フランチェスコ・マリーノのその後。: Francesco Marino (フランチェスコマリーノ) 20SSツイルシルク小紋柄プリントネクタイ
こんにちは!
本日は久しぶりに購入したアイテムネタをお送りしたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■フランチェスコ・マリーノのその後。
さて、ちょうど1年位前に「大丈夫か!?フランチェスコマリーノ」と言う記事において、個人的に気に入っていたネクタイメーカーであった Francesco Marino (フランチェスコマリーノ) の商品クオリティが低下しているのではないか?と言う記事をお送りしていました。
その際気になった点が、以下2点。
・縫製力の低下
・芯材クオリティの低下
・縫製力の低下
まず縫製力の低下ですが、もともとナポリの手縫いのネクタイは決して縫製が綺麗な方ではありません。それでもリズミカルなまつり縫いであったり、裏地をつけない場合の三巻の幅にはそれなりのクオリティと風合いを感じていたのですが、昨年購入したマリーノネクタイにおいては、縫製が雑になり、三巻の幅も太くなるといった、明らかな縫製クオリティの低下を感じていました。
※数年前に購入したマリーノが左、昨年購入したネクタイが右
・芯材クオリティの低下
また、縫製クオリティの低下以上に愕然としたのが、コスト削減のあおりを受けたであろう?芯材クオリティの低下。私は美しいディンプルをつくるためには「パターン」「芯材」「テクニック」の3つの要素が重要だと考えていますが、ネクタイを結ぶ「テクニック」以前に特に重要になるのが、ネクタイの「パターン」と「芯材」です。
特に「芯材」のクオリティは締めやすさ、解けやすさとともにディンプルの表情に直結し、その上芯材はこれなら間違いないと言う特定の芯材が存在するわけではなく、生地の種類によって適切に使い分けることが、ネクタイメーカーとしての腕の見せ所だと考えています。
※数年前に購入したマリーノが左、昨年購入したネクタイが右
しかしながら、昨年購入をしたマリーノのネクタイに使われていた芯材は生地に対して薄すぎており、これまでのようなふっくらとしたディンプルの表情をつくることがとても難しくなっていました。さすがに安いネクタイに使われている化繊の芯材ではないように感じましたが、それにしても薄すぎる・・・。
と言うことで、情熱よりもビジネスを優先したのか、作り手の技術力が低下したのか、それともまた別の理由があるのかは分かりませんが、私が好きで、熱狂していた頃のマリーノとは別物ではないかと言う疑いを持つようになったのがちょうど1年前。
そんな折に、夏のセールにおいて気になっていた色、柄のネクタイを安く購入出来る機会に巡り合いましたので、その価格であればチャレンジのしがいもある!と言うことで、改めてフランチェスコ・マリーノのその後を自分なりに確認してみることに致しました。
■縫製レベルは改善も、芯材は相変わらず・・・。
私が今回購入したのが、こちら。ツイルシルクの小紋柄プリントネクタイです。
グリーンのネクタイのバリエーションを増やそうと思っていたときに見つけたのが、このマリーノのネクタイでした。レトロ感、そしてヴィンテージ感を感じるのにもかかわらず、どこかモダンな要素がある。ツイルシルクに光沢を抑えたマットな質感を出すためのダーフィーリング加工がされているようですが、生地のセレクトは変わらず魅力的。
そして個人的に気になっていた縫製クオリティですが、ゆがみなどもあり、元の状態に戻った!とまでは言えませんが、昨年購入をしたネクタイよりも改善されているように感じました。
三巻の幅も狭くなっていますし、まつり縫いの表情も良いです。
しかし、これはネクタイを手に持った瞬間に感じましたが、芯材のセレクトは相変わらず。ツイルシルクの薄い生地に薄い芯を入れているので、ペラペラ感が否めません。縫製を見た際には昨年購入したネクタイは個体差によるものだったのかな?とも思ったのですが、この芯材を使っているあたりを考えると、やはり昔のマリーノとは違うと考えた方が良さそうです。
実際に締めてみた感じの表情はこちら。こればかりはネクタイマニア?を称する、ごく一部の方々しか気づくことのないレベルだと思いますが、正直私好みのど真ん中のノットやディンプルの表情ではありません。
見栄えを整えるために”いつもより緩く”ノットを締めていますし、ディンプルも調整しています。普段通りに締めると芯材が薄いのでとノットが潰れてしまい、ディンプルの凸部分も筋が綺麗に通らずに、崩れてしまうのです。
それでも持っている雰囲気はマリーノならではのモダンさのあるスタイリングを可能にしてくれると言う意味で、マリーノならではの”スタイル買い”、”雰囲気買い”が許容できる方であれば、これもまたアリだと感じました。
と言うことで、1年越しにフランチェスコ・マリーノの商品クオリティをrm55独自の目線で確認した結果、それは私が魅力を感じていた昔のマリーノとは別のネクタイである、と言う結論を持つに至りました。
ただし、上述したようにマリーノならではの生地選び、センスは変わっていないようにも感じています。よって今後、現在設定されている定価に対する価値を見出すのは個人的には難しいと考えていますが、今回のようにマリーノにしか出せないスタイルで気に入った色、柄のものが、安価に購入できる機会があれば検討をしたいと思っています。
なお上記内容はあくまでrm55個人の感性、感覚によるものなので、ご注意願います。「何を着るか」は「何を食べるのか」と同じように個人の自由ですし、個々人の判断で購入されるのが良いと思っています。よって、ビビッと来たものを素直に手に取り、自分の感性で感じてみるのが一番間違いがないかと思います。
今回購入したグリーンか迷ったベージュ。
正統派の色、柄のものは他にも魅了的なメーカーがありますが、こういった独自の世界観はマリーノならではだと感じます。