il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)による7足目のビスポークシューズ(後編):フルサドル ローファー
こんにちは!
本日は前回に引き続き、これで7足目となりました il Quadrifoglio(イル クアドリフォーリオ)によるビスポークシューズであるフルサドル ローファーを取り上げてみたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■フルサドル ローファー
この度私がオーダーしたのは、ビスポークシューズでは自身初となるローファーです。そのローファーの中でも、サドル(甲部)がサイド、そしてソールまで伸びているデザインのものを、フルサドルローファー(英:Full Strapped Loafer)と言います。ハーフサドルであるコインローファーに比べるとクラシックかつ、ドレッシーな表情となる点が特徴的。私のスタイルにはぴったりの1足です。
下記はハーフサドルのコインローファー。
今回選んだ革は、オールデンのシェルコードヴァンで有名なホーウィン社のホースレザー。牛と馬の体型を思い浮かべて頂ければ分かると思いますが、馬は運動量が多く、筋肉質なので革の厚みや強度では牛革に劣るようですが、薄くて軽い、そして脂質が少ないために伸びにくいと言った特徴があるようです。
※シームレスなヒールまわりがまた美しい
インスタグラムで仲良くさせて頂ている方からは、ロシアンカーフの復刻ですか!?と言うご質問を頂くほど、特徴的な菱目模様のシボが風格を醸し出します。
私は歩く際のクセなのか、トゥが減りやすいので予めスチールを装着頂いているのと、滑り止め(※)も兼ねてゴムソールを貼って頂いています。実用性の高い仕様なので、個人的にはおススメです。
※都内の整地されたアスファルト道路などにおいて、革底は結構滑りやすいです。
紐で調節が可能なレースタイプの靴に比べると、甲とヒールまわりでフィットさせる必要のあるローファーは一般的にフィッティングの難易度が高いと言われています。よって、オーダーはレースタイプの靴で始め、徐々にラストを固めてからローファーをオーダーするのがおススメだと言うことでしたので、平日用のドレスシューズを一通りそろえた上でのオーダーとなりました。
実際に納品を頂くと、想像以上にカッコ良く仕上げて頂いたので大満足!クラシックでいてエレガント。ホースレザーの我の強さ!?を上手くドレッシーさで包み落とし込んでまとめあげているあたりがたまりません♪
と言うことで、先日満を持して晴れの日にデビューをさせてみました。
■デビュー時のスタイリングと、履いてみた率直な感想
今回合わせたのは、こんなカジュアルよりのスタイリングです。サルトリアソリートのウール×シルク×リネンの3パッチ チェック柄ジャケットに、アヴィーノラボラトリオのホワイトシャツと先日購入したE.G.カペッリのウール×シルクネップタイ。
※ポケットスクエアはG.イングレーゼのリネンチーフ
これにルイジボレッリのベージュカラーのチノパンとローファーをコンビネーション。
スポーティなスタイルなんだけれど、エレガントさの香るスタイリングを意識してみました。
実際に履いてみた感想ですが、足入れをするとビスポークシューズらしく「シュポッ」と言う、中の空気が押し出されるような感覚があり、ピッタリフィット。既成のローファーだとはき口の周りに隙間が出来てしまい、”笑っている”と言う現象がおきがちですが、そこは流石ビスポークシューズ。ピタッとフィットします。
これまで6足をオーダーし、ラストが固まってきたこともあるのでしょう。この日は初日ながら、快適に歩きだすことが出来ました。
ただ好みもあるのかもしれませんし、当日履いていたシューズインソックスの厚さの関係もあるのかもしれませんが、ヒールをもう1mm程度詰めても良いかも!?と感じていたりします。この辺りは次回のトランクショー時に、職人である久内氏と相談してみたいと思っています。
なお、唯一想定外だったことが、はき口がフィットしすぎて、踝の下あたりがすれてしまったこと。コンビニに飛び込んでバンドエイドで手当てをしましたが、はき口がちょっとだけ汚れてしまいました。。
これまでは素足(シューズインソックス)でビスポークシューズを履くと言うことがなく、どれもホーズを履いていたので気付かなかったのですが、既成靴に比べてフィットするビスポークシューズは足にピタリと寄り添います。よって、ホーズを履いていれば気にならないどころか快適なフィッティングも、シューズインソックスだと素足部分に革があたることで擦れて、血が出てしまいます。
これを回避するには足が直接革に当たらないように”ホーズを履く”か、予め”危なそうな箇所にバンドエイドを貼って”おく。もしくは、”革が馴染むまで履き込んでからトライ”すると言う方法がありそうです。
他にもはき口にパイピングをするアプローチもありそうですが、デザインとも関わってきてしまうので、好みのデザインに仕上がるのであれば、それも良い解決方法かもしれません。
いずれにせよローファーはレースタイプの靴のように紐で調整することが出来ませんので、甲とヒールに加えて、はき口回りもフィットさせる必要があります。従って、これからローファーをビスポークし、素足(シューズインソックス)でデビューされる方は、その対策をしっかりと施すことをおススメします。
個人的には相当に気に入りましたので、はき口との接点をバンドエイドで対策したうえで、次回のトランクショーまでにしっかりと履き込み、2足目のローファーのビスポークに向けてフィードバック出来る内容を見つけておきたいと思います♪