エンリコ・マンデッリ(ENRICO MANDELLI)のスエードカバーオールを買ってみた!
本日は「エンリコ・マンデッリ(ENRICO MANDELLI)のスエードカバーオールを買ってみた!」と言うテーマを掲げ、最近購入したアイテムを取り上げてみたいと思います。
それでは、まいりましょう。
■ロシアによるウクライナ侵攻が、ファッション業界に与える影響
ロシアがウクライナへの侵攻を初めてから、もう少しで半年となります。平和な日本においては、今、この瞬間に世界で戦争が起きていると言うことを実感することはありませんが、それでも、ロシアによるウクライナ侵攻の影響は、着実に、私たちの生活への影響を与えています。
例えば、小麦価格の上昇。ウクライナはその豊かな土壌を有することから、穀物の輸出が大変盛んな国として知られていますが、ロシアによる侵攻によってこれが止まり、特に世界で7位と言う輸出量を誇っていた小麦の需給関係に与える影響は大きいようです。実際、パンや麺類等で小麦を使用している事業者は、取引価格の上昇に頭を抱えていると言いますし、小売価格の値上げも起きています。
また日欧間の空輸(物流)においては、これまでロシアの領空(上空)を通過していた経路が、戦争の影響によって使えなくなりました。従って経路を変更する必要があるわけですが、距離が延びれば当然それは燃料費、ひいては物流費(小売価格)に跳ね返ってきますし、経路を変えることで、これまで変更先の経路を使っていた他の物流網との衝突が起きますので、どうしても遅延が発生してしまいます。
他にも、コロナ禍による半導体の需給バランスの崩壊によって新車の納車遅延や受注の停止が頻発していることはよく知られていますすが、ウクライナで生産していた自動車用部品であるハーネスの輸出がストップしたため、コロナ禍による影響のみならず、ロシア侵攻による影響も重なって、今だ自動車業界は混乱状態にあるようにもみえます。
つまりロシアのウクライナ侵攻によって発生した食料価格の上昇や自動車の納車遅延、また物流費の上昇や納期遅延などといった影響を、私たちの身近な生活の中でも感じられるようになっているわけです。
これはファッション業界も例にもれません。特に、ヨーロッパの衣料品を買い付けて、日本に輸入しているセレクトショップにおいては、輸入コストの大幅な上昇と納期の遅延による打撃があるとのこと。
インターネットやIT等の発達によって、国と国とのボーダーが低くなり、世界が1つになることによるメリットを多く享受してきた私たちの生活は、どこかの国がくしゃみをすると、その影響がまわりまわって自分たちの生活にも及んでくることを知ったわけです。
■エンリコ・マンデッリのスエードカバーオールを買ってみた!
このような中で、納期の大幅な遅延をもって先日Sharonさんに入荷したのが、モダンでラグジュアリーなアウターウェアをメインに展開している、エンリコ・マンデッリの新作アイテム。
エンリコマンデッリはロシアやウクライナでもビジネスを展開していたため、今回の戦争によって大きな影響を受けたと言います。これによって当初は春先に入荷予定であったアイテムが大幅に遅延。盛夏の入荷となってしまったようです。
それでも、マンデッリのアウターウェアは春先、秋口から冬にかけて使えるものが多いので、日本において秋冬商品が展開され始めるこの時期の新商品の入荷は、タイミング的には悪くないのかもしれません。
と言うことで、入荷後ご連絡を頂いてから少し時間がたってしまったのですが、先日、別件で所用があったのでSharonさんに訪問。エンリコ・マンデッリの新商品を一通り見てきました。
これまでもシンプルでモダンかつエレガントな雰囲気が特徴的なブランドだと言う理解をしていたのですが、今回の新作は、これらに加えて”ラグジュアリー”さが加わり、ぐっと大人っぽくなったような印象をもちました。特にデニムジャケットの2ndタイプのスエードジャケットやボンバーブルゾンに使われていたボタンやファスナーなどの素材感からは、それらを強く感じました。
正直購入する予定はなかったのですが、その出来栄えの良さと新しい雰囲気に魅了され、悩みに悩んだ末に、新作アイテムを購入をすることにしました。それが、スエード素材のカバーオールになります。
着ようと思えば1枚で着ることの出来るシャツに近いデザインですが、ウエストにポケットが備わっており、インナーにニットTシャツなどを着て、上からサラッと羽織るイメージ。
マンデッリのアイテムは、どれもこの襟元のデザインが非常に秀逸だと感じています。襟の角度や大きさはアイテムそのものを特徴づける役割を担うと思っていますが、モダンさとエレガントさを感じる、絶妙なデザイン。
素材はゴートスエードなのですが、キメが細かく、本当に美しい表情を持っています。
インナーには随所にロロピアーナのウール×シルク×リネンの三者混素材であるサマータイムが用いられており、見えないところからもラグジュアリー感を感じます。
※上記はカフの裏側
※ロロピアーナのタグ付き
しかし今回何より驚いたことは、その薄く削がれたスエードの質感。革とは思えないほど薄いので、レザーアイテムにありがちな重厚感を感じるどころか、軽快感さえ感じます。
また縫製も精緻かつ美しい仕上がりで、この辺りはアイテムが持つモダンさに繋がっていそう。レザーウェアの中には手縫いを用いているブランドもありますが、ウールやコットン等に比べると縫いのステッチが目立つので、結構やぼったくなるイメージが強いです。
よって、靴やバック程度なら良いのですが、面積の大きいファッションアイテムのレザーに手縫いを用いるのは、個人的には難しいと言いますか、少なくとも私のスタイル上はなさそうです。
■エンリコ・マンデッリのスエードカバーオール着用イメージ
実際の着用イメージもご紹介したいところですが、さすがにまだ暑いので・・・、久しぶり登場したトルソー君にて。(笑)
今回私が選んだのは、グレーカラーのカバーオールです。カバーオールはもう1つ、マンデッリの定番的なグレージュカラーもあり、色選びには悩んだのですが、よりスタイリッシュでクールなモダンさを感じるグレーを選びました。しかし、やっぱりマンデッリのアイテムはバランスが良いですね。
襟もとの表情からもモダンさを感じます。シャツの襟の中ではG.Ingleseの襟が一番美しいと感じていますが、こういったアイテムではマンデッリが一番好みです。
襟の裏にはマンデッリのロゴと、ロロピアーナのサマータイムがあしらわれています。分かる人だけ分かる、粋な計らい!?
随所に見られる均等かつ精緻なステッチ。手縫いならではの柔らかい雰囲気も好みですが、よりモダンなスタイリングを楽しみたい場合には、こういった精緻なステッチが合いますね。
ジャケットと同じくらいの着丈がありますので、インナーにシャツを着て、ジャケットやアウター感覚で着るのもアリかなと思っています。
秋口から早速活躍してもらおうと思っていますので、涼しくなり始める日を、今から楽しみに待ちたいと思います♪