公開予定だったのですが、珍しく土曜日に飲み過ぎまして公開設定を忘れてしまいました。。そんな飲み会が増えるシーズンが目の前に迫っておりますが、皆さまも体調を万全に整えた上で、忙しい師走の時期を乗り切ってください。

それでは、まいりましょう。

■ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)
さて、本日の主役アイテムは久しぶりの新ブランドと言うことで、簡単にブランド紹介から入りたいと思います。

この度私が今季のオフ用アウターとして選びましたのは、1964年にミラノにて創業した、高品質でラグジュアリーなレザーウェアを得意とするENRICO MANDELLI(エンリコ マンデッリ)。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)

ミラノ郊外に250人ほどの従業員を持ちながら、誰もが知るような名立たる世界有名ブランドのOEMを請け負うほどの実力を誇る、知る人ぞ知るメーカーです。ミラノと言うことでイタリアの中では北部に位置することからもお分かり頂けるかもしれませんが、南部のナポリとは異なる種類の美しさ、エレガンスを有していることが特徴です。

もちろん購入したのはいつもお世話になっているSharonさんなのですが、Sharonさんではドレスよりのアイテムはナポリを中心とした手縫いのサルトアイテムを主にセレクトされており、一方のカジュアルよりのアイテムは、フェデリや本日ご紹介致しますエンリコマンデッリのように、北よりのモダンでエレガントなアイテムが多い印象です。

つまり、ドレスとカジュアルを買うことで、はじめてイタリア全土の「美」が堪能できる!と言うことでしょうか。(笑)

なかなかカジュアルなアイテムに投資をするのは難しい状況なのですが、それでもこれはっ!とビビッと来たアイテムには、可能な限り私のワードローブに加わってもらうようにしております。

本日ご紹介致しますエンリコ・マンデッリのアウターも、そんなビビッと来たアイテムの1つでした。それでは実物をご覧頂こうと思います。

■エンリコ・マンデッリのカシミア フーデットダウンブルゾンをご紹介
この度購入をしましたのは、こんなグレーカラーのフーデットブルゾンタイプのアウターです。ムーレーもダウンウェアながらラグジュアリーな雰囲気を感じますが、このマンデッリもダウンブルゾンとは正直思えないほどの上質感が漂います。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_①

表地にはロロピアーナ社製のカシミア100%の「スポーツ・ファブリック」を採用すると言う、かなり贅沢な仕様。視覚だけではなく、触覚的にもエレガンスを感じることが出来ますね。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_②

インナーポケットにはロロピアーナ社製のファブリックを使っていることを示すタグが付いているのですが、ダウンウェアの中でも相当に軽く、羽織っている重量感を感じさせないノンストレスぶりには大変に驚きました。ロロピアーナ恐るべし・・・。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑪

また、「神は細部宿る」とは言いますが、細かなディティールにも思わずため息が出てしまうほどの作りこみ。例えばフロントのファスナーのポケットには、レザーを使ったパイピングが施されております。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_④

他にも、外部からは見えることのないインナーポケットのライニングは化繊ではなく、シルクが使われていたりします。目立たなかったり、見えないところにもしっかりとコストをかけて作りこみを行っているあたりには、ブランドとしての思想を垣間見ることが出来る気がします。ただ、正直怖くてひっかいてしまうような物は入れることが出来ない小心者の私です。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑫

表地はライトグレーな色合いですが、裏地はベージュカラー。こんな上品な色の組み合わせにもセンスを感じますよね。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑧

恐らくフィルパワー●▲■と言う、暖かさを示す数値で比較をすればムーレーの方が上なのかもしれませんが、これを着用して動き回る環境やシーンを考えますと、必要十分な保温力は有しているように思います。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑨

なお、袖口は風の侵入を防ぐ構造になっており、寒がりな私にとっては嬉しい機能的特徴も有していたりします。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_③

ちなみにフードはファスナーにて取り外し可能ですので、「ダウンブルゾン」としても使えますね。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑥

ただ、フードの内側に付いている「ビーバー」のファーがラグジュアリー感をプラスしますし、ふかふかした心地良さには幸せ感をも覚えますので、個人的にフードを取り外して使うことはなさそうです。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑦

実際に「悩めるトルソー君」に着せてみますと、こんな感じ。ご覧の通り、ダウンブルゾンですがやぼったさは皆無です。北イタリアらしい、モダンエレガンスを感じるタイトフィットなシルエット。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑬

この時は何も考えずに、トルソー君が着ていたドレスシャツと巻いていたスカーフの上からフーデットブルゾンを着せてみましたが、それでも全く違和感なく馴染むあたりに、ドレスカジュアルなアイテムとしての雰囲気を感じます。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑭

また、休日出勤(したくはありませんが、、)の際などは、シャツにネクタイの上から羽織ってもイケる!?かもしれません。しかもショート丈ですと車移動の際にも便利ですし、小さい子供がいても裾が地面について汚れることもないので、そんな点も気に入っています。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑮

私のインスタグラム(ID:NFLD_rm55)をフォロー頂いている方はご存じかもしれませんが、休日にこう言ったイタリアンな香りのするスタイルを楽しむ際にはウールパンツを穿くことは稀で、ほとんどがコットンパンツやデニムだったり致します。ただ、このブルゾンには思わずウールパンツを合わせたくなる雰囲気がありますので、今季はオフのウールパンツにもチャレンジしてみようかなと思っています。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑯

ちなみにSharonさんでは本日ご紹介差し上げましたエンリコ・マンデッリのアウターが充実しております。私が購入しましたフーデットブルゾンは完売してしまったようですが、カシミアのブルゾンやオンでも使いやすいカシミアダウンコートなどもありましたので、気になる方はチェックされてみてくださいっ!
Sharon_HP_mandelli
※SharonさんのオンラインShopはコチラ
※画像はSharonさんの公式HPより拝借しております。

と言うことで、ドレスカジュアルアイテムである、エンリコ・マンデッリのカシミア フーデットダウンブルゾンのご紹介でした。気温も大分下がってきており、ダウンウェアを着ていらっしゃる方もちらほら見かけるようになりましたので、私も年内にはデビューをさせたいと思います!
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のカシミア フーデットダウンブルゾン_⑰






素材によって異なる雰囲気を楽しむ:VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)

こんにちは!
本日は「素材によって異なる雰囲気を楽しむ」と言うテーマで、ライダースジャケットを取り上げてお届けしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■牛革と羊革
さて、アパレルアイテムに使われる革として一般的なのは、やっぱり牛革と羊革でしょうか。もちろんゴートスキン(山羊革)やディアスキン(鹿革)、ピッグスキン(豚革)なんかもありますが、広く一般的と言えば、牛と羊かなと思っています。

牛革と言えば、その特徴はやっぱり丈夫さですよね。繊維の密度が詰まっているために革の強度が強靭で、しかも牛はある程度のサイズがありますから、もとの”皮”の状態でもかなりの大きさがあります。従いまして、その用途も豊富。様々な製品に用いることが出来ますね。

その一方で、硬さや重さと言うのは気になるところ。服であるレザージャケットにしろ、小物系のバックにしろ、強度と引きかえに硬さと重さは避けることが出来ない点かなと思います。もちろん牛革好きな方は、そう言った点も魅力的なポイントになるのだとは思いますけれど。

では羊革はどうかと言いますと、牛に比べると個体が小さいために用途がある程度制限されてきます。更に繊維の密度も牛革に比べますと低いので、革としての強度は牛はもちろん、山羊や鹿、豚などに比べても低いと言います。

それでも、その分柔らかさや軽さは大きな魅力になりますので、最近はアパレルウェアにはかなりの頻度で使われているのが、羊革かなと思っています。

このような革の性質がある中で、各々の革の持つ特徴が、それらを用いた製品自体にも表れてくる点が興味深いところ。

牛革は硬く、丈夫な分、雰囲気としましても男らしさや、ハードな雰囲気が出てきます。それに対して羊は繊細で軽く、柔らかい分、女性らしい優しさやエレガントな雰囲気を感じたりします。

実際本日取り上げますライダースジャケットでも、アメリカのブランドや本格的なライダースジャケットを作っているブランドは牛革を用いている所が多く、メゾン系ブランドやクラシコイタリアなブランドの多くは、羊革を採用しているメーカーが多いように感じます。

細かいことを気にしなければ「革」と言う一括りで済んでしまうお話かもしれませんが、私は「羊革」と「牛革」のライダースジャケットを所有することで、それらの雰囲気の違いをより実感するに至りましたので、そんなこと踏まえて、以下に今回譲り受けることになりましたVISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)を取り上げてみたいと思います。

■VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)をご紹介
以前も本Blogにてちょこっと記載しておりましたが、この度友人より譲り受けたのが、2001年に中村ヒロキ氏によってスタートしたビズビムの牛革 STRABLER JACKETです。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑤

確か2009年か2010年頃でしょうか。一緒に仕事をしていた仲間がかなりのビズビム好きでして、一時少し購入していたことがありました。

デザインはシンプルでベーシックなものも結構あって取り入れやすく、またモノ作りに対するコダワリも強い。その分価格も決して安くはありませんので、私はそこまでのアイテム数は持っておりません。しかも、私はクラシコイタリアの方に傾倒していったことから最近では全くのご無沙汰だったのですが、ひょんなことから話を貰い、サイズも良かったので購入することと致しました。

正直ダブルのライダースはマルジェラの物を既に持っておりましたので次はシングルが欲しかったのですが、ブラウンカラーであったことと、実際に着てみますとマルジェラとは異なるカッコ良さを感じましたので購入を決断した次第です。
Maison Margiela (メゾンマルジェラ)のライダースジャケット_①
※メゾンマルジェラの羊革のダブルライダースジャケット

その実物がこちら。ブラウンカラーのダブルのライダースジャケット。しかも、マルジェラは羊革でしたが、こちらはベジタブルタンニン仕上げの牛革です。もともとユーズド加工が施されていたようですが、かなり良い雰囲気に”仕上がって”おります。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_①

正直見た瞬間に、だいぶマルジェラのライダースとは雰囲気が違うと感じたのですが、ほどなくしてその主たる要因が素材の違いにあることに気付きました。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_②

マルジェラは羊革で、独特の艶感のあるキメの細かい表情です。よって、どちらかと言いますと綺麗目な合わせ方、例えば既にワードローブの中に入っているクラシコイタリアなブランドのアイテムとの相性が良いように感じているのですが、今回のビズビムのライダースは牛革のため、クラシコイタリアも良いですが、気分的にはアメカジアイテムと合わせたい風合いです。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_③

実際の革の表情は決してキメが荒いわけではないのですが、硬さや雰囲気が羊革とは大きく異なるように思います。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_④

ビズビムだけに細かいパーツにもこだわっているようで、ハードな中にも高品質感が漂うメタル系のパーツ。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑥

ジップ類は全て「riri」を使用しており、
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑧

バックルには八角バックルを採用。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑨

ライニングもついておりまして、使われている赤のチェック柄の生地も表地のダークブラウンと相性が良いですね。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑦

ちなみにライニングはコットンとポリウレタン(袖裏はコットンとキュプラ)です。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑩

生産したのは日本のメーカーのようですが、縫製もしっかりと綺麗なラインを描いておりますし、
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑬

形もとても綺麗です。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑪

革だけにイセ込はとれませんが、その分腕の稼働を助ける構造(だと思われます)が採用されていました。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_⑫

それではせっかくですので、実際の着用イメージもお届けしたいと思います。

■VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)を着てみた!
実際の着用画像が、こちらです。この日は寒かったので、アンダーウェアの上にHanesのヘンリーネックを着て、更にその上にデニム&サプライのシャツを着こんでライダースを着て外出致しました。ちなみにパンツはリーバイスのユーズドです。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_着用イメージ②

羊革とは違って、雰囲気としてのハードさが大分出てくるように思います。その上、重量感や硬さも感じます。実際に動いておりますと、牛革が「キュッキュッ」と鳴ります。その音に牛革のライダースを着ているなぁと言う実感を持つわけですが、音を通してアイテムを感じる、と言うのは結構新鮮な体験でした。(笑)
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_着用イメージ③

このビズビムのライダースは上述しましたように裏地がついており、中綿(ポリエステエル)も入っておりますが正直寒いです。革だけに防風性は高いのですが、隙間からの冷気にかなりやられました。。これから更に気温が低下してきますので、長時間外にいるようであれば、別のアウターが適切かもしれません。(笑)
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_着用イメージ①

なお、出先で見つけた鏡!?の前にて。ちょっと反射面が歪んでおりますが、全体のイメージは掴んで頂けるかなと。
VISVIM(ビズビム)の牛革 STRABLER JACKET(ダブルライダースジャケット)_着用イメージ④

と言うことで、牛革、羊革、それぞれの素材の持つ特徴だけではなく、持っている雰囲気、風合いにもそれぞれの良さがあると今回改めて感じた経験でした。

本Blogの読者様は(私の勝手なイメージでは)羊革の方が好みの方が多いような気がしておりますが、個人的にはその日の気分に合わせて、それぞれの素材の持つ雰囲気を楽しみつつ着分けたいと思っております。

皆さまも素材独自の持つ雰囲気、風合いに意識を向けながら、その日の装いを楽しまれてみてはいかがでしょうか!?






エレガントにライダースを着るなら、やっぱりセラファンのラムレザーでしょうか。クラシコ系アイテムとの相性もばっちりですね。



セラファンはエルメスのレザーアイテムも生産しているだけあってお値段も高いですが、探せば新品ながらお得に買える場合もあります。



そして男らしく着るなら、英国の老舗ブランドであるLewis Leathers。こちらは牛でも羊でもなく、HORSE HIDE LEATHER!ただ雰囲気は牛よりでしょうか。



そして米国を代表するレザーウェアブランドであるSchottとこれまたアメリカンカジュアルの雄であるRRLとのコラボライダース。超絶カッコ良いですが、値段も高いです。ただ、持っている雰囲気はやっぱり魅力的です。

ビームスとUA、2大セレクトのリーダーが語る過去と未来

こんにちは!
本日は「ビームスとUA、2大セレクトのリーダーが語る過去と未来」と題しまして、コラム的にお送り出来ればと思います。

と、申しましても、実はこのタイトルはWWD Japanさんの2000号記念連載として2017年11月21日に掲載されました同名の記事(※)より引用しております。
wwdjpn_top
※WWD Japan 「ビームスとUA、2大セレクトのリーダーが語る過去と未来
※画像はWWD Japanさんの当該記事より拝借しております。

日本のファッションシーンをけん引し続けてきた2大セレクトショップであるビームス(BEAMS)の設楽洋社長とユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)の重松理名誉会長によるロング対談。もともと重松氏はビームスの立上げに携わった中心的人物であったことは知られておりますが、色々あって(笑)別々の道を歩むことになったと。

それでも別々の道を歩んでこられたお二人が今、この対談を行うに至った背景の1つには日本のファッションシーンに対する危機感と言った特別な想いがあるのではないか、などと勝手に想像してしまいます。

記事本文はセレクトショップの創成期やセレクトショップ業態が日本でここまで大きく成長した理由、そしてライフスタイルが大きく変化するこれからの世の中におけるセレクトショップの在り方などをお二人がどのように見ているのか、を感じることが出来る貴重な内容だと思っています。

個人的には大変に興味深く、様々な思考を巡らせながら楽しく読ませて頂きましたので、服好きの皆様も本文を是非チェック頂ければと思います。

なお、私が記事本文を要約しても面白くはありませんので、本日は個人的に気になった箇所を適宜抜粋しながら、書き進めてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■日本においてセレクトショップが大きく成長した理由
さて、ビームスと言えばセレクトショップの元祖として広く認知されておりますが、実は意外や意外、本家元祖はSHIPSであったと言うことを、重松氏が述べていたことには驚きました。

SHIPSは1975年に創業しておりますが、当時副社長であった中村裕氏がセレクトショップと言う業態を日本で初めて行ったと言います。その後、1年遅れること1976年にビームスが創業するわけですが、ビームス創業の発起人でもある重松氏は、

『中村氏が作ったショップを見て、こういう店があるのか、こういう店を作りたいと努力して今がある』

と述べております。確かに今でこそ2大セレクトショップと表現されることが多いですが、一時は御三家としてSHIPSも含めて語られることが多かったように思います。

記事の中にも出てきておりますが、ビームスが創業した1976年に時を同じくして雑誌である「「ポパイ(POPEYE)」が創刊され、アメリカを中心とした洋風文化が認知され、原宿を中心として広がっていったそうです。

私は当時はまだ生まれておりませんので事実は分かりませんが、以前ビームスの人気に火が付くことになった大きな要因が、このポパイの創刊であったと何かの記事で読みました。

アメリカで買い付けをしてきたオシャレな服や雑貨を雑誌であるポパイが特集し、それを見た読者が顧客としてビームスに訪れて買い物をする、と言う流れが出来たと。

実際にビームス(クラシコイタリアを扱うレーベル)の今のビジネスモデルもこれに近い形で行われている気もしますよね。海外での展示会の中から日本のマーケットに合いそうなトレンドをセレクトし、まとめ上げて雑誌を中心としたメディアで「今期のトレンド」として発信する。そしてそれにあった商材を実店舗で展開していく、と言うのは実は創業時の成功体験がベースとなったモデルなのかもしれません。

その後ビームスの成功を受けて1989年にアローズが創業するわけですが、欧米にはほぼ存在しないにも拘わらず、日本においてセレクトショップと言う業態がここまで大きく成長するに至った要因として、お二人は以下のように語っておられます。

ビームス設楽社長
『お客さまに代わってある程度(購入、着用する服を:rm55追記)絞ってあげる、組み合わせてあげる。ある種のコーディネートショップでもあるが、エディターズショップでもある。世の中で最も自然な姿だから大きくなれた。』

ワードローブの中に同じブランドしかない!と言う人は世界広しと言えど、なかなかいないでしょうと。例えばギャルソンの川久保さんだってワードローブの中にギャルソンしかおいていないわけではなく、好きな服はあるはずだと。なぜなら、それが”一番自然な姿”だからと言う例え話を出しながら、設楽社長はセレクトショップ成長の理由を語ります。

アローズ重松名誉会長
『モノ選びとモノづくりのバランスが取れた、ビジネスモデルができたからだと思う。モノ選びだけだとリスクが大きくビジネスになっていかない。他の国の日本でいうセレクト型の企業はほぼ淘汰されている。日本だけが大きくなった。』

そして、
『自分たちのオリジナルを作って利益を確保して、品ぞろえの中の買取ロスを極小化しているから。だから、海外ではワンブランドショップだけ残っている。利幅が大きくデザイナーが立っているから。セレクトショップは、マルチレーベルストア。いわゆる、マルチのレーベルを扱っているということ。類いまれな、日本だけのビジネスモデルだと思う。他の国は百貨店かオンリーショップしかない。』

設楽社長の考察はセレクトショップと言う業態が服好きにとって自然な形であったと言うことを成長の要因として述べているわけですが、更に日本においてなぜ大きくなったのか、と言う問いに具体的に答えているのが重松名誉会長の考察かもしれません。

個人的には、セレクト(海外買い付け)商品の利幅の薄さ、売れ残りロスを利益率の高いオリジナル商品の売上でカバー出来たから大きくなったのか、大きくなるために利益率の高いオリジナル商品の取扱いを増やしたのか、と言う因果関係については検討の余地ありだと感じながらも、非常に説得力のある説明だと感じたことは事実です。

そういう意味では、”服が好き!”と言うだけではなく、”ビジネスとしての感覚も優れていた”ことが、日本においてセレクトショップが大きく成長した背景にはあったのかもしれませんね。

■今後のセレクトショップの在り方
「日本においてセレクトショップが大きく成長した理由」とともに、個人的に興味深く拝読させて頂いた内容が、今後のアパレル業界、そしてセレクトショップの在り方についてお二人が語ったパートでした。

ビームス設楽社長
『AIが台頭したときに、その隙間で勝っていく方法を考えなくてはならない。今、ビームスが“人”を前面に出そうとしているのもその一つ。』

『短期的な将来、SNSの普及で一億総デザイナーのような時代が来る。インフルエンサーが個人でセレクトしたものを売ることが主流になる。その中でセレクトショップは、何をすべきか。わが社はインフルエンサーのプロダクションになってしまおうと。』

設楽社長はAIをはじめとしたIT技術革新によるライフスタイル、購買スタイルの変化を踏まえて先端技術を中心にそえるのではなく、あえて「ヒト」を前面に出していくということを述べておられます。

最近はアローズなんかでもEコマースの売上が拡大していると言う記事がありましたが、アメリカではEコマースでの売り上げが拡大した結果、商業施設などに出店しているリアル店舗の閉店が相次ぎ、とても苦労していると言う話もあったりします。また、Eコマースで物が売れると言うことは、そもそもコストのかかる販売員はいなくても物が売れることを意味するわけです。

ところが、設楽社長は拡大しているEコマースにのっかるのではなく、「ヒト」を前面にだし、「ヒト」でしか出来ないことに力を入れて行こう!と言うことなわけですね。いかにも設楽社長らしいお考えかなと思います。

確かにビームスでは各レーベルのバイヤーさんであったり、ショップスタッフさんがインスタグラムを中心としたSNSにて自ら情報を発信し、日本のみならず世界的な影響力を発揮していらっしゃいますね。まさに、「ヒト」である社内スタッフが顧客の購買活動に影響を与えるインフルエンサーになれるような仕込みを進めていると言うことでしょうか。

では、アローズの重松名誉会長はどうかと言いますと、
『お客さまはクオリティーに、よりコンシャス(意識する、気にする:rm55追記)になっていくということだ。クオリティーを保つ技術力だけは磨かなければならない。そこはやらなければならない。』

『店頭で試着して感動して、買っていただいて持って帰るという、会話体験や価値も非常に重要。』

『しかし、それを好まない人がいるような時代になったときに、家に帰ると買ったモノが届いている。その技術をどのように導入し、経費をかけず軌道に乗せられるかを、研究しなくてはいけない。』

つまり、「商品そのもののクオリティ」の向上及び、「ヒト」による付加価値の付け方も重要だが、それだけではなく先端技術を研究し、効率的に販売できる体制を整えていくことも、これからの時代には求められると。

確かアローズが売上高で1400億円、ビームスはその半分程度と言う認識でしたので、両者の考え方のどちらが正しい、正しくないと言うのは企業規模や置かれた状況、理念(考え方)が異なりますので意味がないと思っています。それでも大切なことは、共に時代の先を見据えて、既に次なる施策を打っている(重松名誉会長は経営には携わっていないので、個人としての考え)と言うことでしょうか。

仮にマズローの欲求階層説を用いて考えるのであれば、各人によって服が「自己実現の欲求」に当てはまるのか、「尊敬・評価の欲求」に当てはまるのか、それとも「社会的欲求」に当てはまるのかは分かりませんが、人間が存在する以上、「服を欲する欲求」が完全に消えてしまうことはないように思います。

これからも服が好きな人間の1人として、社会や文化、IT技術の変化や進化に合わせて、自分なりの服の楽しみ方を追及していければと思いますっ!






ブラックカラーが気になる!?

こんにちは!
本日は、「ブラックカラーが気になる!?」と言うテーマでコラム的にお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■ブラックが気になる!?
さて、ファッションにおける「カラー(色)」と言いますのは時として様々な意味を持ったりするものですが、それがブラック(黒)となりますと、フォーマルなシーンであったり、モダン、モードなイメージを頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

私はドレスシーンにおいてブラックなアイテムを身に付けることはそれこそ冠婚葬祭を除いてはほぼ皆無で、ビジネスにおけるフォーマルなシーンにおきましては色の濃いネイビーや(チャコール)グレーで対応しております。また、カジュアルアイテムとしてブラックカラーのアイテムを購入することも、これまではほとんどありませんでした。

それが、ここ1、2年位でしょうか。カジュアルアイテムにおけるブラックがやけに気になり始めまして、例えば今年の頭には自身初となるライダースジャケットを購入しておりましたが、選んだ色はブラック。こちらはマルジェラのダブルのライダースジャケット(※1)になります。
Maison Margiela (メゾンマルジェラ)のライダースジャケット_①
※1:購入記事 「Maison Margiela (メゾンマルジェラ)のライダースジャケットを購入!

他にも、2016年AWセールにてルイジボレッリのウォッシュドコットンストレッチブラックデニム(※2)を購入しておりましたし、
LUIGI BORRELLI(ルイジボレッリ)のウォッシュドコットンストレッチブラックデニム_②
※2:購入記事 「LUIGI BORRELLI(ルイジボレッリ)のウォッシュドコットンストレッチブラックデニム:PARTENOPE(J124)を購入!

春先には気軽に羽織ることが出来る、スポーティなカジュアルウェアとしてナイキのプレイヤーズジャケット(※3)も週末のオフ用に仕入れておりました。
NIKE (ナイキ) のウーブン プレイヤーズ ジャケット_②
※3:購入記事 「NIKE (ナイキ) のウーブン プレイヤーズ ジャケットを購入!

そして昨年の秋冬用にと購入し、週末には大活躍であったノースフェイスのバルトライトジャケット(※4)もブラックでしたね。
The North Face(ノースフェイス) Baltro Light Jacket(バルトロライトジャケット)①
※4:購入記事 「The North Face(ノースフェイス)のBaltro Light Jacket(バルトロライトジャケット)を購入!

なぜこれまで全く気に留める色ではなかったブラックが急に気になり始めたのか。その理由は自分自身でも特定することが出来ていないのですが、あるとしたら!?ブラックカラーの持つ雰囲気を欲しているのかなと。

具体的には、

・落ち着いて見えたり、
・大人っぽく見えたり、

と言う、ブラックカラーが持つ効果、効能を求めていると。

私は結婚して子供もおりますので、週末に行動する”単位”としては、家族であることが恐らく9割以上を締めます。そしてオフの日は小さな子供と一緒に過ごしますので、自然と装いも!?動きやすく、汚れてもまったく気にならないアイテム、つまるところカジュアル(またはラフ!?)なスタイルになることが多いのです。

ところが、以前も記載したと思うのですが、嫁さんはどちらかと言いますと、ジャケットなどを羽織るドレスよりのスタイルの方が好みです。よって、かなりカジュアルなアイテムを身に付けておりますと、

「仕事の時みたいに、ちゃんとした格好してよ。」
とか
「何歳だと思っているの!?格好が若すぎでしょ。」

と言った厳しいお言葉が飛んできます。。(泣)嫁さん個人としてはさほど服に興味がない割には、一緒に出掛ける際の旦那の装いは妙に気になる様で、毎回「これで良い!?」と確認してから出かけるようにしております。(笑)

そんな状況なものですから、カジュアルなスタイルをする際に少しでも「落ち着いて見えたり」、「大人っぽく見える」ブラックなアイテムを装いの中に取り入れることで、なんとか切り抜けようとしているのではないか!?と自己分析してみたりしておりますが、ブラックが気分である真相は、未だ闇の中です。

■装いにブラック(黒)を取り入れる
と言うことで、最近のオフスタイルに取入れたブラックなアイテムをちょこっと見ていきたいと思います。

まずはこちら。今年の夏にもブラックを取り入れた装いをしておりました。購入したのは数年前ですが、ブラックベースにホワイトのストライプが入ると言う、若干クセのあるヴィガーノのドローコード付きパンツ。ちょっとモードな香りもしますので、ヘンリーネックにダブルのジレを合わせて、”それっぽく”してみました。
ブラックアイテムコーデ_①

秋口には上記でご紹介しておりました、ルイジボレッリのウォッシュドブラックデニムをディマエストロのスタンドカラーニットに合わせて。アウターとボトムスの繋ぎに使ったグレーのシャツもボレッリです。ちなみに、こう言ったスタイルですと嫁さんからもOKが出やすいです。(笑)
ブラックアイテムコーデ_②

そして古着で購入したミリタリージャケットにインをしたのは、レミレリーフのウエスタンシャツ。デニムではなく、サテン生地に洗いがかかっているので程よい光沢感がカジュアルさをより軽減します。
ブラックアイテムコーデ_③

個人的にはかなり攻めた!?スタイルであるマルジェラのライダースにUKミリタリーのグルカパンツを合わせたスタイル。「理解不能」と言われましたが、なぜかOK。服が好きであると言うことは理解してもらっておりますので、判定はそのあたりの事情も踏まえて行って貰っている感じでしょうか。(汗)
ブラックアイテムコーデ_④

最後に、最近の急激な気温の低下に負けてひっぱりだした、タートルネック。こちらは昨年購入したクルチアーニのものですが、心地良い素材感とサイジングが気に入っており、ジャケットにインして使うスタイルには持って来い。ちなみにジャケットはISAIAのドネガルツードのウィンドゥペンで、パンツはレスパーデのストレッチコットンパンツ(ベージュ)です。
ブラックアイテムコーデ_⑤

と言うことで、トレンドカラーでもなんでもないのですが、なぜか気になるブラックカラーを装いに取り入れてます!と言うお話でした。

本当に「落ち着いて見えたり」、「大人っぽく見える」かどうかは分かりませんが、ブラックは敬遠しがちだったけれど、これはこれでアリだな!と思って頂けた方がいらっしゃいましたら、是非ブラックカラーを装いに取り入れるチャレンジされてみてください!






個人的な一押しは、ブラックカラーのタートルネック。カジュアル、ドレスカジュアルともに使いやすいと思います。クルチアーニは特に価格と品質のバランスが良いのでおススメです!



コスパ重視なら、1万円前半で買えてしまうアレッサンドロルッピでしょうか。

REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)を買ってみた!

こんにちは!
日に日に寒くなる今日この頃。皆さまいかがお過ごしでしょうか!?

本日もカジュアルウェアを取り上げたいと思うのですが、さすがに本日はミリタリーアイテムではなく、スポーツウェア。個人的には数年ぶり!?に購入したスウェット(トレーナー)が主役です。

それでは、まいりましょう。

■10年以上振り!?にスウェットを買ってみた
さて、スウェット(トレーナー)と言えば、その起源はスポーツ選手が競技の前や後に着用していたと言うスポーツウェアを起源としております。

その特徴としては、吸汗性や伸縮性に優れており、防寒性が有ると言うもの。

スウェットは内側に”吸汗性が優れる”パイル織りの生地を採用し、外側には”伸縮性に優れる”平織りのジャージーを組み合わせ、そしてこの2重構造によって防寒性を実現していると。

スポーツ選手が競技前に準備運動をする際には伸縮性が求められますし、競技後には汗を素早く吸収し、体の冷えを防ぐ防寒性が必要になることは想像に難くないですが、正にこれらの求められる機能を全て網羅しているのが、スウェットなわけですね。

ちゃんと調べてはおりませんので勝手な想像ですが、これらの機能性に優れたスポーツウェアであるスウェットがファッションウェアに変化していったのも、恐らくアメリカの大学生が火付け役だったりするのかもしれません。

私も自らの記憶を遡ってみるに、スウェットパーカーやスウェットパンツはここ最近でも購入した記憶はあるものの、スウェット(トレーナー)となりますと、大学生の頃に古着屋でUSAメイドのチャンピオンのスウェットを購入した記憶があるのみで、その後スウェットを購入したことは無かったかもしれません。

これが事実であれば、10年ぶり以上にスウェットを購入したことになりますね。

私は大学3年生の頃にバイクを購入し、その後は大学やバイト先にもバイクで通っておりました。よって、出来るだけ動きやすい格好をしていたのですが、その影響もあってスウェットを購入したのかもしれません。それでも社会人にもなりますと、シャツやニットと言った大人の雰囲気のある!?アイテムを買い求めたと言うこともありましたので、トップスとしてスウェットを着用するシーンが減ったことも大分ご無沙汰であった理由のように思います。

そんなやんちゃな!?大学生活を送っていた私も2児のパパとなり、週末には2人の子供を連れて公園に行って遊んだりと、子供と過ごす時間が増えております。すると、動きやすくて汚れても良い(洗いやすい)アイテムに自然と意識が向いたと言うこともありまして、この度スウェットを購入してみることに致しました。

■こだわりの!?スウェット(トレーナー)
このような中で、どのメーカーのスウェットを買おうかと悩みました。アメカジ好きな方からは「リバースウィーブが有名なUSA規格のチャンピオンのスウェットでしょう!」と言うアドバイスも頂いたのですが、今回は風合いと色合いが気に入ったレミレリーフのスペシャル加工のスウェットを選んでみました。

実は、ファンも多いチャンピオンのリバースウィーブに代表されるヴィンテージの退色と言うのは、『空気中の水素と染料のアミノ酸が人の熱や汗に反応して結合し加水分解を 起こして染料のみが朽ち果てていく』と考えられているのだそうです。

レミレリーフのスペシャルヴィンテージ加工もこの原理と全く同じアプローチを採用しているそうで、『昔ながらの直接染料のを使い水素と結合させて、ゆっくりと長時間かけて染料を退色させて』いるのだとか。
※『』はコチラのページより引用

最近は技術も発達しておりますし、薬品等によってヴィンテージ加工を行うメーカーも多い中で、レミレリーフはあえて本来古着が持っている風合いや色の経年変化に近い状態を、手間暇かけて目指したと言うことなのです。

それなら古着を買えば良いじゃん!と思われる方もいらっしゃるかと思うのですが、実は古着で好みの風合いや色、柄、デザインと、マイサイズが揃ったスウェットを見つけるのは結構難しいのです。好みのものが見つかってもマイサイズではなかったり、逆にサイズは合うけれど、デザイン等が好みでなかったり・・・。

そんな古着との貴重な出会いを楽しむのも古着やファッションの楽しみ方であると言うことは重々に理解したうえで、今回は「時間を買う!」と言う意味合いもあって、古着に近い風合いと色の退色具合を持つと言う、コダワリあるレミレリーフのスペシャル加工スウェットを購入してみた次第です。

■レミレリーフのスペシャル加工 スウェット・トレーナー 実物をご紹介
では、そんなコダワリの加工が施されているレミレリーフのスウェットの実物をご覧頂こうと思います。この度購入しましたのは、こんなブラウンが退色し、グレーと混ざったような絶妙なカラーリングのスウェットです。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_①

色だけではなく、首周りや
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_②

袖周りなどにもヴィンテージ加工が施されており、言わなければヴィンテージの古着と間違えてしまいそうな風合いを醸し出しております。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_③

素材はコットン100%。スペシャルヴィンテージ加工を施す中では当然ボディ部分などにはダメージが出てしまうようですが、それでも生地が硬くなるようなことはなく、コットンならではの柔らかく、滑らかな心地良さは健在です。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_④

ただ正直に申し上げますと、上記のようなウンチクを調べて共感したためにレミレリーフのスウェットを選んだわけではなく、単純に色々なメーカーのスウェットを見比べた中では、その雰囲気がイメージに一番近かったと言うだけのことです。(笑)
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_⑤

レミレリーフはいつもサイズが「S」か「M」で悩むのですが、今回は子供たちと遊ぶことがメインの用途でしたので、ややゆとりある「M」を選びました。実際に172㎝、60㎏の私が着てみますとこんな感じです。ただ、ヴィンテージ加工がされますと伸縮などは一概に設定できないようですので、サイジングの数値的には「S」に近い「M」と言う感じでした。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_⑥

首回りもボートネックまでは行きませんが、リラックス感のある表情で、インナーのTシャツが顔を見せます。こんな表情も個人的には気に入っているポイントの1つです。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_⑦

リブの締め付けもかなり「ゆるい」です。その分シルエットにもリラックス感が出てきますので、こういった着こなし、雰囲気が好きな方であれば、時間や、好みのヴィンテージスウェットを見つける手間を省くことの出来るレミレリーフのスペシャルヴィンテージ加工スウェットはおススメです。
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_⑧

小さなか子を持つパパさんの休日ウェアとしては、着心地はもちろんですが、雰囲気も良いので気になる方がいらっしゃいましたら是非チェックされてみてください。チノパンやデニムなど、なんでも合わせられると思いますよ!
REMI RELIEF (レミレリーフ)のスペシャル加工 スウェット(トレーナー)_⑨

なお、先日このスウェットを着用していたら、嫁さんからは「何その部屋着みたいなやつ!」と言われました・・・。(笑)その上、気づいたら下の子の手についていたご飯粒がベットリついており、早速洗濯をする羽目に。。

想定していたこととは言え、色々あるものですね。(笑)






トレンドのモックネックを着てみよう!:イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター

こんにちは!
ドレスよりのアイテム紹介や記事が多い本Blogですが、最近はカジュアルづいております。しかもやたらと”ミリタリーアイテムより”と言うやや偏った記事構成となっている今日この頃ですが、これも後から読み返せば、あの時はミリタリーが気分だったのだなぁと懐かしく思える日も来るのかもしれません。(笑)

と言うことで、本日も早速まいりましょう。

■トレンドの首周りはモックネック
さて、ファッション好きの皆さまであれば、ここ1、2年で注目度が上がってきており、今期は多くのメーカーから提案がなされている秋冬のニットアイテムがあることは、既にご存知のことと思います。

その名も、モックネック!

冬の定番アイテムともなったタートルネックが首をすっぽり覆う高さ、かつ折り返して2重になるような襟を持っているのに対して、モックネックは、タートルネックの半分以下の襟の高さであり、かつ折り返しの無い1重のものを言います。

クラシコイタリア好きであればそのアイテムを1つは持っていらっしゃる方も多いであろうクルチアーニからも出ておりますし、



恐らくワードローブに1着はあると思われます!?ドルモアや



根強いファンも多いジョンスメドレーからもハイゲージのモックネックが出ていたりします。



メーカーによって首回りの表情はやや異なりますが、タートルネックに比べますと首の長短を選ばず、かつ首元がややすっきりとした印象になりますので、タートルネックのように冬を待たずに秋口から装いに取り入れることが出来る点は嬉しいポイントでしょうか。

ちなみに、このモックネック。もともとは、「モック・タートル・ネック」と呼ばれていたようです。「モック」とは、「偽の・まがいものの」と言う意味があると言いますから、「なんちゃってタートルネック」と言う感じでしょうか。。。

そんなことを言いますと、なんだか「モックネック」が可愛そうな気もするのですが、実は歴史的には「モックネック」の方が先に誕生していた!?と言うお話もあるようです。

以前その書籍を取り上げたこともあります、服飾評論家である出石尚三氏による「「タートル・ネックの研究」 大統領が好きなセーター」と言うコラム。

この中に数百年の歴史があると言うセーターが生まれた背景に関する記述がございました。そして、そこではセーターの代表的なアイテムとして「フィッシャーマンズ・セーター」が取り上げられているのですが、これは『酷寒の海上で働く漁師たちの生活から、自然発生的に生まれたものと考えられています。』と。

更に、

『このセーターの原型は素朴なデザインで、今でいうモック・タートル・ネックにも似た襟でした。』

『そして、セーターが労働着からお洒落(しゃれ)着になるにつれて、タートル・ネックが生まれたのです。』
※『』内はコラムより引用

との記述がありました。

コラムの中には、上記を裏付ける証拠が提示されているわけではないのですが、それでも服飾評論家であり、著名な出石尚三氏によるコラムと言うことで十分信頼に足る情報かなと個人的には判断しております。

と言うことで、実はセーターの原型に近いものが本日取り上げます「モックネック」であり、「タートルネック」よりも実は先輩だった!と言う歴史的事実をご紹介した上で、先に進みたいと思います。

■イタリア海軍のデットストック モックネックセーター
私のインスタグラムにポストをさせて頂く最近のオフ・スタイルは、その大半が現在送っているライフスタイルに合わせてカジュアルな装いなのですが、中でもアメカジやミリタリーアイテムが数多く登場しております。

このような中で週末に1人の時間が少しでも確保出来ますと、都内の古着屋さんをちょこっと巡ってみたりします。その散策の中で気になっていたのが、ネイビーベースのモックネックセーター。多くがイタリア海軍の物と言うことで肘にはエルボーパッチが施されており、お値段も3000、4000円前後とお手頃価格。

上述しましたようにクラシコイタリアなブランドからも今期はモックネックが多く発売されておりますが、私がオフの際に合わせる服やスタイル等を考慮しますと、これまたガチのミリタリーアイテムの方が良いでしょうと言うことで今回購入しましたのが、イタリア海軍のデットストックのモックネックセーターでした。

その実物が、こちら。軍ものですから当然ですがエレガントさや色気とは無縁の、質素で素朴な表情。空母の甲板上で作業を行う船員の体さえ温めてくれればそれで良い!と言う潔い佇まいです。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_①

肝心の首元の表情。なんてことはない、普通のモックネック。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_②

エルボーパッチにもしゃれっ気1つ感じませんが、それがまたミリタリーアイテムの魅力ですよね。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_③

袖のリブはやや長め、折り返しても使えそうです。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_④

印象的だったのは、この袖付け。人体に沿うような曲線で構成されているわけではく、身幅からややせり出し、直線的なラインによる袖付けです。とりあえず、腕を通す袖がついていれば良い!くらいの感覚でしょうか。(笑)
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑧

素材はウールですが、やや厚めの生地感で、密度が濃い感じがします。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑦

それでもこの海軍ならではの!?濃い目のネイビーカラーは個人的にはとても好みで、最近ワードローブに加わりましたグルカパンツやファティーグパンツのオリーブグリーンとの相性も良さそうですし、デニムなんかにも合わせやすそう。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑤

ちなみにタグはイタリア語で記載されたこんなタグが付いておりました。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑥

■モックネックを着てみたっ!
せっかくですので、購入したモックネックセーターの着用イメージもご紹介しておこうと思います。まずはファティーグパンツに合わせてみました。ミドルゲージよりもやや薄い厚さの生地ですので、パンツにインしても問題なく納まります。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑩

そしてグルカパンツに合わせて。やっぱりミリタリー、そしてワークウェアとの相性は良い感じだと思います。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑪

モックネックならではの首元の表情はこんな感じです。程良い高さがあって、暖かさも感じます。まさに秋口から冬にかけて活躍してくれそうなアイテムかなと感じました。
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑨

ちなみに、あのストレートな袖付けは着用するとこんな感じになりました。美しさも何もないですが、ウールのニットと言うことで柔らかいので違和感はあまりないですし、暖かいので良しとします。(笑)
イタリア海軍 デッドストック モックネックセーター_⑫

と言うことで、私が選んだトレンドアイテムであるモックネックセーターは、イタリア海軍によるデッドストックでした。いわゆるクラシコイタリアのインポートブランドに比べれば1/10程度のお値段ですからお手ごろですし、アメカジやワークウェアアイテムとの相性も良さそうですので、そんなスタイルが気分であったり、好みの方は是非ご検討されてみてはいかがでしょうか!?

もちろん!?クラシコイタリアなブランドのモックネックを装いに取り入れてみるのも、新鮮で楽しめると思いますよ♪






こちらは税込3000円台のイタリア軍のモックネックセーター!

今度はファティーグ(ベイカー)パンツに挑戦!:UK MILITARY Fatigue Pants

こんにちは!
先日、「グルカパンツに挑戦!?」と言うことで、イギリス軍のデットストックであるヴィンテージのグルカパンツにチャレンジしてみたわけですが、今度は懲りずに!?、ファティーグパンツ(別名:ベイカーパンツ)にチャレンジしてみました。
UK MILITARY GURKHA PANTS_グルカパンツ⑨
※上記はグルカパンツ

と言うことで、本日も早速まいりましょう。
※最後にちょっとお得な情報もつけておきます。

■ファティーグパンツ!?
さて、最近のオフスタイルは妙にミリタリーアイテムが気分です。

グルカパンツに続いてチャレンジしたのは、今回もイギリス軍のFatigue Pants (ファティーグパンツ)です。「Fatigue」とは軍事用語として「雑役(作業)の~」と言う意味合いがあるようで、戦闘に使われる服に対して非戦闘用の作業着として使われていたパンツをそのように呼んでいたようです。

他にも、別名として「ベイカーパンツ」とも呼ばれており、その名の通りパン屋さんが作業で使っていたと言う起源説もあったりします。よって正確にどちらに起源を見出すことが出来るのかは不明なのですが、いずれにせよ「作業」を行う際に着用するワークウェアであったことは確かなようです。

その大きな特徴としましては、フロントのパッチポケットやバックのフラップポケット。メンズのドレスウェアにおきましてもパッチポケットはカジュアルな仕様として認識されておりますように、ポケットがパッチポケットになっただけで見た目的にはかなりカジュアルと言いますか、ワークウェアっぽい雰囲気が出てきますよね。

他にも、ベルトループの部分がボタン式になっていたり、中にはカーゴパンツのようにサイドポケットがついた仕様のものもあるようで、ヴィジュアル的にはワークウェア、ミリタリー感のある雰囲気になってきます。

それでも、ガチのワークウェア、ミリタリーウェアに比べますと幾分ライトな感覚があるためか、ここ数年は女性の間でも人気のよう。確かに、あまりファッションに対して興味がない私の嫁さんもMA-1ジャケットに合わせて穿いておりました。

以前も記載しましたが、個人的には(理由は分かりませんが)カーゴパンツがカジュアルパンツの中では特にお気に入り。ある意味ではデニムよりも多様しているように思うのですが、今回は状態の良い、イギリス軍のサイドポケット付きのファティーグパンツを格安(樋口一葉さん以下!)で見つけましたので、グルカパンツに続いてトライしてみることにしました。

■Fatigue Pants From UK MILITARY
今回購入しましたのも、ガチのミリタリーウェア。イギリス軍が実際に使用していたファティーグパンツだそうですが、状態はとても良く、色褪せやキズ、スレなどがほとんどないものでした。色はもちろん!?オリーブグリーン。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_①

フロントのパッチポケットが印象的な表情です。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_②

サイドポケットは左足のみの片方だけ。こんなアシンメトリーなデザインにも惹かれます。(笑)
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_③

フロントのパッチポケットとともに、ボタン式のベルトループにもファティーグパンツの特徴を見てとることが出来ますね。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_④

また、今回は更にサイドアジャスターもついており、ベルト無しでも問題なく着用可能です。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑤

先日ご紹介差し上げたグルカパンツには商品タグなどは無く、スタンプのようなものが押されておりましたが、今回は一応タグがついておりました。格安だったこともありますし、ヴィンテージではないのかもしれません。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑥

フロントは機能的なジップフライ。もちろん!?、副資材などはありません。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑦

こちらはバックスタイル。フラップのついたポケットは右側のみ。股上もかなり深いのが、こちらの画像ですとお分かり頂けるかなと思います。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑧

ミリタリーウェアはその性質上丈夫なコットンツイル生地を使ったり、一部に化繊が混ざった素材が用いられることが多いと思います。今回は中古ですので以下のようなスレが若干見られましたが、それでも日本において週末にパパさんが普通に使う分には全く問題のなさそうな耐久性かなと思いますよ。(笑)
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑨

■ファティーグパンツを穿いてみた!
なお、先日実際に着用してみましたので、その着用イメージもお届けしておきたいと思います。

まずは、こちら。ちょっと画像が暗いですが、かなりの股上が深いことがお分かり頂けるかと思います。ウエスト、ヒップをしっかりと包み込み、ヘソのかなり上にパンツのウエストラインがくる感じですね。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑩

今回はベルトはせず、サイドアジャスターで絞り込みました。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑪

そして今回合わせたアイテムは、こちら。アウターは、Levi's XX 2ndタイプのデニムジャケット。着丈が短い分、股上が深く、ウエストラインが高くなるパンツとの相性は良いかなと思っています。シャツはインディビジュアライズドシャツのオックスフォードで、更に古着屋さんでワンコイン以下であったコーディロイのジレをはさんでいます。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑫

UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑬

靴はクロケットのカントリーブーツ。シルエットとしては、ややテーパードしているのですが、それでもパンツの裾幅は21㎝。これまで穿いてきたパンツに比べますとシルエットはかなり太いですが、穿き慣れてしまったのか全く違和感なく、ナチュラルに穿きこなすことが出来ておりますょ。
UK MILITARY Fatigue Pants(ファティーグパンツ)_⑭

もちろん!?訪問先は近くの公園。子供たちと遊ぶことは決して”作業”ではなく、全てのエネルギーの源ですが、手縫いのパンツを穿いていると気にしてしまうことも、この作業着であれば全く何も気にすることなく、子供たちとの時間を楽しむことが出来そうです。(笑)

週末はデニムやコットンパンツも良いですが、こんなほんのりミリタリーを感じるファティーグパンツにチャレンジしてみるのも、たまには新鮮で良いかもしれませんね!?

■おまけ
本日、2017年11月15日の10時から16日の9時59分まで、コチラのページでエントリーをし、かつ対象ショップで1注文あたり5000円以上のお買い物をしますと、なんとポイントが10倍になると言うキャンペーンを実施するようです。しかも、獲得ポイントの上限は3万ポイントと太っ腹!?その上、記事の公開は水曜日ですから、エントリーをして楽天カードで決済をすれば、更にポイント5倍!

今回は皆さんお馴染みの!?以下のショップが対象ショップになっておりましたので、気になるアイテムがある方は是非エントリーの上、この機会にご購入されてみてはいかがでしょうか!?

粋な着こなし
VIAJERO 本店
モダンブルー
サントノーレ
※格安ムーレーが更にポイント10倍!?
京都発メンズインナーADIEU
※機能性下着関係がお買い得!


GLOBER
※早くもプレセール開始!ムーレーなどを含む対象商品が最大70%オフ!






サイドポケット付きのファティーグパンツが、4千円前半!




サイドポケット無しも、同じく4千円前半!

スミズーラ(ビスポーク)をする際の心構え!?

こんにちは!
本日は、「スミズーラ(ビスポーク)をする際の心構え!?」と言うテーマでお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■スミズーラの弱点!?
さて、スミズーラ(ビスポーク)と言いますと、服好きにとしましては一種の憧れのようなものがありますし(私だけ!?)、わざわざお金と時間をかけて世界に1着の自分だけの服をその道のプロである職人さんに仕立てて頂くと言うことで、「完璧である」と言ったイメージもあったりします。

ただ、これまで”たった”2着のスーツの納品を頂いただけの私ですが、大きなお金を投資した分、真剣かつ熱意を持って納品を頂いたスーツと向き合っております。すると、そこにはスミズーラならではの素晴らしさはもちろんですが、同時に難しさも感じていたりします。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のダブルブレステッドスーツ2017AW_⑬
※サルトリア・ソリートによるスミズーラ(ビスポーク)のダブルスーツ

少し前に、「ス・ミズーラとプレタポルテ、どちらが良いか!?」と言う記事をお送りしておりました。

この時はナポリのカミチェリアであるモンテサーロのプレタポルテ(既製品)とスミズーラ(パターン・オーダー)における個人の感覚、経験談を基に、その両者の着心地やヴィジュアル面での美しさ等を比較しておりました。そして、その記事に対しまして、実は読者の方方非常に興味深いコメントを頂いていたのです。
MONTESARO(モンテサーロ)のトランクショーでオーダーしたドレスシャツ2_⑧2
※モンテサーロによるMTMのシャツ

コメントの内容としましては、

「スミズーラ(ビスポーク)をすると着心地は良いが、自分の体の貧弱さが露呈してしまう」

と言うものでした。

つまり、スミズーラにおける「着心地の良さ」と「ヴィジュアル的な(自らが感じる)カッコ良さ」は必ずしも比例するものではない!と言うことだと理解しております。

確かにシャツはジャケットやパンツに比べますと肌に近く、生地も薄いので、その方の体型がリアルに出てくると言うのは、正にその通りだと思います。事実、私自身がモンテサーロにてパターンオーダーをしたシャツでもそれは感じますし、インスタグラムなどにおきまして、シャツをスミズーラ(ビスポーク)されていらっしゃる方の画像を拝見しても、それは明確に感じております。
MONTESARO(モンテサーロ)のトランクショー_着用イメージ⑨

この自身の体型が露呈することを回避するために、コメントを頂きました読者さまは『気に入ってる既製シャツのパターンオーダーでは敢えて数字はいじらずに素材とオーダー展開のみの襟型をチョイス』されていらっしゃるそうです。これであれば、好きな生地やディティールを選ぶこと出来、かつ自分自身の体型がリアルに露呈することも防ぐことが出来ると言うわけですね。

この時に重要なのが、誰の視点で評価をしているか、と言うことなのですが、それはやっぱり自分自身なわけです。もしかしたらスミズーラしたシャツを着ている姿を他の方が見ても、「貧弱」とは感じないかもしれません。それでも、好きな服をカッコ良く着こなしたいと思っている我々服好きにとりましては、自分がカッコ良いと思えるかどうか、と言う点が一番重要なわけですね。

実際、私もコメントを頂いた方と同じような”経験と感覚”を持ちました。

私も気に入って購入した服を出来るだけカッコ良く着こなしたい!と言う思いはございますので、可能な範囲で適度に体を鍛えておりますが、身長を伸ばすことが難しいように、自分の努力ではどうにもならないことが存在致します。

そして、この自分の体型で気に入っていない点がスミズーラにより露呈してきますと、着心地は最高だけれど、もう少し見え方として修正が出来ないか!?と言う欲求が沸いてくるわけです。

着心地と(自分が感じる)カッコ良さ、これらを高いレベルでの両立させると言うことは、まさに服好きにとっての永遠のテーマかもしれません。(笑)

と言うことで、スミズーラの持つ弱点とは、自分の体がリアルに露呈すること。仕立てて頂いた服を通して自らの身体的特徴と向き合うことになるため、それを自分自身がカッコ良いと感じることが出来るか否か、と言うことだと思うわけです。

■何がカッコ良いと自分が感じているのかは、意外に分かっていない!?
ところで、スミズーラの世界には、まことしやかに囁かれていると言う格言!?があるそうです。それは、

「3回目で本当に満足の行くものが出来る」

と言う言葉。本当に3回目で出来るのかどうかは別として、人間が自らの手作業で行うことですから、満足の行くものを仕上げるには時間がかかる、と言う意味合いだと理解しております。

このような中で、それだったら仕立てる前に「自分の体ここは好きではなく、カバーしたいので、こうして欲しい!」と注文すれば良いのではないか!?とお考えの方がいらっしゃるかもしれませんが、実はそれって結構難しいことだと思うわけです。

普段自分がカッコ良いと感じている点は確かにあるのですが、それが体型によってどのように変化するのか、は実際に経験をしてみないと分からないことですし、更に言えば、自分は意識としては気にしていなかったけれど、いざそのバランスが崩れてみると、これが良いと感じていた!と言うことに気付くことになると。

普段生活する中で空気の存在のありがたみを感じる瞬間はあまりないけれど、いざ空気を吸えない事態に陥ると、そのありがたみを身を持って実感する、と言うようなことでしょうか。。

例えが正しいか、分かりやすいのかは微妙ですが、自分の気に入っていたラインやディティールなどは、失ってみて初めてそれが好きだった、好みだった!と気づくと言うことで、事前にオーダー時にそれらを表現して職人さんに伝えると言うのは難しいと私自身は感じております。

もちろん、仕立てあがった後でも修正が効く箇所もあると思いますが、生地にハサミを入れている以上、全てが対応可能だと言うことはないと思った方が良いと思います。

■スミズーラ(ビスポーク)をする際の心構え
そんなことを踏まえまして、初めてのビスポークで限りなく自分にとっての100点を取るためにはどんなことが出来るのか!?と言うことを、たった2回の経験しかない私ですが考えてみました。

①自分の好きなスタイルを明確化する
これまでも本Blogでは述べてきたことですが、まずは自分の好きなスタイルを明確化すると言うことが、スミズーラをする上で最初の一歩のような気がします。

「スタイル」と言うとなんだか難しく聞こえますが、自分が素直にカッコ良いと感じる人を見つけて、全体のイメージやディティールを抑えて行けば良いのかなと。

スーツやジャケットのスタイルと言いますと英国系であったり、イタリアの中でもミラノやフィレンツェ、ナポリと言ったカテゴリ!?がございますが、あまりそう言ったことにはこだわらずに、純粋にカッコ良いと感じる人を見つける方が話が早いかなと感じています。

②サンプルを出来るだけ沢山見てみる
気に入ったサルトや職人さんが見つかったら、今度はその服を着た方を出来るだけ多く探してみることが次のステップかなと思います。

本人が着ている姿が一番カッコ良いのは当たり前!?だと思いますので、出来るだけ他を探してみると。今の時代はとても便利な時代で、インターネットやインスタグラムを初めとしたSNSが存在しますので、よほどマニアックなサルトや職人さんでもない限りは、見つけることは比較的容易かなと思います。

様々な体型の方に対して職人さんが仕立てたスーツやジャケットをサンプルとして見ていきますと、自分がカッコ良いと感じる点、逆にこれは違うなと感じる点がなんとなく見えてくるかなと思います。

③職人さんとしっかりと話し合う
自分の好きなスタイル、そしてそのスタイルを纏った多くのサンプルをチェックして自分の好みを把握したら、あとはサルトや職人さんの門を叩くと。

その際、iphoneなどに保存した写真を基に、自分の好きなスタイル、好きではないスタイルについて、しっかりと話し合うと言うことが大切かと思います。

もちろん体型によっては好きなスタイルが再現できるのかは分からないですし、逆にカバーしたい点がうまくカバーできるのかは分かりません。それでも、少なくとも好みやカバーしたい点を職人さんがしっかりと意識、把握した上でスタートしていれば、仕立てあがった際の自分の理想とのギャップは少なくて済む、つまりより100点満点に近い仕上がりになるのかなと思います。

なお、お金に余裕があれば、まず仕立ててみて、回数を重ねる中で理想に近づけていくと言う方法もありますし、何回も仕立てみたけれど理想に近づかないのであれば、プレタに戻すと言うアプローチも取ることが出来ると思います。

ただ、そのためには結構なお金と時間がかかると思われますので、極力最短で自らの理想のゴールに到達するには、上述したような方法も1つの選択肢としてあるのではないかと感じております。

プレタポルテ(既製品)は、理想かつ、平均的な体型を意識して作られておりますから、カッコ良い!と言うのが前提としてあって、そこから自身の体型にいかに近づけ(お直し、もしくは自身の体型とパターンの合うメーカーを探す)、着心地を向上出来るのか、と言うのがテーマになると思います。

その一方、スミズーラ(ビスポーク)は名の知れたサルト、職人さんであれば、着心地が良いと言うのが前提としてあって、そこからいかに(自分自身が)カッコ良いと感じる状態に近づくことが出来るのか、がテーマになるのかなと。

まだスミズーラの経験は2回しかない経験の私ですが、現時点で感じていることを述べさせていただきました。もちろん、まだオーダーをさせて頂いている物が結構残っておりますので、回を重ねる中で更に参考になりそうな学びなどがありましたら、改めてこの場にてフィードバックをさせて頂ければと思います。

と言うことで、本記事がこれからスミズーラ(ビスポーク)に挑戦しよう!と思っていらっしゃる方の多少のご参考になれれば幸いですし、またスミズーラに興味を持たれる方が1名でも増えれば嬉しい限りですっ!長文をお読み頂き、ありがとうございました。