SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bストライプ柄スーツ(2017AW)が納品!:前編
こんにちは!
今月の2日から4日にかけて南青山にあるセレクトShopのSharonさんにて開催されておりましたSARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに、私も参加させて頂いておりました。そして本Blogではこれまでご紹介をしておりませんでしたが、実はスーツを1着仕立てて頂いており、今回はそちらを無事に納品頂きましたので本日はこれを取り上げたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■1mmの攻防
さて、皆さんの中でTVを見られる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか!?私は普段TVを見ることはほぼありません。とは言え、嫁さんはTVが大好きですし、家事等で手が離せなかったり、私が対応出来ない時には「アンパンマン」などをつけて子供たちがそれを見ておりますので、TV自体は結構ついていたりするのです。
そのような中で本当にたまたまなのですが、イタリアはミラノ在住の日本人のスーツ職人さんが取り上げられている番組を見る機会があったのです。その方が勤めていたのはかなり小さな工房のようでしたが、イタリア人の現当主の方がご高齢と言うことで、一番弟子であるその日本人の職人さんに工房を譲ると言う、そんなお話でした。
その際、昔ながらの常連客(イタリア人で50代前後!?)のフィッティングの様子が流れたのですが、袖を通して鏡を見て一言。このようなことを言ったのです。
「全体的に良いけれど、右のラペルが1mm太い。」
正直これにはかなり驚きました。偏ったイメージで大変申し訳ないのですが、イタリア人はざっくりとした感覚の持ち主であると言う感じがしていましたし、世界の主要都市でトランクショーをしているルイジ・ソリート氏にお話を伺った際にも、やっぱり一番チェックが厳しいのが日本人のお客さんである旨のお話を伺っておりました。よって、まさかイタリア人から「1mm」の違いに対する指摘が出るとは夢にも思わなかったのです。
話を戻しますと、そんなお客さんの一言にも日本人の職人さんは平然と「私もそれは把握していましたので、納品時には修正してお届けします。」と言った趣旨の返答をされていらっしゃいました。
着た瞬間に「1mmの違い」が分かると言うのは凄くないですか!?そのお客さんの感性!?と言って良いのか分かりませんが、鋭い指摘には唖然とすると同時に、それくらい真剣に自分の服と対峙し、着こんでいるからこそ分かる感覚なんだろうなと。それに比べれば自分は相当に甘いと言う現実を痛感した出来事でした。
ところで、私が初めてスミズーラ(ビスポーク)のスーツを納品頂いたのは、日本人の職人である直井茂明氏。昨年の頭に受け取ったわけですが、実質しっかりと着こむことが出来たのは昨年秋から今年にかけて。同じく、昨年末に納品を頂きましたサルトリアソリートのダブルのスーツと共に、この半年程度で初めて「スミズーラのスーツがどう言うものなのか」をしっかりと感じることが出来たわけです。
そのように考えますと私も素人に毛が生えるどころか、まだ毛も生えていないくらいの経験しか有していないのが実際のところなわけですが、それでもその半年と言う期間における自分の感覚、感性の変化と言うのは、私自身の中で大きな意味を持つものであったように思います。
それは、
・プレタ(吊るし)とスミズーラ(ビスポーク)の様々な違いをしっかりと把握、実感することが出来た
・これまで良いと感じていたことを、異なる尺度と視点で再評価し直すことが出来た
等など、少し落ち着いたら別途記事化してお届けしたいと思うような経験を積むことが出来たのかなと。恐らく何事もそうなのかもしれませんが、「やってみないと分からないこと」や「経験したことで初めて見えてくること」など、それを”成長”と呼んで良いのか分かりませんが、何歳になっても学べることは沢山あるのだなぁとつくづく感じた次第です。
と言うことで、冒頭にご紹介を差し上げたイタリア人のように、私も今後「1mmの違い」に気づくことが出来る日がくるのかどうかは分かりませんが、せっかく人生において様々な選択肢がある中で、わざわざ時間とお金、そして情熱をかけて仕立て服の世界を楽しんでいるわけですから、これからも色々と勉強をさせて頂こうと思っております。
恐らく読者の皆さまには、時間の経過とともに私自身の言っていること等が変化してくる!?と言うご迷惑をおかけしてしまうことも多々あるかと思いますが、素人の服好きが経験を重ねることで進化?変化している!?くらいの気持ちでご覧頂ければ嬉しいです。
では、全く関係ないお話をしてしまいましたが、まずはこの度ルイジ・ソリート氏に納品を頂きましたスーツをご覧頂こうと思います。
■SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bストライプ柄スーツ
後編では、もう少し詳しく今回納品を頂きましたスーツのディティールなどについて触れてみたいと思います。