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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)

こんにちは!
本日はこれからの秋冬コーディネートにおいてアクセントを加えてくれるアイテムを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール
先日南青山にあるセレクトショップのSharonさんにおいて開催された、サルトリア ソリートのトランクショーに訪問してきたことは記事(※)としてお送り致しました。
※「Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケットの納品!

その際、既にご紹介しておりますサファリジャケットの納品や、現在仕立て頂いておりますスーツやジャケットの仮縫い、中縫い等を行って頂いたわけですが、最後にナポリにあるソリートのアトリエに置いてある巻物(ストール)もご紹介頂きました。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_③

ソリートのトランクショーでは時期やタイミングなどによって、ソリート・オリジナルのネクタイやストールなどが限定販売されることがあります。これまでもヴィンテージ生地等を使ったネクタイやストールなどを購入してきたのですが、今回もルイージ氏が持参したと言うオリジナルのストールが、トランクショー開催時限定で販売されておりました。

前回購入したのは、60年代のヴィンテージファブリックを使って仕立て上げられたと言うダブルフェイスのウール×シルクのブラウンカラーのストール。色や柄、雰囲気がとても良く、使い勝手も良かったので今回も購入することに。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のヴィンテージ ウール×シルク ダブルフェイスストール(2017AW)_⑧

私はトランクショーの最初の時間帯に訪問しておりましたので選択肢が多く、非常に悩んだのですが、あれこれ考えた末に選んだのは、ネイビーカラーのウール×シルク生地にクラシックな紋様がプリントされた、こちらのストールになります。

今回はヴィンテージ生地ではないのですが、それでも雰囲気は抜群。ブラウンベースはやっぱりカジュアルなので、もう少しドレス度の高いネイビーがあると着こなしによって使い分けることが出来るなと言うことでセレクト。大柄ですが、大人が使いやすい雰囲気であることに加えて、特徴の1つがダブルフェイスであること。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_①

個人的なスタイルとしてはオン、オフともにドレスよりのスタイルが多いので、裏地にも柄が入っておりますとドレス度を損ないませんので、非常に使い勝手が良いのです。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_②

ちなみに珍しく!?ストールについていたブランドタグは旧ロゴでした。このあたりはナポリのブランドですね。(笑)ちなみに、生産は本Blogをお読みの方であれば誰しもが知っているであろう某ブランドと同じファクトリーが手がけておりますので、端の処理なども含めてとても美しい仕上がりとなっています。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_③

■大人の巻物はダブルフェイス!?
さて、気温が下がってくるこれからの季節は服好きにとっては装いが最も楽しくなる!?季節の1つですよね。重ね着を中心に、巻物などを用いて思わず盛り込みたくなってしまう。(笑)

真冬は首元を温めることを目的に、無地のカシミアマフラーやストールなんかを巻きたくなるのですが、本格的な寒さが到来する前の季節であれば、こういった柄物で華やかさを楽しむのもありかなと。

そのような際に、特に大人な装いにフィットすると思うのが”ダブルフェイス”のストールです。上述のとおり、裏面にも柄がしっかりとプリントされておりますので、一見どちらが表で裏なのかの判断がつきにくい。でも、それがいいんですっ!大人な装い、つまるところドレス度が高い装いにおきましては、「裏」が見えているのはあまり美しくはないと考えています。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_⑤

よって、例えばスーツであったり、ジャケパンでもドレス度が高い装いをするのであれば、裏地にもしっかりと柄入っているダブルフェイスのストールがおススメ。ダブルフェイスであれば全体のドレッシーさを損なうことなく、狙ったドレス度、装いが出来ると思っています。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_④

本当に小さいことですし、きっと裏地が見えていても気付く方、また気にされる方はいないのかもしれません。それでも、そんな小さな点にこだわって自分だけの装いを楽しむのが大人!?だと思いますので、同じような価値観を持っていらっしゃる方は、是非、今年の巻物にはダブルフェイスを選ばれてみてはいかがでしょうか。
大人の巻物はダブルフェイス!?:SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のウール×シルク ダブルフェイスストール(2019AW)_⑤

ちなみに、表と裏の柄の雰囲気が異なれば、それぞれの装いに応じてフィットする方を”表面として使う”と言う、1度で2度美味しいと言う側面もありますので、お買い得感もあるはずですよ!?














職人になるには、何年間の修業が必要なのか!?

こんにちは!
本日は「職人になるには、何年間の修業が必要なのか!?」と言うテーマを掲げて、コラム的にお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■一人前の職人になるには何年間の修業が必要なのか
さて、普段私が好き好んで身に着けている職人さんによるハンドメイドの服や靴。このところ日本人の職人さんも増えてきており、中には世界を股にかけてご活躍されていらっしゃる方もおりますね。

最近は雑誌やネットメディアなどを見る機会がないので、正直最新の情報は持っておりません。ただ、以前は日本人の職人さんがメディア等に取り上げられれば、興味を持った方は特に、その方のバックグラウンドなどを含めて可能な範囲でチェックしておりました。

メディアに取り上げられる方の多くはまだお若く、海外にて修行をされたと言う方が圧倒的に多い。ただ、よくよく調べてみると、滞在期間は数カ月であることも結構あり、数年間と言う単位で長期滞在された方は意外にも少ない。その理由の多くは就労ビザがおりないと言うこともあるでしょうし、賃金が安いので、長期間滞在することは難しいと言う経済的な事情もあるのだと想像します。

でも、例え数カ月であったとしても海外経験がありますと”経歴”としては華やかに見えますので、日本に帰国をすると「海外で修行をしてきた職人」と言う形で大きく取り上げられることになるのです。

私自身は職人ではありませんが、新卒入社数カ月で仕事が一人前に出来るビジネスマンになれていたか!?と振り返ってみますと、それは残念ながら無理でした。私が新卒で入社した会社でそこそこ認められ、更には所属した業界の全体像が見えてきたのは、入社後3、4年くらい経ってから。

そんなことを考えますと、いわゆる一人前の仕事が出来る服や靴の職人になるには、一体どれくらいの修業期間が一般的には必要なのだろうか!?と言う疑問がふと沸いてきたのです。

■一人前の職人になるには10年が必要
そこで、トランクショーなどの際にお話をする機会のある、サルトリア・ソリートにおいてフィッターやカッターとしてご活躍されているルイージ・ソリート氏に直接質問をぶつけたことがありました。「一人前の職人になるには、どれくらいの修業期間が必要なのか?」と。
サルトリアソリートのトランクショー201702_⑧
※写真はジェンナーロ・ソリート氏(Sharonさん及びソリート氏の撮影・掲載許可を得て掲載しています。)

その答えは、こうでした。

「10年。ただし、ものすごくセンスなどがある人は5年くらいでものになる。」

もう少し丁寧に記載しますと、顧客の体型把握からカッティングやフィッティングを行い、縫製までを仕上げると言う、単に服を仕立てると言うことであれば、もっと短期間でも出来るとのことでしたが、様々な体型のお客様に対して、常に一定レベル以上の服を安定して仕立てるには、やはり最低でも10年間は必要だと言うことでした。

たしかに服に限らず、日本の伝統的工芸品の職人さんなんかにお話を聞いても、最低でも10年間の修業は必要と言うことはよく耳にします。

ちなみに、ルイージ氏はどれくらいの時間がかかったのか!?と聞いたところ、5年位だと言うことでした。それはルイージ氏にセンスがあったからなのだと思ったのですが、ご本人としては、父であり、サルトリア・ソリートをナポリの4大サルトの地位にまで押し上げたマエストロであるジェンナーロ・ソリート氏の仕事を、子供の頃から毎日横で見て来たことが大きいと仰っていました。

では靴はどうなんだろう!?と言うことで、これまた私がお世話になっているイルクアドリフォリオを主催する久内敦史氏にも同じ質問をぶつけてみた事があるのですが「日本人は手先が器用なので、5年間くらいである程度のレベルの靴づくりは出来るようになる」と言うお答えでした。
il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)のトランクショー_中縫い編②
※Sharonさん及び久内氏の撮影・掲載許可を得て掲載しています。

久内氏は私が知る中では海外における修業期間が比較的長く、イタリアには4年半くらい滞在されていたと伺っています。ちなみに、日本で貯めていったお金は早々になくなってしまい、飲食店で深夜までアルバイトをしながらやりすごしたとのこと。。

いずれにせよ、一人前の職人さんになるには最低でも10年、センスがあり、また手先の器用な日本人であったとしても5年以上は必要と言うのが実際のところなのかなと理解しています。

■信頼できる(ショップ)職人さんに依頼する
と言うことで、一人前の職人さんは1日にしてならず。ビジネスマン以上に!?非常に長い時間をかけて、技術や能力を洗練させていくと言うことが分かったわけですが、では海外において数カ月間しか修行をしてない職人さんは本場の技術が備わっている可能性は低いから依頼すべきではないのか!?と言いますと、必ずしもそうは思いません。

その理由は、日本においても当然修業した期間はあると思いますし、また職人さんの持つ「技術」は納品物に対して満足感を覚える上で重要な要素ではありますが、それ以上に重要なのは(ビジネスと一緒で)信頼できる人か否かである、と個人的には考えているからです。

例えば、修行年数が少ない職人さんの中には、実際には全ての工程を自らでは完結出来ない職人さんも存在します。そういう方は、当然ながらその工程を外部に出すことになるわけですが、表向きは全て自分でやっている「テイ」になっている・・・。

また、伝統的なクラシック仕立てのビスポークと言う「テイ」で、3ケタ近くにもなる金額を請求するにもかかわらず、本来のクラシックな仕立てではなく、工程を省いた仕立てになっているスーツも存在する・・・。もちろんそのことはお客さんには開示されません。

これは服好きにとってはあまりにも残念な出来事です。

個人的には1人の職人さんが全ての工程を完結させる必要はないと思っていますし、伝統的なクラシックな仕立てのビスポークではなくとも良いスーツやジャケット等は存在する(※)と思いますので、工程を省くこと自体は構わないと考えています。ただ、それであれば顧客が勘違いをしてしまうような表現はさけるべきだと思いますし、判断が出来るように、しっかりと開示・説明すべきと言うのが服好きとしての個人的な想いです。
※価格とのバランスですが・・・。

例えば世界でご活躍されていらっしゃる日本人の靴職人である福田洋平氏は、全ての工程を自分1人でやってはいないことを公言しておりますし、確か外注も使っている(※)と思います。
※ラインによる

実際私も大分昔にアトリエへお邪魔した際、分業で靴を仕立てていることを福田氏ご本人から直接ご説明頂いておりました。それでも、あれだけ美しい靴を仕立てていらっしゃいますし、顧客からの信頼もあり、世界的にも評価されているわけです。

インターネットの出現により世界がより小さく、相互に繋がってきた今、何かを隠すことは困難な世の中になっていますし、人的リソースの流動化は、それをより強めているようにも思います。

また、日本から遠く離れた海外、例えばイタリアのことは消費者には分からないらと言うことで”作られた情報”を流しても、先日記事(※)としても取り上げましたように、SNS等を通じて現地の事情を知る方とコミュニケーションをとりますと、このブランドは実際にはココが作っていると言う話や、ブランドの現地における位置づけ、評価は実はこうだ!「Made in Italy」と表記されているけれど、実際には・・・と言う、表面上は出ていないリアルな情報が分かってしまうのです。
※「世界のビスポーク事情!?

服は人を幸せにする力がある。

一服好きとしてはそのように強く思っていますし、実感もしています。だからこそ、服を心から愛する方々とともに、信頼することの出来る職人さん、そしてショップ、更には服好きの方々との繋がりを大切にしながら、ファッションライフを安心して、楽しんでいければと思っています。






rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。

こんにちは!
本日は第50回目となりました、私rm55のスタイリング(装いや着こなし)についてご紹介しようと言うコンテンツである「rm55的スタイリング」をお送りしたいと思います。

なお、最近ようやく朝晩のみならず、日中を含め、ジャケットの着用やネクタイを締めていても快適に過ごせるような季節になってまいりましたので、今回から秋冬のスタイリングへと切り替えていきたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■TPOとスタイリング
さて、前回の「rm55的スタイリング」では、「ドレス度が高い装いには、季節感は不要!?」と言うテーマを掲げ、メンズドレスファッションにおけるルールなどを交えながらお送りしたわけですが、本日は「秋感」と言う季節感を取り入れたスタイリングをいくつかご紹介したいと思っています。

つまり、TPO的には高いドレス度が求められないシーンが前提です。

本Blogではこれまでも述べてきましたが、季節が移ろう時期と言うのは、いきなり全てのアイテムを入れ替えることは非現実的。1日の中でも気温の高い時間、低い時間が存在しますし、日によっても気温の高低は変化するからです。

よって私の場合、まずは季節を意識した色を取り入れながら、次にネクタイを素材感があるものに変え、更に、この時期であれば春夏モノを使って重ね着などを行いながら、徐々にアイテムを秋冬モノに入れ替えて行くと言うアプローチをとっております。

本日ご紹介するのは、季節が夏から秋へと移ろい始めた初期のスタイリング。よって、色合いであったり、ネクタイのみ秋冬モノを取り入れることで季節感を表現、楽しんでいる装いとなります。

まずはこちら。使用している全てのアイテムは春夏モノなのですが、雰囲気としては秋感を感じることが出来るのではないか!?と思っていたりします。

サルトリア・シャロンのチェック柄ジャケット(エルメネジルドゼニアのウール×シルク×リネン)に、ルジェッロのホワイトドレスシャツ、ネクタイはE.G.カペッリのボルドーカラーのシルク小紋柄タイ、ポケットスクエアはG.イングレーゼ(ホワイト・リネン)です。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_③

これに、パンツはサルトリア・シャロンのブラウンカラーのウールパンツ(スタンドイーヴン)、靴はイルクアドリフォリオによるブラウンカラーのストレートチップを合わせています。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_②

続きましてこちらは、サルトリア・ソリート(Solito house exclusive per Sharon )のウール×モヘアのブラウンカラースーツ(44)に、ルイジ・ボレッリのコットン×リネン ブラウンストライプ柄シャツ、ネクタイはE.G.カペッリのライトブラウンカラーのシルク小紋柄タイで、トリミングのポケットスクエアはG.イングレーゼ(コットン)。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑨

足元には、エドワードグリーンのブラウンカラーのローファー(ピカデリー)を合わせています。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑧

全てを春夏モノを使っている装いに対して、下記はネクタイに秋冬モノを取り入れたスタイリングです。

スーツはサルトリア・シャロンのゼロワンモデルの相物生地で仕立てて頂いたネイビーのシャドーストライプ柄で、シャツはレスレストンの既製品のグレーマイクロストライプ柄ドレスシャツ。ネクタイは秋冬物として今期購入をしたフランチェスコマリーノのグレーベースにブラウンカラー・ペイズリー柄タイ(シルクジャカード)、ポケットスクエアにもグレーカラーベースのISAIA(リネン)を入れています。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_④

なお、足元には先日納品を頂いましたイルクアドリフォリオのセミブローグシューズ(ダークブラウン)をセレクトしました。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑥

同じサルトリア・シャロンのスーツであっても、もう少し素材感のあるネクタイを使ったのが、こちら。シャツはアヴィーノラボラトリオナポレターノの白抜きのサックスカラーベースのストライプ柄シャツで、タイはフランチェスコマリーノのコットン×ウール×シルクのストライプ柄タイ、ポケットスクエアはG.イングレーゼのリネンです。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑫

足元にはイルクアドリフォリオのブラウンカラーのストレートチップをセレクトしています。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑪

更に、冷え込みを感じた昨日始めたのが、レイヤード(重ね着)スタイル。着納めと言うことで、冒頭にご紹介をしたものと同じサルトリア・シャロンのチェック柄ジャケットをベースにルジェッロのドレスシャツ(ホワイト)、ブラウンカラーのコットンジレはグランサッソで、ネクタイはフランチェスコマリーノのウール×シルク×ナイロンの花小紋柄タイ、ポケットスクエアはG.イングレーゼです。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑭

これにパンツはインコテックスのコットン×リネンパンツ(ベージュ)を合わせ、足元にはエンツォボナフェのセミブローグシューズ(ブラウンスエード)を合わせました。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑮

■あとがき
上記のように、季節感を色、柄、素材、レイヤードなどを使いながら表現していくのですが、一般的にはやはりパッと見で分かる色による季節感の表現が分かりやすいかなと感じます。

冒頭に取り上げました2つのスタイリングは、それこそ全て春夏アイテムではありますが、秋を想起させるブラウンカラーであったり、紅葉をイメージさせるボルドーなんかを使っておりますので、秋のスタイリグとしても受け入れて頂ける方は多いように思います。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_①

次に、サルトリア・シャロンのゼロワンモデルのネイビースーツを使ったスタイリングですが、こちらは秋冬タイながらシルク100%のグレーベースにブラウンのペイズリー小紋柄タイと言うことで、季節感はちょっと伝わりにくいかもしれません。ベースがヘリンボーン柄になっていたり、スーツも直接見ると生地にやや厚みがることはうかがい知れるのですが、服好きでないと分かりにくい。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑤

その点、ネクタイの素材にコットンやウールが混紡されてきますと、一気に秋感が強まりますし、レイヤードを用いますと、色に加えて分かりやすい秋感が出せるかなと感じました。
rm55的スタイリング:2019年AW_50:秋冬のスタイリング、はじめました。_⑬

この週末あたりには衣替えを行い、来週以降はネクタイのみならず、スーツやジャケットなどにも秋冬アイテムを用いた、本格的な秋冬の装いが楽しめるのではないか!?と非常に楽しみにしています。

インスタグラムなんかでも徐々に秋の装いを始めていらっしゃる方が増えておりますので、今後も様々なインスピレーションを頂きながら、深まる秋の装いを堪能してきたいと思います!






※本記事の内容は素人であるrm55独自のセンス、感性、見解に基づいております。プロのスタイリストのような正しい知識に基づいた装いに関する記述でありませんので、あくまで個人の趣味のブログとして捉えて頂ければ幸いです。


サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット

こんにちは!
本日は、先日ご紹介させて頂きました、Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるビスポークのサファリジャケット着用イメージをお届け出来ればと思います。

それでは、まいりましょう。

■サファリジャケット×タイドアップスタイル
さて、サファリジャケットの起源がドレスではなくスポーツ(カジュアル)にあることは、そのデザインからも容易に想像がつくものと思うのですが、納品時の記事でも記載させて頂きましたように、今回仕立てて頂いたサルトリア・ソリートのサファリジャケットは3つのパッチ&フラップ付きのプリーティッドポケットで構成されています。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑭

カジュアル感の強い4ポケットではないことに加えて、サファリジャケットに使われることの多い(アイリッシュ)リネンやコットン生地ではなく、ウール(フレスコ)生地であることから、サファリジャケットとしてはドレス度が高め。

と言うことで、まずはタイドアップスタイルから楽しんでみようということで、先日こんなスタイルで出勤をしてみました。

ソリートのサファリジャケットに合わせたのは、私の所有する白シャツの中では最もカジュアル色が強い、ジャンネットのコットンシャツに、E.G.カペッリのウール・ホップサックタイ(チャコールブラウン)、
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_①

パンツにはインコテックスのコットン×リネンパンツ(ベージュ)を用いて、足元にはエドワードグリーンのローファー(ピカデリー)を合わせました。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_⑧

タイドアップで着てみる!とは言え、流石に外部の方とお会いする際に着用する勇気はありませんでしたので、TPO的にも、天候的にも問題なさそうそうな日を選びました。その際、ドレスジャケットではないのでガチのドレスシャツではなく、洗いがかかっており、ビジュアル的にもカジュアル感の強いジャンネットのシャツを久々に投入。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_⑥

ネクタイは春夏生地のウールタイで、ホップサック織のためにカジュアル感がありますが、チャコールブラウンと言うダークトーン故に全体をしっかりと抑えてくれます。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_②

ちなみに、いつものプレーンノットに合わせたのは、カジュアルなアシンメトリーディンプル。締め方の動画をインスタグラムに載せておりますので、気になる方は是非ご覧ください。



なお、パンツは濃い色合いの生地でも合わせることは出来ますが、ジャケットの色が思ったより暗いので、ダークトーンな装いは秋がより深まってからにするとして、今回は明るめのトーンのパンツを採用。今の時期にはこちらのトーンで良かったのではないかと考えています。

■シルエット&着心地
実際に着てみますと、生地にハリ、コシがあることも影響しており、スポーツジャケットとは思えないほどのドレッシーな美しいシルエットを描き出します。ウエストの絞りや肩のラインなんかも非常に綺麗です。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_⑦

硬めの生地ですが威圧感を強く前に出すことなく、優しく美しいラインで上品に魅せることが出来るのは、スポーティなスタイルを得意としているサルトリア・ソリートならでは。個人的にはドレスよりのスタイルが多いので、私にとりましては、まさに理想のサファリジャケットかもしれません。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_④

そして肝心の着心地ですが、そこはナポリの4大サルトの一角を占めるソリート。安定の心地良さ。ただ、柔らかい仕立てとは言え生地の影響はありますので、私の所有する中では生地の硬さを若干感じます。なお、同じヴィンテージ生地(マーチンソンのフレスコ:80年代)でソリートのスーツをビスポークされた方からは着こむと体に馴染んで柔らかくなると教えて頂きましたので、そんな経年変化も楽しみなジャケットでもありますね。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_③

なお、サファリジャケットとは言え、その本質的な造りは他のテーラードジャケットやスーツとなんら変わりません。カマもしっかりと入っておりますので、腕を上げたり、動かしても身幅のラインが崩れることなく、ジャケットがしっかりと身体に寄り添います。このあたりは、流石の仕事ぶり。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_⑨

個人的には初の春夏生地でのオーダーでしたが、非常に満足感の高い1着となった事は間違いありません。今後も春夏から秋にかけて使える色や生地感で良いものがあれば、チャレンジしてみても良いかもしれないと感じました。
サファリジャケットをドレッシーに着る!:Sartoria Solito(サルトリア・ソリート) ビスポーク サファリジャケット_⑤

これから本格的な冬が到来する前までに、他のタイドアップスタイルや、カジュアルスタイルなんかを存分に楽しんでみたいと思います!






rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②

こんにちは!
本日は2019年AWアイテムとしてNew Inした、今季3本目となるネクタイを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■rm55的ネクタイの買い方
さて、季節が移ろうのに合わせ、毎シーズン新たなアイテムが店頭には並ぶわけですが、ここ数年程、シーズン最初の買い物はネクタイと決まっております。

たかがネクタイ、されどネクタイ。

首からぶら下がっているだけの、特段の機能性を有しないアイテムではありますが、そこには当該シーズンにおけるトレンドのエッセンスを絶妙に感じ取ることが出来るので、ネクタイを新調するだけでもその時のトレンド感を愉しむことが出来ます。

また、小さい面積ながらも人の視界に入りやすいアイテムであることから、色や生地感によって季節感を表現することも出来る、実はメンズドレスファッションにおきましては最も投資対効果を得ることの出来るアイテムがネクタイではないでしょうか。

このような中で、その投資対効果をより高める観点から私がシーズン最初にネクタイを選ぶ際に行っているルールがあります。

それは、スーツにもジャケパンにも使うことの出来るネクタイを選ぶ!と言うもの。

世の中に売られているネクタイには、これは「スーツ用」、これは「ジャケパン用」と言う記載はありません。よって、その辺りを意識せずに購入されていらっしゃる方も多いと思うのですが、実はスーツには合わせにくいネクタイ、ジャケパンよりもスーツの方が合うネクタイと言うのが存在します。

その基準は、いつもながら!?「ドレス度」によります。

一般的にスーツはドレス度が高く、ジャケパンはカジュアル度が高くなります。よって、例えば無地であったり、ペンシルストライプ柄の梳毛のスーツには、色が派手であったり、素材感が強かったり、柄が大柄のネクタイと言うのは合わせにくいと思っています。そう言ったスーツであれば、色が落ちついており、素材感が控えめ。柄も小さな方が適切だと考えています。

これに対してジャケパンスタイルは、ドレスよりにもカジュアルよりにも装うことが容易なので、受け入れることの出来るネクタイの幅も広いのですが、ドレス度の高い無地のツイルシルクタイなんかは、ジャケパンよりもスーツの方がフィットするように感じています。

もちろんスーツと言ってもカジュアルよりのスーツもありますので一概には言えませんが、基本的にはスーツとジャケパンスタイルにはドレス度に差があるという前提で、それぞれのドレス度に合ったネクタイを合わせるのが、美しく装う上での基本だと思っています。

そんな装いにおける着こなしの考え方を元に考えていきますと、私としましては、スーツにも合わせやすく、ジャケパンにも違和感のない、両方の装いで使えるネクタイを揃えたくなるわけです。もちろんそれは、利用可能なシーンは少ないよりも多い方が使い勝手が良いと言うシンプルな理由から。

従いまして、シーズンの最初に揃えるのは、スーツとジャケパンの両方のスタイルに合わせ易い、ドレス度が高すぎず、かと言ってカジュアル色が強すぎないネクタイとなりますね。

と言うことで、この2019年AWシーズンの3本目として選んだのが、こちらのネクタイです。

■E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ
メーカーはお馴染みの、イージー・カペッリ。色はパープルがかったネイビーがベースとなっており、前回ご紹介したネクタイと同じくシルク100%ながらマットな質感なので光沢感はなく、ヴィンテージ感のある渋い雰囲気となります。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_①

柄はクラシックなスクエアの小紋柄。柄のサイズも大きすぎず、小さすぎずと言うことで、スーツにも合わせられますし、ジャケパンに合わせても違和感はありません。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_②

仕様はトレピエゲ(3つ折り)のスフォデラータ(裏地無し)、剣先のみ芯無しです。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_③

先日ジャケパンスタイルに合わせてデビューをさせてみましたので、実際の着用画像もご紹介したいと思います。合わせたのは、サルトリア・ソリートのビスポークジャケット(ネイビー)に、アヴィーノラボラトリオナポレターノのシャツ(38:サックス)、ポケットスクエアはG.イングレーゼのリネン(サックス)です。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_④

ちなみにパンツはパスクワーレ・モーラ氏によるレスパーデのグレーのウールパンツに、足元はエドワードグリーンのタッセルローファー(ブラック)と言う装い。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_⑥

今回はジャケパンの中でもドレス度の高い装いです。色もネイビー×グレー×ブラックと言う、メンズドレスファッションにおける王道のカラーコーディネートですし、ビスポークジャケットもパッチポケットではなく切りポケ仕様と言うことで、ドレッシーに装うためのディティールにして頂いております。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_⑦

今後はスーツにも合わせてみたいと思っておりますが、きっと違和感なく、綺麗に納まってくれるものと思っています。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_⑤

ところで本日ご紹介をしたカペッリのネクタイですが、個人的な好みから言うと若干芯材が薄く、ノットが理想より一回りほど小さくなります。前回ご紹介をしたカペッリのシルクプリントタイに比べると、若干生地厚が厚いのか、ややハリ感を感じるので芯材を薄くしたのかなと思って比べてみますと、今回は1枚芯、前回ご紹介したネクタイは2枚芯でした。
rm55的ネクタイの買い方:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW②_⑧

ネクタイを締めている最中に若干薄いなと感じたの感覚は、やっぱり間違っていなかった。こだわりを持つことは素敵なことだとは思いつつ、コダワリが強くなると、大変なこともあるかもしれないと思った出来事でした。(笑)

最後は話がずれてしまいましたが、スーツとジャケパンの両方の装いをする私rm55の、シーズン最初のネクタイの選び方をご紹介しました。

なお、シーズン後半で揃えるネクタイはチャレンジングな色、柄であったり、ジャケパン専用のカジュアル色の強いものを選ぶ傾向がありますので、汎用性の高いものからより専門的?な着こなしに合うネクタイを揃えているというのが、rm55的ネクタイの買い方の正確なところでしょうか。












Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケットの納品!

こんにちは!
先日10月4日(金)から6日(日)にかけて南青山にあるSharonさんにて開催されておりました、サルトリア・ナポレターナを代表するジェンナーロ・ソリート氏とその息子であるルイジ・ソリート氏が率いるSartoria Solito(サルトリア・ソリート)のトランクショー。本日は、その際に受け取ったアイテムをご紹介したいと思います。

それでは、まいりましょう。

■サファリジャケット
実は3年半くらい前に、サファリジャケットが無性に気になっていた時期がありました。実際に記事としてもお送りしており、本Blogをお読み頂いている方に対しても幅広く情報を求め、バタクさんやコルウさん、更にはシャツで著名なアンナマトッツォでもサファリ(シャツ)ジャケットが仕立てらると言った貴重な情報を頂いておりました。

個人的にはバタクさんのサファリジャケットはクラシックなザ・サファリジャケットと言うデザインでカッコ良いなと感じていたものの、やや本格感が強めな印象もあり、悩んでおりました。

そのような際に、ジャケットと言うよりもアウタータイプなのですが、私のスタイルに近いモダンさのあるサファリ(ブルゾン)ジャケットと出会う事が出来、ワードローブに加えておりました。
ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のスエード サファリブルゾン_着用イメージ④
※「男らしさと上品さの間で:ENRICO MANDELLI (エンリコ・マンデッリ)のスエード サファリブルゾン

もちろんエンリコ・マンデッリのスエード サファリブルゾンも大変気に入っているのですが、やっぱりジャケットタイプのものも欲しい・・・。

昨年あたりはサファリやコロニアルと言ったキーワードがトレンドの最前線に上がってきた関係でジャケットタイプのものやシャツタイプの物がマーケットに多数出てきており、可能な範囲で見て回ったのですが一歩踏み出すまでにいかず・・・。

やっぱりトレンドアイテムと言うからにはトレンド感が重要なので、サファリジャケット感が強くなる4ポケットの物が圧倒的に多いのです。また、コメントで教えて頂いたシャツタイプのものは程良く力の抜けた感じが絶妙かなと感じていたのですが、ベースがシャツだけに自分の体型が出やすく、あまり好きではない自分の肩回りのラインがそのまま出てしまうかたちとなり、半ばあきらめていたのです。

このような中で、偶然にも普段お世話になっているSharonさんにおきまして貴重なヴィンテージファブリックと出会う事が出来、それを見た瞬間にイメージとして浮かんだのがソリートによるサファリジャケットでした。

個人的にはサファリジャケットの利用頻度などを考えるとRTW(既製品)で購入出来るのがベストだったのですが、ヴィンテージ生地との出会いは一期一会であり(笑)、パッと頭にソリートのサファリジャケットが浮かんだのも何かの縁だと考え、ファーストインスピレーションのまま、サルトリア・ソリートにてビスポークをお願いすることと致しました。

■サルトリア・ソリートで仕立てて頂いたサファリジャケットが納品!
さて、これまでビスポーク(ス・ミズーラ)と言えば、着用期間を長くとることの出来る秋冬生地を選んできたのですが、この度、上述したような背景もあり、初めて春夏ものの生地で仕立てて頂きました。

そして先日のトランクショーにて念願のサファリジャケットを無事に納品頂きました♪もともと、仕立ての工程がビスポークと同じ既製品のラインである「Solito house exclusive per Sharon」ではサファリジャケットのモデルは存在していたのですが、偶然にも良い生地と出会えたと言うことで、生地ありきでオーダーを入れさせて頂いた次第です。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_①

今回選んだ生地は、高級紳士服地毛織物の産地として有名なイギリスのハダースフィールド(ヨークシャー)において1859年創業したマーチンソン(Martin & Sons)のヴィンテージのフレスコ!フレスコはもともとマーチンソンが開発、商標登録をしているファブリックですが、今や一般名称としても広く使われていたりしますね。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑦

なのでフレスコと言えばマーチンソンであり、マーチンソンを代表するファブリックと言えば、フレスコなわけですが、もともと英国的な重厚感のあるファブリックを生産して来ただけに、ハリ、コシのある、しっかりとした生地感が特徴です。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑯

色は濃いベージュと表現するのが一番フィットするかなと。個人的にはまさにサファリジャケットを仕立てて頂くのにぴったりの色合いではないかと思っていたりします。ちなみに、ジャケット1着分のみが残っておりましたので、まさに奇跡の出会い!?
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_②

生地としては結構硬めの部類ですが、ソリートにかかるとご覧の通り、優しく丸みを帯びたナチュラルなショルダーラインが出来上がります。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_③

サファリジャケットはテーラードジャケットとは起源が異なり、元来スポーティなジャケットですので、クラシックの中でもスポーティな雰囲気を持つソリートとの相性は良いのかもしれません。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑧

そしてサファリジャケットとして特徴的なディティールが、パッチ&プリーティッド・フラップポケット。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_④

今回は4ポケットではなく、通常のテーラードジャケットと同じくチェスト1つ、ウエスト2つの計3つのパッチ&フラップ付きのプリーティッドポケットが配置されております。4ポケットではないので、限りなくテーラードジャケットライクに着ることが出来ると言うのが嬉しい点。週末はもちろんですが、カジュアルフライデーなんかにも取り入れやすいデザインです。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑥

チェストのポケットにはフラップをつけるかどうかの確認がありました。それは、私の着こなしですとポケットスクエアを入れていることが多いから。当然フラップがあるとポケットスクエアを差し込む際には邪魔になるわけですが、サファリジャケットの場合はスクエアを用いず、スポーティなスタイルにしたかったのと、このパッチ&フラップポケットがヴィジュアル上の大きなポイントになっておりますので、フラップはつけて頂くことにしましたよ。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑤

もちろん、ラペルにはダブルステッチを採用。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑨

こちらは背面。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑩

ディティールとしてアクションプリーツが入っておりますが、デザインとしての側面が強めです。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑪

ウエストベルトはカッコ良いのですが、日常的な着こなしがやや難しくなると言うこともありますので、今回はベルトレスで。ただ、ウエストバンドがそれらしい雰囲気を与えていると思います。

ベントはセンターで切るとサファリジャケットらしい雰囲気が強くなりますが、使いやすいテーラードジャケットらしさを保つ意味でもセンターではなく、サイドで切ってあります。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑫

釦は同色系のナットボタン。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑰

そして袖ボタンは、もちろん1つ。スポーティなジャケットにはおススメのディティールです。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑬

個人的にはこれまでサファリジャケットと言えば(アイリッシュ)リネン!と言うイメージがあったのですが、今回はあえてウール(フレスコ)を選びました。私個人のスタイルを考えますと、スポーティなモデルであるサファリジャケットにはリネンを乗せるのよりも、ドレッシーさの残るフレスコの方がフィットするのではないかなと言うのがその大きな理由。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑭

しかも、3ポケットにした事でよりテーラードジャケット感が強くなりますので普段使いも躊躇することはなさそうですし、色合い的にも春から夏前、さらには秋口から本格的な冬が到来するまでは使えそうですので大変気にりました。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)によるサファリジャケット2019AW納品_⑮

今週あたりからは最低気温も20度を下回りそうですし、上も20度半ばくらいと秋がより一層深まる予感♪チャンスがあれば是非デビューさせたいなと思っておりますよ。

正直、余程サファリジャケットがお好きな方か、私のように服装規定が比較的自由な職場環境の方でないとサファリジャケットを”ビスポークする”のは難しいのかもしれませんが、トレンドの名残?でRTWでも購入出来たりしますので、気になる方は是非チェックされてみてはいかがでしょうか。









ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW

こんにちは!
本日は2019年AWアイテムとしてNew Inしたアイテムを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■ヴィンテージ・クラシック
さて、いよいよこの10月から消費税率が引き上げられ、私達の大好きなファッションアイテムには10%の消費税がかけられるようになりました。店舗によってはキャッシュレス決済による還元がありますが、それも期間は限定的。これを機に、今まで以上に欲しいアイテムを厳選しながら購入をしていこうと考えている私rm55です。

このような中で本日取り上げますのは、先日ご紹介をしたフランチェスコマリーノに続いて新たにNew Inした2019年AWの新作ネクタイ。メーカーは、本BlogではおなじみのE&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) です。

この2019年AWは、カペッリを取り扱っているSharonさんでは過去最大の入荷本数になっていると言うことで、素材や色、柄などが豊富。それこそネクタイ好きの私としましては目移りしてしまって大変だったのですが、本日取り上げますのは、ありそうでなかった!?色と柄、素材感を持つネクタイです。

それが、こちら。ネイビーベースに、クラシック感溢れるスクエアの小紋柄がプリントされています。こういった雰囲気の柄は最近よく見かけるのですが、やりすぎ感のない控え目な柄は私でも扱えそう。また、ネイビーもなんとも言えない色合いで、ヴィンテージ感を感じます。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_①

素材はシルク100%なのですが、マリーノがイタリア的な色気あるスカーフのような生地感を多用するのに対し、カペッリは英国的な落ち着きのある、打ち込みのしっかりとしたシルクを多用しています。今回もハリ、コシがあり、シルクながらマットな質感には一目ぼれ。第一印象で良いなと感じたのが、こちらのネクタイでした。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_②

仕様はいつものトレピエゲ(3つ折り)とスフォデラータ(裏地無し)、剣先のみ芯無しです。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_③

シンプルでベーシックな柄なんですが、そこにはヴィンテージ感を感じる色と素材感が詰まっており、これまでの私のネクタイコレクションの中には、ありそうでなかった1本。今期はこんなヴィンテージ・クラシック感のある雰囲気が気分かもしれません。

■実際に締めてみた
と言うことで、「買ったらすぐに使い隊」に入隊している私としましては、早速そんなヴィンテージ・クラシック感のあるカペッリのネクタイを締めて仕事に行ってまいりました。それが、こちらです。

合わせたのは、サルトリア・ソリートのストライプ柄のネイビーウールスーツ(44)に、ルカ・アヴィタービレのロイヤルオックスフォードシャツ(37)、ポケットスクエアはG.イングレーゼのサックスカラーのリネン素材です。生地と芯材との相性も良く、程よくコンパクトに絞り込めるノットに、ハリのある美しいディンプルを描くことが出来ます。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_④

こういった柄は主張が強すぎるとネクタイが前に出過ぎる気がするので難しいのですが、購入したネクタイは小紋柄のボルドーも渋い色なので目立ち過ぎることなく、全体としての納まりも良いように感じました。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_⑤

なお、靴はもちろん黒靴。ジョンロブのストレートチップ(フィリップ2)を合わせておりました。
ヴィンテージ・クラシック:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) の小紋柄 プリントシルクネクタイ 2019AW_⑥

ちなみに、インスタグラム(ID:nfld_rm55)ではご要望が非常に多かった、私が好んで締めているプレーンノット×ダブルディンプルの締め方を動画としてアップしております。



私がSharonのオーナーさんの影響で、ダブルディンプルを始めたのが5年前。その頃はまわりにダブルディンプルをされている方をお見かけすることは無かったのですが、最近はインスタグラムにおいてダブルディンプルをされる方をお見かけする機会が増えてきました。
※リアルビジネスでは、未だにダブルディンプルを取り入れてらっしゃる方にはお会い出来ずです。

そんなこともあって、ネクタイの結び方を動画でアップしてほしい!と言うご要望を大分前から頂いていたのですが、ようやくお答えできたのかなと。ちなみに、ダブルディンプルをはじめてまもなく同じようなご要望を頂いておりましたので、3年半位前には記事(※)としてもお送りしております。
※「小さなノットと、美しいダブルディンプルを作る方法!

今回インスタに挙げた動画では解説などは入れておりませんので、記事と合わせてご覧いただきますと、コツがお分かり頂けるかもしれません。気になる方は、是非チェックされてみてください!




rm55的スタイリング:2019年SS_49:ドレス度が高い装いには、季節感は不要!?

こんにちは!
本日は第49回目となりました、私rm55のスタイリング(装いや着こなし)についてご紹介しようと言うコンテンツである「rm55的スタイリング」をお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■TPOとスタイリング
さて、本日取り上げますのは9月中旬を過ぎた頃の、とある平日のスタイル。この日は普段に比べますとちょっとお硬めの打ち合わせと言いますか、ちゃんとした装いをすべきだと判断した打ち合わせがありましたので、こんなスタイルで参加してきました。

サルトリア・ソリート(Solito house exclusive per Sharon)のグレーベースのストライプ柄ウールスーツ(44)に、シャツはモンテサーロのクレリックシャツ(MTM)、ネクタイはネイビーの花小紋柄シルクジャカードネクタイ、ポケットスクエアはG.イングレーゼです。
rm55的スタイリング:2019年SS_49:ドレス度が高い装いには、季節感は不要!?_①

足元には、ジョンロブのストレートチップ(フィリップ2)を合わせています。
rm55的スタイリング:2019年SS_49:ドレス度が高い装いには、季節感は不要!?_③

■あとがき
装いの楽しみ方は多々ありますが、個人的には季節感を取り入れると言うのはファッションを楽しむための1つの大きな要素だと考えております。

よって、例えば秋のシーズンであれば初めは春夏アイテムをうまく使いながら、秋っぽい色を使うことで季節感を演出しておりますし、秋が深まってくれば徐々に素材感であったり、柄などによって季節感を取り込むことで季節を楽しんでいます。よって、装い(ファッション)と季節感は切っても切れない関係性であると思っていたりするのですが、唯一例外があります。

それが、高いドレス度が求められるシーン。言ってしまえば、装いに季節感を取り入れると言うのは、考え方としてはカジュアルです。その良い例が、冠婚葬祭をはじめとしたフォーマルなシーン。一般的にフォーマルなシーンと言いますのは、どんな季節であってもブラックとホワイトを主体として構成していきます。

もちろん季節によって生地は変化しますが、それでもやむを得ない場合を除いては、ネイビーやグレー、ブラウンと言った色モノや柄モノ、また冬のフォーマルシーンであっても毛足の長い、起毛した生地を使うことはまずありません。

つまり、ドレス度が高い≒フォーマルとするのであれば、高いドレス度が求められるようなシーンでは季節感うんぬんではなく、相手にとって失礼のない装いであったり、信頼関係を構築しやすい装い、つまるところ、あまり目立つことのないベーシックな装いと言うのが適切ではないかと考えています。

よって今回はグレーとネイビー、ブラックと言うメンズドレスファッションの中でもドレス度の最も高い色を使いつつ、ストライプ柄のスーツや、小紋柄のネクタイといったクラシックな柄、もちろん生地は毛足の短い梳毛生地で装いをつくりました。
rm55的スタイリング:2019年SS_49:ドレス度が高い装いには、季節感は不要!?_②

その甲斐あってか!?始終穏やかな空気感の中でビジネスを進めることが出来ましたし、今後も良好な関係性の中で物事が進みそうな予感がしております。

服が好きですと、どうしても凝った装いをしたくなったり、季節感を出したくなってしまうことが多々ありますが、装いの前提条件となるTPOを踏まえながら季節感の有無などを判断していければ、装いの持つチカラを最大限に引き出すことが出来るのではないかと考えています。





※本記事の内容は素人であるrm55独自のセンス、感性、見解に基づいております。プロのスタイリストのような正しい知識に基づいた装いに関する記述でありませんので、あくまで個人の趣味のブログとして捉えて頂ければ幸いです。


世界のビスポーク事情!?

こんにちは!
本日は、「世界のビスポーク事情!?」と題しまして、コラム的にお送り出来ればと思います。

それでは、まいりましょう。

■ファッションを好きになって良かったこと
突然ですが、今年の夏は嬉しい出会いが多々ございました。以前からお会いしてみたいなぁと思っていた方々と様々なタイミングが合い、お会いできる機会に恵まれたわけですが、中でもファッション好きの方々との出会いは格別。

実は私、基本的に人と会うことは苦手ではないにしても、プライベートでは積極的には行っておりません。それは旧友であっても同じで、自ら誘うと言うよりも、年末年始などのイベント時に呼ばれて久しぶりに会いに行く程度。もちろん予定が合いにくいと言う事情はあるものの、基本1人が好きなタイプです。(笑)

公私ともに、実際にお会いする方々からはそんなイメージは全然ない!と言われるのですが、やっぱり1人の方が楽なんですよね。

そのような中で、今年は幸いにして服好きの方々との交流を愉しむことが出来たわけですが、いざ楽しい時間を過ごしてみますと、人との交流ってやっぱり良いな!と改めて思うわけです。

ファッションを好きになって良かったと思うことは多々あります。当然、オトナになっても鳥肌が立つような服や靴と出会えた時、それらを身にまとうことが出来た時には最高の幸せを感じるわけですが、服を作る人、流通させる人、売る人、着て楽しむ人と言ったファッションに関わる様々な人との直接的、間接的交流こそ、ファッションが面白いと感じる根底にはあるのではないか?と最近は強く感じたりしています。

ここまで本日のテーマである「世界のビスポーク事情!?」とは全く関係のない話をしておりますが、実は先日、SNSで知り合った方とお会いする機会がございました。その方は海外在住の方であり、もちろん日本人ではないのですが、日本(東京)に行くので、時間をつくれないかと言うことでした。

きっと以前の私であれば丁重にお断りをしていたと思うのですが、今回はタイミングも良く、またその日の私のスケジュールに合わせて近くまで来てくださると言うことでしたので、お会いしてみることに致しました。

その方は、私や皆さまと同じ、大の服好き。(笑)特にドレスファッションの中でもビスポークアイテムに対する想い入れが強く、イギリスやイタリア、日本など、様々な場所で服や靴のビスポークを経験していらっしゃいます。

と言うことで、本日はその方から伺ったお話の中でも、とても興味深かった内容を取り上げながら、お送りしたいと思います!なお、当然ながらコミュニケーションは英語です。私の稚拙な英語力ですので若干細かなニュアンスがズレている場合もあるかと思いますが、本質は捉えていると思いますので、そんな点を踏まえてお読みくださいませ。

■世界のビスポーク事情!?
・ビスポークをするなら海外?日本?
ビスポーク愛好家の方の中で議論となることがあるのが、直接海外まで行って仕立てるか?それともトランクショーなどの際に、日本で仕立てるのか?と言う論点です。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のトランクショーに参加!:中縫い編①

両者において最も大きな違いが、その価格。

特にイタリアでも南部に位置するナポリのサルトの現地価格は、日本に比べると非常に安いです。日本で購入をしますと、為替にもよりますが2倍じゃ済まない。だいたい3倍前後、もしくはそれ以上と言うこともありますね。その方も日本における海外サルトのビスポーク価格には驚きを隠せないようでした。

もちろんトランクショーの際には交通費、宿泊費、更には間に入るショップなどがある場合は、アレンジメントフィーと言った手数料や利益が上乗せされていきますので、現地と同じ価格で仕立てられるわけはありません。

では現地で直接仕立てた方が良いのか!?と言いますと、その方も私の意見も「NO」でした。特に、”普通の”服好きであれば尚更です。

理由は簡単。現地に行くと、思っている以上の”コスト”がかかるからです。まず、ビスポークであれば①生地選び・採寸、②仮縫い、③中縫い、④納品と言う工程が一般的ですが、仮に①と②を1回の旅行中にやったとしても、最低3回は現地に行く必要がありますね。つまり、交通費、宿泊滞在費等がかかると。

これに加えて、ナポリのサルトは人によって価格が異なるそうです。(笑)常連さんと一見さんでは当然価格は違いますし、現金払いかカード払いかでも価格が異なってきます。

しかも、イタリアのサルトでは英語でコミュニケーションを取ることが出来るフィッターさんは稀です。当然日本語も通じませんので、ビスポークの醍醐味でもある、コミュニケーションのコストが非常に大きいと言います。ちなみに、その方は”イタリアでビスポークをする為だけに”イタリア語を学び、日常会話程度はしゃべれるようになったのだとか。その情熱に頭が下がりますね・・・。

上記のように仕立て代と言うコストに加えて、コミュニケーションコストもかかる上、実状としては、仕事が進んでいるかどうかの確認をする管理コスト(手間)がかかる場合が非常に多いのだと言います。

スケジュール通りに上がってくることは稀で(笑)、おじいちゃんの調子が悪かったので遅れていると言う言い訳の次は、おばあちゃんの調子が悪くなり、順に家族の調子が悪くなるために仕事が進まないと言うのは嘘のような本当の話。1着仕立てあがるのに、その方は2、3年を費やした経験もあると言います。(汗)

なお、その方が言うには、スケジュール通りに仕事をして貰うコツは、10月頃にオーダーを入れることだそうです。所得申請(確定申告)の期限が毎年6月前後くらいにあるようで、売上を確定させるために、その期限をめがけて納品をしてくることが多々あると。なので、10月くらいにオーダーを入れれば、そのあたりまでに必死に仕上げてくることが結構あるそうですよ。(笑)

信じるか信じないかはあなた次第ですが、ナポリで直接仕立てたいと言う方は頭の片隅に入れておいても良いかもしれません。

と言うことで、現地で仕立てるとなりますと上記に挙げたような様々な”コスト”がかかってきますので、仕事を休まずに自宅から気軽に仮縫いや中縫いの場所に行くことが出来る上、通訳の方等をご準備頂くことで円滑なコミュニケーションがとれ、かつ納期が大きく狂うことのない日本においてショップが開催する海外サルトのトランクショーにてオーダーを入れる価値は十分あると言うことでした。

もちろん語学が堪能で、仕事などで定期的に海外に行く方であれば、この限りではありませんが、そうではない私のような”普通の服好き”の方であれば、様々な不安定要素をお金で解決すると言う選択肢は1つの合理的な方法ではないかと感じています。

・どこのサルトで仕立てるのか?
どこのサルトが良いのか!?と言う話は、服好き、ビスポーク好きであれば1度はしたことがある話題の1つ。今回お会いした方は、イタリアであればナポリのみならず、ミラノ、フィレンツェと言ったイタリアの各都市のサルトを訪問し、仕立てたご経験が多々あると言います。

そんな経験豊富な方に、どこのサルトが一番良いか!?と言う質問をしたところ、一般的には知られていない、ナポリのサルトを挙げられました。その理由は、スタイルと着心地、価格のバランスが(その方にとって)非常に良いからと言うもの。

私がお世話になっているサルトリア・ソリートを含めた4大サルトや、日本のメディアでも名前が出ているサルトなどはどうか?と伺ってみたのですが、ソリートは気になっているので1着は仕立ててみたいと仰っていましたが、基本的にはクラシックの中でも構築的なスタイルが好きなようで、その方にとってはソリートはスポーティ色が強いと感じられるそうです。

また他の著名サルトは、実際には今は名前だけで、本人は仕立てに携わっていないか、既に亡くなっているので、あまり興味はなさそうでした。確かにジェンナーロ・ソリート氏は今でも朝早くから工房に入り、カッティングを行っていると言いますが、他のサルトは外部に委託したり、今では代が変わっておりますね。

実際にフィレンツェの某サルトで仕立てていたことがあるようですが、仕立てる人が変わったことにより、着心地やスタイル等が大きく変わってしまったようで、今では新たにオーダーを入れることは無いとのこと。

イギリスのテーラーはテーラーとしてのブランドが強く前に出ておりますが、イタリア、特にナポリなんかはどうしても職人ありき(属人的)と言う印象が強いですし、型紙を作っていないサルトも多いので、仕立てる人が変わると別物になってしまうと言うお話は、納得感があるお話でした。

ちなみに、イタリアのサルト(特にナポリ)は、イギリスのテーラーに比べて仕上がボディコンシャス(タイトフィット)だと言う印象が強いようです。それは「鎧」か「リラックスウェア」かと言う、それぞれの国におけるスーツやジャケットの起源の違いに起因しているようにも思いますし、美的価値観の違いも表しているように思います。

半分冗談ではありましたが、彼がイタリアのサルトで仕立てる場合には、美味しい食事を沢山食べて、ちょっと太ってから採寸・仮縫い・中縫い等に行くのだそうです。そして自国に戻ったら運動をして元の体型に戻すと。そうすると、ちょうど良い着心地、シルエットのスーツやジャケットが出来上がるのだと笑いながら話してくれました。

なお、日本人の職人さんはどうか?と伺ったところ、仕事が丁寧、かつ確実なのでとても良いと評価されているようでした。実際、彼はスーツのみならず、靴におきましても日本人の職人さんでオーダーを入れたご経験があり、それぞれの職人さんの特徴なんかを教えてくれましたよ。

スーツやジャケットでも日本人の職人さんでお気に入りの方がいらっしゃるようでしたが、仕立てに強く拘る職人タイプのようで、納期までの時間がかなり長いのが・・・と言う感想も持っていらっしゃいました。様々な要素がある中で、どこに重きを置いて良し悪し、合う合わないの判断をするのかは十人十色だと思いますので、自らの価値観、感性に最もあったサルトと出会えることは幸せなことだなと、お話を聞いていて感じた次第です。

と言うことで、限られた時間の中で他にも色々とお話はしたのですが、大分長くなってきましたので本日はこのあたりで終わりたいともいます。また機会をみて、世界、そして日本の服好きの方々とお話をさせて頂いた中から、皆様にご興味を持って頂ける内容を取り上げて記事化をしてみたいと思います。