fc2ブログ
<?php include_once("analyticstracking.php") ?>

Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

日本初!LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ)のトランクショーが開催!

こんにちは!
本日は、私も愛用しております、ナポリのカミチェリアであるLUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ)のトランクショー情報及び、今回のトランクショーに参加するべき理由!?をお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ)とは
さて、改めてルカ・アヴィタービレとはどんなブランドなのか?と言う点に触れておきたいと思うのですが、Sharonさんの公式HPに記載されているブランドヒストリーを元にご紹介致しますと、以下のようなブランドになります。

1927年創業に創業した、老舗のカミチェリア(シャツメーカー)。現在三代目となるルカ氏は18歳からこの業界に入り、自身の工房をナポリに構えています。ちなみに、サルトリア・ソリートと同じ建物の上層階に工房はあるそうです。

その特徴は、インターナショナルで端正な表情を有している点。

私は本日取り上げますルカ・アヴィタービレの他に、ジ・イングレーゼやモンテサーロ、アヴィーノ・ラボラトリオ・ナポレターノのドレスシャツを主に使っておりますが、確かにとてもプレーンな表情を持っているため、上に着用するスーツ/ジャケットのスタイルを選ばないと言う点は、まず挙げるべきスタイル(ビジュアル)上の特長だと思います。

襟はふんわりと柔らかい表情でありながら、とても端正な顔つき。良い意味で個性が強すぎないので、スーツ/ジャケットやネクタイ、更に言えば着ている本人以上に前に出ることがありません。
チェック柄なのに上品なネクタイ!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) フランネル グレンチェック柄ネクタイ_⑤

また、袖付けも必要十分な運動量は確保しながらも、とてもクリーンな表情。この辺りは、ナポリと言う土地を考えた時にイメージされることの多い、マニカカミーチャ(雨降り袖)を持つシャツとは大きく異なります。
LUCA AVITAVIRE(ルカ・アヴィタービレ)のツイル ドレスシャツ_⑤

更に、シャロンさんで扱うプレタポルテ(既製品)のルカ・アヴィタービレのシャツは、他国で扱っているルカ・アヴィタービレとは大きく異なる点があります。具体的には、下記3つの内容。

1.パターンが日本人向けにモディファイされている
2.襟(ホリゾンタルカラー)がカスタマイズされている
3.手縫いの工程が増やされている

まず、「1.パターンが日本人向けにモディファイされている」ですが、欧州の中でも比較的日本人の体型に近いと言われることもあるイタリア人の体型をベースにしたパターンから、シャロンさんで扱うプレタポルテは日本人向けのパターンにモディファイされています。
LUCA AVITAVIRE(ルカ・アヴィタービレ)のロイヤルオックスフォード ドレスシャツ_⑱

確かに、例えばアメリカ人なんかと比べるとイタリア人の背格好は日本人に近いのですが、体の厚み(特に背中のボリューム)が、やはり日本人に比べると特に異なるように感じます。実際、以前ほぼ同じ体型のイタリア人がスミズーラをしたジャケットを着用させて貰ったことがあったのですが、背中側にボリュームを感じました。

もちろんボディだけではなく、ネックに対するボディのサイジングや袖丈の長さなど、日本人の体型に合わせた微修正が多々施されています。
LUCA AVITAVIRE(ルカ・アヴィタービレ)のロイヤルオックスフォード ドレスシャツ_⑰

そして、シャロンさんのお客様からのリクエストを踏まえて「2.襟(ホリゾンタルカラー)がカスタマイズ」されています。シャロンさんで扱うスーツ/ジャケットのスタイルに合わせて、シャツのプレタポルテではホリゾンタルカラーを採用することが多いのですが、タイドアップした際にノットの両脇からネクタイが見えるのを防ぐため、襟のカーブを若干変えているそうです。
チェック柄なのに上品なネクタイ!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) フランネル グレンチェック柄ネクタイ_⑥

最後は「3.手縫いの工程が増やされている」と言う点。こちらは着心地と言うよりも、スタイル上のアクセントと言う要素が強いポイント。いわいる定規を使って引いた線のような精緻さを求めるのであれば、それこそFRAYであったり、日本ではレスレストンと言ったブランドを選んだ方が良いと思うのですが、フリーハンドで引いた線に魅了を感じる感性をお持ちなのであれば、手縫いの要素を欠かすことは出来ないように思います。
LUCA AVITAVIRE(ルカ・アヴィタービレ)のロイヤルオックスフォード ドレスシャツ_⑩

そう言う意味では、シャロンさんの考える理想のスタイルに合わせて、手縫いの工程が増やされていると言う事になります。

ちなみに、他で展開されているアヴィタービレのシャツの手縫いは通常8工程位だったと思いますが、シャロンさんでは6工程増やして、合計14工程。具体的には、以下の点が手縫いの工程となっています。

・カラー
・ヨーク
・ヨークステッチ
・袖付け
・カフス
・剣ボロ閂止め
・ボタン付け
・ボタンホール
・脇縫い線
・ガゼット
・袖まつり
・前立て
・ネーム付け
・生地裁断


■日本初!LUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ)のトランクショー!
このような中で、この度、日本で初めてのLUCA AVITABILE(ルカ・アヴィタービレ)のトランクショーが開催されることになりました。ちなみに、サルトリア・ソリートのトランクショーとの同時開催です。
trunkshow_20200130
※画像はSharonさんの公式HPより引用

▼トランクショーの概要(Sharon公式HPより)
・開催日時

東京 1/30(木)、1/31(金)、2/1(土)、2/2(日)の4日間
神戸 2/2(日)、2/3(月)の2日間
トランクショー開催期間中の営業時間は、10:00〜20:00までに変更させて頂き、最終受付は19:00。

※1/30(木)10:00〜13:00頃迄
LUCA AVITABILE【ルカ・アヴィタービレ】のルーカさんは不在。
シャツをオーダー希望の場合は、1/30(木)14:00以降、もしくは1/31(金)、2/1(土)、2/2(日)の予約が必須。

問い合わせ先
電話番号:03-6418-5131
メールアドレス:info@sharon-shop.jp


今回の目玉は何と言っても、ルカ氏が来日され、ご本人が直接採寸等を行うと言う点です。ただし、ご本人の予定により、上記の通り1月30日の10時から13時まではシャツのオーダーが取れないので注意が必要です。

オーダーを数多くご経験されていらっしゃる方であればご存知のことと思いますが、オーダーにおいては採寸等を行うフィッターと、それを元にパターンを起こすカッターの役割がとても重要です。

同じ人を採寸するにあたっても、どこを、どのように採寸するのか。仮に「数値」が一緒だったとしても、その人の体型をどのように捉えて、どのようにパターンを起こすカッターに伝えるのかと言う能力が出来上がりを大きく左右します。

お客さんからヒアリングした情報を間違えれば、どんなに優秀な設計士であったとしても、お客さんが希望する家が建たないのと一緒で、どんなに優秀なカッターであったとしても、誤った情報をインプットされれば、アウトプットされるものも間違ったものになります。

その点、今回はルカ氏ご本人が来日され、直接採寸等を行って頂けると言う点が非常に魅力的。特に、SharonオーナーのK氏は、ナポリのサルト、カミチェリアにて相当数のスミズーラ(ビスポーク)を行っているご経験を有しておりますが、そのK氏がルカ氏のフィッターとしての能力が非常に高いと仰っていたことが、私を動かしました。(笑)

現在私が着用しているプレタポルテのルカ・アヴィタービレのシャツも、日本人の一般的な標準体型に近い私からすると、十分すぎるくらい、心地が良く、綺麗に着ることが出来るのです。もちろん、とは言ってもプレタポルテですから、身体とシャツとの隙間を若干感じることもあります。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ④


ただ、私は基本的にシャツ1枚で外に出ることは無いですし、そこまで厳密な精緻さと言いますか、フィッティングは求めていないので、正直プレタポルテで十分満足しておりまた。

そんな私に、ルカ氏のフィッターとしての能力の高さを熱を込めて解説してくださり(笑)、一度採寸を取っておけば、体型が大きく変わらない限りは、今後は生地を選べばシャツが仕立てられると言うK氏のお話もあって、ルカ氏が来日され、直接採寸頂けるこのタイミングで、私もトランクショーに参加させて頂くことに致しました。

ちなみに、今回はビスポークではなく、基本的にMTM仕様。よって、上記に記載した日本人用にモディファイされた日本人向けのパターンがベースとなります。とは言え、かなり柔軟にご対応頂けるようですので、ルカ・アヴィタービレのシャツが気になっている方や既にプレタポルテを着用していらっしゃる方は、ルカ氏に直接採寸頂ける今回のトランクショー(※)に参加されるのがおススメです!
※今後ルカ氏が定期的に来日されるかは現時点で未定とのこと。

ちょっと気が早いのですが、納品されましたら、プレタポルテとの違いなんかも記事化してみたいと思います!





理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ

こんにちは!
本日は「理想の墨色タイに出会う。」と言うテーマを添えて、昨年購入していたアイテムを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■理想の墨色タイに出会う。
さて、昨今のファッション業界におけるモードやモノトーン系のトレンドに影響を受けて!?、昨年から今年にかけての自身のスタイリングにおきまして、これまでは用いることの少なかったブラックやホワイトなどを積極的に取り入れていることは、本Blogを長らくお読み頂いている皆さまであればご存知のことと思います。

もちろんファッション業界の構造上、売上をつくるためにはトレンドを”動かして”いかないと成り立ちませんので、今期のピッティではモノトーンから”差し色”的な色合いが出始めており、今後もそれは移り変わって行くものと思っています。

ただ、私個人に限って言えばトレンド的な要素を自分のスタイルとして消化し、それが今後の自身のスタイルの幅を広げるのに役立てば、と言う考えでいます。

昨年11月に「rm55的スタイリング:2019年AW_51:墨色が気になる。」と言う記事をお送りし、更には「ブラックパンツ:PT01(ピーティーゼロウーノ) FORWARD Style:05」と言う記事の中でも記載しておりましたように、私の中ではいまだシックな装いと言う気分は大きく変わってはおりません。

このような中で、シーズンが後半に差し掛かった昨年末に、ずっと気になっていた”理想の色合い”のネクタイをワードローブに迎い入れることにしたのです。

私は仕事における服装規定が厳しくはなく、色、柄、素材等における制約は普段はほとんどありません。とは言え、自分の感覚、感性の中では”普通に見える装い”をベースのスタイルとして置いておきたいと言う思いがあります。そうすると、メンズドレスファッションにおいて色で遊べる範囲と言うのは自然と限られてくるわけで、最も容易に色で遊べるのが、ネクタイだと考えています。

ただ、シルクのブラックタイはボウタイを除けば、どうしても葬儀のイメージが強いので、いくら服装が自由とは言え、ちょっと使いにくい。また、ウールなどの起毛をしている素材であれば角が取れ、幾分表情が優しくなりますが、素材感は一定以上の距離が近くならないと伝わりにくい場合が多いですし、そういう素材感にまで気付く人は稀かなと。

そうすると、シックな気分を表現するネクタイの色としては自然と墨色が頭に浮かぶわけで、まさに自分の中での2019-2020AWの理想のネクタイの1本としてイメージを持っておりました。

と言うことで、私が今期出会った中での理想の1本を、本日はご紹介したいと思います。

■E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ(チャコール)
私が購入したのは、イージー・カペッリ のサキソニー ウール ソリッドネクタイです。墨色とは言いましたが、購入させて頂いた南青山に店舗を構えるSharonさんでは、チャコールと言う説明を受けました。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ①

先日「冬の寒色はいかがですか!?」と言う記事におきまして、同じくカペッリのサックスカラーのサキソニーウールタイをご紹介しておりましたが、そちらの色違いとなります。

よって生地はドラッパーズのサキソニーウール素材。色が濃いと顔の周りも暗くなりがちですし、Vゾーン自体も重くなってしまうようなイメージがあるのですが、こちらは程良い、自然な光沢があるため、思ったよりも手軽に使えそうな印象です。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ②

ちなみに仕様はいつもの通り、トレピエゲ(3つ折り)のスフォデラータ(裏地無し)、剣先のみ芯無しです。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ③

先日デビューをさせましたが、その際の画像がこちらです。カシミアのジャケットは、サルトリア・ソリートのプレタポルテなのですが、ソリートならではの柔らかいショルダーラインに対して、墨色(チャコール)のネクタイの持つモードな雰囲気が絶妙にマッチしている気がして、個人的には大変気に入っております。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ④

なお、この日はグレーのグラデーションカラーでまとめておりましたので、パンツにもチャコール、靴もブラックを用いておりました。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ⑥

本日ご紹介している墨色のネクタイに限らず、ダークトーンの色合いと言うのは、どうしても硬く、ビシッとした雰囲気になりがちです。でもだからこそ、落ち着いた、シックな雰囲気が出てくるわけですが、硬さやビシッとした雰囲気は出さずに、ダークトーンの色が持つシックさを取り入れがら、全体を好みのスタイルに仕上げていくには、着用するジャケットの仕立て(シルエット)、素材、色などもコントロールしていく必要があると思っています。

そういう意味では、この日のスタイリングは、理想の1本(ネクタイ)を使いながら、私好みの柔らかい雰囲気を持ったスタイルに仕上げることが出来たのかなと自己満足しております。
理想の墨色タイに出会う。:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_ ⑤

皆さまも是非そんな理想の1本と出会うべく、2019-2020AWシーズンのアイテムが最安値!?となるこの時期に、ウィンドウショッピングやネットサーフィンを楽しまれてみてはいかがでしょうか!?






「The Classic Style with Modern Elegance」を更新しました。

こんにちは!

今年の1月8日に本格オープンしたことをお知らせ致しました、私自身の装いにおけるノウハウやテクニックなどのコンテンツを中心に構成するサイトである「The Classic Style with Modern Elegance」を連日更新しております。

csme-toppage

最近はサイトの中心となる装いに関する自身の考え方のページである「Dressing」カテゴリ内の「The Rule & Knowledge」を更新していたのですが、今回はBlogやインスタグラムなどでも度々お問い合わせのある、ポケットチーフ(ポケットスクエア)の折り方、さし方に関するご説明をしております。

私はTVフォールドをベースとして、自分でカスタマイズした方法を普段は好んでおります。その方法の説明及び、なぜカスタマイズしたのかと言う理由なども記載しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧頂ければと思います!





古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)

こんにちは!
本日は「古き良き時代の極上カーディガン!?」と題しまして、ご紹介が漏れていたアイテムを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■古き良き時代
現在と比較をしながら、過去のほうが素晴らしかったという前提に立って昔のことを懐かしむ際に良く使われる言葉として「古き良き時代」と言う言葉があります。

それはファッションの世界でもしかりで、例えば生地。今のような効率性、生産性重視の時代ではない昔の織機は、ゆっくりと生地を織り上げることで空気を含んだ、柔らかい生地に仕上がりますし、使われる糸の量も異なりますので、目の詰まった、耐久性の高い生地が多いと言う話をよく見聞きします。

もちろんそれは「良い生地とは何か?」と言うことを定義する基準として、「ふっくらとした柔らかい生地」「目の詰まった、しっかりとした生地」の方が良い生地であると言う前提に基づいています。

また、完成品としての服もそうで、今のような廃棄前提の生産計画に基づいて作り上げられたものと、そうではない時代のものとでは、価格とクオリティとのバランスは大きく異なりますし、サルトやテーラーが仕立てる服も同じく、手の込みようや技術レベルが、昔と今とでは大きく異なる、つまり、昔の方がクオリティが高かったと言う話を聞くこともあります。

つまり、世界はどんどん裕福になり、様々な技術レベルが発展しているにも関わらず、私達の身の回りにあるものは、昔と比べると決して良いとは言えないと言う1つの見方が存在するわけです。

個人的には生地にしても、服にしても、そういった「古き良き時代」の話を聞くにあたっては一定の理解をし、受け入れつつも、今を生きている私自身は、懐古主義的な思想はあまり持っていません。それは、昔の方が良かったとうらやむのではなく、今与えられた選択肢の中で、自分自身が幸せになれるものを追及する方がより豊かであり、意味があると感じているからです。

それでも自分が良かった時代から、そうではなくなる時代の境目に立った時、同じことが言えるのか!?と言うと、それは難しいと言うのが正直なところ。やっぱり寂しさを感じてしまうのが人間としての性なのでしょうか。

■古き良き時代の極上カーディガン
FEDELI(フェデーリ)と言えば、これまでの私のニットウェアにおける中心ブランドとして活躍してくれたニットウェアメーカーです。特に、厳選された素材選びはイタリア、いや世界的に見てもトップレベルと言われており、他のブランドではなかなか扱わない、扱えないような素材のアイテムがありました。

また、デザイン、サイジングなどのバランスも非常によく、自社工場において熟練された職人によって生産されたアイテムはシンプルでベーシック、かつモダンさがあり、その都会的な表情は他のニットウェアメーカーとは異なる魅力を持っていました。

ところが、本Blogでも何回か取り上げましたように、時代とともに、フェデーリは大きく方針を転換しました。それは、経営者の代が変わることで、新たな経営者がこれまでのコダワリある商品づくりから、大量生産、大量販売へと舵を切ったのです。

実際、自社工場での生産から、外注生産へと切り替え、ミリオネアと名付けられた極上のカシミア素材などから、価格を下げるために素材のグレードを下げたり、メインのアイテムを低価格帯に持って行くなど、ロゴは同じですが、中身としては全く異なる、新しいブランドになりました。

もちろん、競争が激しくなる中で、その会社をどのように運営するかを決めるのは消費者ではなく、経営者。会社は継続できなければ意味がないので、大量生産、大量販売と言う方針が間違っているとは私は言えません。ただ、一消費者、ファンであった身としては、思うところがあると言うが実際のところ。

そういう時代の境目に立ったときに、思わず「昔は良かった」とつぶやいてしまう自分がいるのです。

そんな古き良き時代の最後の遺産!?として購入していたのが、上述したミリオネアを使ったカーディガンでした。実は2018年に「FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)を購入!」と言う記事でご紹介していたものと同じものの色違いだったり致します。

ダークネイビーに続いて買い足していたのは、チャコールグレー。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_①

一般的なカシミア繊維の平均的な太さが15ミクロン程度であるのに対して、ミリオネアは14ミクロンと言う細さを有する繊維であり、それが”スーパーカシミア”と呼ばれる所以。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_②

ふんわりとした柔らかいタッチに加えて、シルクのような滑らかさは、非常に繊細な表情を生み出します。個人的にはラグジュアリーブランドを含めて様々なメーカーのカシミアを見てきましたが、こういった表情のものは他にはありませんでした。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_④

そんな極上の素材感に加えて、サイズ感もパーフェクト。ボディや袖丈、着丈、首回りの大きさなど、言う事なし。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_③

リブまわりの造りこみも秀逸でした。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_⑥

また、ニットウェアにおいて意外に重要なのが、ボタンの大きさとサイズ。ボタンが小さすぎると知らない間に外れてしまっていたり、締めにくいと言う弊害があり、ボタン間隔が広いとシルエットが波をうってしまい、狭いと見た目に問題が。そういう意味では、デザイン的なバランスも非常に良かった点が気に入っています。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_⑤

そして実際の着用画像がこちら。ニットウェアにおいて素材は命。雰囲気に直結してきますので、エレガントさを求めるのであれば、素材にはこだわりたいところです。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_⑦

ボディやアームバランスも良いですね。ちなみに、個人的にはイギリスよりもイタリアのニットウェアメーカーの方が、日本人の体型にはフィットする場合が多いと感じています。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_⑧

「古き良き時代の極上カーディガン」。残念ながら今では手に入れることが出来ませんが、しっかりとメンテナンスをして出来るだけ長く人生を共にしたいと思っています。
古き良き時代の極上カーディガン!?:FEDELI(フェデーリ)のMILLIONAIRE CARDIGAN(ミリオネア カーディガン)_⑨

なお、私個人としては昔と今のフェデーリを比べた場合、圧倒的に昔のモノづくりの方を支持しておりますが、それはあくまで個人の感性。今では素材のグレードやモノづくりに対する考え方は変われど、ヴィジュアル的なデザインが大きく変わったわけではないですし、価格もぐっと手頃になっています。

その分、同じプラスゾーンでは他にも魅力的なニットウェアメーカーがありますので、比較検討が出来ると言う意味では消費者にとっては嬉しいポイントの1つにはなり得るのかもしれません。

時の流れと共に、全ての物事は変わり得ます。もし、これだ!と自分の感性に刺さるブランドがあったとしても、その魅力がずっと続くとは限りませんし、自分自身も変わります。必要以上に物を買う必要はないと思っていますが、運命の出会いを逃さぬよう、これからも自分の感性を磨き続けていきたいと考えています。







冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ

こんにちは!
本日は「冬の寒色はいかがですか!?」と言うテーマを添えて、昨年購入していたアイテムを取り上げたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■先入観の先へ
さて、皆さまは秋冬と聞いてイメージする色は何色でしょうか!?

・ブラウン
・テラコッタ
・ボルドー
・グリーン
・オフホワイト
・ブラック
・チャコール

それぞれの方が属する業界や業種、会社の服飾規定、更には個人の好みによっても変わると思いますが、基本的には温かみのある色であったり、ダークトーンな色合いを思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん私自身も例には漏れず、ブラウンやテラコッタ、ボルドーなんかは真っ先に頭に浮かぶ色合いです。

実際、秋冬のアイテムで購入しているアイテムを色と言う観点で見ていきますと、メンズドレスファッションにおけるドレスカラーであるネイビーやグレーを除くと、温かみのある色のものを選びがち。そういう意味では、「秋冬アイテムであれば、この色!」と言う先入観が邪魔をして!?装いに対する自由な発想を妨げていたのかもしれません。

このような中で、昨年お世話になっているSharonさんに訪問した際、オーナーであるK氏が「皆さん敬遠されるのですが、この色は本当におススメなんですけどね。」とボソッと言いながら手にしていたネクタイに目が留まりました。

それは、2019年の秋冬アイテムとして入荷していたサックスカラーのウールタイ。

本Blogでは既に何回も書いておりますが、シーズンが立ち上がった当初と言うのは、どうしても安定感のある、使いやすい色、柄、素材のアイテムから購入をしていくことが私は多いのです。しかし、シーズンが後半にさしかかると、シーズン初めには気になっていたけれど見送っていたアイテムであったり、チャレンジングなアイテムを迎い入れることが結構あります。

そんな自身の傾向と今回完全にフィットしたのが、K氏が手にしていたサックスカラーのネクタイでした。もちろん単におススメされただけでは購入まではしないのですが、自分の感性にビビッと来ましたので、その気持ちに素直に従うことにしたのです。(笑)

そういう意味では、私個人の持っている秋冬カラーに対する先入観を超えた瞬間でした。

■E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ
購入したのは、私のスタイルではお馴染みであるイージー・カペッリ)のサキソニーウールのソリッドタイ。特徴ななんといっても、その色。パッと見では秋冬と言うよりも、夏を想起させる明るめのトーンのサックスカラーです。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_①

しかし、よくよく見ますと素材感がとても秀逸。サキソニーウールならではの毛足が短めの起毛具合は、ソフトで温かみのある表情を持っていながら、自然な光沢感がとても上品な雰囲気を醸し出します。それもそのはず、こちらはドラッパーズの生地を贅沢にも使用しておりますので、上品さ、上質感がちょっと違うのです。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_②

仕様はトレピエゲ(3つ折り)、スフォデラータ(裏地無し)の剣先のみ芯無しです。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_③

と言うことで、購入をしてから年をまたいでしまったのですが、先日デビューをさせてみました。ちなみに年をまたいだ理由は、秋冬に寒色のネクタイを締めている方をインスタを含めて見たことがほとんどなく、自身の記憶でもこれまでチャレンジしことがなかったので、せめて暖かい日に使おうと決めていたから。(笑)

その日は日中が10度台半ばまで上がり、天気も良かったのでこの日しかない!と言うことで使ってみました。

合わせたのは、サルトリア・ソリートのビスポークスーツ。チャコールブラウンのような色合いに、チョークストライプが入ります。ただ、ストライプ幅が絶妙なので、カジュアルすぎず、上品な雰囲気になるのがお気に入り。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_④

グラデーションにする方法もありますが、まずは暖色系であるブラウンをベースにして、一部に寒色を取り入れるアプローチから試してみました。すると、素材感の影響も大きいのだと思いますが、全く違和感なく、心地良く過ごすことが出来ました。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_⑥

ちなみに足元はイルクアドリフォリオのブラウンカラーのストレートチップ。ネクタイがネイビー/ブルー系に属するサックスカラーなので、ブラック系の靴にするか悩んだのですが、起毛しているサキソニー素材であることや装い全体としての温かみを意識してブラウンカラーをセレクト。それでもドレッシーなモデルを選ぶことで、バランスをとったつもりです。
冬の寒色はいかがですか!?:E&G CAPPELLI(イージー・カペッリ) のサキソニー ウール ソリッドネクタイ_⑤

と言うことで、今回も信頼している方からのご提案!?独り言!?により、自分では選ばなかったであろうアイテムによってファッションの楽しさを感じることが出来ました!

秋冬に寒色系のネクタイを締めるのは抵抗がある!と言う方もいらっしゃると思いますが、素材や柄さえ選べば、これまでの先入観では得ることの出来なかったスタイルに辿りつけるかもしれませんので、気になる方は是非、チャレンジされてみてください!






もう1トーンくらい明るい方が「冬の寒色系ネクタイ」を楽しめる気もしますが、逆に入りやすいかもしれません。カシミアのサキソニーネクタイ。


定番のストライプ柄、素材ながら、ホップサックと言う織り方でウォーム感を表現。


寒色系ながら、「素材感」と「柄」で秋冬感を上手く表現したネクタイ。英国のスタイルが好きな方には特におススメ。




こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア

こんにちは!
本日は「こだわりはどこまでも。」と言うテーマを掲げて、2020年に購入したアイテムの1つをご紹介したいと思います。

それでは、まいりましょう。

■こだわりはどこまでも
さて、本Blogをお読み頂いている皆さまも自分ならではの「コダワリ」を持っていらっしゃると思います。

もちろん本Blogのメインテーマであるファッションについてだけではなく、食事や車、時計、インテリアと言う他分野であることもあるでしょうし、仕事の進め方や休日の過ごし方と言った、モノ以外の場合もあると思います。

そんな私も少なからず自分がコダワリを持っている分野と言うのはあるわけですが、その中でも最も強く自分のコダワリを持っている分野が、ご存知の通りファッションについてです。

そのコダワリの一部は本Blogを通じてこれまでもお伝えしてきておりますが、今回もそんなコダワリが発端となり!?新たなアイテムをNewInさせました。

それは、南イタリアのプーリアにある、約半世紀に渡ってス・ミズーラのシャツを造り続けているG.Inglese(ジ・イングレーゼ)が作っているポケット・スクエア(ポケット・チーフ)です。

数年前まではネクタイの色や素材に合わせてポケットスクエアを選んでいたのですが、最近はシャツに合わせてポケット・スクエアを選ぶことが圧倒的に多い状況です。その理由は、よりシンプルにと言う自らの好みの変化に起因しており、ビジネスシーンであれば、基本的にはホワイトとサックスであることがほとんど。

もちろんそれは、自身が着用するシャツの色がホワイトとサックスであるから故なのですが、ご存知の通り、ポケット・スクエアの最もベーシックな素材は「リネン」です。これは主に富裕層が燕尾服やフロックコートなどに用いていたポケット・スクエアの素材がリネンであったことに由来していると言われています。

よって、フォーマルやドレス、そしてカジュアルにおいもポケット・スクエアを用いる際には、「リネン」素材であれば”正統な着こなし”と言う観点でNGになることはありません。しかし、フォーマル以外のシーン、例えばビジネスシーンにおきましても厳密にリネン素材のポケット・スクエアを求められるシーンと言うのは稀だと思いますので、そのあたりはある程度の柔軟性を持って対応しても良いのかなと考えています。

このような中で、冬場に使うリネンのポケット・スクエアが、どうしても寒々しく感じてしまう自分がおりました。

一応ホワイトであれば、アリアンナのカシミア×シルクのポケットスクエアを所有しているのですが、表情がカジュアルよりであることや、色が若干クリーム色であることなどが気になっておりました。
ARIANNA(アリアンナ) カシミア×シルク チーフ②

よって、出来ればドレスシャツにも合う温かみのある素材感のもの、かつ色もホワイトの物を購入したほうが、自分の着こなしと言う観点ではしっくりくるかなと。

恐らく他人のポケットスクエアの素材や表情、色合いまで気にかける方は皆無だとは思いつつ、あくまで”自分のコダワリ”として、納得行く着こなしをしたいと言う想いから、この度ワードローブに迎い入れてみました。

■G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア
私が購入したのは、ジ・イングレーゼのコットンのポケットスクエア。リネン素材もイングレーゼを使用しておりますので、自然と手が伸びたと言うのが正直なところです。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_①

リネンとは異なるこのマットな質感がウォーム感につながります。ちなみに、よくよく見るとヘリンボーン柄になっています。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_②

今回購入をさせて頂いたのは南青山に店舗を構えるSharonさんですが、同店が取り扱うシャツの中でも最も手縫い感のある表情を持つのが、ジ・イングレーゼ。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_③

その特長はポケットスクエアであっても健在で、端のハンドロールはふっくらと柔らかく、人の手の温もりが伝わる表情を持っています。このあたりはメーカーによって表情が異なりますので、お好みのメーカーを選ばれるのが良いかと思います。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_④

なお、ここで素材等による表情の違いをみ比べてみたいのですが、以下はイングレーゼのリネンのポケットスクエア。ハリ感やリネンならではの光沢の出方はポケットスクエアの中でも王道中の王道と言ったところ。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_⑥

一方のアリアンナのカシミア×シルクのポケットスクエアは、ふわふわとした表情、そしてクリーム色がかった色合いがウォーム感を演出。リネンとは異なるカシミア×シルクの光沢感も秋冬らしい表情を醸し出します。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_⑦

今回購入をしたコットンのポケットスクエアと並べますと、まったく表情が異なります。一番右が「コットン」、真ん中が「リネン」、そして左端がアリアンナの「カシミア×シルク」のポケットスクエアになります。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_⑧

その日のTPOや天候、季節、自らの装いや気分にあわせて同じホワイトのポケットスクエアであったとしても、選択肢があると言うのは服好きにとっては何よりの幸せ。他にもトリミングや刺繍が施されているものもありますが、私のスタイルを考えますと、リネンそして「コットン(×カシミア)」さえあれば、十分かもしれません。
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_⑨

なお、サックスカラーもリネンのものしか所有していなかったので、「コットンフランネル」のポケットスクエアも同時にNew Inさせました。正直自己満足以外のなにものでもありませんが、例え小物であり、全体の面積からしたらほんの小さな一部分であったとしても、自らの感性に完全にフィットするものを揃えるとやっぱり気分が違います。(笑)
こだわりはどこまでも。:G.Inglese(ジ・イングレーゼ)のコットンフランネル ポケットスクエア_⑤

神は細部に宿ると言いますから、是非、私のコダワリ、感性にご共感頂ける方は、シーンによって使い分けることの出来るポケットスクエアをご準備されてみてはいかがでしょうか!?




ベーシックなリネンのポケットスクエア。コダワリのスタートは、まずはここから・・・。


同じコットンでも起毛感を抑えたクリアな表情。


よりドレス感を強めるのであれば、シルクがおススメ。





プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon

こんにちは!
本日は、昨年購入していたアイテムを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■プレタポルテの概念を覆す!Solito house exclusive per Sharon
さて、2019年AWに私が購入した大物アイテムが、世界で唯一、サルトリアソリートの工房によってスミズーラと同じ工程、同じ職人さんによって仕立てられているプレタポルテ(既成服)である「Solito house exclusive per Sharon」のウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケットです。

「Solito house exclusive per Sharon」は、Sharonさんにおいて2016年SSより展開されているのですが、そこに至るまでには長い開発期間を経ております。

もちろんパターンを作成し、カッティングするのはマエストロであるジェンナーロ・ソリート氏、そしてルイージ・ソリート氏であり、縫製を担当するのはサルトリア・ソリートの中でもスミズーラを担当している熟練の職人さん。

ただ、ベースのパターンを作成するにあたって日本人の体型を踏まえたパターンやデザイン等の細かな調整を依頼しているのが、実はSharonさんなのです。つまり、「Solito house exclusive per Sharon」は正確には「Produced(arranged) by Sharon」であると私は理解しています。

事実、初めてサルトリア・ソリートのスミズーラ(ビスポーク)をお願いした際には、「サルトリア・ソリート」のオリジナルの仕立てやデザインと「Solito house exclusive per Sharon」には若干の違いがありました(※)。
※現在は好みによってスミズーラであっても細かな調整が可能

そんな「Solito house exclusive per Sharon」ですが、取り組みが始まって3年以上が経過したと言うことも多少あるのだと思いますが、その出来栄えのレベルが著しく高いと改めて感じています。

本記事の執筆時点で、私はソリートによるスミズーラのスーツやジャケットを6着納品頂いており、プレタポルテについては10着以上所有し、それぞれの”違い”を体感してきておりますが、フィッティングや着心地、シルエットと言ったヴィジュアル上の差がほとんどないのだと気づいたと言いますか、感じ始めています。

恐らく”プロ”であったとしても、見た目や仕立て、着心地等で両者の差異を認識するのは困難であると思いますし、普段それらを着ている私個人であっても、目をつぶって両者を着比べた場合、ビスポークなのかプレタポルテなのかを全て、正確に言い当てることは難しいかもしれないと思っています。

そう言う観点で行きますと、この注文服と言う世界に足を踏み入れた当初は、プレタポルテよりもスミズーラ(ビスポーク)の方が上であると言う理解をしてきたのですが、自分なりに経験を重ねてきた現時点におきましては、そこにはどちらが上か下かと言う”レベルの差”ではなく、”好みの差”、何に対して満足度を覚えるのかと言う”感性の差”である(※)と考えるようになっています。
※ソリートのスミズーラとプレタポルテの場合

それくらい「Solito house exclusive per Sharon」の出来映えは素晴らしく、私の中におけるプレタポルテの概念を覆したと言っても言い過ぎではないと確信しています。

なお、唯一の違いとして私が今認識出来るのが、ヴィジュアル上の「フィッティング」。プレタポルテの方が、胴回りなどが数mm大きいと感じる物がいくつかある程度です。中にはそれさえも難しいものも実際にはあります。

これまでは着用期間を長くとることの出来る秋冬物は基本スミズーラとし、春夏物はプレタポルテでと言う考えを持っていましたが、その考え方はやめました。(笑)

どちらも私にとっては最高の満足度を提供してくれる服ですので、魅力ある生地と出会う事が出来れば季節に関係なく、スミズーラをお願いすることもあると思いますし、同じくフィッティングが合い、カッコ良い!着てみたい!と感じるものと出会えれば、こちらも季節に関係なく、プレタポルテを購入していきたい、そのように思っています。

■ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon
このような中で、2019年AWのラインナップの中から私が選んだのが、ロロピアーナのウール(93%)×カシミア(7%)生地を使った、ヘリンボーン柄のシングル3Bジャケットです。色はやや明るめのネイビー。ネイビーブルーと言っても良いかもしれません。

早速着用イメージをご紹介したいと思うのですが、まずはオンのスタイル。最近はスーツでは無くても良いことが多いので、もともとジャケットの購入を考えておりました。そのような中でピンときたのが、こちらのジャケット。秋冬ものは全体的に色のトーンが暗くなりがちですが、こちらは明るめの色合いだったのが気に入りました。
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_①

柄はヘリンボーン柄なのですが、遠目には無地、近くに寄るとヘリンボーン柄であることが分かるので、実は使い勝手が非常に良いのです。事実、ファーストシーズンのAWに、「Solito house exclusive per Sharon」のベージュカラーのヘリンボーン柄カシミアジャケットを購入しておりますが、非常に気に入っており、今でも第一線で!?活躍してくれています。
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_③

ヘリンボーン柄と言いますとカントリー調であったり、アメトラなんかを想像する方もいらっしゃると思いますが、そこはロロピアーナのカシミア混ファブリックですから、非常にエレガントな佇まいを魅せてくれる点も私にとってはど・ストライクでした。
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_②

お次は、オフのスタイリング。シンプルにタートルネックを合わせただけですが、とても上品な雰囲気を醸し出してくれます。
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_④

コットンパンツでも良かったのですが、オフであっても思わずウールパンツを合わせたくなるのはジャケット生地、仕立てのなせる技!?
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_⑤

ちなみにタートルネックはパンツにインをして、より上品さを意識した!?着こなしをしてみましたよ。
プレタポルテの概念を覆す!:ウール×カシミア ヘリンボーン柄ジャケット Solito house exclusive per Sharon_⑥

もともと「Solito house exclusive per Sharon」は、サルトリア・ソリートのスミズーラに興味がある方に対するファーストステップと言う位置付けも担っているのだろうと個人的には理解していましたが、今時点で思うことは、スミズーラではなく、積極的にプレタポルテである「Solito house exclusive per Sharon」を選ぶ価値が十分にあると言うことです。

もちろんプレタポルテですから、サイズやパターンが合う、合わないは起こり得ます。ただ、もしサイズやパターンが合うのであれば、「プレタポルテの概念を覆す」と表現する私の言葉を実感頂けると思っています。

気になる方は是非、店頭でチェックされてみてください!
※「Solito house exclusive per Sharon」のコレクションはコチラ





「The Classic Style with Modern Elegance」を更新しました。

こんにちは!

今年の1月8日に本格オープンしたことをお知らせ致しました、私自身の装いにおけるノウハウやテクニックなどのコンテンツを中心に構成するサイトである「The Classic Style with Modern Elegance」を連日更新しております。

csme-toppage

ここ数日は、サイトの中心となる装いに関する自身の考え方のページである「Dressing」カテゴリ内の「The Rule & Knowledge」をお送りしております。

本サイトはエレガントな着こなし、美しい着こなしを目指す大人の男性ためのサイトと言うコンセプトを掲げておりますが、その上で、「The Rule & Knowledge」は私が最低限知っておくべきだと考えている内容を主に記述しています。

「適正なサイズ」や「正しい着こなし」は美しく着こなすための前提条件。

恐らく本Blogをお読みの方であれば既に知っている内容がほとんどだと思いますが、是非確認の意味も込めてチェックされてみてください!






おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット

こんにちは!
本日は「おじいちゃんになっても着たい服!?」の後編と言うことで、2018年6月にオーダーし、約1年後の昨年納品を頂きました、サルトリア・ソリートによるビスポーク・シングル3Bジャケットの着用イメージをご紹介したいと思います。

それでは、まいりましょう。

■力の抜け具合に魅了される
さて、実際に納品を頂いたのは昨年の夏前だったのですが、カシミア生地のジャケットですので、初めて着用したのは昨年12月の初旬でした。もちろんそれまでも試着を重ねておりましたが、袖を通した瞬間。いや、正確には仕立てあがったジャケットを最初に見た瞬間に、その絶妙な力の抜け具合に惚れた自分がおりました。

私の装いにおけるコダワリは別サイトである「The Classic Style with Modern Elegance」内でも記述しておりますが、「美しさ」です。素材や色、柄、スタイルなどを、自分自身が美しいと感じるように組み合わせて行くのが好きなのですが、まだ経験が足りないのでしょう。どうしても、まとまり過ぎていると自分で感じることが多々あります。

もちろん”まとまった”美しさも好きなのですが、もう少し力の抜けた、ある意味でスキのあるような美しさを表現したいと思うことがあります。そんな自身の方向性にベストフィットしていたのが、今回納品頂いたジャケットでした。

最初からカラーシャツを用いて、いわゆる正統派の着こなしではない、変化球から入ってみました。シャツはルイジボレッリのコットンシャツ(S:ベージュ)で、テラコッタカラーのカシミアタイは、E.G.カペッリ。ニットのジレはクルチアーニ(46)、ウールのポケットスクエアはROSIです。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_②

これにインコテックスのホームスパンのパンツ(グレージュ)とダークブラウンのスエードローファー(エンツォ・ボナフェ)で、カントリー感をプラス。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_④

ヴィンテージのカシミア生地とサルトリア・ソリートのスポーティなスタイル、そして柔らかいショルダーラインが絶妙にマッチしており、自分の中ではある種理想の美しさを表現出来ている気が致します。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_⑤

今は本当に便利な世の中で、Instgramを覗けば、日本を含めて、世界中の様々なサルトの仕立てた服を見ることが出来ます。しかし世界広しと言えど、このショルダーラインとナチュラルな袖付けを持っているサルトは、そう多くはありません。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_③

もちろんそれだけではなく、男らしい豊かなバストや高い位置から緩やかに降りてくるゴージライン。ラペルの表情など、ソリートの持つバランス感に私自身が強く惹かれているのですが、今回は生地と仕立て、スタイルとのマッチングが本当に良かったのだと実感しております。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_①

■クリスマスの遊び心も
そんな力の抜けた雰囲気があるからこそ、クリスマスにもクリスマスカラーであるグリーン×レッドと言う遊び心のある装いを楽しむべく、思わず手が伸びました。シャツはリングヂャケットナポリのレッドストライプ柄で、同じく赤いウールタイはE.G.カペッリ。ニットのジレは上記と同じくクルチアーニで、雪をイメージした!?カシミアのポケットスクエアはアリアンナです。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_⑥

パンツも上記と同じくインコテックスのホームスパンを用いており、靴はエンツォ・ボナフェのスエード素材のセミブローグシューズ(ダークブラウン)でした。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_⑧

上記もそうですが、Vゾーンで遊ぶ際にはパンツや靴はシンプルにまとめるのが好みです。

しかしこのヴィンテージのカシミア生地。色が本当に絶妙で、ベースはグリーンなのですが、とても使いやすい色合いです。もう少しトーンが明るかったりしますと、流石にクリスマスカラーであるレッドと合わせると「どぎつい」感じになってしまうと思います。今回はニットジレでシャツの赤を制限したこともありますが、街中では思った以上に目立たなかったのかなと(思います。)。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_⑦

私は決して生地マニアではないですし、ヴィンテージ生地信仰もないのですが、今の生産性・効率性重視の織機では織ることの出来ない、表現することの出来ない雰囲気を持つ生地があることは確かです。
おじいちゃんになっても着たい服!?(後編):SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート) シングル3Bジャケット_⑨

私もまだまだ未熟ながら、ある程度の数のビスポークスーツやジャケットを経験させて頂いておりますが、今回のように「おじいちゃんになっても着ていたい!」と感じる服とはそう簡単には出会えないと思っています。しかも、最初はスルーしていた生地であったにもかかわらず、改めてご提案を頂いたことでオーダーを決めると言う偶然?必然?の出会いには、思わず”服の神様”の存在を信じてしまいそうなほど。(笑)

プレタポルテ(既製服)、ビスポーク(注文服)、それぞれにメリット、デメリットがありますが、今年はそれぞれの良さを自分なりに引き出すことを意識しながら、服をより楽しんでいきたいと思っています。






「The Classic Style with Modern Elegance」本格オープンしました。

こんにちは!

昨年12月12日にプレオープンしたことをお知らせ致しました、私自身の装いにおけるノウハウやテクニックなどのコンテンツを中心に構成するサイトである「The Classic Style with Modern Elegance」を本日、無事に本格オープン致しました。

csme-toppage

本格オープンとは言え、急激にコンテンツを増やしたわけではなく、サイトの中心となる装いに関する自身の考え方のページを、今日から徐々に公開して行きますよと言うことです。

どんなブランドであっても、どんなスタイルであったとしても美しく装うことは出来るはずと言う私の考えを元に、その装いにおける自分のノウハウをお送りしていきたいと思います。

とは言え、あまり頑張り過ぎず、無理のない範囲でやって行こうと思っておりますので、本Blogともども、どうぞ宜しくお願い致します!