fc2ブログ
<?php include_once("analyticstracking.php") ?>

Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

秋冬物はいつから着るべきか!?

こんにちは!
本日は「秋冬物はいつから着るべきか!?」と言うテーマを掲げて、コラム的にお送りしたいと思います。
rm55的スタイリング:2017年AW ③:ベージュ×グレー④

それでは、まいりましょう。

■2つの考え方
さて、もう今日で平成最後の10月も終わり。皆さんはどんな装いを楽しんでいらっしゃるでしょうか!?インスタグラムでは日ごろから交流をさせて頂いている皆さまの日々の装いを拝見することが出来るのですが、大きく2つの考え方を持って”秋の装いをいつから始めるのか”を分けることが出来るのかなと感じています。

その1つ目は、暦。
そして2つ目は、気温。

まず「暦」ですが、”もちろん”二十四節気のことではなく、年間の月日のことです。二十四節気で言うところの秋の始まりである「立秋」は8月初旬ごろ(2018年は8月7日)と言う時期ですし、昼と夜の長さがほぼ同じになる秋分の日(9月23日ごろ)であっても、まだまだ暑かったりしますよね。

秋冬素材と言いますと起毛したウール素材や厚手のコットンなど、春夏素材と比べますと保温力が格段に向上してきますし、ビジュアル的にも温かみを感じますので、9月中はもちろんですが、10月に入っても着用している方と言うのは仕事上の理由を除外すれば、ほとんどいらっしゃらないように感じます。

それでも朝晩の冷え込みを体感的に感じるようになる10月中旬前後となりますと、ちらほらと秋の装いを楽しむ方の数がぐっと増えてくるような気がします。この時期は休日に外出をした際にも秋冬物を着ていらっしゃる方を多々お見受け致しますし、ある程度起毛した素材(ニット等を含む)を見ても違和感を感じることはないのかなと。
直井茂明氏_スミズーラ④

そう言う意味ではビジュアル的に大きな違和感を感じることのない10月中旬から後半にかけてと言うのが、現実的に秋冬物を投入する1つのタイミングのように感じています。

実際私も自身の過去のインスタグラム(ID:NFLD_rm55)を確認してみますと、10月中旬前後から秋冬物が本格化しだしているように思います。

そんな10月中旬から後半と言う「暦」を境に秋冬物を投入される方がいらっしゃる一方で、もう1つの考え方が「気温」と言う、より現実的な基準をベースにする考え方です。

■今年のrm55は「気温派」!
実際私も今年はどちらかと言いますと、この「気温」をベースに装いを決めております。具体的には、最高気温が20度を超えるようであれば春夏物を用いて秋風な装いを行ったり、または相物と言われる素材の服をベースに細かな気温調整は重ね着で対応しています。これに対して最高気温が10度台に入ったら、秋冬物を本格化させようと言うアプローチ。
※「rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!

その理由は、単純に汗をかいて、暑いからと言うものです。

まず第1に、私は車での移動が多いので、最も気温が下がる朝晩のタイミングで外に長くいることがありません。従いまして、朝晩であっても春夏物をベースに、重ね着をするくらいでも(外にいるのは短時間なので)心地良ささえ感じております。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑤

また打合せ等が無ければ唯一歩いて外に出るのが、ランチのタイミング。この時間帯はそれこそ最高気温に近くなり、気温が20度を超えてきますので春夏物の方が心地良いのかなと。

更に、現在は電車や各施設も空調が十分整っております。よって休日であっても秋冬物で全てをコーディネートしますと、むしろ暑さえ感じてしまい、汗が噴き出るほどです。

実際、先日Sharonさんを通して仲良くさせて頂いている方(仮にU氏とします)とお話する機会があり、こんな趣旨のやりとりがありました。

U氏「rm55さんは、まだ秋冬物着ないの?」

私「まだ着ていないんですよ。平日はランチ時くらいしか外に出ないので、秋冬物着ちゃうと暑くて汗が出ちゃうんです。」

U氏「そうだよね~。確かに電車とか暑いしさ。でも、我慢出来なかった(※)よ・・・。」
※秋冬物を早く着たくて、多少の厚さを感じても着ていると言う意味

あんなに夏服に飽きてしまい、早く秋になって欲しい!と思っていた服好きの私ですから、U氏の「我慢できなかった」と言う感覚はリアルに共感する事が出来ましたし、新しく納品を頂いた秋冬もののビスポークスーツも早く着たい!と言うはやる気持ちが存在するのもまた事実。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bストライプ柄スーツ(2017AW)_②

ただ、汗をかいてしまいますとメンテナンスが大変なので、、極力(汗をかかず)心地良く着ることの出来る気温になるまで待とう!と言うのが今年のrm55の気分だったり致します。

どちらが正解、不正解と言うのはありませんから、ご自身の通勤、職場環境や、価値観、考え方によって「暦」をベースにするのか、それとも「気温」をベースにするのかは選べば良いのだと思います。

それでも11月になりますと、あまり春夏感を強く感じる生地は使いにくくなりますし、逆に装いに敏感な方からは違和感を感じられてしまうこともあるように感じていますので、少し悩み中だったりします。(笑)

たかが装い。されど、装い。

皆さまの装いの変化を楽しみつつ、私も秋冬物の投入タイミングを図っていきたいと思います♪






感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編

こんにちは!
前編では「奇跡のパンツ」と言うことで、あまりの良さに衝撃を受けたナポリのパンツ職人であるマリオ・デ・パンディ氏が手掛けるディ・パンディとの出会いや購入したパンツのディティールについてご紹介させて頂きましたが、本日は穿いてビックリ!と言うことで「感動するパンツ!」と言うテーマを掲げてお送りしたいと思います。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑫

それでは、まいりましょう。

■良いパンツの条件
さて、皆さんは良いパンツの条件をどのように定義されていらっしゃるでしょうか!?アイロンでS字になるようにクセ取りをしていること、ヒップを包み込むように尻ぐりの生地をしっかりとり、股上に一定の深さを設けること。ウエスト部分にスリットが入っていること・・・、などなど「良いパンツの条件」として掲げられている仕立ての条件はいくつかあります。

私も以前はそう言った仕立ての条件についてはチェックしていたのですが、今現在思うことは、自分が穿いた際に動き易く、心地良い。そしてシルエットが綺麗なパンツが(自分にとって)良いパンツであって、逆にどんなに良いパンツの仕立て条件を満たしていたとしても、動きにくかったり、ラインが綺麗に出ないパンツは(自分にとっては)良いパンツではないと思っています。

そう言う意味で言うのであれば、商品を見ただけ、触ってディティールを確認しただけでは当然良し悪しの判断が出来るわけではなく、実際に穿いて、動いて、自分の目で見てみないと良いパンか否かの判断は出来ないと言うのが正直なところです。

このような中で、まずパンツを穿いた際に私がチェックするのが動き易さ。歩いていて引っかかるような感覚はないか、立っていて圧迫するような感覚がないかであったり、私はデスクワークが多いので座った際に不快感がないかと言った点は真っ先に確認をするポイントです。

「オシャレは我慢」と言う言葉がありますが、私くらいの年齢になりますと我慢してまでオシャレをするという感覚、価値観は持ちにくいのが正直なところですし、仕事着と言う観点で言えば尚更です。私の環境では仕事上のアウトプット、結果が一番求められる状況ですので、いかに心地良い、快適な状況で仕事に臨み、結果を出すことが出来るのかと言うのが一番重要。

よってオシャレか否か、シルエットが美しいか否かと言ったヴィジュアル上の要件よりもまず先に、快適さ、動き易さが私の中では優先されます。

それらの条件を満たした上で、穿いた際のシルエットであったり、立ち姿が美しいものであれば、自分にとってはより評価の高いパンツになりますし、縫製の美しさがあれば尚更良いに越したことはないわけです。

つまり、自分の仕事が立ち仕事なのか、座り仕事なのか。業界はファッション関係等身だしなみの重要性(優先度)が求められるのか否かと言うパンツの使用状況と言う環境条件がまずあって、それらを踏まえた上で実際にパンツを穿いてみた際の快適さ、美しさによってそれが(自分にとって)良いパンツなのか否かが判断出来ると言うように考えております。

そんな観点で今回Sharonさんにて購入をしたDE PANDI(ディ・パンディ)のパンツを評価するのであれば、ビスポーク、MTMをしたパンツと比較しても見劣りすることのない、既製品としては奇跡のパンツと評しても良いくらい私にとっては素晴らしい出来栄えであったことは、前編でも記述した通りです。

と言うことで、自撮のためにアングル等は限られてしまいますが、実際にディ・パンディを穿いた際の画像とともに、感想をお送りしたいと思います。

■感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ)
まず穿いた際の感覚ですが、数年前に私が初めてレスパーデを穿いた際の感覚に近いものがありました。具体的にはヒップを持ち上げられているような感覚があり、これにパンチェリーナ仕様によるホールド感が加わることで安心感につながります。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_①

既製品なのでサイズ感が異なったり、またサッカー等のスポーツをされていた方は太ももが発達している等の身体的特徴によってはパターンが合わないこともあるかもしれません。それでもサイズ感や基本的なパターンが合うのであれば、足入れをした瞬間に、その独特の心地良さすぐに気づくはずです。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_②

こちらはヒップ周りの表情ですが、自分でもびっくりするくらい綺麗にフィットしていることが分かります。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_④

ちなみに下記はサルトリアシャロンにてMTMをしたウールパンツです。こちらも極上の穿き心地、フィット感なのですが、比べてみても遜色のない、綺麗なシルエットが出ていますし、ヒップアップ効果!?も見られますね。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のパンツ(納品編)_⑬

ジャケットの場合は首筋から肩にかけてその重量が乗ってきます。よって、ここが綺麗に”乗っている”のか否かがとても重要だと思うのですが、パンツの場合はウエストやヒップ周りに重量がかかりますので、ここがしっかり合っているかどうかは重要なポイントだと考えています。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_⑤

更に歩いてみると、その足さばきの良さには鳥肌がたち、感動するくらいの出来栄えでした。変な引っかかりがないことは当然なのですが、足が気持ち良く前に出る感覚と言うのは病みつきになりそうなほど。実際試着でも行ったり、来たりを思わず繰り返していたくらいです。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_③

ただ個人的に最も驚いたのは、椅子に座った際の感覚。全くと言って良いほど体に負荷がかからない感覚には、それこそ驚嘆致しました。実際穿いてみると分かるのですが、シルエットは昨今のトレンドよりも若干細めに上がっているように感じます。ある程度の太さがあることで負荷を感じないのは分かるのですが、この太さで全く負荷がないと言う事実には驚き意外の言葉がみつかりません。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_⑦

ちなみに、試着ではここまでの稼働を確認するのは難しいかもしれませんが、しゃがんでみるともっと驚くかもしれません。個人的にはこの体勢はパンツにとっては最も過酷な状況の1つだと思うのですが、これでも腰やヒップ、太ももなどに負荷を感じないのです。。一体どんなマジックを使ったら皮膚と一体化したようなパンツになるのか、全く想像もつきません。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_⑧

本来はしっかりと靴を穿いた際のシルエットなどを試着時に撮影頂きたかったのですが、感動し過ぎて写真撮影を忘れてしまうくらいの興奮状態にあったことは、前編にて記載した通りです。ただこの写真であっても、クリースが綺麗に落ち、足が美しく見えることはお分かり頂けるかなと思います。
感動するパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):後編_⑥

前にも書いたように思うのですが、この年齢にもなってきますとなかなかモノとの出会いで感動する、感激をする、鳥肌が立つと言う経験をすることはないように思います。

レスパーデを初めて穿いた際の驚き、サルトリアシャロンのパンツに足を通した際の感激を忘れたわけではありません。それでも、今回はディ・パンディを穿いて歩いてみて、座ってみて、鏡越しに自らの足のシルエットを確認した時の感動は、それらと同じくらいの衝撃があったように思います。

感動パンツ。

某メーカーのパンツに対するキャッチフレーズではないですが、化繊によるストレッチ性があるわけでもないにもかかわらず、皮膚と一体となったかのようなディパンディこそ、そんなキャッチフレーズが最適なのではないかとさえ感じています。

既製品のパンツとしてのお値段は張りますが、それを補ってもなお、ワードローブに向い入れる価値はあるのではないかと思っています。気になる方は是非、そんな奇跡、感動に出会いに行ってみてはいかがでしょうか!?
※今回ご紹介したDE PANDI(ディ・パンディ)のアイテムは、コチラ






奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編

こんにちは!
本日は、鳥肌級に感動したパンツをご紹介させて頂こうと思います。

それでは、まいりましょう。

■最高のモノに、言葉はいらない
さて、私が本Blogの執筆を開始してからもうすぐ5年。これまでお送りして来た記事の数はおよそ1500本にも迫る状況となってきておりますが、そんな私の過去の行為を完全に否定するかのようなサブタイトルです。

初めて聞いたのは昨年だったでしょうか!?

いつもお世話になっている南青山に店舗を構えるSharonさんのオーナー兼バイヤーであるK氏から「新しいサルトのパンツの取り扱いを始めようと思っている」と言う趣旨のお話を伺ったのは。

そして今年になり、この2018年AWよりそのパンツが展開予定である旨のお話も頂いていたのですが、どんなサルトなのか!?と言った詳細までは聞いておりませんでしたし、価格帯が結構高くなりそうと言うこともあり、正直そこまでの期待感を持っているわけではなかったことをまずは正直に申し上げておきます。

実際、パンツに関しましては本Blogでもこれまで2本ほど取り上げさせて頂きました、手縫いのパターンオーダーことサルトリアシャロンのパンツ(※)が非常に良い出来で仕上がっていたこともありますし、RTW(既製品)であればレスパーデと言う選択肢もあるわけです。
※「パターンオーダー(MTM)のその先へ:Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のパンツ(納品編)

また、サルトリアソリートのスーツの組下を担当するのはレスパーデの縫製を担っているパスクワーレ・モーラ氏が手掛けており、既製品のレスパーデに比べると縫製の美しさと言ったクオリティは一段上。

更に日本人の職人である直井茂明氏によるサルトリアナオイのパンツは直井氏が採寸からパターンメイキング、カッティングと言った重要なパートを自ら行っていることもあり、履き心地はジャケット同様、非常に快適です。

つまり、私を取り巻くパンツの環境と言うのは大変ありがたいことにとても充実しておりましたので、新たなパンツブランドを積極的に求める状況、動機と言うのが存在していなかったのです。

従いましてSharonさんに新たなサルトブランドのパンツが入荷したことを知った際にも、せっかくなので試着をさせて頂こうと言う、とても軽い気持ちで訪問したことを今でも覚えています。

ところが、そんな軽い気持ちを大きく覆すがごとく、その瞬間はやってくるのです。

シンプル、そしてベーシックでいながら上品さであったり、モダンさを有するアイテムを扱うSharonさんですから、新しく扱うこととなった、ナポリのパンタロナイオとして最長のキャリアを有していると言うマリオ・デ・パンディ氏が手掛けるパンツであるDE PANDI(ディ・パンディ)も、例に漏れない魅力的な生地で仕立てられたものが並んでおりました。
de-pandi2m
※画像はSharonさんの公式サイトから拝借しております。

そこから最もベーシックであるチャコールグレーのフランネルウールパンツをセレクト。早速足を通してみたのですが、その瞬間、これは”とてつもなく凄いパンツ”かもしれないと言う大きな期待感に胸が高鳴りました。

そして一歩足を踏み出した瞬間、尋常ではない足さばきの良さ、歩きやすさに思わず鳥肌が立ちます。もちろん、自然と「おぉぉぉぉ」と言う声が出てしまっていた事は言うまでもございません。

既製品のパンツとしては、これまで経験したことのない快適さ、そしてシルエットの美しさだと確信するにあたり、時間は必要ありませんでした。

それはビスポークまたはMTMをしたパンツと比較しても勝るとも劣らない、驚異的な出来栄え。まさに”奇跡のパンツ”と表現するのに相応しいのが、この2018年AWよりSharonさんで取り扱いを開始したディ・パンディだと感じたわけです。

職人さんであるマリオ・デ・パンディ氏のご経歴やご経験、仕立て技術、パターン。それらの要素を持ってディ・パンディの凄さを語ることはもちろん可能なのかもしれませんが、むしろ”余計な言葉はいらない”と言うのが私個人の感覚です。恐らく、パンツ専門の仕立て職人として著名なパンタロナイオによるパンツを履き慣れた方であったとしても、驚くほどの出来栄えだと思われます。

言葉はいらない。穿けば分かる。

そんなことを強く思わせるのがディ・パンディなのかなと思います。ちなみに、あまりにも衝撃を受け、鳥肌が立ちっぱなしで感動していた為、お恥ずかしながら試着時の写真を撮ることを忘れてしまっておりました・・・。本当に申し訳ありません。。

言うまでもございませんが!?軽い気持ちで訪問したはずが気付いたらお会計が済んでおりましたので、、先日引き取ってきたディ・パンディのパンツを取り上げながら、不要とは思いながらも、少し言葉で持ってご紹介をさせて頂こうと思います。

■奇跡のパンツ ディ・パンディ
本日取り上げているディ・パンディですが、仕立てているのは8歳からパンツの裁断を始め!数々の名匠サルトの下請けをこなすことで技術を向上させ、今ではナポリに現存するパンタロナイオの中でも最も長く、豊富なキャリアを有するパンツ職人であるマリオ・デ・パンディ氏(現在75歳)。

そして当然ナポリの中でも最も長く、豊富なキャリアを持つと言うことは、それはそのまま「ナポリ」を「世界」に置き換えても、まったっく意味するところは変わらないと思われます。

そんな世界で最も豊富なキャリアを誇るディパンディ氏に対して今回ベースとなる型紙を提供したのは、十数年と言う日本人の職人さんの中ではかなり長いキャリアと経験を誇るSharon専属の職人である直井茂明氏と、有名無名を問わず、イタリアを中心としたサルトによる豊富なスミズーラの経験を有するSharonオーナーのK氏だと言います。

これまでもレスパーデをはじめ、Sharonさんで展開するナポリを中心とした手縫いのアイテムのベースとなる型紙は、イタリア人よりも日本人の体型を知り尽くしている直井氏やK氏が試行錯誤を重ねながら作り上げてきたことが結構あるのだと言いますが、今回展開するディパンディもこれまでの経験を反映させながら作っていったそうです。

そう言う意味ではパンツ職人として世界で最も豊富なキャリアと経験を有するマリオ・デ・パンディ氏と、数々のサルトによるスミズーラの経験を有し、日本人特有の体型を理解するSharonさんとのコラボレーションによって生まれたのが、Sharonさんで扱うこととなったディ・パンディなのだと理解しています。

そんなディ・パンディから私が選んだのは、今回入荷した中では最もベーシックなチャコールグレーのウールフランネルパンツ。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_①

程良い起毛感としっとりとした肌触りに加えて、しっかりと目の詰まった生地感はまさに今期の気分そのもの。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_②

今回はSharonさんで扱うパンツとしては珍しく!?K氏が3年間位温めていたと言うデザイン、ディティールであるベルトレスが採用されております。ちなみにアジャスターではないので、ウエストサイズを調整することは出来ません。引っ張られることによるシワや履き心地への影響等を諸々考慮した結果のディティールだと伺っております。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_③

ワンプリーツで、持ち出しは標準の長さであることに加えてスラントポケットを採用。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_④

釦フライかつパンチェリーナ仕様はレスパーデ等と変わりません。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑤

そしてバックポケットは右側のみの1つだけ。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑧

パンツの帯巾が標準の太さと言うのも良いですね。ベルトレスパンツの多くはクラシックな風合いをより強める意図なのか、帯巾が太かったり股上が深くなる傾向があり、それはそれでカッコ良いのですが、普段の仕事でサラりと穿くには少しトゥーマッチな印象も受けます。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑨

履き心地、動きやすさなどに影響を与えると言うワタリ十字にはパスクワーレ・モーラ氏同様、とてもこだわってパターンメイキングを行ったと言いますし、
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑩
※上記は手縫いされている尻ぐり

ナポリのサルトながら、非常に丁寧で美しい縫製には目を見張るものがありました。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑥

奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑪

しかも、普通であればロックミシンを使う内部の処理にも手縫いで処理を施している跡を垣間見ることが出来ましたよ。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑦

既製品とは思えない穿き心地の良さ、シルエットの美しさにとどまらず、昔ながらの伝統的な製法によって、丁寧に、そして驚くほどの工程を手縫いで仕上げているディパンディのパンツは、私にとってはまさに”奇跡のパンツ”そのものです。

と言うことで、前編ではディ・パンディとの「言葉はいらない」と思えるほどの衝撃的な出会いと、購入したパンツのディディールを中心にお届けしましたが、後編では履き心地やシルエットなどの詳細をお送りしたいと思います。
奇跡のパンツ:DE PANDI(ディ・パンディ):前編_⑫
※今回ご紹介したDE PANDI(ディ・パンディ)のアイテムは、コチラ






アメリカの開拓者精神が宿る、アメリカントラッド・カジュアルの原点:ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -

こんにちは!
本日は「アメリカの開拓者精神が宿る、アメリカントラッド・カジュアルの原点」と題しまして、現在開催されております「ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -」に訪問した際の感想と共にお送り出来ればと思います。

それでは、まいりましょう。

■ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -
さて、服がお好きな方であれば好き嫌い、所有の有無に拘わらずご存知だと思うのが、アメリカントラッド、カジュアルの原点でもあるブルックス ブラザーズではないでしょうか。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_①

今から約200年前!である1818年4月7日。ヘンリー・サンズ・ブルックス氏がアメリカ建国から間もないニューヨークのマンハッタンの端に、『あらゆる新しいスタイルの洋服を最高品質で、最もファッショナブルかつモードなものにあつらえる』小さな紳士用品店をオープンさせました。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑧

私個人のことを言えば、これまでのファッション人生においてアメリカントラッド・カジュアルに傾倒した時期はありません。それでも一服好きとして、今回は見ておかなければならいと強く思っていたのがブルックス ブラザーズ展でした。

そして実際に足を運んでみて強く感じたことは、ブルックスブラザーズとはアメリカントラッド・カジュアルの原点であり、そこにはアメリカならではの開拓者精神がしっかりと根付き、ファンを魅了し続けるからこそ、2世紀と言う長きに渡ってもなおメンズファッションの最前線に立っていられるのだなと言う事でした。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑩
※アメリカは開拓者か侵略者かと言う議論は見方、立場を変えれば当然ありますが、今回の記事では開拓者として捉えます。

ブルックスブラザーズがファッションシーンを変えた偉業、与えた影響と言うのは多々ございますが、真っ先に挙げることが出来るのが、世界で初めて既製品のスーツを販売したことではないでしょうか。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑨

私は展覧会に訪問するまでその詳細を知りませんでしたが、当時のアメリカはゴールドラッシュに沸いており、我先にと言う採掘者で溢れていたと言います。それでも当時、ビジネスウェアであるスーツは職人によって仕立てられるのが当たり前の時代。当然仕立てるには時間を要するわけですが、これに待ちきれない採掘者に向けて発売されたのが世界初の既製品スーツだったわけです。

つまり、当時の採掘者(労働者)が抱えていた「早く現場に行きたいのにスーツが仕立てあがるまで行けない」と言う悩みを解決する為のソリューションとして提供されたのが、既製品のスーツ!だったわけですね。

しかも、私が更に驚いたのはその販売方法。

店頭ではわざわざスーツを裏返して裏が見えるように陳列し、職人仕事の確かさや高い品質がすぐに確認出来るようにしていたと言います。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_②

今でこそ既製品と言えば、一般的には大量生産・大量販売を前提としたアイテムであることを想起させますが、世界で初めての既製品のスーツは、”誂えたスーツにも劣らない品質の高さがあるにも拘わらず、すぐに着用出来る”と言う点が大きなウリだったのですね。

他にも、英国でポロ競技を観戦していた創業者の孫であるジョン・E・ブルックス氏が選手たちが着ていたシャツにインスピレーションを得て発明した「ボタンダウン”ポロ”カラー」は、ブルックスブラザーズ、そしてアメリカントラッドのアイコンとしても認知されておりますし、今ではイタリア的な装いにアメリカ的な香りをミックスする際にはポロカラーが用いられることも多くあります。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_④

また、新入社員がシャツの縫製スキルを上げるために余った生地の切れ端を使って手縫いをしていたことがきっかけとなって生まれた”ファンシャツ”も、同社を象徴するアイテム。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑤

更に、当時は硬くて心地の悪かったシャツの襟の硬い芯材をとり、ノンアイロンで柔らかく仕上げたオックスフォードシャツや、
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_③

英国において所属組織を表すレジメンタルネクタイのストライプ柄を反転させ、組織と言う概念を取払うことで多くの人が身に着けられるようにしたレップタイなど、今現在においても多くの人々によって愛用されているアイテムの多くは、既存のルール、枠組みに捕らわれすぎず、良いと信じるモノを世の中に送り出すと言うブルックスブラザーズの開拓者精神によって生まれたわけです。
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑥

なお、最近のファッション業界ではよく見られるコラボレーションアイテム。実は1950年代にラコステとブルックスブラザーズのポロシャツが発売されており、これがコラボレーションの先駆けであったと言われておりますし、
ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -_⑦

世界的なデザイナーであるトム・フォード氏やワタナベジュンヤ氏、他にもアメリカのストリートブランドであるシュプリームとのコラボレーションを行うなど、誕生から2世紀を経た今現在においてもファッションの話題の中心に存在するなどの影響力を発揮している点には改めて驚かされました。

展示会ではブルックスブラザーズの歴史や功績、同社のアイテムにまつわるエピソードなどを写真や実物を交えて体験することの出来る、大変貴重且つ有意義なコンテンツで構成されております。

規模はさほど大きくはありませんが、内容はとても充実しておりますし、入場料も一般で500円(11月7日は無料!)と言う手軽さもありますので、アメトラ、アメカジ好きの方はもちろんですが、服がお好きな方にも是非訪問して頂きたい展示会です。お1人でじっくり見るのも良いですし、パートナーまたは服が好きなご友人同士で見るのも良いかもしれませんね。

◆ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 -
・会期:2018年10月5日(金)-11月30日(金)
・会場:文化学園服飾博物館(東京都渋谷区代々木3-22-7新宿文化クイントビル 1階)
・主催:株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパン
学校法人 文化学園 服飾博物館
・公式スペシャルサイトはコチラ

■原点に宿る熱い想い
大変失礼ながら!?正直そこまでの期待を持って訪問したわけではありませんでした。ところが展覧会を後にする頃にはすっかりと気持ちが熱くなり!?思わず、帰りがけにブルックスブラザーズに立ち寄ってボタンダウンのオックスフォードシャツでも買って帰ろうか!?と思うほどに感化されておりました。(笑)

何事にも当てはまるのかもしれませんが、やはり何かを新しく始める際に人間が抱く高い志や情熱と言うのは非常に尊いもので、これらをどれだけ持ち続けることが出来るのか、次の世代にいかに繋げていくことが出来るのか、と言う点が最も大切なことなのではないかとさえ感じた次第です。

そう言う意味では、”原点”にはいつも熱い思いが宿っており、これを失わない限りは人々を長きに渡って魅了し続けることが出来るのかもしれません。

フランスの学者であるビュフォンが1753年に発した「文は人なり(=文体はその人のひととなりを表す)」ではないですが、

服も人なり。

そんなことを感じた「ブルックス ブラザーズ展 - アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀 - 」。この週末は、そんなアメリカントラッド・カジュアルの原点に宿る熱い思いに触れるべく、ブルックスブラザーズ展に是非足を運んでみてはいかがでしょうか。












ホワイトシャツ。基本の1枚。:LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ

こんにちは!
本日は「ホワイトシャツ。基本の1枚。」と言うテーマで、メンズドレスファッションにおきましては基本の1枚となるホワイトシャツを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■基本中の基本アイテム。ホワイトカラーの無地シャツ。
さて、「メンズドレスファッションにおける基本のアイテム」と言われるものは多々ございますが、その中でもこれ抜きには語れない!?と思われるのが、ホワイトカラーの無地シャツではないでしょうか。

フォーマルやドレスにおいては必須のアイテムになりますし、もちろんドレスカジュアルに用いても清潔感、誠実さ、爽やかさと言ったポジティブな印象を相手に持って頂くにあたっては欠かすことの出来ないアイテムだと思っています。

ただ、本Blogを長らくお読み頂いている方であればご存知のことと思いますが、私の場合、仕事における基本スタイルにはホワイトではなくサックスカラーのシャツを用いております。その理由は、ホワイトですと畏まった感が強くなりますので、柔らかな仕立ての服を好む私にとりましてはサックスの方が好みのスタイルに仕上げやすいからと言うと言うもの。

私がホワイトカラーの(無地)シャツをスタイリングに取り入れるのは、畏まった装いが求められるシーン、もしくは他のアイテムに柄ものやカジュアルカラーのモノを多用している際に全体を落ち着かせる目的で用いることがほとんどです。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑦

そのようなことから私のワードローブにはホワイトシャツよりもサックスカラーがベースのシャツの方が多いのですが、この度5年以上!?前に購入し、外れた釦を自ら付け直すなどして愛用していたBEAMSFのオリジナルホワイトカラーシャツに生地の擦れや釦の欠け等が見られたために、買い替えることにしたのです。
釦付けに挑戦!_⑨

利用頻度はサックスカラーベースのシャツに比べて少ないとは言え、ワードローにないと困る基本中の基本のアイテムが、ホワイトカラーの無地シャツですよね。

と言うことで購入したのが、LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) のホワイトシャツでした。
※ルカ・アヴィタービレについては「LUCA AVITAVIRE(ルカ・アヴィタービレ)のロイヤルオックスフォード ドレスシャツを購入!」を参照。

■襟型はジャケット(スーツ)とセットで考える
今回購入をしたのはワイドスプレッドカラーのホワイトの無地シャツ。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_①

生地はルカ氏のコレクションから選んだと言うTOMAS MASON社の140/2のピンオックスフォード生地が使われており、ドライなタッチに、ややハリ感を感じます。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_⑥

手縫いを多用しておりますが、私が愛用をしているジイングレーゼやモンテサーロに比べるとかなり端正な表情を持っており、あまり”手縫い感”が前面に出ることがありません。そう言う意味ではクセが少なく、クリアな雰囲気ですので合わせるスーツやジャケットを選ばないと言う点は、多くの方にとって魅力的な点の1つかもしれません。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_②

襟はフラシ芯のためにふんわりとした、かなり優しいフィット感。それでも写真のようにカラーステイを入れることでキッチリ感も出すことが出来ますので、英国的な仕立てがお好きな方であれば、カラーステイは抜かずにそのまま着用する方がバランスは良いかもしれません。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_③

肩回りのイセ、カフまわりのタックなど、必要十分な稼働域を確保しながらもインターナショナルな表情はイングレーゼやモンテサーロにはないスタイルですので、TPOを踏まえて着分ける際に重宝しています。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_④

ところで、今回選んだ襟型はワイドスプレッドカラー。私はこれまでも襟型はカッタウェイやワイドスプレッドが好みであることは記載して来たのですが、それは所有するジャケット(スーツ)のゴージラインが高いものが多いこと。また、それらの襟型が持つややスポーティな雰囲気が、私が好きなサルトリア・ソリートなどのスタイルともマッチするからと言うものです。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_⑤

カッタウェイはもう古い!と言う言葉を少し前にメディア等でよく目に致しましたが、個人的にはシャツの襟型と言うのはトレンドで選ぶのではなく、トレンドは踏まえたとしても、ジャケットとセットで考えるべきものだと今は理解しています。

かの落合正勝氏は、”シャツのカラー(襟)の中央あたりからゴージラインが出るのが最もバランスが良い”と言う趣旨の発言をその著書の中でされておりますが、実際私自身も自分で着てみて、確かに提示されたその価値観には共感しております。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_⑦

ただし、厳密に襟の中央付近にゴージラインが来るように都度意識をしているわけではありません。あくまで流行の襟型よりも、所有するジャケットのデザインと襟型とのバランスを第一に考えると言う美意識を持って、シャツの襟型は選ぶようにしていると言う意味になります。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_⑧

従いまして「シャツの襟型はジャケット(スーツ)とセットで考える」と言いますか、シャツ単体、襟単体ではなく、スーツ等を着た際の全体バランスの中で自らの美意識にマッチする襟型のシャツを選ぶことが、ご自身のスタイルを作るうえでは大切なことかなと思っております。
LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ) THOMAS MASON 140/2 ピンオックスフォードシャツ_⑨

皆さまも自分好みの”ジャケット(スーツ)と襟型の心地良い関係”を見つけ出し、お好みの襟型、雰囲気を持った、メンズドレスファッションの基本アイテムであるホワイトカラーのシャツをワードローブに是非迎い入れてみてはいかがでしょうか。
※今回取り上げたルカ・アヴィタービレのシャツはコチラ






Antonio Panico(アントニオ・パニコ)

こんにちは!
本日は先日訪問をさせて頂いた、汐留にあるイタリア街にひっそりとオープンしたAnni Sessanta(アンニ・セッサンタ)さんにて取扱いのあるAntonio Panico(アントニオ・パニコ)/Sartoria Panico(サルトリア・パニコ)を取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■Antonio Panico(アントニオ・パニコ)のMTM用ゲージを着てみたっ!
さて、イタリアの仕立て服が好きな方であれば知らない方はいないであろうサルトフィニートの1人であり、ジェンナーロ・ソリート氏等と共にイタリアンサルトのマエストロ(巨匠)して名前の挙がる中でも、半ば伝説化しているサルトがアントニオ・パニコ氏。

いかにすごい人物なのか!?につきましては私が語るよりもgoogle先生に聞いて頂いた方が正確、かつ情報量も多いので良いかと思うのですが、簡単に言えば「ナポリ仕立て」を生み出した伝説のマエストロであるヴィンチェンツォ・アットリーニ氏の後を引き継ぎ、ロンドンハウスのマスターカッターとして長きに渡って腕を振るったのが、アントニオ・パニコ氏その人です。

ちなみに、本Blogでも3年半くらい前にご紹介させて頂いた書籍である「ナポリ仕立て Sartoria Napoletana -奇跡のスーツ」。この書籍を読んだ当時、最も洗練されていてカッコ良い!と感じた人物こそ、アントニオ・パニコ氏でした。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_⑥

そんなパニコ氏の服は様々な事情により日本で手に入れるのは難しい状況だったのですが、今回は様々なタイミングが合い、また前回お送りした記事の通り、アンニセッサンタさんの店主を務める檀崎氏が店をやるのであればアントニオ・パニコ(サルトリア・パニコ)は絶対に扱いたかったと言う情熱もあって、MTMながら取り扱いが始まったと言います。

もちろん私もアントニオ・パニコ氏の服に憧れた1人として、とても楽しみにしておりました。

すると、偶然にも私がアンニセッサンタさんに訪問する前の週にアントニオ・パニコのMTM用サンプルゲージが届いたと言うことで、早速試着をさせて頂くことに。その時の様子が、こちらです。

時間的にあまり余裕がなかったので今回はジャケットのみでしたが、肩やカマの入り方、首筋のフィット感はまさにナポリ仕立てその物。そしてナチュラルながらも英国に起源のあるスーツを尊重するかのようなショルダーラインに豊かな胸のドレープは、ほど良く絞られたウエストと共に着ている人の体型を男性らしく魅せてくれます。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_①

私はサルトリアソリートにて4着ほどビスポークを頂いており、うち2着は伝統的な製法を用いたサルトリアソリートのオリジナルの仕立て方、他の2着はSharonさんのプロデュースの既成ラインと同じ仕立て方で仕上げて頂いているのですが、パニコのそれはまさにナポリ仕立てのオリジナルの着心地、つまりソリートオリジナルの着心地と近しいものを感じました。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_②

ところでパニコ氏はビスポークの仕立てはもちろんですが、マスターカッターとして所属していたロンドンハウスで販売されていた既製品のパターンやキトン向けのコートの型紙まで設計していたと言いますから、MTM用のゲージを作るのも難なく対応できるわけです。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_⑤

事実、檀崎氏ご自身も唸るほどのゲージの出来栄えだと仰っていましたが、私も肩を入れ、袖を通してみた感想として、これはMTM(P.O)であったとしても十分満足が出来る1着に仕上がるだろうことは想像が出来るほどでした。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_③
※サンプルゲージの着用写真は全て、檀崎氏了承のもと撮影頂きました。

なお、私は172cm 60kgと言う体型で「44」と「46」を着用しましたが、仕立てるなら「44」をベースに肩幅を少し出したり、カマの位置を若干下げたりと言った微修正で済むような感覚を持っています。ゲージは「42」から準備していると言う事でしたので、気になる方は是非、店頭にて直接ゲージを羽織ってみることを強くおススメ致します。

ちなみに伊勢丹さんでもアントニオ・パニコの取り扱いが始まっておりますが、こちらは既製品となっているようです。既成品でも価格帯はほぼ変わりませんので、伊勢丹さんで常に購入している方でなければ、サイズをより体型に合わせることの出来るアンニセッサンタさん扱いのMTMの方が満足度は高いと個人的には思います。

■時代を超越する美
今回私はMTM用のゲージながら、初めて自分の体型に近しいアントニオ・パニコ(サルトリア・パニコ)の仕立て服を着てみたのですが、1つとても驚いた事がありました。

それは、アントニオ・パニコ氏の服は時代を超越する美を内包していると強く感じたからです。
Antonio Panico(アントニオ・パニコ)_④
※上記は過去にアントニオ・パニコ氏によって仕立てられたジャケット

これまでも書籍やネットなどではパニコ氏の仕立てた服を見たことは当然あったわけですが、自ら肩を入れ、袖を通して分かったことは、少なくとも上述した書籍である「ナポリ仕立て」が発行された2006年から今現在に至るまで、パニコ氏の仕立てた服に(ビジュアル的な)変化を感じないのです。

私が「ナポリ仕立て」を読んだのは書籍をブログでご紹介するよりも前である、およそ4年前ですが、書籍自体が発行されたのは今から12年ほど前になります。書籍を拝読した際にアントニオ・パニコ氏の佇まいの美しさに目を奪われたことは上述しましたが、今回のMTM用サンプルゲージと書籍の写真を比較してみると、変化をまったく感じないのです。

もちろん厳密に言えばフラワーホール等には若干の違いを見て取ることは出来るのですが、全体的なバランス感には一切変化がない。これには大変驚いた次第です。

なぜなら、少なくとも私が確認することが出来る12年前から今に至るまで、パニコ氏の仕立てた服における「美」は時間と言う概念を超越し、ずっと存在し続けていたと言うことになるからです。それほどパニコ氏の仕立てた服におけるバランス感の完成度が高いと表現することも出来るのかもしれません。

トレンドの影響を受けにくいメンズドレスファッションの世界とは言え、10年以上の年月が経っても変化を感じないアントニオパニコ氏の服に今現在もなお美を感じると言うのは、私からしますとちょっと衝撃的でした。

ただ、檀崎氏曰く、パニコ氏の仕立て服がこれからも安定的に手に入るかどうかは分からないと言います。実際、サルトリア・ソリートのように、親から子、師匠から弟子へと技術がしっかりと継承されているサルトは稀であり、例え息子がいても仕立て技術は有しておらず、事務作業しか出来ないサルトはかなり多いそうです。

サルトリア・パニコも仕立て技術の継承と言う意味では難しいことが多々あるそうですので、パニコ氏の仕立て服が気になっている方は、オーダーするなら早いにこしたことはないのだと思います。

もちろん私も、既に貯金生活を初めております・・・。(笑)






時を経て残ったもの:Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留

こんにちは!
本日は「時を経て残ったもの」と言うテーマを添えながら、東京に新しくオープンをしたショップをご紹介させて頂こうと思います。

それでは、まいりましょう。

■Anni Sessanta アンニ・セッサンタ
既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、先日汐留にあるイタリア街にひっそりとオープンしたショップがあります。それが、ナポリの服を中心にヴィンテージアイテムをも取り扱う独自の世界観を持つ、Anni Sessanta(アンニ・セッサンタ)
Anni Sessanta(アンニ・セッサンタ)_HP
※上記画像はアンニ・セッサンタさんの公式HPより拝借しております。

そして、そのアンニセッサンタを取りまとめていらっしゃるのが、檀崎翔氏です。檀崎氏は大手セレクトショップやスタイリストを経て、某セレクトショップの立上げに参画。その後ショップマネージャとして勤務されていらっしゃったのですが、この度ご自身の価値観、感性をより具現化すべく独立をされました。
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_檀崎氏

ところで檀崎氏、実は数カ月前までは私がお世話になっている南青山にあるセレクトショップであるSharonさんに勤務されておりました。

まさに私が手縫いの服と言う深い世界に足を踏み入れ、魅了されて行くまでの過程において、それを最も近い距離でサポートしてくださった方の1人が檀崎氏、その人なわけです。

また檀崎氏はイタリアンサルトの世界のみならず、ヴィンテージ、アメカジに対してはより造詣が深く、装いだけではくライフスタイルに至るまで、ご自身の生活の中にそれらを取り入れていらっしゃいます。

そのような背景があるからか、時の洗礼を経たもの。長い時間をかけて培われ、様々な影響を受けてもなお残った本質的なものに対して大きな価値を見出しており、その思想、美意識がアンニ・セッサンタと言うお店に置かれるものの根底には脈々と流れているのです。

よってヴィンテージやアメカジと流行りのナポリの手縫いの服をミックスさせました、と言う表層的なものではなく、ナポリのサルトや初期のアメカジがそうであったように、人が情熱を持ってつくりあげ、そして長い時間と歴史を伴って育て上げてきたものに宿る本質に共通性を見出し、そこに光を当てて行きたいと言うのがアンニセッサンタが登場した理由だと私は理解致しました。

ところで、アンニセッサンタは日本におけるナポリのサルトシーンを盛り上げるショップとして注目をされている、Professore Rambaldi(プロフェソーレ・ランバルディ) 静岡さんと経営母体が同じで、一部の取扱いブランド等も共通していると言います。

それぞれのショップの持つ思想、そして世界観がこれからの日本のイタリアンサルトや着こなしを活性化し、そして、どう言った影響を与えて行くことになるのか、今からとても愉しみでなりません。

なお、アンニセッサンタは少人数で運営しているため、お客様をお待たせすることのないように原則予約制にしていると言う事でした。気になる方はご予約の上、新しい切り口で提案するナポリの服、そしてヴィンテージの世界観を堪能されてみてはいかがでしょうか!?

・Anni Sessanta アンニ・セッサンタ
住所:東京都港区東新橋2丁目18-3 704
電話:03-6402-4460
URL:http://annisessanta.jp/
※現在は不定休

■アンニ・セッサンタの世界観に触れる!
さて、そんなアンニセッサンタさんですが、先日仕事の移動において近くを通り、短いながらも時間を確保することが出来ましたので、檀崎氏に予約を入れた上で伺って来ました!

その世界観を堪能する!と言うほどじっくりとお話を伺ったりすることは出来なかったのですが、“触れる”位は出来たように思いますので、少しばかりご紹介をさせて頂こうと思います。

まず、アンニセッサンタさんがオープンしたのは汐留にあるイタリア文化をコンセプトにしたイタリア街の一角。サラリーマン時代に取引先が近くにあったことから先輩と共に数回訪れたことがあるエリアですが、日本におけるオヤジの街である新橋から徒歩数分で、まるで海外に来たかのような錯覚を覚える街並みが広がる後継には大変に驚いた記憶があります。

それほど良い意味で日本らしくはない雰囲気があるのが汐留イタリア街なのですが、そんな汐留のイタリア街にあるビルの7階に、ひっそりとアンニセッサンタさんは佇んでおりました。

イタリア街を歩くだけでイタリアに来たような気分になれるのですが、ショップの扉をあけるとそこには外部と連続した世界観が続いていることを感じさせる雰囲気がありました。
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_①

中に入るとクラシックなインテリアとサルトを思わせる雰囲気に思わずテンションが上がります。
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_②

サロンを思わせる店内には、取り扱う生地メーカーのバンチや、檀崎氏やパートナーが買い付けてきたと言うヴィンテージ生地が並んでおり、思わず目を奪われます。
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_③

ドレスアイテムは基本的にはナポリのサルトのMTM(P.O)がメインとなっているそうで、Camiceria Piccirillo(カミチェリア・ピッチリーロ)のシャツや、
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_⑤

新しく扱いだしたNATALE(ナターレ)と言うパンツ、
Anni Sessanta アンニ・セッサンタ at 汐留_⑥
※上記画像は全て、檀崎氏了承のもと撮影、掲載をさせて頂いております。

他にも、Sartoria Panico(サルトリア・パニコ)やSartoria Ciardi(サルトリア・チャルディ)、Sartoria Caracciolo(サルトリア・カラッチョーロ)、Sartoria Piccirillo(サルトリア・ピッチリーロ)など有名無名を問わず、その美意識によってセレクトされたサルトのゲージが並び、それぞれMTMが可能です。

興味深いのは、金額やスタイルがそれぞれ異なる店です。檀崎氏が店をやるのであれば絶対扱いたかったと言う、中庸の美のど真ん中を行くようなスタイルを持つサルトリアパニコや、やや構築的なショルダーラインに加えて独自のラペルロールにファンが多いサルトリアチャルディ。

他にも、某サルトの生産を受け取っている工房のオリジナルラインであるサルトリアカラッチョーロや、日本で言うナポリらしい手縫い感が魅力的なサルトリア・ピッチリーロなど、それぞれのサルトの持つスタイルや雰囲気を大切にしながら、お客さんが好みによって選ぶことの出来る選択肢が揃っています。

なお、上記でご紹介した買い付けられた生地は、アンニセッサンタさんで取り扱うサルトで仕立て映えのする生地が選ばれていると言う点も見逃せません。

完璧な人間と言うのが存在しないように、完璧なサルトも存在しません。それぞれが得意とする仕立て、スタイルがあるわけですが、それらのサルトが仕立てた際に映えるような生地、彼ら職人が好む生地を取りそろえることで、個々のサルト本来の良さが引き出されるような工夫をしていらっしゃいました。

もちろん私も時間の許す限りマイサイズのMTM用サンプルゲージを着させて頂いたのですが、確かにそれぞれのサルトが持つスタイルの違い、特徴がよく分かりましたし、サルトのスタイルを尊重し、彼らが時間をかけて培ってきたものを出来るだけダイレクトに伝えようと言う意図を垣間見ることが出来ました。

今回はあまり時間がなかったのですが、恐らくそんなに時間を置くことなく、時を経て残った本質に触れるべく、改めてアンニセッサンタさんには訪れることになるのかなと感じておりますよ。(笑)

次回は、試着をさせて頂いたMTM用ゲージの中でもこれは!と私rm55が感じたサルトを取り上げてみたいと思います。






rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!

こんにちは!
本日は第26回目となりました、私rm55のスタイリング(装いや着こなし)についてご紹介しようと言うコンテンツである「rm55的スタイリング」をお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■TPOとスタイリング
さて、これまでの本カテゴリの記事におきましてはSSのスタイリングを取り上げておりましたが、今回からはAWのスタイリングと言うことでお届けしてまいりたいと思っています。

とは言え、季節と言うのは夏から秋に1日にして変わるのではなく、行ったり来たり、気温の高低を繰り返しながら、徐々に季節は移ろいゆくものですよね。よって秋口のスタイリングのポイントは「春夏モノを使いながら、いかに秋っぽさを感じさせるスタイリングを行うか」と言う点に尽きるのではないでしょうか。

その際のポイントは、「色」づかい。

前回お送りした記事でも記載したのですが、秋口はまだ最高気温が20度前後あり、訪日されている外国の方の中には昼間は半袖で出歩いている方もお見受けします。(苦笑)やはり20度近くありますと、外を歩いていると多少の暑さを感じたりしますので、秋冬物の素材を心地良く着用するにはまだ少し早いかなと思っています。

従いまして、個人的にはこの時期には春夏アイテムをメインに添えながら、「色」で秋感を演出すると言うのが毎年のパターン。具体的には、夏の”寒色”よりの色使いから、”暖色”系の面積を増やしていくと言うアプローチになります。

例えば下記は9月前半の装い。9月はまだ最高気温も高い日が多かったのですが、暦上は秋ですし、夏服に少々飽きていた!?私は、春夏ものを使いながら秋感を楽しんでいました。トップにはアルフォンソシリカのウール×シルク×リネンのアイボリーカラーのジャケット(46)を羽織り、ルイジボレッリのコットンリネンのストライプ柄シャツ(37:ブラウン)、フランチェスコマリーノのペイズリー柄タイはシルク×リネン。パンツは、インコテックスのウールパンツ(44:ブラウン)です。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_①
※着用者:172㎝ 60㎏

これに足元は、お決まりであるエドワードグリーンのブラウンカラーのローファーを合わせています。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_③

続きましては上記のスタイリングから約1カ月後の10月初旬の装いです。10月に入りますと(今年は台風一過等による例外はありましたが、)グッと気温も下がり、秋感が強まってきます。よってこれくらいの時期から重ね着が難なく楽しめるようになるわけですが、そんな季節の変化を色と着こなしで堪能したが、下記のスタイリングです。

サルトリアシャロンで仕立てて頂いたウール×シルク×リネンのチェック柄ジャケットにアヴィーノラボラトリオナポレターノのシャツ(38:ホワイト)、そしてShibumiのグリーンカラーの小紋柄シルクネクタイに、グランサッソのブラウンカラーのコットンジレ(44)。そしてパンツはレスパーデのコットンチノ(44:ベージュ)。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_④

そして足元には、エンツォボナフェのスエード素材のセミブローグを合わせていました。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑥

■あとがき
まず前者ですが、秋を感じさせるブラウンカラーを多用しつつもリネンの入ったアイテムを使うことで暑苦しくなり過ぎず、また着用している本人も暑すぎないと言う、季節感の演出と実用性のバランスをとったスタイリングでした。

いくら暦上は秋だと言っても、20度中盤を超えるような気温では、世間が”秋”と言う季節を体感的に感じることはちょっと難しですよね。。(ビジネス)ファッションと言うのは単体で存在するものではなく、どこまで行っても他の方との関係性の中で存在するものだと認識しておりますので、季節を先取りしすぎず、着ている本人も暑すぎないと言うレベルで装いを楽しむと。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_②

逆に後者は体感的にも秋を感じることが出来る気温まで下がっておりましたので、ブラウンとベージュと言う暖色カラーのコーディネートをベースにグリーンを差し込むと言う秋感を感じるカラーリングを前面に出しながら、ウールではなく、コットンのジレで重ね着をも楽しむと言う、春夏もので秋のスタイリングを楽しむには贅沢な!?装い。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑤

ただ、実はこの日は生憎の天候で、気温はさほど高くなかったのですが湿度が高く、正直蒸し暑さを感じてしまったと言うのは秘密です。(笑)そういう意味では、ジレは無くても良かったかなと言うのが現実レベルでの感想でした。。

ちなみに、ブラウンと言う秋冬を感じさせる色合いをベースに、紅葉と言った自然の色使いを想起させるボルドーや、
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑦

テラコッタなんかをVゾーンに取り入れると、より秋冬っぽく見せることが出来るので個人的にはおススメです。
rm55的スタイリング:2018年AW_26:春夏モノで装う、オータムスタイリング!_⑧
※上記のネクタイのみ秋冬素材

と言うことで、季節的にも気温、湿度と言う意味でも何を着るのか悩ましい時期だったりすると思うのですが、本格的な秋冬素材の登場は10月末から11月にかけて行うのが現実的かなと思ったりしますので、是非春夏アイテムをうまく使いながら、秋と言う季節を楽しんでみてはいかがでしょうか!?






※本記事の内容は素人であるrm55独自のセンス、感性、見解に基づいております。プロのスタイリストのような正しい知識に基づいた装いに関する記述でありませんので、あくまで個人の趣味のブログとして捉えて頂ければ幸いです。

初秋の重ね着にはコットンニット!:FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット

こんにちは!
本日は、「初秋の重ね着にはコットンニット!」と言うテーマでお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■初秋の重ね着にはコットンニット!
さて、10月も中旬に入りますと気温もぐっと下がり、最高気温で20度前後、最低気温は10度台半ば前後になってきます。そうなりますと仕事におけるスーツにタイドアップも気持ち良く!?着用することが出来ますし、服好きの方であれば”重ね着”と言う着こなしも違和感なく出来る気候なのかなと思います。

このような中で、この時期の重ね着アイテムとして是非活用したいのが、コットンニット!なんです。
大人のカジュアルボーダーニット:JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー ) ボーダーコットンニット_②
※上記はジョンスメドレーのコットンボーダー柄ニット

どうしても秋冬ですとウールのニットに目が行きがちですし、ショップに並ぶ秋冬アイテムの新作は当然ウールニットだと思うのですが、まだ20度近い気温ですとウールの重ね着はビジュアル的にも、体感的にも暑さを感じると思います。

もちろんウールニットでも通勤時の朝、家を出た瞬間は心地良いだと思うのですが、歩いて駅について電車に乗ったりするとまだまだ汗ばむこともあると思いますし、雨が降って湿度が上がったりしますとウールニット単体であればまだしも、重ね着だとちょっとキツい。。

このように、涼しいのだけれど動くと暑さを感じる初秋の時期におススメなのが、実はコットンニットだったり致します。コットンニットは春先のイメージが強いのですが、色合い次第では秋に使っても違和感はないですし、コットンはウールほど保温性がないので、この時期に重ね着をする際には、ウールよりおススメの素材だったりするのです。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_⑥
※上記は今年のSSに購入したフェデリのコットンニット

と言うことで、私rm55も気温が下がってきたこの時期に大好きな重ね着を堪能すべく、早速コットンのニットをひっぱりだしておりました。

■モダンなFEDELI(フェデーリ) のVネックコットンニット
この秋口に私が引っ張りだしたのが、最近は日本で代理店がついたことから取り扱い店舗が急激に増えているフェデリのVネックコットンニットです。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン①

実はこの春先にホワイトカラーを購入(※)していたのですが、とても気に入ったので色違いであるグレージュ(表記上はライトブラウン)カラーの色違い(色ち買い)をワードローブに迎い入れておりました。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン②
※「春夏最強カラーはホワイト!:FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット

私がフェデリのニットを気に入っている理由は、非常に心地の良い素材感と言う点だけではなく、シンプルでベーシックながらもイタリアらしいモダンさを感じると言う点です。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン⑤

サルトにもそれぞれスタイルがあるように、ニッターにもスタイルがありますよね。よりベーシックかつクリアなスタイルを持つドルモアであったり、派手さのないシンプルな表情が魅力的なジョンスメドレー。更には色気あるクルチアーニや、男らしい土臭さをも感じるザノーネなど、特徴的なスタイルを有するニットメーカーは多々あります。

もちろんそれらのメーカーのニットも私のワードローブ内にはあるのですが、最近特に好んでいる”エレガント”な雰囲気を求めるのであれば艶感は強くはないのですが、北イタリアのメーカーらしいモダンさを有するフェデリのニットは今の私の気分にはぴったりなのです。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン⑥

コットンニットながら柔らかく、トロトロした風合いと美しい色合いにはイタリアらしい質感を感じますし、
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン④

シンプルながらもモダンさを感じるリブのデザイン、雰囲気にはイギリスのシンプルさとは異なる魅力を見出すことが出来るのかなと。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン③

ちなみに先日のオフの際に早速使ってみましたが、イメージ通りのエレガントな雰囲気には大満足!
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン⑦

私が現在好んで着ている服との相性も良く、ニットの持っているモダンさが絶妙に良いバランス感を保ってくれている気がします。
FEDELI(フェデーリ) Vネックコットンニット_ライトブラウン⑧

個人的にはカジュアルアイテムにはあまり手作り感の強くない、モダンさを有するアイテムの方が理想の着こなしに近くなるのでフェデリが気に入っておりますが、この辺りは自らの理想の着こなしに合うニットメーカーを見つけて購入されるのが良いと思いますょ。

もしお気に入りのニッターが見つかりましたら、是非この時期に心地良く重ね着を楽しむためにコットンのニットアイテムをワードローブに迎い入れてみてはいかがでしょうか!?













SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)が納品!:後編

こんにちは!
本日は前回に引き続き、自身4着目となりましたSARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)によるシングル3Bチェック柄のビスポークスーツを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■ビスポークか既成か
さて、前編では自身4着目(実質3着目)にしてシングルスーツのビスポークとしては完成形に至ったと言う実感を強く抱いたことをお伝えしていたのですが、皆さまご存知の通り!?Sharonさんではサルトリアソリートとのコラボレーションにより、世界初となる既成品のラインである「Solito house exclusive per Sharon」の取り扱いもございます。

ちょうど今回のトランクショーにて来日をしていたルイジ・ソリート氏にもお話を直接伺っておりますが、Sharonさんで扱っているサルトリアソリートのビズポークアイテム及び既成品である「Solito house exclusive per Sharon」は全て、マエストロであるジェンナーロ・ソリート氏、そしてルイジ・ソリート氏が自ら生地の裁断を行っていると言います。

そしてソリートの工房の中でも熟練の職人のみが縫製を担当してるため、既成品のラインはワンシーズンで25着(年間50着)限定となっています。これは決してもったいぶっているわけではなく、ビスポークで受注している着数を考えると、熟練の職人ではこれ以上の生産が出来ないからというのがその理由。

つまり、Sharonさんで扱うサルトリアソリートはビスポークであっても、既成品である「Solito house exclusive per Sharon」であっても、その生産工程は全く同じなのです。

よって異なるのはサイズだけ。

事実、ビスポークで仕立てて頂いている私であっても「Solito house exclusive per Sharon」の出来栄えの良さには大変感銘を受けておりますので、今年のSSでもグレーカラーがベースのホーランド&シェリーの生地を使ったピンストライプ柄スーツを買い足しておりました。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)のシングル3B ピンストライプ柄スーツ(2018SS)_⑥

ではなぜビスポーク1本に絞らないのか!?と言いますと、既製品である「Solito house exclusive per Sharon」には、既製品ならではの良さがあるわけです。

具体的には、まず価格。ビスポークでもスタート価格は既製品と大差はないのですが、著名なメーカーの生地から選ぼうとすると二桁単位で差が出てきます。よって上記のようにホーランド&シェリーと言ったグレードの高いメーカーの生地を使っていても、ビスポークに比べると既成品は価格を大きく抑えることが出来ると言う点は魅力的です。

また、既成品は買ったらすぐに着ることが出来る!と言う点も嬉しいですよね。私が所有するスーツは無地が圧倒的に多いのですが、今期は「Solito house exclusive per Sharon」でピンストライプ柄のスーツを買いましたので、これまでとは異なる新鮮な気分を買ってすぐに味わうことが出来ていたりします。

更に既製品であればしっかりと試着をして、色々と確認をしてから購入をすることが出来ると言う点もメリットの1つかなと思います。バンチなどの小さな生地の切れ端から全体をイメージするのは慣れても難しいですし、着心地や自分が着た際のスタイルがどのように見えるのかなども既製品だと購入前に確認が出来ますよね。

特にソリートには興味があるけれど、いきなりビスポークに行くのは不安があると言う方は、まずは既製品でしっかりと着心地やスタイルを堪能し、より興味が湧けばビスポークへ移行すると言うステップを踏むことが出来ると思います。

実際にSharonオーナーのK氏も「サルトリアソリートを多くの方に知って頂く為のきっかけの1つとして既製品を準備している」と言った趣旨のお話をされていたことがありますので、ソリートにチャレンジしたいと言う方には魅力的な最初の選択肢になり得ると思います。

なお、サルトリアソリートの既製品ラインである「Solito house exclusive per Sharon」を試すにあたって満たしておくべきだと私が考えている条件が、当たり前ですが!?「サイズ感が合うこと」です。特に肩幅が合う、肩がしっかりと入ると言うのは着心地、シルエット等に影響を与えてきますので大切だと感じています。

今やナポリの5大サルトの一角として知られているサルトリアソリートですが、上述の通り、既製品ラインであってもビスポークと全く同じ工程を経て生産をされています。つまり、職人さんが手で縫いあげているわけですね。

ただし熟練の職人とは言え1着ずつ手で縫いあげて行きますので、毎シーズン寸分違わず、同じサイズ感で仕上がってくるわけではありません。私は既製品の展開が開始されたファーストシーズンからこれまで各シーズンにつき1着以上購入をしてきておりますが、今の私の身体感覚で言うと、セカンドシーズンのスーツのみ若干大きいかなと感じています。

私の場合は着心地の良さと言う観点では大差ありませんが、若干サイズが大きいことによってシルエットに影響が出てくるように感じています。従いまして店頭にてしっかりと試着をし、サイズが合い、好みのサイズ感であれば「Solito house exclusive per Sharon」も選択肢として大変魅力的だと思っていますので、気になっている方は是非店頭でのご試着を強くおススメ致します!

ちなみに私は着用期間を長くとることの出来る秋冬ものはビスポークを中心に添えており、着用期間が短い春夏ものは既製品である「Solito house exclusive per Sharon」を基本選んでおりますので、そんな使い分けの方法もあるかもしれませんね。

■SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)
と言うことで、今回は秋冬ものですのでビスポークを選んでいるのですが、ディティールは初めて!?既製品とほぼ同じで仕上げて頂きました。

ベースのモデルはプレーンなシングル3Bの段返り。生地は3着目と同様アリストンのヴィンテージ生地からセレクトしており、グレーベースのピンヘッドに渋いオレンジカラーのペーンが入るチェック柄です。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑩

そしてバルカポケットにややワイドなラペルも既製品スーツの標準仕様。ちなみにハウススタイルですと5mm程度ラペル幅は細くなるそうですが(以前よりはワイド化しているそうです)、イタリア人に比べて顔の大きい日本人である私の場合は、ワイドラペルの方がバランスが良いように感じています。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑪

2着目のジャケットはセオリーに反してドレス度を上げるために切ポケにしておりましたが、今回も3着目同様、スーツですのでパッチポケットではなく切ポケを採用。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑫

もちろん袖釦は4つ(2mm重ね)です。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_④

前身頃には指定はしていませんが、小物入れを作って頂いています。私は吸いませんが、タバコを吸われる方には重宝されるそうですし、吸わなくてもiphoneは入る(※)くらいのサイズ感ですので、ジャケットのシルエットを崩さずに小物を持ち運びたい時には便利ですね。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑬
※モデルによりますので、自分の携帯を入れたい場合はサイズ指定が必要です。

3着目にして初めて仕立てて頂いたシングルのスーツの組下パンツはベルトレスにして頂きましたが、4着目となる今回はベルトループと言う既製品のラインでも採用されている標準的な仕様です。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑧

そしてインナーはお馴染みのボタンフライにパンチェリーナ仕様。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑦

既製品ではヒップポケットは左右に1つずつつく場合が多いですが、私は基本使わないので、ビスポークの際は常に右だけにして頂いております。この点以外は、今回はほぼ既成品と同じディティールになっていると思います。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑨

10月も中旬を過ぎますと20度を下回る日が出てきておりますね。起毛感が強い生地ですとちょっと早い気がしてしまいますが、秋冬生地を着用出来るのも、もう目の前かなと言う感覚があります。

今年の秋冬は納品を頂き、まだ着用出来ていない秋冬アイテムが多いので、個人的には秋冬の到来を心待ちにしておりました。今期購入したネクタイと合わせてコーディネート出来る日を楽しみに、秋が深まっていくのを待ちたいと思います!
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のシングル3Bチェック柄スーツ(2018AW)_⑭