夏場の代用パンツに揃えておきたい1本!?:PT01(ピーティーゼロウーノ) BUSINESS SUPER SLIM FIT
こんにちは!
本日は「夏場の代用パンツに揃えておきたい1本!?」と言うテーマを添えながら、最近NewInしたアイテムを取り上げてみたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■手縫い(スミズーラ)の弱点
さて、私が普段好んで着ている手縫い(スミズーラ)のアイテム。その魅力を挙げよ!と言われれば、それは本Blogでも様々な形でご紹介をさせて頂いて来たわけですが、では弱点は何か!?と問われれば、価格以外でまっさきに挙げたいのが”メンテナンス”です。
手縫いとマシンによる縫製強度を比較した場合、手縫いの方が解けやすい!と明確に答えられるだけの経験もなく、根拠も少ないのですが、少なくとも自宅でシャツを洗濯している限りにおきましては、手縫いによる釦付けの釦はマシンに比べて解けやすいように感じています。つまり、手縫いのアイテムをクリーニングに出した時の”縫製のホツレ”と言うリスクがまずは気になると。
また、これは手縫いか否か、と言う観点ではないのですが、スミズーラをしたパンツや、レスパーデなどのサルトリア仕立てのパンツの場合は、アイロンを使って”クセ取り”と言う作業を行っており、これが穿いた際の心地良さ、足さばきの良さに効いています。すると、クリーニング後のプレスによっては、履き心地そのものが変わってしまうリスクもありますね。
更に、気に入った生地でスミズーラをした場合、その素材感や色などに魅力を感じて仕立てて頂くことになると思うのですが、ウール等の素材の場合は、その多くがドライクリーニングになりますよね!?ただ、これによって素材や色の風合いが変化してしまうと言うリスクもゼロではないわけです。
つまり、クリーニング等による縫製のホツレやプレスによる穿き心地、着心地の変化、素材や色の変化と言うリスクを考えた場合には、手縫い(スミズーラ)によるアイテムは、できるだけクリーニング等によるメンテナンスの回数を減らしたい!と考えるのが、一般的な思考回路なのかなと。
だからこそ、毎度着た後には丁寧にブラッシングを行い、必要に応じてスチームアイロンを用いることで消臭や殺菌処理を行い、陰干しをすると言う手間暇をかけるわけです。
ところが、そう言う日々の努力が通じない!?いや努力をしても追いつかないのが、夏場のパンツではないでしょうか!?
■夏場の代用パンツはマシンメイドがおススメ!?
私は車での通勤、移動を主としておりますが、会食やその他都合によって、電車移動になることがございます。
すると、この時期に外に出る場合は、ここ最近の暑さを考えれば分かることですが、汗をかかないで過ごすことはもはや不可能です。
日中、外を数歩でも歩こうものなら、汗がじわっとにじみ出てくる感覚を皆さんも感じていらっしゃると思います。ジャケットであれば手持ちも出来ますし、シャツは自宅で洗える。ただパンツとなると、さすがに手で持って移動するわけにもいかず、自宅で洗濯機で洗おうものなら、ウールパンツなどであれば縮みなどの変化を覚悟しなくてはなりません。
そうなりますと、夏場のパンツと言うのはクリーニングによるメンテナンスが大前提。
そう言う意味では、普段はスミズーラによる手縫いのパンツを穿きつつも、TPOに応じてその代用となる、マシンメイドのパンツもあったらとても便利ですし、精神衛生上も良いですねと。(笑)
私が普段お世話になっているSharonのマネージャM氏からは、手縫いのパターン・オーダーであるサルトリア・シャロンで仕立てて頂いているパンツは、手縫いをベースにしながらも日本人の職人さんがしっかりと縫製をしているので、クリーニングに出しても問題はない旨のお話は伺っております。
とは言え、チキンな私は・・・、夏場の代用パンツとしてマシンメイド(ファクトリーメイド)のパンツをワードローブに迎い入れてみました!
■安定の!?PT01 BUSINESS SUPER SLIM FIT
この度私が選んだのは、クラシコイタリア好きであれば知らない人はいないであろうパンツの専業ブランド、PT01(ピーティーゼロウーノ)です。
ロータは価格が高いので置いておくと、Incotex(インコテックス)とともにツートップをなすブランドが、PT01ではないでしょうか。
縫製強度と言う観点ではインコテックスの方がしっかりとしている印象がありますが、今回は自分が好んでいるスタイルに合わせて、ドレス感の強い雰囲気を持つPT01を選んでみました。購入したのは、この時期のジャケパンスタイルには欠かすことの出来ない、ライトグレーのウールパンツです。
ヴァージンウールにエラステインが2%ほど混紡されておりますので、ストレッチ性は期待できますが、その分耐久性と言う観点では制限がありそう。それでも、夏場専用と言うことで割り切れば、数年間は安定して使えそうです。
モデルは仕事においてもっとも使いやすい!?「BUSINESS」で、ワンプリーツ仕様。
ちなみにエラステインが混紡されていることからもお分かりかもしれませんが、「SUPER SLIM FIT」とほっそり目。
パンチェリーナの釦フライ仕様になれた私からすると新鮮な3点留めのジップフライ。
ヒップのポケットは左右に1つずつついています。
実際に穿いてみると、スミズーラをしたパンツに比べると腰回りのフィット感や安定感に欠ける点は否めません。パンチェリーナではなく3点留めですし、既製品なので、サイジングも踏まえて、そのあたりは比較してはいけない部分かもしれません。
ヒップからワタリにかけてのたわみも、まぁ細かいことは・・・と言う感じでしょうか。
それでも、ガンガン!?クリーニングに出せる!と言う安心感はありますし、ひと夏の代用パンツとしては(セールで購入したと言うこともありますが)、コストパフォーマンスの高い、納得のゆくお買い物になりました。
最近では温暖化の影響もあって、ちょっと前にはフランスで42度!?と言う異常気象に見舞われたことがニュースになっていましたが、スーツ発祥の地であるイギリスは北海道よりも北にあり、(本来)ロンドンでは夏場でも25度に満たず、湿度も日本のよりは低い気候のエリアです。
また、欧州の皇族貴族がひと夏を過ごしていたイタリアのナポリはロンドンに比べて温暖ですが、ナポリ仕立ての発祥は、そう言った上流階級の紳士が”ひと夏を過ごすためだけに仕立てた軽いジャケット”が、そのオリジンにあります。つまり、イギリスでもナポリでも、スミズーラ(ビスポーク)をした手縫いのアイテムに大量の汗が染みこみ、クリーニングが必要となるような環境条件はなかった、もしくは日本ほどは想定されていなかったように思います。
とは言え、気候に文句を言ってもしょうがないので、与えられた環境の中で楽しく、快適に、自分なりに服を愉しむことが出来るように、色々なものをうまく使い分けていければと思っています。