LA TERRA(ラ テッラ)でクラッチバックをビスポークしてみた!
こんにちは。
本日は、”革小物のビスポーク”をテーマにお届けしたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■LA TERRA(ラ テッラ)とは
さて、この度私が初めてビスポークをした革小物は、LA TERRA(ラ テッラ)と言うブランドのクラッチバックです。
聞きなれないブランドだと思いますが、それもそのはず、これは私が普段お世話になっているSharonさんによるオリジナルブランドで、これまでもペッカリーやディアスキン、スエードを使ったグローブをイタリアの某有名ブランドも生産する工房にて仕立て、販売しておりました。
※ラテッラのアイテム一覧はコチラ。
私も5年ほど前にラテッラのペッカリーグローブを購入し、今でも愛用しています。
※「LA TERRA(ラ テッラ)のペッカリー・グローブを購入!」
誰もが知るようなブランドのグローブを生産している工房なので品質は折り紙付き。それでいて某ブランドタグがなく、また代理店を通さないことからクオリティと”価格のバランスが非常に高い”ことがラ テッラの魅力でもありました。
■ラ テッラのクラッチバックを仕立てるのは、あのイル・クアドリフォーリオ 久内氏の奥様
そんなラ テッラでこの度クラッチバックをビススポークしたのですが、実は今回このクラッチバックを仕立てるのは、私が普段靴をビスポークさせて頂いている、イル・クアドリフォーリオ 久内氏の奥様なんです。
これまでもイル・クアドリフォーリオでは靴以外にもコインケースやキーケースなどの革小物を扱っていたのですが、今年の6月末に開催されたトランクショーにおいて、これまでのラインナップに加えて初めてクラッチバックのビスポークの受付を開始されました。
イル・クアドリフォーリオ 久内氏の奥様が仕立てるラ テッラのクラッチバック最大の特徴と言えば、「全て手縫い」で縫い上げると言う点です。
世界的に展開している革小物のブランドは、その生産効率の観点から必ずミシンを使って縫い上げていきます。よって手縫いでクラッチバック縫い上げるような革のブランドは皆無に等しく、一部の個人ブランドで展開されている職人さんまたは、趣味を兼ねて個人で制作されている方くらいなもの。
実際私がインスタグラムでフォローさせて頂ている方の中には、個人の趣味で革小物の制作をされており、ご自分用のクラッチバックやショルダーバックなどをつくられている方がいらっしゃいます。
その方も手縫いで縫い上げているのですが、ミシンとは全く異なるステッチの表情が抜群に良く、とても魅力的に感じていました。とは言え、その方は生産を請け負っているわけではないすし、別にお仕事をされている方なので無理に依頼するのも難しい。このような中で出会ったのが、イルクアドリフォリオのトランクショーにてご紹介を受けた手縫いのクラッチバックだったわけです。
トランクショーでは様々な革があったのですが、色々と悩んだ末に私が選んだのがドイツのタンナーであるワインハイマー社による最高級カーフレザーの1つである、ワープロラックスです。ちなみにワインハイマー社はボックスカーフで有名であったカールフロイデンブルグ社に所属していたスタッフや職人が立ち上げた会社です。
生後6か月までの仔牛の革なのでキメが細かく、革自体も薄くて柔らかさがあります。この点が私が好んでスタイルであるエレガントさとマッチしそうだということで、最大の決め手になりました。色はブラウン。グレージュと最後まで悩んだのですが、ドレスとカジュアル、そのどちらでも使いやすいと言うことで、まずは!?ブラウンでお願いすることと致しました。
■ラ テッラでクラッチバックをビスポークしてみた!
と言うことで、先日仕立てあがったと言うラ テッラのクラッチバックを受け取ってまいりました。その実物が、こちらになります。最近はファッション熱があがらず、寂しい思いをしていることは前回のブログの通りなのですが、流石にテンションが上がらずにはいられないほどの素晴らしい出来栄え。
ブラウンの革に合わせたゴールドのファスナー(シルバーもあり)も最高にカッコ良く、上品。そして手縫いで縫い上げた柔らかなステッチ、優しく丸みを帯びた表情は、まさに私が好んでイルスタイルそのものでした。
ただ手縫いとは言え、ステッチ幅は非常に細かく、とても丁寧で精緻に縫い上げられていることが分かります。
イタリアの趣のある手縫いの仕事とはまた異なる種類の手仕事と言う印象。日本人の職人さんかつ、女性と言うこともあるのだと想像しますが、手縫いなんだけれど精緻で丁寧、それが絶妙な柔らかさ、優しさを持った美しさを醸し出します。特にコーナー部分の仕上げは私が最も気に入っている箇所の1つです。
イギリスのスーツ/ジャケットや、イタリアの中でも構築感のある仕立てを好まれる方には響かない表情だと思うのですが、私のようにナポリならではの柔らかい仕立てを好まれる方には非常におススメの一品。
革とステッチの表情を見ながらお酒を一杯・・・、と言う楽しみ方も出来そうです。(笑)
また、気に入っているのはスタイルや表情、仕立てだけではなく、実用性の高さゆえ。サブとなるポケットは開口部が広いので出し入れがしやすいですし、使用頻度の高い携帯やスイカ/パスモなどを収納するのにぴったり。
メインのほうも書類やタブレットPC等を収納するのに十分な広さと厚みを有しており、インナーにはカードケースが備わっています。
ちなみに内部に縫い付けられているロゴには、納品の年月が。これも記念になりそうです。
ファスナーの大きさや厚みもデザインだけではなく、使い勝手の点からもちょうど良い大きさ。
そして個人的に大変気に入っているのが、持ち心地。クラッチバックの厚みと内部に入っている芯材とのバランスが絶妙で、手のひらに気持ち良くフィットします。芯材が柔らかいと表情も柔らかくなりますが、持ちにくく、硬いと持ちやすさはありますが、表情にカチッとした感じが強く出てしまう。そう言う意味では、手縫いで仕上げたクラッチバックと言うスタイル上の柔らかさと使いやすさを考慮した絶妙な厚みと芯材が使われている印象です。
次回は装いに合わせて利用イメージについてもお届けしたいと思います。
なお、そのあまりの出来栄えの良さから!?SharonオーナーであるK氏からは、同じ革を使ったクラッチバックをプレタポルテでも展開しても良いか!?と言うお話もありました。まだ確定した情報は伺っていませんが、もしかしたら同じ革を用いたラテッラのクラッチバックのプレタポルテが登場するかもしれませんので、気になる方は定期的にSharonさんのHPをチェックされてみてください♪