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Think Elegant !

ファッションを通して自らの人生と向き合い、美しいと感じるスタイルを追及するブログです。

スタイルは進化する!?

こんにちは!
本日は、「スタイルは進化する!?」と言うテーマで、コラム的にお送りしたいと思います。

それでは、まいりましょう。

■スタイルは進化する
さて、「スタイルを持つ」と言うのは実はなかなか難しい事だと思っております。アイテムで言えば、一目でどこのサルトで仕立てたスーツ/ジャケットなのかや、どこのメーカーのアイテムなのかが分かるような特徴や雰囲気等を有していることだと考えています。また着こなしであれば、どんなスタイルをしても誰の着こなしであるのかが分かれば、きっとスタイルを有していると言えるのではないかと思っています。

例えばアイテムで言いますと、私が好んで着てるイタリアはナポリのサルトであるサルトリア・ソリートなんかは、極めてベーシックなスタイルの中にも、ラペルやラペルロールの表情であったり、
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)SUPER150'S シングル3Bスーツ_着用イメージ⑧

ショルダー、袖の付け方に特徴があるため、見る人がみると、言わずともソリートのスーツやジャケットであることが一目で分かるような、独自のスタイルを構築しています。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)のSUPER140'S シングル3Bスーツ_2017ss_⑱

また、着こなしで言うならば、「●●的な着こなし」と言われるような着こなし。例を出せば、シンプルでベーシックな中にもエレガントさが感じられる「Sharon的な着こなし」であったり、最新トレンドを取り入れながら、程良いミックス感を絶妙にコントロールした「ビームス的な着こなし」と言われるスタイルがあるのは、それはやっぱり凄い事なのだと感じています。

このような中で、本日は「アイテムの持つスタイル」を取り上げてみたいのですが、実は「スタイルがある」とは言っても永久的に何も変わらないわけではなく、独自の中核的な要素は保ちつつも、微妙に変化・進化していたりするのです。

■スタイル進化のカギは、顧客にあり!?
では、少し具体的な例を取り上げてみたいと思います。

先日、「美しいラペルロールを復活させる方法!?」と言う記事の中で、イタリアはナポリのサルト(正確にはファクトリーの規模)である、アルフォンソ・シリカのスタイルについて少し触れておりました。

それは、ラペルロールの表情について。記事から当該文章を引用しますと、『もともとアルフォンソ・シリカはさほど立体的で弧を描くようなラペルロールを持つスタイルではない』と言うことを申しておりました。

実際、過去にご紹介しているアルフォンソ・シリカのラペルロールを振り返ってみますと、ちょっと分かりにくいですが、下記のようにラペルロールは弧を描くような、ふんわりとしたロールを持つスタイルではありません。
IMG_2965a[1]

これはジャケットのみならず、スーツも同様です。ラペルの返りがやや鋭角と言いますか、折り目を付けるような形で仕立てられているのが分かると思います。
アルフォンソシリカのラペルロール②

これは良い、悪いのお話ではなく、あくまで持っている独自のスタイルのお話です。

アルフォンソ・シリカは、作りのディティールこそ土着的なナポリメイドらしいハンドメイド感が前面に出ているのですが、全体としてのシルエットは細身であることから、モダンさも感じます。この土臭さとモダンさとのバランス感が上手い具合にミックスされている点がシリカの魅力の1つだと個人的には解釈しており、ラペルの表情やラペルロールにも、そんなモダンさが出ているように感じるわけです。

ところが、先日いつもお世話になっている南青山にあるセレクトShopであるSharonさんにお伺いし、シリカの2017年秋冬の新作を拝見したところ、このラペルロールの表情が劇的に変わっており、とてもびっくりしたのです。

その実物が、こちらです。なお、以下の3枚の画像はSharonさんの公式スタッフBlogより拝借しております。
アルフォンソシリカ_2017AW_Sharon①

ご覧の通り、ラペルロールが明らかにふんわりとした返りに変化しており、綺麗な弧を描いてフロントカットにつながっているのがお分かり頂けますでしょうか!?
アルフォンソシリカ_2017AW_Sharon②

最初は、撮影のためにSharonのスタッフさんがスチームアイロンなどでラペルを修正したのでは!?(笑)と思うほどの変化だったのですが、当然事実は違いました。実際には今回の2017年秋冬モデルから、このラペルロールの仕様になったとのこと。
アルフォンソシリカ_2017AW_Sharon③

Sharonさんで扱うシリカは、日本人向けに前肩仕様を強めると言ったパターンの修正を行っております。また、薄めの肩パッド(副資材)が入っているのがシリカの標準的な仕立てですが、このパッドを取り除き、より柔らかな着心地(とビジュアル)を実現する工夫を行う、と言ったエクスクルーシブな仕様になっていることは既にお伝えした通りです。

これに加えて、このふんわりと返るラペルロールを実現するために、中に入れる芯材のアドバイスなどを今回シリカ側に提供したそうです。これにより、今回からこの新しい表情となって仕上がってきたと言うわけですね。

シリカ氏もこのラペルロールには大変満足していたと言いますから、もしかしたら今後アルフォンソ・シリカの標準的なラペルロールの仕様が、このような形に変わる可能性もありますね。

以上のエピソードは顧客の声(商品を仕入れる小売店であるSharonさん)を踏まえて、メーカー(アルフォンソ・シリカ)が、そのスタイルを変化、進化させたと言う1つの事例(現状はSharonさんのエクスクルーシブ仕様)だと思うのですが、実はスタイルの進化とは言わないまでも、顧客が作り手に影響を及ぼしたと言う事例が他にもございます。

それは、サルトリア・ソリートにて仕立てられたスーツやジャケット等に縫い付けられるタグ。私が出会ったころのサルトリア・ソリートのタグは、下記のようなものでした。色が違うものもありますが、それでもとてもシンプルなタグ。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)のSUPER160'S シングル3Bスーツ_32

それがSharonさんと出会い、共同で作り上げた世界に唯一のサルトリア・ソリートの吊るしのラインである「Solito house exclusive per Sharon 」に付けられたのは、Sharonさんがデザインを提供したと言う以下のタグでした。同じくシンプルなタグですが、エレガントかつモダンささえ漂う雰囲気に仕上がっておりますね。
Sartoria Solito(サルトリア・ソリート)のSUPER160'S シングル3Bスーツ_23

この「Solito house exclusive per Sharon 」のタグをジェンナーロ・ソリート氏、ルイージ・ソリート氏ともに大変気に入ったようで、現在はサルトリア・ソリートのタグが以下のようなデザインに変更になっています。「Solito house exclusive per Sharon 」のタグと非常に近いですよね。
SARTORIA SOLITO(サルトリア ソリート)のヴィンテージウール 小紋柄ネクタイ_④

実は以前、ジェンナーロ・ソリート氏がトランクショーで来日された際、採寸等の作業が終わった後に比較的ゆっくりとお話をさせて頂く時間を持つことが出来ました。

この時、トレンドや時代感について大変興味深いことをジェンナーロ氏がお話されていたことを強く記憶しているのですが、それは、以下のようなものでした。

『自らトレンドを追うようなことはしない。なぜなら、それはお客さんが教えてくれるから。私たちはとてもお客さんに恵まれており、紳士的な方がとても多い。そんなお客さんの要望を聞いていると、自然とトレンドや時代感と言うものは把握出来るし、その中から自分達でこれは良いなと感じたものは、自らのスタイルにも取り入れるようにしている。』

正確ではないものの、こんな趣旨のお話でした。

自ら作り上げたスタイルを頑なに守り、「変化(進化)を求めないと言うのがスタイル」だと考えるサルトや職人さんもいらっしゃいますし、それはそれで素晴らしいことだと思います。

ただ、独自のスタイルを構成する中核的要素は守りながらも、時代時代の空気感を取り込みながら変化、進化しているサルトリア・ソリートのスタイルが私はとても好きですし、クラシックなスタイルをベースにしながらも、モダンさ、新鮮さを感じるあたりに、そんなサルトリア・ソリートとしての物作りに対する姿勢が反映されているように感じました。

このようなお話からも、実は”スタイルが変化、進化するきっかけは案外顧客が提供していたりする”のかもしれない!?と思ったり致しますし、実は確固たるスタイルを持っていると見受けられるサルト、職人であっても変化しているのだなぁと興味深く感じた次第です。

■変化を恐れない
皆さんご自身はどのように考えていらっしゃるのかは分からないのですが、「スタイルが変わる」と言うことに対してネガティブとは言わないまでも、あまりポジティブなイメージを持っていなかった自分がおりました。

確固たる、変わらないスタイルを持っているのが良いことなのだと。

でも実際にはそうではなくて、変化を恐れず、良いと感じたものにはチャレンジをしてみたり、時には取り入れてみると言う柔軟な姿勢があっても良いのかなと思い直しております。

そして、その中から自分なりのフィルターを通して取捨選択をし、1度取り入れても不要であれば手放せば良いのかなと。きっと、一度取り込むことで得るものはあったはずだと思うからです。

以前、高校の恩師がこんなことを言っていました。

『チャレンジしないで後悔するより、チャレンジして失敗した方が、学ぶべきことがある。だから何事にも恐れずにチャレンジすべきだ』と。

30代とは言え私もよい年齢になってきましたし、家族も増えて守るべき物が出来てしまうと、なんでもかんでも恐れずにチャレンジをする!のは時には難しいこともあるのかもしれません。それでも、ルールとマナーを踏まえた上でのファッションであれば、そんな恩師の言葉を当てはめてみても良いのかもしれません。

と言うことで、今後も自分で良いなと感じるもの変化を恐れずに積極的にチャレンジして、時には取り入れてみる中で、自分なりのスタイルを変化、更に進化させて行ければ!と思うのでした。長文ながら、最後までお読み頂き、ありがとうございました!







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