スーツに未来はあるか!?
こんにちは!
本日は「スーツに未来はあるか?」と言うテーマで、コラム的にお送りしたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■聞こえてくる、紳士服苦戦の悲鳴
昨日Yahoo!のトピックスに「スーツ販売が低迷、紳士服大手が抱える苦悩」と言う東洋経済オンラインの記事が転載されており、1600以上のコメントが付くなど結構な反響のある内容となっておりました。
内容としては、クールビズや仕事着の多様化と言った流れによってスーツの需要が低迷。その結果、各家庭の背広服(スーツ)への支出が大きく減少していると言う市場の縮小に加えて、ファストファッションブランドによるビジネスウェアへの本格参入などによって競争が激化。これにより大手紳士服メーカーの業績も低迷しており、異業種への進出が進んでいると言うもの。
企業が成長戦略を描く際の1つの考え方として、、イゴール・アンゾフ氏が1957年に提言した成長戦略のモデルがあります。詳しくはgoogle先生に聞いて頂きたいのですが、ざっくり言えば、横軸に「製品・サービス」、縦軸に「市場」を取り、それぞれ「既存」と「新規」の4象限に分けて、成長戦略のオプションを整理したものです。
例えば、既存の市場に対して、既存の取り扱い製品・サービスで勝負をするオプションを採用するのであれば、新規顧客の開拓や競合他社からのマーケットシェアを奪うなどの具体的な方法があります。
他には顧客は既存のまま変えずに、既存顧客に対して新たな製品やサービスを投入する、つまり新製品や新サービスの開発を行うと言うアプローチや、製品やサービスは変えずに、新しい顧客層の獲得を目指す方法。そして製品やサービス、顧客の両方を同時に変え、新しい事業領域に進出すると言う多角化も戦略オプションの1つとして存在します。
大手紳士服メーカーで言いますと、『青山は2015年に靴修理店「ミスターミニット」の運営会社を買収。AOKIも結婚式場「アニヴェルセル」のほか、カラオケやマッサージ店を展開』していると上記記事内には記載がありましたので、「既存の男性と言う顧客に対して紳士服と言う製品を販売する」と言う事業領域ではなく、全く新しい顧客に対して、新しい製品やサービスを提供する多角化に乗り出していることがわかります。
つまり、ある意味におきましては”紳士服の販売に見切りをつけている”と言えるのかもしれません。なぜなら、企業は事業活動を通して得た収益を自らの成長のために再投資を行うはずですが、既存のビジネスが良好、もしくは将来的な成長の見込みがあれば、既存のビジネスに投資をするはずです。
しかしながら上記大手紳士服メーカーは既存の事業ではなく、他分野の事業に投資をしていることを考えますと、既存の事業である紳士服の販売事業の将来性に対してネガティブな判断をしている、と言うことが言えそうです。
まさに、既存の紳士服販売が苦戦しており、将来性の観点も踏まえると、他分野に進出せざる負えないと言う悲鳴なのかもしれません。。
ちなみに、先日ファッションビルを運営する丸井グループが証券事業に進出すると言うニュース(※)がありました。丸井は私が大学生の頃からクレジットカード事業に力を入れており、現在では収益の多くを金融事業が稼ぎだしていると言う話もあります。
※「丸井グループ、証券事業参入へ」
よって、本件は多角化と言うよりも、既存の顧客に対して、新たな製品・サービスを提供する成長オプションを採用したと言えそうですが、それでもファッション以外の分野に投資をしていると言う意味におきましては、ファッション事業の将来性にネガティブなんだなと感じております。
これらのような事実を見聞きするにつけ、紳士服の未来は本当に大丈夫だろうか!?と言う不安感が頭をよぎります。
■スーツに未来はあるか!?
さて、そんな厳しすぎる!?紳士服(スーツ)の状況を目の当たりに致しますと、私の好きなスーツに未来はあるのか!?と感じることがあるわけですが、基本的には今より良くなることなない、と個人的には考えています。つまり、ネガティブであると。
恐らく、今後はスーツやネクタイをして仕事をする人はもっと大幅に減ると思っています。
例えば、あまり論理的ではないのかもしれませんが、スターウォーズなどの人間の未来を描いたSF映画なんかを思い浮かべてみますと、スーツ(軍服)にネクタイをしているのは兵士を統率する将校(リーダー)のみであり、他の一般的な人はボディースーツ(全身タイツ?)のようなものを着ていることが多いように思います。
私が生きているうちにここまでの大きな変化があるのかどうかまでは分かりませんが、少なくともスーツやネクタイを締めて仕事をする人は、社会的にごく”限られた人々のみ”になるだろうなと想像しています。
ちなみに、私は今現在(2018年5月末時点)においてスーツやネクタイをしめて仕事をしておりますが、これは自身の職業がら車移動が圧倒的に多いからであり、もし電車での移動が前提であれば、世間がクールビズ期間である中、一人でネクタイをしめて頑張れるのかどうか、正直自信がありません・・・。
やはり汗だくで服が体に張り付くような不快さを感じながら仕事を行うよりも、軽装で快適な状況で仕事をこなした方が、パフォーマンスが上がることが容易に想像出来るからです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない!(やってはダメですよ!)」
ではないですが、みんなでクールビズをしていれば、ビジネスにおいて軽装であったとしても変な目で見られることもないですし、そちらの方が快適に働くことが出来、パフォーマンスも出せるのであれば、採用しない理由はないですよね・・・。(汗)
更に、大人たちがスーツを着て仕事をしている姿を見ていない今の子供たちが大人になった際にも、カッコイイからスーツを着て仕事をしたい!とはならないことは、火を見るより明らか・・・。
そう言う意味では現時点で私の中に、「スーツの将来を明るく照らすための処方箋」があるわけでもなく、またヒントらしきものがアイデアとしてあるわけではございません。
ただ、一服好き、スーツ好き、ネクタイ好きとして、スーツの未来のために何が出来るのか!?を日々考えながら、正統なメンズクラシックファッションの文化を次の世代に残し、繋げらるように、自分が出来ること、行動出来ることを見つけて行きたいと思っています。
さて、服好きの皆さんはどう考え、どう言ったアクションを取られますか!?良いアイデアがあれば、是非ともご教授くださいませ!