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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

rm55的スタイリング:2019年SS_46:オトナのショーツスタイルはシンプルに。

こんにちは!
本日は第46回目となりました、私rm55のスタイリング(装いや着こなし)についてご紹介しようと言うコンテンツである「rm55的スタイリング」をお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■TPOとスタイリング
さて、夏休みもいよいよ大詰めですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか!?小さなお子さんがいらっしゃるご家庭ですと、子供の夏休みをいかに乗り切るのか!?と言うのは家庭内における大きな関心事であるように思います。

もちろん私も2児のパパ、と言うことで、夏休みの過ごし方に頭を悩ませてきたうちの1人です。このような中で、恐竜好き!?の子供のために、夏休みのイベントの1つとして、8月初旬にさいたまスーパーアリーナにて開催された『世界一受けたい授業 THE LIVE 2019 もう一度恐竜に会える夏!』に行ってまいりました。
さいたまスーパーアリーナ

内容は伏せておきますが、長女が「本物の恐竜なの!?」と聞いてくるくらい、大きな恐竜のリアリティの溢れる動きに子供のみならず、大人も楽しむことが出来ました。もし、恐竜に興味を持つお子さんを持つパパさんであれば、夏のイベントの1つとして候補に挙げてみても良いかもしれません。

と言うことで、本日はそんなイベントに訪問した時のスタイリングとなります。それがこちら。FEDELIのコットン×リネンのボーダー柄ニット(オフホワイト×ベージュ)を1枚、さらりと羽織り、
rm55的スタイリング:2019年SS_46:オトナのショーツスタイルはシンプルに。_①

パンツは同じくFEDELIのコットンショートパンツ(グレー)を穿き、ジョンロブのスエードスニーカー(ベージュ)を合わせました。
rm55的スタイリング:2019年SS_46:オトナのショーツスタイルはシンプルに。_②

■あとがき
正直、Tシャツに短パンと言うアメリカンカジュアルなスタイリングでも全然良いシーンでしたし、気温も高く、汗が噴き出るほどの暑さがあったのですが、当日朝の気分!?で、ちょっと大人なカジュアルスタイリングで行きました。
rm55的スタイリング:2019年SS_46:オトナのショーツスタイルはシンプルに。_③

トップスはロングスリーブですが、ニットのために通気性が高く、更に腕をまくって過ごしておりましたので、ロングスリーブと言うビジュアルから想像されるような暑さを感じることはありませんでした。また、入場も外で長時間待つと言うこともなく、もちろんアリーナ内部は空調が効いておりますので快適そのもの。

しかも下の子も一緒だったために、車で訪問。よって汗だくになることはありませんでしたが、パッと見る限り、私以外の男性は皆さん半袖。腕をまくっており、大汗をかくようなシーンは無かったとは言え、ちょっと暑苦しかったかもしれません。。

それでもTシャツに短パン、ベースボールキャップと言う装いに比べると、オトナっぽさが全然違ってきますので、ある程度年齢を重ねたオトナの装いとしては、アリだったように感じます。

汗の噴き出るような盛夏においても、ご近所以外ではショートパンツを穿く機会が比較的少なかったのが、この2019年の夏なのかなと。個人的にはオトナがショートパンツを穿くのであれば、色や柄が強く出過ぎていない、シンプルなアイテムの方が年相応の落ち着きを醸し出すことが出来るように感じています。

家族で出かけたとしても自らが主役になるシーンはほぼゼロですので(笑)、脇役に相応しい(シンプルな)装いが、外ではやっぱり落ち着きます。

8月も下旬になりますと暑さもピークを過ぎ、秋の足音を遠くに感じるような気温になってきたようにも思いますが、いつも9月は厳しい残暑がありますので、ショートパンツで外にお出かけになるオトナの皆さまは、是非シンプルなスタイリングを意識してみてはいかがでしょうか!?思った以上の(目立たないという)心地良さに!?病みつきになってしまうかもしれませんよ。(笑)





※本記事の内容は素人であるrm55独自のセンス、感性、見解に基づいております。プロのスタイリストのような正しい知識に基づいた装いに関する記述でありませんので、あくまで個人の趣味のブログとして捉えて頂ければ幸いです。


完全なる美:LES LESTON(レスレストン):後編

こんにちは!
本日も前回に引き続き「完全なる美」と言うテーマを掲げながら、その後編をお送りしたいと思っています。

前編ではLES LESTONのシャツ(既製品)の着用イメージや着用感をご紹介させて頂きましたので、後編ではそれらを踏まえた上でのrm55的な見解を記述させて頂きます。

■世界感・価値観に共感できるか!?
さて、シャツ(服)だけに限らないとは思うのですが、大切なことはブランドやメーカー、ショップ等が持っている世界観、価値観に共感できるか否か!?だと思っています。

今回取り上げているシャツだけを取り上げてみても、そのブランドは多数存在するわけです。そのシャツブランドを全て横に並べて、誰にとっても納得のゆく評価を行うことは当然ながら困難ですよね。

それは各ブランドにはそれぞれ独自の世界観や大切にしている価値観があり、評価をする側にも独自の思想、感性、好み、経験値があるからです。同じブランドのシャツであっても、人によって評価が変われるのはそれ故自然なこと。

そんなことを考えますと、世間一般的に評価の高いブランドやメーカーなどから入ることは一理あるとは思いつつも、より服好きとしての満足度を上げる方法は、自分の思想や感性、好み、価値観をしっかりと育てながら、自分自身の感覚とマッチする世界感や価値観を持つブランドを選ぶことだと思っています。

そう言う観点では、私独自の感性や経験値を踏まえると、LES LESTONは「完全なる美」を内包する、精緻で緻密な美しさを持つシャツメーカーであると評価する事が出来るわけです。よって合わせるのであれば、手縫いの柔らかい雰囲気を持つナポリをはじめとしたイタリアの南部ではなく、やや構築的でカチッとした雰囲気を持つフィレンツェよりも北、もしくはイギリスであったり、丁寧な仕事ゆえにきっちりと見えるスタイルが多い、日本人の職人さんの仕立てる服の方がよりフィットするのかなと。

ところで、ブランドやメーカーは自分たちが最も良い!と考えるものを商品として世の中に送り出すわけですが、恐らくLES LESTONのオーナーである久木元氏ご自身も、ナポリのようなナチュラルな服よりも、やや構築的で、カッチリした服の方が好きなのではないか!?と購入したシャツを見ながら仮説を立てておりました。

そして実際にインターネットを使って久木元氏を画像検索してみますと、確かに氏が着ていらっしゃるジャケットはどれも構築的な肩回り、雰囲気を持っています。明らかに、ナポリのそれとは異なるわけですね。

そう言う流れからすると、合わせるネクタイはキッチリ、丁寧に仕立てられているマリネッラであったり、カチッとしたドレイクスが合うように私は思ってしまうわけですが、LES LESTONの店舗に置いてあったは加賀健二氏が率いるAttoVannucci(アットバンヌッチ)でした。

加賀氏のネクタイはタイユアタイの流れを汲んでおり、ビジュアル的にはスカーフのような軽やかさがありますね。実際手に取ってみても、お世辞にも縫製が綺麗とは言えない、手縫い感が満載のネクタイです。個人的にはLES LESTONの世界観からすると、そのセレクトは意外だったのですが、人的なつながりによる事情もあるでしょうし、決してシャツとネクタイの組み合わせとして「精緻×精緻」である必要性はありませんので、それがLES LESTONの提案する1つのスタイルなのかもしれません。

なお、LES LESTONが全てミシンの縫製を採用していることは既に触れた通りですが、「手縫いは用いないのですか?」と店頭にて伺ったところ、「海外でもそう言ったお声を頂くのですが、その予定はありません。」ときっぱりお答えいただきました。

理由は明快。

・着心地の良さに手縫いかミシンかと言う縫製の違いは影響しない
・シャツは頻繁に洗うものであるから、強度の高いミシンの方が適している

かなり合理的な思考であり、日本人らしい考え方かもしれません。そんなLES LESTONさんの思想を端的に表現しているのが、こちらのショップバック。
LES LESTON(レスレストン)のショップバック

「Wear Wash Enjoy!」

なぜ縫製に手縫いを用いず、ミシンによる縫製にこだわるのか。その疑問に対する回答がシンプルに表現されております。

そう言ったLES LESTONの持つ世界観、価値観に共感出来、そのスタイルに惹かれる方であれば、インポートの高級シャツにも劣ることのない魅力と満足感を得ることができるのが、LES LESTONであると思います。

ちなみに個人的には、このクオリティで既製品のシャツが2万円台前半は、相当に魅力的かなと。

■rm55的 LES LESTONの着方
ただここで本Blogを長らくお読み頂いている方から致しますと、1つの疑問をお持ちになる方がいらっしゃるかもしれません。それは、スキがあり、不完全の美を有するイタリアはナポリの服に魅了をされた私rm55から致しますと、ある意味ではその対極にある!?と思われるLES LESTONのシャツはどうなの!?と。

確かに、人の手の温もりを感じられる手縫いであったり、一見合理的とは思えない装飾としてのハンドステッチ、不均衡な釦ホールなどに大きな魅力を感じる感性は、今でも一切変わっておりません。良い、悪いではなく、好きなのは、余白のある、不完全な美しさなのだと。

しかし、いくら大好きなパスタ料理であっても1日3色も食べていると飽きてしまうように!?(笑)、たまには繊細な和食やフレンチ、更には中華やハンバーガーだって食べたくなるわけです。

そう言った、その日のTPOや気分を踏まえて、自分の感性を装いとして表現出来る選択肢があることが、服好きにとりましては何よりのご褒美であり、喜びであり、贅沢なわけですね。

よって、美の内容こそ異なれど、美しいと感じる自らの感性に正直に、「完全なる美」を有するLES LESTONのシャツを着たくなることもあるのです。

そんな時に私rm55が意識をしているのは、LES LESTONのシャツの持つ世界観を最大限に引き出して楽しみたい!と言うことです。よって、合わせるスーツやジャケットは、ナポリ的なナチュラルなものよりも、やや構築的な雰囲気、端正な表情を持つ方が(私の感性では)しっくりと来ます。

よってデビュー時に着ていたのは、私のワードローブの中では構築的な雰囲気のあるサルトリア・シャロンのゼロワンモデルのスーツ。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑥
※上記は試着時に撮影したものです。

都会的な端正さを有するスーツとLES LESTONのシャツとの相性は、少なくとも私にとってはフィットしているように感じられ、
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑦
※上記は試着時に撮影したものです。

スタート位置こそ高いものの、クラシックな雰囲気を醸し出す、傾斜の付いたゴージラインとシャツとの相性も良いかなと。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑨
※上記は試着時に撮影したものです。

また、当日合わせていたのも英国のハリ、コシのある生地を好んで使い、ナポリ・メイドとしては圧倒的な美しい縫製と仕立てを持つ、E.G.カペッリのネクタイ。私の所有するネクタイブランドの中では、一番合うかなと思っています。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_①

このような形で、普段は「不完全な美」に惹かれている私であっても、「完全なる美」を有するLES LESTONのシャツを、自分なりの感性をもとに装いの中に取り入れ、楽しむことが出来ております。

「美」と言うのは1つではありません。

「完全なる美」や「不完全の美」、これ以外にも様々な形の美があると思っています。そして、自らの感性を必ずしも1つの「美」の在り方に縛り付ける必要はないとも思っていますので、もし、普段は私のように「不完全の美」に惹かれている方であっても、ここ数回の記事にてご紹介をしてきたLES LESTONのシャツにご興味を持たれた方がいらっしゃれば、是非手にとってみられてみてください。

また、もともと「完全なる美」に惹かれている方で、LES LESTONをご存知でなかった方は、きっとその世界観に惹かれると思いますので、チェックされてみてはいかがでしょうか!?








完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編

こんにちは!
本日は「完全なる美」と言うテーマを掲げながら、前回ご紹介をしたMADE IN JAPANにこだわるLES LESTON(レスレストン)の着用イメージや着用感などをご紹介したいと思います。

それでは、まいりましょう。

■LES LESTONの着用イメージ
まずは、正面の画像から。実は今回、サイズは「37」と「38」の両方を試着致しました。首回りをはじめ、全体的なフィット感は「37」の方が高く、シルエットも綺麗だったのですが、若干胸周りがタイト。着用出来ないほどではありませんでしたが、「38」を着てみますと、胸周りに程良い余裕があり、全体として違和感があるほどではないことから「38」をセレクトしています。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_①
※着用者:172㎝ 60㎏

私の中では、シャツのビジュアルで最も重要なのは「襟の表情」。もともとその襟の美しさに惹かれて実店舗に訪問したのですが、個人的には国産シャツの中では最高峰の美しさを誇るように思います。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_⑤

なお、「美しさ」にも様々な種類があると思うのですが、LES LESTONのそれは、「完全なる美」と言う形容の仕方がぴったりだと感じています。「精緻さ」や「緻密さ」と言った言葉の持つイメージに近い「美しさ」であり、「スキが無い」とも表現できるかもしれません。イメージとして近いのは、FRAYあたりでしょうか。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_④

MADE IN JAPANだけに、日本人の体型にもぴったり。インポートのシャツは当然ながらイタリア人やイギリス人と言った、その国の人の体型に合わせてパターンが形成されているわけですが、ヨーロッパの方は、日本人に比べますと胸板や背中の厚みがあるように思います。よって、インポートの既成シャツですとチェストに大きな空間が出来たり、ヨークがだぶついてしまうことがたまにあるのですが、LES LESTONのパターンはしっかりと日本人の体型に沿っている気が致しました。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_②

ただ、もちろん今回はビスポークではなく既製品ですから、体型に対して多少の凹凸はあります。それでも既製品としては十分すぎるくらい満足の出来るレベルになっていると感じた次第です。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_③

ちなみに、袖丈も調整しないでこのレベル。
完全なる美:LES LESTON(レスレストン):前編_⑤

LES LESTONのシャツの美しさを最も強く感じるのは、当然ノータイの時ではなく、しっかりとネクタイを締めて、ジャケットを着用した時です。「丁寧に仕事をしました!」と言う感じが伝わる美しさは、日本的な美と言っても良いのかもしれません。
レスレストン_ドレスシャツ

適度な高さを持つ衿台に、立体感があって緻密に計算されたかのような孤を描く襟のロールは、まさに「完全なる美」を内包するLES LESTONのシャツの美しさを最も強く表現しているように思います。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_④

このシャツを着て仕事をしていると、「精緻」かつ「緻密」なアウトプットが出そうな気がしますが、実際にはシャツを着るだけではならないので、本人の努力が必要です。(笑)
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑤

なお、袖付けのイセは散らしてあるのでビジュアル的に雨降りが強く表れることもなく、ヨークのギャザーなども必要最低限と言った印象。日本のメンズドレスファッションにおける1つの美的価値観として「シワが無いこと」が挙がることはよくありますが、まさにLES LESTONのシャツもそんな価値観を有しているようにも感じます。

無駄を一切そぎ落とし、クリーンで端正な表情は、まさに「完全なる美」と言う言葉を彷彿とさせるのでした。

■LES LESTONの着用感
既に着用イメージをご覧頂いておりますが、シルエットは緩すぎず、かと言ってタイト過ぎないバランス感。私は上述のように自らのネックサイズに対して1サイズ程上げておりますので、着用画像に多少余裕を感じる方もいらしゃるかもしれませんが、(私を含めて)恐らく多くの方にとってはスーツの下でシャツがダブつくことなく、心地の良いくらいの余裕がある着用感だと思います。

また、試着のみではなく、LES LESTONののシャツを着て1日中仕事をしてみましたが、とても気持ちが良いです。シャツの着心地において大切なのは手縫いか否かと言う縫製ではなく、パターンであると言うことを物語っているかのよう。しかも、首回りは芯材の硬さを感じるかな?と思ったのですが、気にならないレベルでした。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑬

アームホールはタイト過ぎず、適度なゆとりがあり、肩、腕の稼働域も広く、ひっかることなどは一切ありませんし、どこかが細すぎてつっかかる感覚もありません。
Sartoria Sharon(サルトリア・シャロン)のゼロワンモデルを着てみた!_⑭

今回は120双の国産生地が乗っていますが、ビジュアル的な高品質感も十分ありますし、肌に対するタッチも滑らかで、とてもスムースです。もちろん更に細番手のシルキーなタッチや、もっちりとした肌に吸い付くような感覚はありませんが、通常のビジネスシーンにおいて着用することを想定すれば、全く問題のない生地クオリティだと思います。

なお、洗濯することによるネック周りの縮みは若干ありそうですが、私の場合は1サイズ上げているのでむしろよりフィットして良いかなと思っておりますが、ジャストフィットサイズでも苦しくなるほどの縮みはなさそうです。

ただ、これは仕立てとは全く関係ないのですが、他の120双の生地と比較しますと、洗濯後のシワの伸びがイマイチ!?な気がしています。私はそこまで神経質な性格ではないので、多少のシワは全く気にならないのですが、霧吹きとアイロンを使ってもシワが伸びにくいように感じたのが不思議でした。

生地の生産における整理の工程でインポートと国産との間に違いがある?のかは分かりませんが、ちょっと気になっていますので、生地に詳しい方がいたら是非、考えうる可能性をご教示頂ければ嬉しいです。

と言うことで、、LES LESTONののシャツ(既製品)の着用イメージや着用感をご紹介してまいりました。これらを踏まえて自分なりの見解をまとめたいと思ったのですが、ちょっと長くなりましたので次回にまわしたいと思います!








国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)

こんにちは!
本日は「国産シャツの最高峰!?」と言うテーマを添えて、お送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■国産シャツの雄
さて、本Blogをご覧頂いている方であればご存知の方も多いと思いますが、本日取り上げますのは、大阪に拠点を置く、国産シャツの雄であるLES LESTON(レスレストン)。

〒530-6101
大阪市北区中之島3-3-23 中之島ダイビル1F
TEL 06-6448-8330
営業時間 11:00~20:00(日・祝日定休日)
http://www.lesleston.jp/

LES LESTONはジバンシィのシャツアトリエを経て、1986年に久木元亨氏が設立した、MADE IN JAPANにこだわるビスポークシャツメーカーです。

ビスポークシャツメーカーとは言ってもパターンオーダーや既製品も扱っており、機会があれば是非手に取って見てみたいと思っていたのです。そんな折に、普段は滅多にない出張が入りまして、大阪に行くことに。幸い移動の間に立ち寄ることの出来る場所にあり、時間もありましたので訪問してみました。

場所は大阪のビジネス街の真ん中にあり、荘厳な雰囲気さえ漂う中之島ダイビル。タクシーの運転手さんにビル名だけを伝えても分かりましたので、有名なんだと思います。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_①

その中之島ダイビルの1階に、LES LESTONはありました。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_③

品が良く、ほんのりとしたモダンさとクラシック感を感じる店舗ファサード。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_②

足を踏み入れますと、ビスポークシャツメーカーらしく、襟型やカフ、バンチブックなどが並び、
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑤

一部には既製品やサンプルのシャツ、そして服飾小物が置いてあったのですが、この店舗の雰囲気を感じるだけでも、どんなシャツを仕立てられているのかを感じられる気が致しました。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_④
※店内写真はLES LESTONさんの承諾を得て、撮影しております。

店内に入ると工房の奥では久木元氏と思われる方が作業をしており、久木元氏の息子さんが対応をしてくださいました。

■LES LESTONのシャツにおける、3つの選択肢
ところで、国内ではビスポークシャツを仕立てていらっしゃる職人の山神氏をはじめ、活躍していらっしゃるシャツ職人さんが多数いらっしゃるのですが、私個人がWebやInstagram等を拝見するの中で、最も自分好みの襟型を持っていたのがLES LESTONでした。

その襟型を一言で表現すると、「美しい」と言う言葉がぴったりだと思っています。

そんな美しい襟型に惹かれたことから今回訪問を決意した訳ですが、LES LESTONでシャツを購入する際には、3つの選択肢が存在します。1つ目は、体型に合わせてその人専用のパターンを作成する①ビスポークオーダー。2つ目は、ベースのパターンから体型補正を施す②パターンオーダー。そして3つ目が、③既製品です。

また、価格としては下記の通りとなっています。

・ビスポークオーダー
¥40,000(税抜)+生地
・パターンオーダー
¥28,000(税抜)+生地
・既製品
¥21,000~¥25,000(税抜)
LES LESTONの公式HPより抜粋

オーダー系のプライスイメージとしては、国産生地ですとビスポークで5万円(税込)、パターンオーダーで4万円(税込)に収まる感じで、インポート生地になりますと、生地にもよりますが5千円~1万円ほど(※)が上乗せされるようです。
※生地のグレードによっては更に増額

ちなみに、神戸に拠点を置いて活動されており、私が靴のビスポークをお願いしているイルクアドリフォリオの久内氏の顧客の中でもLES LESTONにてシャツをビスポークされている方は多いようで、「だいたい皆さん6万円位で仕立てられているようです。」と言うお話を過去には頂いておりました。

MADE IN JAPANのビスポークシャツとしては”かなり高額”と言うのが個人的な印象であり、国産ビスポークシャツの価格帯としては日本でも最高峰のクラスだと思われます。それでもその魅力に惹かれる方が多いのは、しっかりとしたクオリティが伴っているからなのだと想像致します。

そんな価格に関する情報を頭に入れながらLES LESTONのシャツに関するお話を伺ったり、サンプルを拝見していたのですが、既製品がフィットするのであればまずは既製品をおススメしており、修正・補正が必要になるようであれば、パターンオーダーやビスポークをご案内しているとのこと。

と言うことで、まずは既製品のサンプルを着せて頂くことにしました。

■LES LESTON(レスレストン)の既製品シャツ
実際に既製品のサンプルを着てみますと、なかなかのフィッティング。ご対応頂いた久木元氏の息子さんからも、「これなら既製品でも問題ないと思います。」との太鼓判を頂きました。

試着時点で着心地の良さ、襟の美しさを感じましたので、その良さをもっと体感すべく1枚購入することに。在庫のある中からマイサイズの1着を選んだのですが、それがこちらになります。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑥

個人的にはワイドスプレッドカラーの方が私の好みのスタイルに合わせ易く、使い勝手が良いかなと感じていたのですが、良いと思う生地の在庫がなく、今回選んだのはセミワイドカラーのストライプ柄ドレスシャツになります。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑦
※最近はジャケットのゴージラインが下がってきているので、これに合わせて既製品ではセミワイドカラーを増やしているとのこと

生地は国産の120双クラスのマイクロストライプ柄のシャツ。色はホワイトベースにグレーのストライプが入るのですが、程良い光沢感や滑らかなタッチに十分な満足感を覚えます。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑪

平置きでも分かる位、スキのない、端正で洗練された表情が特徴的。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑧

既製品は外注(ビスポークは工房内で全工程を仕立てる)仕立てだと思いますが、迷いのない、精緻な縫製ライン。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑭

ややラウンドしたカフも私好み。しかし、どこを見ても縫製が乱れることなく、美しいラインを描いてるのには驚きました。。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑨

もちろん手縫いの工程はなく、全てマシン(ミシン)です。よって、釦付けも、
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑩

釦ホールも、
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑫

ガジェットも、全てミシンによる縫製です。しかし、海外製のシャツであればミシン縫いであったとしてもガジェットの縫製は曲がっていたりするものですが、ご覧の通り、LES LESTONのシャツは真っ直ぐな精緻なラインを描きます。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑮

ところで、シャツの場合には縫製が手縫いかマシンかは着心地には影響しません。昔は手縫いのシャツの方が動きやすいと考えていたのですが、その後自分なりに多くのメーカーのシャツを着る経験を重ね、様々な方と会話をする中で、今ではシャツの着心地の良し悪しにおいて最も重要なのはパターンだと考えています。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑯

LES LESTONの縫製は全てミシンながら、例えば台襟が首筋にフィットするように微妙にカーブしていたり、随所に研究を重ねて改良を施したと思われる工夫が詰まっております。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑰

ちなみに襟は仮接着芯。生地と芯材が接着されていないフラシ芯は柔らかくて首馴染みが良いので着心地が良いのですが、縫製難易度が上がりますね。その点、仮接着芯は縫製時点では生地と芯材が接着されていますが、洗濯などを行うことでノリがとれ、フラシ芯のような状態になります。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑬

ただ、芯材は私が普段着ているナポリのカミチェリアであるG.イングレーゼやルカ・アヴィタービレ、モンテサーロなどに比べるとやや硬め。これはどちらが良い、悪いと言う話ではなく、LES LESTONの持つ美の世界観を体現する上では柔らか過ぎない方が良いと言う判断なのだと思っています。
国産シャツの最高峰!?:LES LESTON(レスレストン)_⑱

なお、ビスポークシャツの場合は更にミシンのステッチが細かくなったり、既製品のシャツとはそのディティールの処理を差別化しているそうですので、上記の内容はあくまで既成シャツの場合である、とご理解頂いていた方がよさそうです。

次回は、着用画像、着用感を含めてLES LESTONのシャツから感じたことなどをご紹介したいと思います。







2019年 クールビズのサンプルスタイル②!

こんにちは!
前回に引き続き、この2019年の夏に私rm55がチャレンジしたクールビズスタイルをご紹介してみたいと思います。 なお、前回はクールビズスタイルでしたが、今回はスーパークールビズスタイルとなります。

それでは、まいりましょう。

■2019年 クールビズのサンプルスタイル②
④シャツ1枚の際は、シャツとパンツに気をつける!
さすがに気温が30度を超えてまいりますとジャケットは厳しいと言うことで、シャツ1枚でのスタイリングについても記事では触れておりました。

具体的には「ドレスシャツにスーツの組下となるパンツを合わせて出勤するのはおススメ」ではなく!、「1枚で着ることを想定に入れているシャツ」にカジュアルなコットンパンツを合わせましょうと。そうすることで「想定された着こなし」に限りなく近くなりますので、違和感や抵抗感などを軽減することが出来るわけです。

そんなことを意識してチャレンジしたのが、こちらのスタイル。モンテサーロの鹿の子素材のロングスリーブポロに、フェデーリのコットンニットを肩掛け。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_①

パンツはレスパーデのネイビーカラーのコットンストレッチチノを合わせ、足元にはエドワードグリーンのブラックカラーのタッセルローファーを選んでみました。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_②

このモンテサーロのロングスリーブポロシャツ。ドレスシャツと同じ工程で仕立てられておりますのでジャケットに合わせても違和感はないのですが、鹿の子素材と言う点で、1枚でも着用することを前提に考えられているスポーティなシャツです。今回はシンプル過ぎるかな?と思ってコットンニットを肩掛けしましたが、肩がけなしのシャツ1枚スタイルでも違和感は少ないのではないでしょうか。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_③

同じく、襟に芯が入っており、ジャケットにも合わせられそうなフェデーリの鹿の子素材のロングスリーブポロに、インコテックスのコットン×リネンのベージュ(ライトブラウン)のパンツを合わせたスタイルにもトライしておりました。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑪

この時はジャケットを合わせましたが、結局ランチの際にはジャケットはオフィスに置いておりましたので、ポロシャツ1枚にコットン×リネンパンツ、足元にはエドワードグリーンのブラウンカラーのローファーで外出。個人的な感覚では、あまり強い違和感を感じることなく過ごすことが出来ましたょ。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑫

シャツ1枚でビジネススタイルを創るのであれば、ジャケットの着用を前提としているドレスシャツや、ジャケパンスタイルが想起されるドレッシーなウールパンツは極力避け、スポーツウェアが由来の鹿の子素材を使ったシャツやポロシャツ、カプリシャツなどのカジュアルシャツに、コットンやコットン×リネンのチノをパンツに持って来てあげると全体としてナチュラルに仕上がる気が致しました。

⑤ポロシャツスタイルでもドレス度を分ける!
最後は、最も軽装化されたビジネススタイルであると私が考えている半袖ポロシャツスタイルです。私はどんなに気心が知れ、付き合いが長い方であっても、ビジネスシーンでお会いする際には必ずジャケットを着用します。よって、ポロシャツで出勤するのは、内勤が確定している場合のみ。

それでも、アフターファイブ(死語?)の予定や気分などによって、ドレス度を着分けていたりします。

まずはこちら。下記でご紹介するスタイルは実際には週末のスタイルですのでビジネス上のスタイルではないのですが、昨年は同じようなスタイルで仕事に行っていましたので、サンプルとして取り上げてみたいと思います。

トップスはジョンスメドレーのブラックカラーのニットポロに、フェデーリのホワイトカラーのコットンニットを肩掛けし、顔のまわりを明るくします。(笑)
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_④

パンツにはチャコールグレーのハウンドトゥース柄のウールパンツ(レスパーデ)、足元はエドワードグリーンのブラックカラーのタッセルローファーを合わせ、モノクロ調のスタイルに。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑤

この合わせ方は私の中では最もドレス度の高い、半袖ポロシャツスタイルです。鹿の子などに比べますとスムースなビジュアルのニットポロは上品でドレス度が高く、唯一!?ウールパンツに1枚で合わせても違和感のないポロシャツだと感じています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑥

次に、ニットポロをコットンギャバジンパンツと合わせると言うスーパークールビズスタイルにもチャレンジしています。トップスは同じくジョンスメドレーのブラウンカラーのニットポロで、パンツにはルイジボレッリのベージュカラーのコットンギャバジンパンツを合わせました。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑦

高密度で程良い光沢感のあるコットンギャバジンとニットポロとの相性は思ったよりも良く、足元にエドワードグリーンのブラウンカラーのローファーを合わせると、それなりにドレス感のあるポロシャツスタイルが出来上がりました。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑧

では、ポロシャツの定番である鹿の子ポロはどうか?と言いますと、こんな感じです。ラルフローレンの鹿の子ポロに合わせたのは、インコテックスのコットン×リネンのネイビーカラーのパンツ。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑭

小雨がぱらついたため、足元にはエンツォ・ボナフェのスエードローファーを合わせています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑮

やっぱり鹿の子素材はかなりスポーティな雰囲気が強くなりますので、ウールパンツよりもコットンやコットン×リネンのパンツ方が、雰囲気としてはマッチします。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑬

ちなみに、下記はオフのスタイルですが、同じくラルフローレンの鹿の子ポロにコットン×リネンのショートパンツを合わせ、足元にはNBのスニーカーを履いています。最近はスーパークールビズとしてスニーカーを解禁!?している企業もあると思いますが、ウールパンツではなく、コットン系のパンツの方が全体の馴染みが良いと思いますので、スニーカー通勤を考えていらっしゃる方は、是非そんな点もチェックされてみてはいかがでしょうか!?
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑯

2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑰


■想定された装いとしてのスーパークールビズ
と言うことで、2019年の夏にチャレンジしてみたrm55的スーパークールビズスタイルのご紹介でした。

スーパークールビズと言うくらいですから、ノージャケット、ノーネクタイ。更には半袖と言ったスタイルをイメージするわけですが、やっぱりどこまで行っても意識するのは、「(半袖)1枚で着ることが想定されているアイテム」を組み合わせると言うことです。

ポロシャツは、その名の通り「ポロ競技」であったり、「テニス」などのスポーツウェアとして世の中に誕生しております。よって、最初から1枚で着ることが想定されていたわけですね。

だからこそ、ジャケットなどを上から羽織らなくとも違和感がないですし、さまになる。また、上述しましたように素材や繊維の組織によって合わせるパンツを変えることで、ドレッシーにもカジュアル(スポーティ)にもなりますので、それはTPOや好みによって着分ければ良いのかなと思っています。

ただ、表面に凹凸があり、カジュアル感の強い鹿の子ポロとウールパンツを違和感なく合わせるのは、それぞれのアイテムの特性をしっかりと見極める必要があると思いますので、注意が必要だと思います。

なお、ポロシャツだとさすがにカジュアルすぎる・・・と言う方には、1枚で着ることのできる素材、繊維組織のシャツをご提案します。具体的には、下記のフェデーリのシャツのようにスポーティで清涼感のある鹿の子編みのシャツであったり、
クールビズに着たい、大人ポロ。:FEDELI(フェデーリ) 鹿の子ロングスリーブポロ_④

スムースコットンのような生地のシャツであればポロシャツほどカジュアル感は出ず、それでいてシャツ1枚で着ても違和感が強く出ることはないと思っています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル②!_⑱
※上記はスムースコットン生地のポロシャツ

ところで、私は”半袖のシャツ”を着ることはありません。その理由は、温暖なエリアで生まれたアロハシャツなどのごく一部を除いては、シャツというのは長袖が大前提であると言う点が大きく影響をしています。よって、半袖のシャツを着た自分を鏡で見ると、本来あるはずの袖がないことに違和感を感じてしまい、自分自身がカッコ良いと思えない・・・ので、半袖のシャツは着ないのです。

シャツを着ている際に暑さをしのぐのであれば、腕まくりすることで対応をしていますが、個人的にはこれでも十分かなと。

今年は例年以上にクールビズ、スーパークールビズスタイルを積極的に取り入れながら過ごしております。その理由は、暑さを我慢するのが応える年齢になってきた(笑)と言うこともありますし、実は「クールビズをオシャレに着こなす方法はないですか?」と言うお問い合わせを結構頂いたことも関係しております。

やはり自分でトライしてみないとクールビズスタイルでもオシャレに装えるのか否か、カッコ良く着こなせるの否かの判断がつきませんでしたので、実際に色々とチャレンジしてみた次第です。

個人的には、やっぱりスーツやジャケパンにしっかりとネクタイを締めるスタイルが一番カッコ良いと感じておりますが、そうは言ってられない外部環境の変化もありますので、その変化にのっかりながら、自分なりに「これなら良い!」と思えるクールビズスタイルにチャレンジしてみました。

これからも皆さんのクールビズスタイルを参考にさせて頂きながら、自分なりに満足の行くクールビズスタイルを模索していければと思いますっ!






2019年 クールビズのサンプルスタイル①!

こんにちは!
前回、前々回のテーマ(※)として扱って来た「クールビズ」ですが、本日は、この2019年の夏に私rm55がチャレンジしたクールビズスタイルをご紹介してみたいと思います。

クールビズの考察:装いとしての難しさ
クールビズの考察②:装いとしての難しさを克服する!?

なお、サンプルのスタイルは前回の記事である「クールビズの考察②:装いとしての難しさを克服する!?」内で、「想定された装いとしてのクールビズ」として設定した切り口を用いてご紹介したいと思います。それでは、まいりましょう。

■2019年 クールビズのサンプルスタイル①
上記2つの記事内にて記載したことですが、クールビズの装いとしての難しさは「想定された着こなしではない」ことが原因であり、これを解決するには「想定された装い」をすることだと述べておりました。

個人的にはそんな点を意識して、この2019年のクールビズスタイルにチャレンジしてみたつもりです。

①ノーネクタイは、ジャケパンが基本
「ネクタイをしないスーツスタイル」と言うのは本来想定をされていないので、ネクタイをしないのであればジャケパンスタイルが基本!と言うことでチャレンジしたのが、こちらのスタイルです。

サルトリア・ソリートのネイビーカラーのホップサックジャケット(ウール)に、G.イングレーゼのワンピースカラーストライプ柄リネンシャツ。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_①

パンツにはグレーカラーのウールパンツ(レスパーデ)を穿き、靴はエンツォ・ボナフェのスエードローファーを合わせています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_②

ネイビージャケット×グレーのウールパンツと言うのは、ジャケパンスタイルの基本中の基本。ノータイなので襟元のシルエットが綺麗に出るようにワンピースカラーのシャツを合わせ、足元にはシューレースタイプではなく、カジュアル感のあるローファーを合わせて全体のバランスを整えています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_③

お次はこちらのスタイル。サルトリアシャロンのブルーカラーのホップサックジャケットに、ルイジボレッリのワンピースカラーのリネンシャツ。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_④

パンツにはPT01のウールパンツ(レスパーデ)を穿き、靴はエドワードグリーンのブラックカラーのタッセルローファーを合わせています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑤

最初のスタイルに比べるとジャケットの色が明るく、生地もウール×シルク×リネンで清涼感のある表情となっておりますので、ややカジュアル色が強くなりますね。ただし、シャツをホワイトカラーにし、靴もブラックカラーにしたことで、”ちゃんとした感”を補っている点がポイントでしょうか。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑥

②ノーネクタイ×スーツであれば、カジュアルスーツで
「ネクタイをしないスーツスタイル」と言うのは本来想定をされていないので、ネクタイをしないのであればジャケパンがおススメだと記述致しましたが、どうしてもスーツである必要がある方は、カジュアル目のスーツを用いるとノーネクタイの時の違和感が抑えられると主張しておりました。

実際に私がトライしたのは、サルトリア・ソリートのウール×モヘアのブラウンスーツに、ルイジボレッリのコットン×リネンのストライプ柄シャツを合わせると言うスタイル。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑦

ブラウンカラーと言うのはカジュアルカラーなので、ノータイ×スーツでも違和感を抑えることが出来ますね。足元にはもちろんカジュアルなローファー。こちらはエドワードグリーンのブラウンカラーのピカデリーを合わせています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑧

また、例えドレスよりのブルーのスーツであったとしても、デザイン性のある遊びの効いたスーツであれば、ノータイでも違和感を抑えることが出来ると思っています。こちらは盛り上がった袖山が特徴的なシャマットのウール×シルクのスーツ。遠目には無地に見えますが、よく見るとヘリンボーン柄のシャドーストライプになっています。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑩
※シャツはG.イングレーゼのワンピースカラーのストライプ柄シャツ

足元にはエドワードグリーンのブラックカラーのタッセルローファー。シューレースタイプの靴ですとちょっと重いですが、ローファーならノータイ×スーツのスタイルにも合わせやすいですし、ブラックだと全体が緩くなり過ぎずにまとまります。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑪

ジャケパンが難しく、スーツが求められるようなお堅い!?職場ですとブラウンやベージュのコットンスーツ、シャマットのようなビジュアル的に特徴のあるスーツを着用することは難しいのかもしれませんが、明るめのネイビーカラーであったり、リネン混で生地に若干表情が出るようなスーツであれば同じような効果を狙えると思います。

③ノータイ時のシャツは、ワンピースカラーがおススメ
ノータイの際には”ネクタイをしない”ことを前提に設計されているワンピースカラーや、スポーティな雰囲気を持つホリゾンタルカラーなどがおススメだと記述しておりましたが、要はネクタイ前提のホワイトカラーやサックスカラーの無地シャツよりは、カジュアル感のあるシャツの方がノータイには合うと思います!と言うお話です。

実際、下記のようにサルトリア・ソリートのウール×モヘアのベージュカラーのジャケットにインしたのは、ルイジボレッリのコットン×リネンのブラウンカラーベースの白抜きストライプ柄シャツ(ルイジボレッリ)。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑬

シャツにホワイトまたはサックス系以外を持ってくるとカジュアル感が強くなりますので、クールビズスタイルの際には是非取り入れてみたいのがカラーシャツですね。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑮

もちろん、個人的に一番おススメしたいのはノータイを前提に設計されているワンピースカラー。襟の開き方の綺麗さは全然違いますので、首元に”ネクタイが足りない感”を全く感じません。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑯

ただ、ワンピースカラーのシャツをお持ちでない方や、わざわざ購入するのは嫌だ!と言う方には上記のようにカジュアル感のある色がベースになっていたり、柄シャツ、更には素材にリネンなどが混紡されているシャツの方が、ノータイ時の違和感を抑えることが出来ると思います。
2019年 クールビズのサンプルスタイル①!_⑱

■想定された装いとしてのクールビズ
と言うことで、本日はネクタイをしないクールビズのサンプルスタイルを取り上げてみました。

ネクタイをすることが想定されているスーツは極力避け、ノータイでも違和感の少ないジャケパンスタイルを推奨しつつ、ネイビー×グレーと言うドレスよりの雰囲気を持つクールビズスタイルから、ブラウンやベージュカラーのジャケットを用いたカジュアル色の強いクールビズスタイル。

そして、スーツを着用する場合であってもブラウンカラーやデザイン的に遊びの効いたスーツを着用することで「スーツ=ネクタイをするもの」と言う既成概念の枠をうまく超えることが出来ますねと言うことでした。

更に、合わせるシャツもネクタイをしないことが想定されているワンピースカラーのシャツを個人的に推しつつも、お持ちでない、もしくはわざわざ購入をしたくない方のために、色や柄、素材でカジュアル感のあるものを選んで合わせれば、ネクタイをしなくても自然で、カッコ良いスタイルになるのでは!?と言うのが本日のまとめになります。

次回は、ジャケットを着用しないスーパークールビズのサンプルスタイルを取り上げてみたいと思います。





クールビズの考察②:装いとしての難しさを克服する!?

こんにちは!
本日は前回に引き続き、「クールビズの考察」と言うてテーマを扱いたいと思うのですが、今回はサブタイトルとして「装いとしての難しさを克服する!?」を掲げて、コラム的にお送りしたいと思います。
夏_モヒート

それでは、まいりましょう。

■装いとしての難しさを克服する!?
さて、前回クールビズにおける装いの難しさをrm55的な切り口を踏まえて分析したわけですが、その難しさの理由として私が挙げたのが、「想定された着こなしではない」と言うものでした。

具体的には、最も多くの方が取り入れているクールビズ・スタイルだと思われる「ネクタイをしないスーツスタイル」であったり、ノーネクタイから更に進んだ「ジャケットを着ず、スーツのパンツとシャツだけ」のスタイルであったり、スーツやネクタイとともに着ることを想定された元来下着であった「ドレスシャツを1枚だけで着るスタイル」と言った装いは、本来は想定されていない装いです!と。

スーツやシャツ、ネクタイと言う装いが生まれてきた背景の中では想定されていない着こなしが、ファッションと言う側面ではない、時代の流れに寄って強制的に変更が加えられた結果、そこに違和感や抵抗感、カッコ悪さを感じる人がいるのではないかと。

ただ、「問題は原因が分かった時点で半分は解決している」と言いますように!?、クールビズと言う装いの難しさの原因が、仮に「想定された着こなしではない」とするのであれば、その難しさを解決する方法は、

「想定された着こなしをする」

と言うことになるかと思っています。

それでは、そんなクールビズな装いをの難しさを克服する方法論である「想定された着こなし」としてのクールビズスタイルを具体的に考えていきたいと思います。

■想定された装いとしてのクールビズ
①ノーネクタイは、ジャケパンが基本
まず、最も簡易的なクールビズである「ノーネクタイ」。このノーネクタイと言うスタイルを「想定された着こなし」に昇華する方法は、スーツではなく、ジャケパンスタイルにすると言うのが基本だと思っています。

以前、私が普段ビスポークをお願いしているイタリアのサルトであるサルトリア・ソリートのルイジ・ソリート氏にイタリアのリゾート地での装いを伺ったところ、「一定のレベル以上の人は皆、カジュアルなジャケットにシャツ、パンツと言うスタイル」で余暇を楽しんでいると言うことでした。

ちなみに一定レベルの解釈ですが、お金を持っているか否かと言うよりも、家柄や教養的な要素も強く感じました。つまり、お金を持っているか否かだけではなく、ちゃんとした教育、教養を持って育ってきた人と言うような意味合いです。

何が言いたいのか、と言いますと、リゾート地における”正装”とまでは言いませんが、ちゃんとした装いとして認められているのが、(カジュアル)なジャケットにシャツ、パンツと言う組み合わせなのだと。

そんなことを考えますと、本来ネクタイをすることが想定されているスーツにはちゃんとネクタイを締めて装い、ネクタイをしないスタイルを望むのであれば、スーツではなく、ジャケット(とシャツ)とパンツにするのが、より適切ではないかと思っています。

その際も、あまりドレッシーなジャケット、例えばダークネイビーソリッドの梳毛生地のジャケットよりは、ブライトネイビーのホップサックやリネン素材、またはチェック柄など、多少カジュアル感のあるジャケットの方がスポーティに着ることを想定されている分、より馴染むと。

②ノーネクタイ×スーツであれば、カジュアルスーツで
ただ、どうしてもジャケパンスタイルが難しい!と言うことであれば、カジュアルテイストのスーツの方が、まだノーネクタイの時の違和感が抑えられるように思います。

カジュアルなスーツとは、色や柄、素材、デザインがスポーティ(カジュアル)と言う意味ですね。

例えば、ダークネイビーカラーで無地、生地はSuper140’sの細い繊維を使ったスーツはドレスよりなのでノーネクタイですと違和感が強くなりますが、やや明るめのネイビーカラーで、無地。でも、生地にはコットンやコットン×リネンのようなカジュアル感の強い生地にノーネクタイですと、違和感も和らぎます。

もちろんベージュやブラウンのコットンスーツ等を着用できる場合は、そちらの方が更にノーネクタイなスタイリングはしやすいと思いますが、そういった装いが許される職場であればジャケパンも難なくイケてしまうのではないかと。。

③ノータイ時のシャツは、ワンピースカラーがおススメ
メンズのドレスファッションのシャツは、ジャケットやネクタイと合わせることを前提に設計がなされています。よってノーネクタイにするのであれば、”ネクタイをしない”ことを前提に設計されているワンピースカラーや、スポーティな雰囲気を持つホリゾンタルカラーなどがおススメです。

ワンピースカラーは第1、第2ボタンをあけても襟の開くシルエットがとても奇麗で、その上襟の裏地が表地と同じになっていますので、ビジュアル的にも美しく装うことが出来ます。これはスーツに合わせるにせよ、ジャケパンに合わせるにせよ、どちらでも有効なので、未経験の方には最もご提案を差し上げたいアイテムです。

なお、もしワンピースカラーをお持ちでない場合は、ノータイにするのであればカジュアルよりのシャツの方が違和感を抑えられる気がします。ネクタイを前提にしたホワイトカラーのドレスシャツよりも、ストライプ柄やチェック柄であったり、コットン×リネン、またはリネン、更にサックスやブルーのような色のついたシャツ等、よりカジュアル感のあるシャツの方がスタイルとしてはナチュラルかなと思います。

④シャツ1枚の際は、シャツとパンツに気をつける!
さすがに気温が30度を超えてまいりますと、ジャケットは厳しい・・・、となりますよね!?そんな時はシャツ1枚で出勤されると思うのですが、これまでの話を踏まえれば、ドレスシャツにスーツの組下となるパンツを合わせて出勤するのはおススメではありません。理由は、想定されていない装いだから。

可能であれば、コットンパンツなどのカジュアルよりの素材がおススメですが、それが難しい場合は、最低でもスーツの組下のパンツではなく、ライトグレーまたはミディアムグレーのウールパンツの方が違和感が抑えられるので良いと思います。

また、合わせるシャツにも気を配りたいところです。例えば、上述したようなネクタイをしない前提で設計されているワンピースカラーのシャツや、スポーツ色が強いボタンダウンカラーなどの、襟型を意識してみたり、高番手のコットンシャツではなく、オックスフォードや鹿の子素材のようなスポーティさのある織のものであったり、コットン×リネンやリネンなどのカジュアル感のある素材のシャツを用いたり。場合によっては、カプリシャツなんかも良いかもしれません。

いずれも意識をしているのは、「1枚で着ることを想定に入れているシャツ」と言う点です。

⑤ポロシャツスタイルでもドレス度を分ける!
現在考えうる夏場のビジネスウェアとして最も軽装だと思うのが、ポロシャツスタイルです。ちなみに、私が半袖を着るのはポロシャツかTシャツのみなので、半袖のシャツは持っていません。理由は、私個人の感性では自分が着てもカッコ良いと思えないからです。

従いまして、スーパークールビズスタイルの際は決まってポロシャツを着ることになるわけですが、そのポロシャツスタイルの中でも、自分の中ではドレス度を着分けていたります。

まず、最もドレス度が高いと思っているのが、ニットポロ×ウールパンツと言う組み合わせです。鹿の子なんかに比べますと生地表面の表情がスムーズなニットポロはドレッシーさが出てきます。よって、そのニットポロに合わせるパンツとしておススメなのが、ドレスパンツの代表各であるウールパンツ。

これにローファーでも合わせれば、雰囲気としてはかなりドレッシーなポロシャツスタイルが出来上がります。

逆に、ポロシャツの定番素材である鹿の子ポロであれば、コットンパンツやコットン×リネンなどのカジュアルパンツがおススメです。鹿の子のざっくりした生地の表情とコットン素材のカジュアル感がベストマッチ。

ニットポロとウールパンツの組み合わせに比べますとカジュアル感が強くなりますので、足元にはローファーではなく、スニーカーなんかを合わせても違和感なくきまると思います。

それぞれのアイテムや生地が生まれてきた背景には、歴史的な意味合いや環境的な要素が隠れています。これらを踏まえた上で、それぞれのアイデンティティを壊さないような着こなしをすることが、私の言う「想定された着こなしをする」と言うことだと考えておりますので、そんな点を意識しながら、夏場のクールビズスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか!?

もし、上述したようなことは既に頭の中に入っている!という方がいらっしゃいましたら、あとは「みんなで筋肉体操」でも見ながら、是非、装いだけではなく、カラダまで仕上げちゃってくださいっ!(笑)





クールビズの考察:装いとしての難しさ

こんにちは!
本日は「クールビズの考察」と言うテーマに、サブタイトルとして「装いとしての難しさ」を掲げながら、コラム的にお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■クールビズ
さて、改めてクールビズはなんぞや!?と言うことから始めたいと思うのですが、元は環境省が「夏場において28度以上の室温に対応できる軽装の服装を着用する」と言うエネルギーの省力化を目的として推進を始めたキャンペーン!?で、これが2011年の東日本大震災に伴う原発事故の影響による電力不足を契機に、一気に官民を含めて広まっていったと言う経緯がございます。
青空

実施期間としては環境省が想定をした6月1日から9月30日の場合が多く、ノーネクタイやノージャケットから始まった装いの軽装化は今では更に進んでおり、半袖シャツやポロシャツ、アロハシャツ、そしてデニムやスニーカーなど、クールビズ/スーパークールビズにおける装いの幅は年々カジュアル化しているように思います。

そして、このような動きとは別に、米国はシリコンバレー発!?なのかどうは分かりませんが、ビジネスウェアのカジュアル化と言う波も一方ではありますね。新しいテクノロジーやサービスを開発していくベンチャー企業を中心に、Tシャツにデニムと言う、既存のビジネスウェアと言う概念にとらわれることのない装いで仕事を行う方々が増えていると。

更に上述したような二つの大きな流れに加えて、近年の温暖化の影響で、夏場はスーツにネクタイと言うビジネススタイルで外を歩くことが健康上のリスクともなり得る気温・湿度になってきております。

電力の省力化と言う名目を掲げて始まったビジネスウェアの軽装化であるクールビズですが、今ではビジネス環境や自然環境の変化によって確固たる地位を確立。そしてしっかりと根付き、更に進化しているフェーズになったと思われます。つまり、もう後戻りをすることはない、夏場に皆でスーツを着て仕事をしましょう!と言う時代は、返ってはこないと・・・。

■クールビズの装いとしての難しさ
このような中で、この夏場の時期になるとだいだい話題として挙がるのが、クールビズの”装いとしての難しさ”です。

「クールビズの着こなしのコツ」であったり、「残念なクールビズスタイルの特徴!」など、クールビズに関する様々な話題がコラムとして発信されていきます。

その装いとしての難しさをどのような切り口でまとめるのか!?と言うのはコラムを書く側の人間によって異なると思うのですが、今年、積極的にクールビズスタイルに挑戦している私が感じているクールビズの装いとしての難しさは、大きく下記の2点かなと感じています。

①想定された着こなしではない
②体型がカバー出来ない

まず①ですが、ビジネスウェアの基本であるスーツと言いますのは、これまでも本Blogで取り上げてきましたように、長い年月をかけて、現状の形に至っております。そしてそこには、想定された着こなしと言うのが存在するわけです。

従いまして、「ネクタイをしないスーツスタイル」と言うのは本来想定をされていないので、そう言った装いをすると何かが足りない!?と言う印象が(少なくとも私は)とても強くなります。

また、スーツと言うのは同色・同素材のジャケットとパンツを組み合わせたものですが、ジャケットだけとってしまって、ワイシャツにスーツの組下のパンツを穿いてみると、違和感を感じます。これは、スーツとはジャケットとパンツを組み合わせたものですから、ジャケットだけ着ないと言うのは想定された着こなしではありませんし、シャツは元来下着と言う位置づけ。そうなると、下着1枚で出歩くと言うことにたいしても、抵抗がある人はいらっしゃるように思います。

例を挙げればキリがありませんが、”装いの軽装化”に伴い、本来想定された着こなしをしない(出来ない)ことによる違和感、抵抗感、難しさと言うのが、クールビズと言う装いの根底にはあるのではないか!?と個人的には感じています。

そして難しさの2つ目が、上記②に記載の体型がカバーできないと言うもの。ジャケットのあるスーツであれば、肩幅や身幅、ウエスト、腕の太さ、着丈などを調節することによって、”理想に近い体型を作り出す”ことが出来ます。

これは何もビスポークではなくとも実現可能で、日本のメーカーによる既製品は日本人の平均的体型を考慮してサイズ展開が行われておりますが、この際も、理想となるバランスでパターンがひかれ、生産が行われます。つまり、フィッティングと言う観点では限界がありながらも、ある程度の体型補正を行ってくれるのが、スーツ(ジャケット)なわけです。

これに対して、装いを軽装化して涼しさを手に入れることの代償として支払うのが、体型を補正すると言う機能です。薄手のものになればなるほど、自らの体型がモロに出てきますし、本来は見せたくないものまで見えてしまうことに繋がってしまうわけですね。

個人的には上述したような切り口で「クールビズの装いとしての難しさ 」をまとめてみたのですが、本Blogは一応ファッションブログの形をとっておりますので、上記②に記載した内容を解決する方法は、他の筋肉系のブログに譲りたいと思っています。

よって、次回は自分で色々とクールビズな装いを試している中で感じたことをベースに、上記①の難しさを解消していく方法論について、書いてみたいと思います!






rm55的スタイリング:2019年SS_45:カットソー×ジャケットスタイルをする際のルール!?

こんにちは!
本日は第45回目となりました、私rm55のスタイリング(装いや着こなし)についてご紹介しようと言うコンテンツである「rm55的スタイリング」をお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■TPOとスタイリング
さて、本日取り上げますのは、7月中旬のとある週末のスタイリングです。7月中旬は今のような暑さではなく、またこの日の天候は曇り。近場の商業施設をうろつくにあたって、こんな装いをしておりました。

ジャケットはCantarelli(カンタレリ)のリネンのチェック柄ジャケット(ベージュ)にマジェスティック・フィラチュールのヘンリーネックカットソー(グレーネイビー)をイン。
rm55的スタイリング:2019年SS_45:カットソー×ジャケットスタイルをする際のルール!?_①

パンツはシヴィリアのコットンカーゴパンツ(ベージュ)に、足元にはグッチのビットコインローファー(ブラウンスエード)を合わせています。
rm55的スタイリング:2019年SS_45:カットソー×ジャケットスタイルをする際のルール!?_③

■あとがき
ジャケットのインナーにシャツではなくカットソーを合わせるスタイリングと言うのは、個人的な印象ではIT企業の社長やサッカー選手などのスポーツ選手がイベントや記者会見時によくするスタイルと言ったイメージがあります。

カットソー1枚ですとカジュアルですが、その上にジャケットを1枚羽織る事で、ドレス感、ちゃんとした感が出てきますよね。スポーティで爽やかなんだけれど、ちゃんとした感を出したい時には選択肢の1つとして考え得る着こなしなのかもしれません。
rm55的スタイリング:2019年SS_45:カットソー×ジャケットスタイルをする際のルール!?_④

ところで私はトータルとしてのバランス感とメンテナンスの観点から「カットソー×ジャケット」と言う装いをすることは滅多にないのですが、ジャケットの下にカットソーを合わせる際には下記の2つのルールを設けています。

①カジュアルなジャケットであること
②クリーニングに出せること

まず①ですが、本来ジャケットと言いますのはシャツの上に羽織ることを前提に生まれております。よって、そのような着こなしを前提に仕立てられたジャケットの下にカットソーと言うカジュアルなアイテムを合わせながら全体のバランスを整えるのは、高度なセンスが求められると思っています。

特に、英国よりのスタイルがお好きな方であれば尚更注意が必要で、肩まわりが構築的な、カッチリと仕立てられたジャケットのインナーにスポーティな雰囲気を持つカットソーのようなアイテムを持ってくると、両者がケンカをして違和感が強くなるように思います。

逆に言えば、例えばSOLIDOのようにストレッチ素材を用いて、最初からスポーティに着ることを前提に仕立てられているジャケットであったり、ニットジャケット、シャツジャケットのようなカジュアル色が強いジャケットであれば、カットソーなどとの相性も良く、大きな違和感を生むことなく装うことが出来るのではないでしょうか。

また、上記②の観点は以前から本Blogでは取り上げて来たことですが、シャツの襟の存在や袖をジャケットの袖丈よりも1.5cm前後長くとる理由の裏側には、皮膚が直接ジャケットに接することを抑止することで、ジャケットの汚れを抑えると言う歴史的な工夫があったりするわけです。

特に職人さんの手仕事によって仕立てられたジャケットの場合はプレス1つで着心地が変わってしまうことがありますので、そう言ったこだわりあるジャケットであれば尚更、皮膚とジャケットとが直接接して、クリーニングに出さざるを得ない着こなしは避けた方が無難だと思っています。

そう言う意味では、今回は上記2つのルールをしっかりと順守しています。

もうだいぶ昔に購入したカンタレリのジャケットはリネン100%かつ、大柄なウィンドウペンが目を引くベージュカラーのカジュアルジャケット。
rm55的スタイリング:2019年SS_45:カットソー×ジャケットスタイルをする際のルール!?_②

また、マシンメイドな上、購入してから相当の時間が経過しておりますので、子供に汚されても全く動じないと言う、クリーニングも怖くはなく、もっと言えば自宅で洗濯機に入れて(実験的に)洗ってみようかな!?と思うほどのアイテムです。

もしジャケットのインナーにカットソーを合わせたい!とお考えの方は、是非、合わせるジャケットの持っている雰囲気や、着た後に気軽にクリーニングに出せるのか否か?と言うメンテナンスの観点を踏まえて着こなしを考えられてみると、安心して、狙い通りの!?装いが楽しめるかもしれませんよ!?






※本記事の内容は素人であるrm55独自のセンス、感性、見解に基づいております。プロのスタイリストのような正しい知識に基づいた装いに関する記述でありませんので、あくまで個人の趣味のブログとして捉えて頂ければ幸いです。