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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

Malo (マーロ/マロ)のケーブル編みタートルネックニットを購入してみた。

こんにちは!
本日は「Malo (マーロ/マロ)のケーブル編みタートルネックニットを購入してみた。」と言うテーマで、この23-24AWセールにて購入したアイテムを取り上げてみたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■Malo(マーロ/マロ)の歴史
Maloは1972年に創立され、1973年にイタリア中部の街フィレンツェ郊外に工場を開設した、50年を超える歴史を持つラグジュアリーニットウェアブランドになります。

スコットランドやブリティッシュから来たメンズウェアニットにリスペクトを払いながらも、イタリアの美的価値観やカシミアなどの上質な素材、色合いを持って再解釈することでイタリアのラグジュアリーニットウェア業界におけるトップブランドとして認知されるに至っています。

また最近では「持続可能性」をキーワードに廃棄物となってしまう残糸を減らす取り組みに力を入れたり、リサイクル素材を取り入れた商品開発を行なったり、事業における川上に位置づけらえる素材調達において透明性のあるサプライチェーンを構築したりと言った、いわゆるSDGz文脈における取組にも積極的なようです。

一時エルメスががバーキン等に使用する綺麗な高級なワニ革の調達にあたり、動物虐待に近い飼育環境を有している取引業者の存在を動物愛護団体から暴露されたことが大きな問題となっていましたが、近年、高級なラグジュアリーブランドであればあるほど、社会的責任を強く求められるようになってきております。よって上述したMaloの姿勢も、そう言った時代の流れを汲むような動きの中の1つなのかもしれません。

■Maloのケーブル編みタートルネックニット
さて、これまでもMaloのアイテムはいくつか利用していましたが、私が使っていたニットウェアの主なブランドと言えば、フェデリ/フェデーリ、さらに近年はマウロ・オッタヴィアーニでした。

よって積極的には他ブランドを購入をしていなかったのですが、これまで様々なアイテムを購入していたSharonさんでは最近、為替や原材料費、輸送コスト等の高騰によって販売価格が大幅にアップしてしまうことからセレクトが控え気味。それであれば新たなブランドにもチャレンジしてみようと言うことで先日取り上げたBAFYや、Maloにチャレンジしてみることにしました。

今回購入したのは、ケーブル編みタートルネックニットです。
malo_タートルネック_グレー1

これまではジャケットの下に着用することを前提として、プレーン(無地)かつ、ハイゲージのタートルネックニットを購入することが多かったのですが、デザインだけで温かみや動きがあるものがあっても良いなと言うことで購入をしてみました。
malo_タートルネック_グレー4

ゲージ数は15、16ゲージほど。一般的には5ゲージ以下がローゲージで10ゲージ以下がミドルゲージ。そして12ゲージ以上がハイゲージと言うことになっていますので、今回購入したものは区分と言う観点言えばハイゲージの部類ですが、感覚的にはミドルゲージに近いハイゲージと言う位置づけです。
malo_タートルネック_グレー5

リブ周りもやや肉厚感がありますが、ドレッシーな風合いは保っている印象。
malo_タートルネック_グレー2

素材はウール×カシミアです。最近購入するニットアイテムの多くがカシミアなのですが、ビジュアル的なラグジュアリーさや上品さ、色の出方の美しさなどは抜群であるものの、保温性の高さ故に室内では暑すぎると感じることも・・・。ジャケットなどは脱ぐことで温度調整も可能ですが、タートルネックを脱ぐわけには中々いかない。
malo_タートルネック_グレー3

と言うことで、まったく同じとまでは言えませんが、カシミアの良さを有しつつ、暑すぎ問題を解決する素材としてウール混のカシミアアイテムは選択肢の1つになり得るのかなと言うことで探している中で、偶然見つけたアイテムがこちらでした。

ちなみにモデル名などは全く詳しくないのですが、「OPTIMUM」と言うモデルのようです。
malo_タートルネック_グレー6

なお、最近は気にいったアイテムは色違い、柄違いで購入することが多いと以前も書きましたが、今回はグレーに加えて、アイスブルー(サックス)も同時に購入しました。
malo_タートルネック_グレー7

ここ数年ほどは冬場に寒色であるサックスブルーをコーディネートに用いるのがマイブーム(死語)。よって良さそうなものがあれば取り入れるようにしているため、今回もセレクトしてみました。
malo_タートルネック_グレー8

と言うことで、2色買い。
malo_タートルネック_グレー10

■マーロのケーブル編みタートルネックニットを着てみた!
少し前に立て続けに着てみたのですが、シルエットやサイズ感、着用感など、なかなか良い感じです。172㎝ 60kgほどでSサイズを選んでいますが、感覚的には46サイズ位のイメージでしょうか。
malo_タートルネック_グレー12

しいて言えば、日本人サイズにモディファイされているわけではないので、ややネック高が高い印象がありますが、BAFYの記事に記載した肩回り、袖付けの表情などは綺麗で、満足度が高いです。
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ビスポークジャケットの下に着てみると、ミドルゲージよりのハイゲージと言うことで若干タイトさを感じてしまいますが、それでも着れないほどではありませんでした。
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ただニットアイテムらしいリラックス感を感じながら快適に着用するのであれば、ジャケットは着ずにアウターを直接着る方が良いですね。サックスカラーはそのようなコーディネートで先日デビューさせましたが、快適でした♪
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ちなみに今回購入したのは、久しぶりに利用したファミリーセールサイトのGILT。ふらっと立ち寄って衝動買いしたような感じですが、お買い得でしたし、長く活用できそうで良かったです。





SARTORIA LUCOLT(サルトリア ルコルト)のトランクショーに行ってみた!:後編

こんにちは!
本日は「SARTORIA LUCOLT(サルトリア ルコルト)のトランクショーに行ってみた!」と言うテーマの後編として、前編に続いて、この度参加させて頂きました、サルトリアルコルトのトランクショーにおける生地選びや採寸などのオーダーに関する内容をお送り出来ればと思います。

それでは、まいりましょう。

■生地選び
前編に記述したサルトリアルコルトのスタイルを見た際に、最もカッコ良く見えるのは間違いなくスーツであろうと感じましたし、それは今でも思っています。



しかしながら、(私個人として)スーツにネクタイで仕事をするシーンが激減している今、利用頻度が少ない服よりも、今の環境において着ることが出来るアイテムをオーダーするべきだろうと考えました。

よって今回オーダーをするのであれば、ジャケット。しかも、秋冬物はサルトリア・ソリートのものを沢山持っていることに加えて、現時点において仕立てて頂いてるものが複数着存在しますので、今回は春夏もの、もしくは着用期間を長くとることのできる合物のジャケットを念頭に置いていました。

このような中でD氏、そして小澁氏から真っ先にご提案頂いた生地が、H.レッサー&サンズのゴールデンベール エクスクルーシブジャケッティングの生地でした。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー3

中でもベージュはD氏のイチオシで、D氏は同じバンチからブラウンカラーのチェック生地にて仕立てていらっしゃると言うことでした。


ゴールデンベールと言うだけで生地のクオリティの高さを直感的に想像することは出来ましたが、実際に触ってみた感覚はカシミアのようなタッチと、ウエイトは320g/mと言う数字ながら、それ以上に軽やかさを感じることのできる、まさに合物としてぴったりの生地でした。

秋冬物こそ柄物が増えてきておりますが、春夏物は無地が多い私にとって、ご提案頂いた生地は最有力候補。他にもグリーンがかったリネン地や、小澁氏が自分用に購入をしていたと言うスキャバルの生地(秋冬物)も気になったのですが、
SARTORIA LUCOLT_トランクショー5

最終的には自分が保有しておらず、品のある表情が小澁氏の仕立てにも合うだろうと感じた、おススメのHレッサーの生地にてジャケットをオーダーすることにしました。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー4

■サルトリアルコルトの採寸とヒアリング
生地を選び、オーダーすることが確定したら、いよいよ採寸です。今回は初回と言うこともあってか、余裕を持った時間枠をご用意頂いておりました。よってコミュニケーションを楽しむと言う、ビスポークならではの醍醐味をしっかりと味わいながら進めることが出来ました。

採寸の感想としては計測箇所が多く、かなり細かなデータを収集していらっしゃった印象です。また私のリスクエストの影響もあってか!?、肩の傾斜角度などもチェックされていました。更に、数値情報に加えて、体形のバランス確認のために正面や側面、背面の写真も撮影していらっしゃったので、その時点でモノ作りが緻密に行われることを感じさせました。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー6

収集データの多さは、体形をとらえる解像度が高いことを意味しますし、カッティング(パターンメイキング)に対するインプットのデータが多いと言うことは、普通に考えればそれらが反映される箇所に調整が行われるはずなので、必然的にモノづくりにおける粒度が細かくなりますね。

一通りの採寸が終わると、仕立てるジャケットの仕様等を決めていきます。

まず、サルトリア ルコルトでは大きく3つのモデルが存在します。それは「ミラノ」「フィレンツェ」、そして「ナポリ」です。最近では「ミラノ仕立て」でご活躍されてらっしゃる日本人の職人さんも存在しますが、スタイルとしてはラペルカーブなどが特徴的で、珍しいのが「ミラノ」スタイルですね。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー7

私は普段着用しているのが「ナポリ仕立て」なので、今回は「フィレンツェ」を選びました。ちなみに「ナポリ」モデルは、ダーツの入り方などは「ナポリ」的ですが、肩の作り方などは極端な雨を降らせているわけではなく、ルコルトのフィルターを通して解釈した「ナポリ」モデルと言う印象です。

なお、私はビスポークをすると言うことは、そのサルト、職人さんの美意識、美的価値観に触れさせていただくことだと理解していますので、今回もモデルを選び、好みのシルエットをお伝えした以外の仕様につきましては、サルトリア ルコルト、そして小澁氏のご提案を受け入れるかたちにさせて頂きました。

ただ、小澁氏からは普段着ているソリートの仕様などに関するヒアリングもあり、それに合わせることも出来ると言う趣旨のお話も頂いております。よってコダワリが強い方は、普段好んで着ているサルトや職人さんのスーツやジャケット着ていくことで、それに沿った仕様に仕上げて頂くことも可能だと思います。

職人さんの中には独自のスタイルを強く意識し、顧客に細かな仕様を選ばせないこともあると聞いたことがありますが、小澁氏のスタンスとしては顧客が気に入って、沢山着て頂けることを望んでいらしゃると言うことで、仕様の確定にあたってはかなり柔軟に対応頂ける印象を持ちました。

仕様の詳細につきましては仮縫い、中縫いと進んでいくプロセスの中で、改めて触れられればと思います。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー8

なお、この採寸と仕様確定のヒアリングを通して確信したことは、やはり小澁氏は芯の強い、独自の美的価値観を有していると言うことでした。

トランクショーの当日、私はそのバランス感が最も好みであるサルトリア・ソリートのジャケットを着用していきましたが、このバランス感が好みであると言う前提を踏まえた上で、小澁氏ならではの美意識によって「㎝単位」でのご提案を頂きました。


例えばボタンの位置や、ゴージラインの位置、着丈の長さ、前下がりの傾斜具合などが、それにあたります。

その時にハッキリと伺ったわけではないのですが、ご提案の内容がサルトリア ルコルトの仕様やスタイルであると言うよりも、ルコルトのスタイルを踏まえた上で、私が着るのであれば、このバランスが最も美しく、大人っぽい雰囲気に仕上がるからと言う、小澁氏の美意識に基づいたご提案内容であったように感じています。

そしてそれこそ私が望んでいた、今の私が有している感覚とは異なる美意識や美的価値観との交流でした。実際に納品を頂くまでは、それらの感覚が自分の中にどのように入ってくるのか、どんな影響を与えるのかは分かりませんが、来るその日まで楽しみに待ちたいと思っています。

なお、今後サルトリア ルコルトでオーダーを検討されている方のために、価格感や納期の目安を最後にご紹介しておきます。価格は、私がオーダーしたジャケットで28万円(税別)スタートです。私はHレッサーの生地を選んだのでアップチャージがありましたが、スタンダードな生地であれば30万円ちょっとでジャケットを仕立てて頂くことが可能です。

また納期は1年から1年半と言うことでした(2024年1月末時点)。なお、今回は特にオーダーが多かったとのことで、1年半前後と言う納期の目安を頂きました。是非、ご参考にされてみてください。

最後になりましたが、久しぶりにファッションに対する熱量を上げて頂く機会を作って頂いたD氏と、美の価値観、感性に多大な刺激を頂いたSARTORIA LUCOLTの小澁氏にこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。そして、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。





SARTORIA LUCOLT(サルトリア ルコルト)のトランクショーに行ってみた!:前編

こんにちは!
本日は「SARTORIA LUCOLT(サルトリア ルコルト)のトランクショーに行ってみた!」と言うテーマで、久しぶりにファッションの熱量がかなり高い記事をお送り出来ればと思います。

なお、本記事は「前編」と「後編」の2部制でお送りします。「前編」ではトランクショーに参加させて頂くことになった経緯や、サルトリアルコルトのスタイルについて記述させて頂き、「後編」では生地選びやフィッティングなどのオーダーに関して記述させて頂こうと思います。

それでは、まいりましょう。

■ご縁
この度、かなり久しぶりに新たなサルトのトランクショーに参加してきました。今回参加させて頂いたのは、小澁修一郎氏が主宰するSARTORIA LUCOLT(サルトリア ルコルト)のトランクショーです。

そのきっかけは、私が本格的なクラシックスタイルに入るきっかけを頂き、現在もお世話になっているSharonさんへ通い始めた時期にお世話になっていたD氏からの1本のLINE。それが、ルコルトのトランクショーへのお誘いだったのです。

サルトリア ルコルト

名前を聞いたことはありましたが、自分のスタイルが出来上がったと言うことを口実に、最近は他のサルトや職人さんに関する情報収集を怠っており、お恥ずかしながら詳しく存じ上げておりませんでした。

そこで、まずはサルトリア ルコルトのInstagramアカウントを拝見させて頂くことにしました。



そこで感じたことは、大きく2点。
1つ目は、私が軸に添えているスタイルとは大きく異なるという点。そして2つ目は、小澁修一郎氏が独自の美意識を有し、美へのコダワリを相当強く持っていらっしゃるのだろうと言う点でした。

私はご存知の通り、イタリアのナポリのサルトである、サルトリア ソリートを自分のスタイルの中心においています。ナポリの仕立てはその歴史を紐解くと、欧州の貴族がバカンスで訪れた際に、一夏を楽しく過ごすための服をオーダーしたことによって発展していった経緯があります。

バカンスを心地よく過ごすための服ですから、「軽くて、リラックスできること」「動きやすいこと」などが求められ、いわゆる威厳を保ったり、礼節を強く表現する必要性はありません。

また、産業革命以降、工業化の波が英国からヨーロッパの各国へと波及していったわけですが、長靴のように縦に長い国であるイタリアの南部に位置するナポリは、その工業化の恩恵を受けることができませんでした。それ故、ミシンを利用することなく、手縫いで仕立てる文化が独自に発展していったわけですが、そのような一夏を過ごす”バカンス用の服”を”手縫い”で仕立てあげることによって、いわゆる「ナポリ仕立て」と言う、独特のスタイルが出来上がっていったわけです。

そのようなナポリ仕立ての中でもトップサルトの一角を担っているサルトリア ソリートは、スポーティで丸み帯びた柔らかいシルエットが特徴的。ハイゴージ&ワイドなラペルのスポーティさや、


ラペルロールが弧を描くように落ちていくシルエット。


また丸みのある、ナチュラルな袖付けなどにその特徴を見出すことが出来ます。


これに対して詳細は後述しますが、サルトリア ルコルトの持つスタイルは、ある意味では真逆のスタイルだと感じました。

よって、瞬間的には「自分のスタイルとは違うから・・・」と思いかけたのですが、わざわざお声掛け頂いたD氏との久しぶりの再会を実現する良い機会であったことに加えて、上述しましたように、サルトリアルコルトのインスタグラムから小澁修一郎氏が持つ、独自の美意識、美へのコダワリを強く感じたことが最終的には背中を後押ししました。

「美」と言うのは正解が1つあるわけではありません。様々な価値観、感性、感覚によって、また時と場合、更に時代によっても美の在り方が変わることだってある。

そのように考え直した私は、自分のスタイルとは異なれど、小澁氏の美意識、美の感性への強いコダワリ、意志に触れてみたいと思い、トランクショーへの参加を決断したのでした。

そんな”ご縁”によって、1月最後の週末に開催されたトランクショーへと参加することとなったのです。

■サルトリアルコルトのスタイル
ではサルトリア ルコルトのスタイルとはどのようなものでしょうか!?スタイルをどのように捉えるのかは、評価する人間がどのような服を見て、着てきたのかや、その人の感性、感覚が多分に影響するものですから、これが正しい唯一の見方と言うのは存在しないと思っています。よって以下に述べる内容は、あくまで私個人の見方、捉え方である点にご注意ください。

まずトランクショーにお誘い頂いたD氏は、サルトリア ルコルトのスタイルを「禁欲的でノーブル」と紹介されていました。具体的には、無駄を排除したミニマルさや、緻密で綺麗な仕立てであることから高貴さ。そして、それに伴う上品さが感じられるということだと私は捉えました。

実際にインスタグラムのアカウントに投稿されている仕立てた服を拝見すると、ショルダーラインやラペルからフロントカットにかけてのラインに迷いが一切ない、心地良いほどの潔さを感じます。


一般的にはラペルの表情や肩周り、ダーツの入れ方などによってスタイルを分けることが多いように思いますが、ゴージラインの位置やラペルの雰囲気からはミラノやフィレンツェのような空気感を感じつつ、肩回りはやや構築的でブリテュッシュの流れを感じさせます。


それでも、そんなサルトリア ルコルトのスタイルを私が一言で表現するのであれば、「皇族的」と言う言葉が一番しっくりとくる気がするのです。「貴族」ではなく、「皇族(Imperial Family)」です。


厳密な歴史的事実や定義ではなく、イメージ論なのですが、「貴族」、そして「皇族」と言う言葉からは”気品”であったり、”上品さ”と言うイメージを想起します。ただ”皇族”は、彼らの活動状況から人々に寄り添う”親しみやすさ”をも個人的には感じるのです

つまり、サルトリア ルコルトの服には”気品”や”上品さ”を感じつつも、どこかに着る人に寄り添うような”優しさ”、”親しみやすさ”の香りがすると。


そのように感じた私は、今回のトランクショーの会場であった「シェラトン都ホテル東京」の一室に入出し、ご挨拶や簡単な自己紹介をさせて頂いたのちに、真っ先に小澁氏がどのようなキャリアを歩まれてきたのか、その質問をさせて頂きました。
SARTORIA LUCOLT_トランクショー1

それは、スタイルに最も強い影響を与えるのはキャリアであると私は考えているからです。

すると、文化服装学院を卒業したのちに、スーツの本場と言えば英国と言うことで、イギリスに留学。しかし、産業革命発祥の地であるイギリスのテーラードの在り方は機械化、効率化が進んでおり、より服(スーツ)作りの本質に迫ることを意識する中で、サルトリア イプシロンの船橋氏と出会い、5年間ほど修行をされたとのことでした。

サルトリアイプシロンの船橋幸彦氏はカラチェニに学んだことで知られていますが、そのようなバックグラウンドを伺った時に、ルコルトの持つ、どこか貴族的な、気品ある雰囲気の源流を伺い知れた気が致しました。

また、独立後はすぐに顧客を多数持つことが出来るわけではないため、とあるサルトの下請けを行ったのだそう。

ルコルトは岡山に拠点を構えていらっしゃいますが、下請けを行うにあたってはサルトの近くのホテルに数か月ほど滞在し、直接そのサルトの縫い方、服の作り方を学んだのだとか。そのサルトの職人さんはイタリア南部にてキャリアをつまれた経験をお持ちですが、服作りの違い、技術など、多くのことを学んだと言います。

これは完全に個人的な解釈ですが、そう言ったイタリア南部の服作りのエッセンスが加わったことで、表面的には気品あふれる、上品な空気感を醸し出しているのですが、どこかにナポリ仕立てのような、生活に寄り添う優しさ、親しみを感じるのだと理解したわけです。

ちなみに下請けとは言え、パンツの仕立てから始まり、最後はジャケットの一部、またイプシロンではジャケットの丸縫いも任されていたそうですから、小澁氏の技術力に対する信頼感を感じるエピソードでした。


ところで、正直ルコルトでオーダーをするか否かは、当日のルコルトの服を直接目でみて、どう感じるのかや、良いと思える生地との出会いの有無といった、自分自身の直感に従って判断しようと考えていました。

実際、近くで見れば見るほどソリートとの違いを感じたわけですが、小澁氏がイプシロンでの学びを軸に置きながら、イタリア南部等、他の軸を取り入れることでご自身のスタイル、技術を昇華されていったように、私もソリートに軸を置きながら、その真逆のスタイルと私が評価したルコルトのスタイルを取り入れることで”自分自身も何かが変わるかもしれない”と言う期待感を持って、この度オーダーをさせて頂くことと致しました。

と言うことで、以上が前編となります。
後編はまた後日、お送りしたいと思います。